ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~【春玄】

この記事は約12分で読めます。
Nintendo Switch用ソフト 
ブランド:アイディアファクトリー 
ジャンル:女性向け恋愛ADV 
発売日:2020年9月19日

オトメイトさん、REDさんのNintendo Switch用ソフト「ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~」で斉藤壮馬さん演じるキャラクター、春玄の感想とネタバレをまとめました。

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キャラクター紹介

※「ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~」は乙女ゲーム制作ブランド『オトメイト/RED』の作品です。
 バナーの画像はこちらからお借りしております。

CVは斉藤壮馬さん。
源重成の息子。
重成も頼朝と同時期になくなっており、共に鞍馬寺に預けられた。
幼い頃より共に育った二人なので、彼女の秘密を知っている。

覚日に兵法と武術を彼女と共に叩き込まれている。
兵法をよく学んでおり、戦の戦術にも詳しい知略に長けた人。

仲間内では一番線が細く、顔立ちも女性的ながらも、常に一番近くで彼女を守ろうとする男らしい人。

感想

春玄の感想をいくつかの項目に分けてまとめました。

ビジュアルについて

見た目年下感満載の彼でしたが、同じ年で幼馴染なんですよね。
実は幼馴染という属性もちょっと苦手なんですよね(笑)
だって、現実の幼馴染なんて、二次元みたいな素敵なものじゃないですよ?(笑)
…という、幼馴染に夢を持てない境遇が影響しています。

それは設定上の問題であって、見た目は髪色が黒系な事を除いてはかなり好みです。
見た目好みだったのに…攻略してみたらそんなでもなかった事が残念です。

性格について

幼い頃から傍にいるから、すごく助けてくれます。
いつも彼女が女だとばれないよう、色々と気遣ってもくれます。

頭もいいし、人当たりもいいし。
性格的には完璧なんじゃないかと思います。

恋人として

幼馴染で色々知り尽くしていて、そして性格もよくて頭もいい。
いいところばかりなので、きっと素敵な恋人になってくれると思います。

…と他人事な感じの物言いで申し訳ないです(笑)
彼がというかシナリオのせいもあるのかな?
私はあんまりだってんですよね。
見た目すごい好きそうじゃないですか?
その辺りを後で私の好みを知り尽くしているお友達に聞いてみたいと思います(笑)

いい恋人になれそうですが、私は仲間として彼といたいなという感じです。

仲間として

仲間としても、気心も知れていていいんだと思います。
ただこのシナリオの展開だと、私が仲間として入り込む余地あるのかな?という気分に。

そう、本当にシナリオの展開が、なんかあんまり好みじゃないせいで、彼に対してもなんとなく否定的な気分になってしまっててごめんなさい。

最後に…

斉藤壮馬さんが大好きなので、すごく楽しみにしてました。
その分ショックが大きかったかな?という感じですね。

私は自己肯定感がものすごく低くて、「この世で何の役にも立たない私が、こうして存在していていいのだろうか?」とか。
そんなネガティブな事を実はよく思ってしまうタイプなんです。

そういう私の自己肯定感の低さも手伝ってるのかもしれませんが、春玄のシナリオは居場所を失くしてしまったようで辛く感じました。
結構早い段階でそれが来るので、ずっとショックな気分のまま物語が進みます。
そして彼個人の良さとか見つけられないまま、物語が終わってしまったのです。

主人公さんはちゃんとその状況を受け入れて進んでいるので、とても偉いです。
彼女が受け入れられたそれを、私は最後までうまく消化出来なくて
そんな感じでなんとも複雑な気分で攻略を終えてしまいました。

春玄本人は素敵な人だと思います。
今公式サイトで彼の紹介読んで来たら、無双だったら仕官したくなる人だし、どちらかというと陸遜タイプだと思うのです。
本来なら大好物な人なのに、残念です。
多分違う形で会えていたら、素敵な恋が出来たのかも知れません。

でも今回ごめんなさい。
あまり好みじゃなかったよ…という結果となりました。

ネタバレ(あらすじ)

もう大切な幼馴染じゃない。
お前は俺のただ一人の女性だよ。

本物の遮那王は?

平治の乱で源氏は破れ、源義朝は命を落とした。
妻である常磐御前はその美しさから、清盛の妾となることに。

けれど彼女には赤子がいた。
源氏の赤子だ。
平家に連れて行く事など出来なかった。
きっと殺されてしまうと思ったから。

赤子をどうしたらいいだろう?と困っていた彼女の元に、清盛の義母である池禅尼が現れた。
そうして出自不明の赤子を連れて来て、二人を共に鞍馬寺に預けるといいと知恵を貸してくれたのだ。
出自不明のその赤子は女児で、源氏の末子として男児として育てるよう、鞍馬寺に頼むよう言われた。
更に、自身の息子は、平家から守るために重成の子として寺に預けるように…と。

けれど義朝の子。
なのにそう名乗れないのならせめて…と、常磐御前は息子に義朝の刀を預けたのだ。
鞍馬に預ける際には、「重成の形見の品です」と嘘をついて。

そうして幼い彼女と彼は、その身分を入れ替えられ寺に預けられた。
知っているのは常磐御前と池禅尼だけ。
預かった覚日も、二人の身分が入れ替えられているとは知らぬまま、彼女を遮那王として育てた。
源氏の末子という事で、平家を倒すよう、源氏を背負うよう育てられた。

けれど常磐御前のその「せめて」の思いが、真実を覗かせてしまった。
二人が頼朝に参陣した際に、頼朝は気づいてしまったのだ。
彼が重成の形見として持っている刀が、自分の父義朝のものだと。

だから最初から疑っていた。
やけに女みたいな遮那王の事も、傍に控える彼の事も。

そうしてある時、頼朝は二人を伴い常磐御前の元へ。
そこで二人は真実を知らされたのだ。

突然自身が源氏の御曹司だと知った彼は当然戸惑った。
けれど彼女の衝撃の方が大きいだろう。
やっと家族と、兄と会えたと喜んでいたのに。
頼朝は兄ではなく、自分が何者かも分からなくなってしまったのだから。

偽りの御曹司

富士川の戦での活躍もあり、彼女は源氏の御曹司として認められていた。
皆に慕われ、兵士たちからの支持も得ていた。
一方彼は人を導く者として見られてはいなかった。
信頼はされているし、知略にも長けている。
事実、彼の立てた策で戦を勝利に導いてもいる。

それでも戦場で活躍を見せる彼女の方が、どうしても分かりやすく目立っているのだろう。
何より彼女は元から人を惹きつけるタイプなのだ。

けれど御曹司と慕われている彼女のそれは偽りの姿。
女性であるだけでない、実際は御曹司ですらない。
何者かも分からないのだ。

それでも頼朝が兵士たちに混乱を招くといけないから…と、本物の御曹司が彼である事は伏せるよう指示されていた。
彼はそれで納得しているようだったが、彼女は複雑な気分だった。
御曹司として扱われるたびに、彼のものを彼の場所を奪っている気がしてしまったから。

そんな複雑な気分のまま迎えた一ノ谷の戦で、彼は搦手軍の指揮を任させることに。
そこで「源氏の末子として戦果をあげてこい」と兄に言われていたのだ。
だから彼は鵯越の断崖から逆落としで見事奇襲を成功させた。

その戦功は多くの兵士からも評価された。
そうしてその夜の宴では、彼は大変な人気者となったのだ。

そんな様子を見ていた彼女は、自ら頼朝に進言したのだ。
春玄が実の弟だと発表するのなら、今がいいのでは?」と。
そうして兄頼朝により、本物の御曹司は彼であると発表された。

最初こそ動揺した兵たちだったが、概ね好意的に受け入れられたようだった。

法皇の策略

一ノ谷の戦で勝利した事で、頼朝軍は法皇に認められた。
そうして頼朝と共に、二人も謁見することに。
その席で頼朝は、法皇にも彼が実の弟であると報告。
そして彼女は一人の将として、今後も源氏のために働くと話した。

すると法皇は彼女が女性だと気づいていて、女武者と呼ぶのだ。
驚いた彼女だったが、性別を偽っていた事に関しては、特に咎められる事もなく、今後も源氏で将として働く事も認められたのだった。

全てが上手く行くかのように見えた。
義仲軍により苦しめられた民も、頼朝軍が京に入った事で、安心して暮らせるようになってきた。
だから一度地盤を固めるとして、頼朝は鎌倉へ戻り、関東の武士を統一。
その間彼と彼女が共に、京の治安維持に努めた。

二人の活躍はめざましく、京をよく治めていると貴族たちの間でも評判となった。

しかしこれがまずかったのだ。
元々今までも平家という武門が政治に口を出して来たから、現在の状況となったのだ。
今後源氏が同じように力を持てば、平家のようになるだう…と貴族たちは不安がった。
それほどに頼朝の勢力は大きくなり、人々からの評判も良かったのだ。

そんな貴族たちの不安に、法皇は「源氏を二分してしまえばいい」と、策を考えた。
そうして頼朝の留守に法皇に呼び出された二人は、「先の戦での活躍に報奨を与えよう」と言われてしまった。
彼には官位を与え、彼女は女性であるから法皇の一族になるよう、宮中に入れてやろう…と。

軍を率いる総大将の頼朝を差し置いて、自分たちが報奨を受けるなど以ての外。
その事は承知している二人だから、「兄の留守中に、そのような報奨をお受けする訳には参りません」と断った。
しかし「なに、頼朝殿にも京に来た際に、同じように報奨を授けるから心配するでない」と言われてしまう。

事実法皇の申し出を下の者が断る事など出来ないのだ。
どんなに丁重に断ろうとも、それはもう決定事項にも等しい。

けれど聡い彼は気づいていた。
法皇がなぜ兄の留守に敢えて報奨を与えようとするのか?という事に。
それは源氏を二分し、自分たちを貴族側に取り込もうとしているのだと。

兄を敵に回すとしても

自分たちを貴族側に取り入れるつもりならおやめください
法皇の目論見を言い当てた彼は、そう断るも相手は法皇だ。
結局しっかりと断る事が出来ないまま、二人は帰る事となった。

数日静かな日々が過ぎた。
その後法皇からは、何も言って来なかったのだ。
このまま頼朝たちと合流できれば…と思った矢先、法皇の使いが彼女の元へ。
そうして無理やり彼女を屋敷から連れ去ったのだ。

連れ去られた先は知らない屋敷。
何でも彼女のために用意したらしい。
そこで一月ほど宮中に入るための準備をし、その後宮中に入り法皇の一族になるのだという。

法皇の決めた事に逆らう事は出来ない。
頭ではそうと分かっていても、知らない男の所に嫁ぐなど出来るものか。
第一彼女はずっと男として育てられ、そして男として生きて来たのだ。

その頃、彼女が攫われた時に屋敷を留守にしていた彼が、彼女か法皇の使いに連れて行かれた事を知った。
すぐに法皇に彼女を返してもらおうと、謁見を申し込むも断られてしまう。
ならば自力でか彼女を探そう…と、毎日京の街を駆け回った。

彼だけでない。
他の家来たちも協力してくれるが、全く見つからないのだ。
だから彼は夜に彼女を探しに出ては、笛を奏でた。
笛の音ならばどこかで彼女に聞いてもらえるかも知れない…と思って。
彼女が好きだと言ってくれた音色を夜の街に響かせた。

彼の笛の音は、屋敷に捕らえられている彼女に届いていた。
だからもうどうしていいのか分からなかった彼女だが、その音色に勇気づけられたのだ。
なんとかして法皇様に会い、春玄の元に帰らなければ…と。

けれど彼も彼女も法皇に会う事は叶わない。
たまたま何度か謁見させて貰っていたが、法皇ほどの身分の人に、そう簡単に会える訳はないのだ。
ましてや法皇は源氏の力を二分しようと策を立てているのだ。
簡単に会ってくれる訳はないだろう。

それでも諦めず何度も謁見を申し入れては、夜に京の街を駆け回る彼。
そんな彼の噂が法皇に届き、ついに謁見出来事となったのだ。

そこで彼は彼女を知らない男に嫁がせられないと伝えると、「あの娘を好いておるのだな?嫁ぎ先はどこでも構わぬ。そなたの元に嫁がせてもよい」と言う法皇。
けれどそれには条件があった。
彼が官位を受けるという条件だ。

兄より先に、兄の留守に官位を受ける。
それは兄から見たら裏切り行為にしか見えないだろう。
それは十分理解していた。

それでも、彼女を他の男の妻になど出来なかった。
手元において置きたかった。
ずっとずっと好きだったから。
幼い頃からずっと。

だから彼は法皇の策に乗り、彼女を助け出すことを決めた。

壇ノ浦に向けて

屋敷に捕らわれている彼女の元に、彼が現れた。
そうして彼女は帰れる事となったのだが、あの法皇が何事もなく、簡単に彼女を帰らせてくれるとは思えなかった。
彼に確認してみると、案の定、官位を受けるという条件があった事が判明。
それが何を意味するのかを理解した上で、彼は彼女を救う事にした事も分かった。

だから二人は、壇ノ浦への平家追討のため京に頼朝軍が来ても、いつも通りだった。
自分たちに敵対する意思はないと、兄に伝えたかった。

けれど既に早い段階で鎌倉へも彼らの事は伝わっていた。
そして今では兵士たちの間でも、二人が裏切り法皇についた…と言われるように。

それでも彼らはあくまで頼朝軍の者として、戦支度を進めていた。
そんな中、頼朝に京の状況と準備の進度を伝えるために謁見すると、その表情から伝わったのだ。
自分たちを討つつもりなのだ…という事が。

それに気づきつつ、それでも気づいていないかのように振る舞う二人。
それも当然だ。
彼らは止むに止まれず法皇の策に乗っただけで、兄を裏切る気持ちなど微塵も持っていないのだから。

だからいつもどおり軍議にも参加。
彼の作戦は、壇ノ浦で採用される事となった。

そうして二人は覚悟を決めた。
きっと壇ノ浦で平家を討った後、自分たちも頼朝に討たれるだろう…と。

海の向こうへ、行ける所まで

迎えた壇ノ浦の戦いでは、彼の策が見事成功。
無事に平家追討を達成した。

捜索するよう指示されていた三種の神器も、彼らの乗り込んだ舟に積み込まれていた。
だから弁慶たちに、頼朝に三種の神器が見つかったと報告して来てくれ…と頼んだ。
すると弁慶たちがいなくなった直後、二人へと弓矢が放たれた。
放ったのは源氏だ。
頼朝と景時の乗った舟からのものだった。

ゆっくりと近づく頼朝と景時。
彼らはここで二人を討つつもりなのだろう。

すぐそれに気づいた二人は、即応戦。
みすみすここでやられてたまるものか!と奮闘する。
だって約束していたのだ。
壇ノ浦の戦いが終わったら、二人で共に過ごそうと。
源氏の御曹司としてでなく、源氏の男の将としてではなく。
一人の男と、一人の女として。

必死に戦う二人だったが、既に平家との戦いで消耗していて不利だった。
そうして二人は頼朝に斬られ、海へと落ちていく。
後少しで、源氏に縛られる事なく、二人が二人として共にある未来が手に入ったのに………。

二ヶ月後、二人は浜辺を歩いていた。
頼朝に斬られた傷はなかなか深く、未だ完治はしていない。
これでも手加減してくれたんだぞ」と言う彼は、実は壇ノ浦の前の晩、兄と話をしたのだ。
自分たちに兄を裏切るつもりはないけれど、兄の手で討ったように見せて欲しい…と。
そうする事で全てが上手くいくはずだからと。

そうして頼朝は、弟に頼まれたように誰にもその事を告げず、自分の心の中にだけしまい、弟を討ったように見せたのだ。
兄として、弟に源氏に縛られる事のない未来を贈ってくれたのだろう。

源氏から開放された二人。
もうどこへでも好きな所へ行ける。
以前彼女が旅をしたいと言っていた事があったのを思い出し、旅に出るか?という彼。
そんな彼に彼女は「いろいろな国を見て回りたい。そうだな、例えば海の向こうまで」と。

ずっと縛られて生きてきた二人が手に入れた自由。
それはどこまでも果てしなく広がっている。
だから二人ならどこまでも行けるはず。
海の向こうのずっと遠く、どこまでも行けるところまで。

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