シナリオ紹介
CVは細谷佳正さん。
カズヤの双子の兄。
サッカーが好きで小さい頃から活発だった。
将来はサッカー選手になると言ってスクールにも通っていた彼。
そんな彼の生活は事故から一変。
目覚めない弟の病院に通うためとサッカースクールも辞めてしまった…という現実世界の彼の物語。
館の名前のENDとは違い、現実世界で幸せになるお話。
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感想
そんなタクヤくんですが、もう、なんて言ったらいいのかわからないくらい、とにかくすご~く良かったです!
タクヤくん、カッコ良すぎます!!
現実世界ENDで触れられていたし、彼が気に病んで居たから私は知っていましたが、彼はずっと隠している事があって。
でも、それも男らしく白状して、ちゃんと謝罪すべき人にもそれを伝えて謝罪する事も出来て、本当に良かったですし、その彼の潔さが見ていて清々しくて、より大好きになりました、
タクヤくんのENDなのに、カズヤくんの様子とかも凄く分かって、一番気になっていたことも、彼のエンドでスッキリ解決されて、何から何まで本当に良かったです。
シナリオ的な良さももちろんですが、もう、細谷さんがとにかく凄かったです!
入野さんファンの私ですが、今回は細谷さんを絶賛させてください(笑)
細谷さんがタクヤくんで本当に良かったです。
他の方だったら、ここまで感動できなかったかな?と思います。
ヒロインとの向き合い方なんかも彼らしくて素敵でしたし、そういうの凄く上手に表現して下さった細谷さんに感謝です。
ありがとうございます。
タクヤくんも山都くんも、本当に大好きです!
細谷さん、素敵なタクヤくんをありがとうございました。
ネタバレ
ベストENDと同じ流れ。
みんな無事に帰還出来た後のお話。
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目覚めた彼女は、何週間も眠り続けていたらしく、本人はなんともないと言っても、父や先生が心配してなかなか学校に復帰できずにいた。
そんなある日、彼から連絡が。
呼び出された場所は、幼い頃よく遊んでいた公園。
すでに学校に復帰している彼は、制服姿。
まだ学校には行ってないという彼女を呼び出した事を謝る彼。
そうして大事を取ってるだけだから平気だという彼女に、彼は重大な告白を始めた。
それはあのサマーキャンプの日の出来事。
ケガをしたカズヤの膝のリボンが解けそうになった時の事。
直してやる…と言った彼は、そのリボンが失くなってしまえばいいと、わざと緩めに結んだのだ。
そうしたら彼女とカズヤが喧嘩になり、カズヤが彼女に嫌われると思ったから。
酷い考えかもしれない。
でも彼は彼女が好きだったし、弟が羨ましかったから。
好きなのについつい意地悪をして彼女と話せない自分と、いつも気づくと彼女を独り占めしている弟。
あんな風になりたいのに、そうは出来なくて。
だから「嫌われてしまえばいい」なんて思ってしまった。
口下手なカズヤはいつもみんなの輪に入れず、彼女はそんなカズヤを気にかけていた。
それがずるいと思えてしまった。
カズヤなんていなくなればいい…と思ってしまった。
でも本心じゃない、ただ羨ましかっただけ。
なのに。
カズヤは本当に目覚めなくなってしまった。
自分のした小さなイタズラが、弟をずっと眠らせ、ナツキの命を奪ってしまった。
全部自分の起こしてしまった事。
小さな嫉妬心が、大きな事件を起こしてしまったのだ。
だけど誰にも言えなかった。
恐ろしくて口に出来なかった。
そうして彼は一人でその重い荷物を抱えて生きてきた。
どんなに時が流れても、あの日から歩き出せないまま。
一方、そんな話を聞かされた彼女もまた、同じ傷を抱えていた。
だって館の探検は自分が言い出した事だから。
彼女が言い出さなかったら、誰も館に行かなかったし、ナツキが亡くなる事も、カズヤが植物状態になる事もなかったはずだから。
そうして引っ越した彼と、街に留まった彼女。
暮らす場所は違うのに、同じ傷を抱えて生きてきた。
あの日からずっと今日まで。
もうあの日の事を乗り越え、今を生きているアキには、傷の舐めあいだと言われたけれど、それでも二人は心地よかった。
同じ傷を抱える者どうし、寄り添い合う時間が。
そうして二人で過去に縛られてしまっていた。
あの館に行く前は。
けれど、彼も彼女もこうして戻って来る事が出来たから。
だから彼は決意した。
未来へとあるき出す事を。
そのための第一歩が、自分が抱えてきたものを正直に彼女に伝える事だったのだ。
そんな彼の話を受け止め、彼のした事を彼女は許すと言ってくれた。
だから彼は続けた。
「本当はカズヤの事もいなくなればいいって思ってた」と。
それは幼いあの日の話じゃない、今だって。
サッカー選手になる事が夢で、スクールにも通っていた。
本当になれると思っていた。
けれど、あの事故以来辞めてしまったスクール。
そしてただ毎日弟の為に生きる日々。
毎日通う病院、目覚めない弟。
縛られ続け動けない日々は、あとどれだけ続くのだろう?
弟は本当に目覚めるのだろうか?
出口の見えない暗いトンネルの中にいるような毎日。
だから彼は心が折れそうになり、時折思ってしまう。
カズヤさえ居なければ…と。
そうしたら、自分の今の生活はきっと違っていたバスだ…と。
毎日の病院通いだって、ただの罪悪感からなんだ。
そう呟く彼に、彼女は伝えた。
そんな事はないと思う。
本当に罪悪感で通っていたなら、毎日なんて続くはずはないよ。
それに館に居た時だって、タクヤくんは早く帰りたがっていた。
誰かが待ってる気がする…って言ってた。
それはズヤくんの事を大事に思っているからだよ。
そう言った彼女の言葉に、カズヤに本当の事を話そうと思う。
そして謝りたいんだ。
だからおまえも傍に居てくれないか?と頼んだ彼。
そうして二人でカズヤの病室へと向かう。
目覚めてはいるものの、長く眠っていたカズヤは、まだ体は思うように動かずリハビリに励んでいた。
そんな弟に、彼はすべてを告白し、謝った。
すまなかった…と。
初めは難しい顔をして聞いていた弟も、「お互い様だから」と許してくれた。
自分だって、タクヤが羨ましくて、タクヤなんて居なくなればいいって思った事がある…と。
そんな話をし、兄を許したカズヤは、兄が腕に巻いてくれたリボンを彼女に返した。
「タクヤの事よろしくね」と彼女にだけ聞こえるように伝えながら。
これからも会いに来る…とカズヤと約束を交わした彼女と、家へと帰る途中。
彼はもう一つ告白する事があると切り出した。
好きだったって言ったけど、あれは嘘だ。
俺は今でもおまえが好きだ…と。
そうしてその言葉を聞いた彼女もまた、彼の事が好きだと告げた。
あの頃も好きだったけど、再会してもっと好きになった…と。
カズヤが返してくれたリボンは、お母さんのリボン。
当時の彼女には、まだ似合わなかったそれ。
いつか憧れのお母さんみたいな女性になって、リボンを付けるのが彼女の夢だった。
だから彼に「似合うかな?」と訊ねてみた。
すると彼は「ずっと思ってたんだ。おまえにはこんなリボンが似合うだろうなって」という彼が、彼女の髪にリボンを結んでくれ、「似合ってる」と褒めてくれた。
いろんな事があったサマーキャンプ。
館のときも今も、彼が居てくれたから、辛い事も乗り越えられた。
だから彼女は思った。
これから先も、彼が居てくれるのなら、どんな事も乗れ越えられると。
まだ憧れのお母さんには、届かないかもしれない。
それでも彼がリボンを結んでくれ、似合うと言ってくれたから。
少しずつ憧れに近づいていくける気がしていた。
同じ傷を持つ二人だから。
きっとこれからも互いを支え合い、どんな困難も乗り越えて、きっと幸せな未来にたどり着く事だろう。
そんな二人をカズヤはもちろん、天国のナツキも見守ってくれる事だろう。
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