オトメイトさんのNintendo Switch用ソフト「キューピット・パラサイト」で榎木淳弥さん演じるキャラクター、螢彩院・F・琉輝の感想とネタバレをまとめました。
キャラクター紹介
※「キューピット・パラサイト」は乙女ゲーム制作ブランド『オトメイト』の作品です。
バナーの画像はこちらからお借りしております。
CVは榎木淳弥さん。
外見パラサイトと呼ばれるパラサイト5の一人。
祖母は有名ブランドKEISAI:IN有名なデザイナー、螢彩院典子。
幼い頃よりモノや文字に色が見える共感覚の持ち主。
そのため早くから才能を見抜かれ、祖母にデザインを学ぶ。
共感覚のせいで人から気味悪がられ、更にははっきりと物を言う性格のため、友人と呼べる存在は愛犬の花楽だけ。
そんな彼に物怖じしない態度を見せた主人公とは、次第に親しくなり…。
感想
螢彩院くんの感想をいくつかの項目に分けてまとめました。
ビジュアルについて
とてもかっこよかったです。
気の強そうな顔立ちの年下さんは、大変好みなので、そのあたりも好きです。
Twitterでもつぶやきましたが、螢彩院くんの色は緑なんですよね。
私の部屋のテレビでは、なぜか黄色に見えました。
が、その黄色が彼の全体にとても合っていたので、黄色も素敵だったよ…という事を皆さんに伝えたいです(笑)
線が細い感じも好みでした。
多分キャラの中で一番細身で中性的な感じの要素があるのが彼なんじゃないかと。
どちらかというと線は細い感じが好みなので、そこもすごく良かったです。
性格について
初見ではキツイ人かな?と思いました。
でも、彼をよく知ると分かるのですが、キツイ訳じゃないんですよね。
言い方似てますが、厳しい人です。
良くも悪くも、大変ストイックです。
仕事に感じても、美に関しても。
だから自分にも当然厳しいですが、人にも同様なものを求めてしまう所があるようです。
でも彼の仕事への真摯な取り組み方、そしてどれほど服が好きなのかを知ると、そのストイックさも愛おしく感じました。
またストイック過ぎて、心配にもなりました。
外見にこだわりすぎる性格も、彼個人がというよりは、家系的な要素が大きいということも、プレイが進むにつれて見えてきて。
そういうのがわかると、ダメな所ないように感じられました。
本当に外見パラサイトである事以外は、恋愛講座の講義のときの先生の話もよく聞いていたようですし、模擬デートのときもエスコート上手でしたし。
恋人として
先程も書きましたように、模擬デートのときもとても素敵だったんです。
デートの前に、主人公のことを綺麗にしてくれて。
それが服装を飾るだけじゃなく、エステにいく所から(笑)
外見に関するダメ出しは多いのですが、その人本来が持っているものを否定する事は決して言わない。
努力してない所にだけダメ出しする。
そんなとろこがとても素敵でした。
だから彼的には「伸びしろあるんだから、ちゃんと努力してよね」という所なんだと思います。
そうして彼の隣にいる事で、自分が磨かれて、知らなかった自分に会えそうな予感がします。
そういう意味でも、彼とはぜひお付き合いしたいなって思いました。
そしてストイック過ぎて心配な所も、好みなんですよね。
ずっと見ててあげないと危うい…と思わせるもの。
それが彼にはあるので、そういう儚げな繊細な雰囲気も大変好みでした。
仲間として
認識出来るレベルであれば(笑)、色々アドバイスくれて、とてもいい仲間だと思います。
何より、彼のシナリオで、CCとコラボ企画みたいな事が発動したのです。
そこでは恋人というよりは、仕事仲間として活動する展開で。
そこもすごく良かったんですよね。
辛辣ながらも、ちゃんとアドバイスしてくれる。
そして彼女を通して次第に変わってくると、認識出来ないレベルの人にも手を差し伸べてくれる感じが良かったです。
Ryukiでレディースラインだした時も、おしゃれが苦手な子に手を差し伸べてくれているのかな?と思える様子が見えたり。
何より彼のお陰でメラニーさんが活躍した事が嬉しかったです。
その活躍の裏には、彼の厳しい指導と、アドバイスがあったから。
そんな風に助けてくれる所も、仲間としても頼もしいかな?と思います。
それでも私は仲間であるより、彼とは恋人で有りたいと思いますが(笑)
ときめきポイント
「プラダを着た悪魔」のように、どんどん綺麗にしてくれる彼が本当に素敵でした。
彼のシナリオのお陰で、アコニットさんが主演の「ラクダに乗った女神」が「プラダを着た悪魔」だと分かれたことも(笑)
ラクダに乗っちゃってるせいで、全く予想出来ませんでした(笑)
共通ルートでスケッチをしていた様子。
仕事に対するストイックさが見えてときめきました。
花楽ちゃんとちーちゃんの関係が可愛かったです。
ここも動物好きにはときめきポイントでした(笑)
家族が実は仲良しな所も良かったです。
ここも家族大好きなな私にとって、ときめきポイント。
きっと彼とも仲良し家族になれるかな?と思えたので。
模擬デートと本気デートのエスコートぶり。
ここもときめきポイントでした。
両方とも上手にエスコートしてくれる中、本気になるとこんなにも可愛く笑ってくれるのね…というときめきをお姉さんにくれた彼は最高だと思います(笑)
お姉さんはあなたが大好きです(笑)
ネタバレ(あらすじ)
今の僕にはあんたが一番かわいく見える。
世界中の誰よりも。
KEISAI:IN
有名なファッションブランドKEISAI:IN。
創設者である螢彩院典子の孫が彼だった。
有名デザイナーの孫として生まれた彼には、生まれながらに共感覚があった。
ものや文字に色が見えるのだ。
だから人を見ても、その人に色が見える。
けれどそんな感覚を持たない普通の人々にとって、彼の感覚は理解し難い。
色の話をされても、見えないものには答えようがないのだ。
そんなデザイナーとして恵まれた才能になりうる能力でも、普段の生活の中では、彼を孤独にするものでしかなかった。
幸い彼は服が好きだったのだ。
絵本を読んでは、そのお姫様たちのドレスをデザインしたりしていた。
こんなドレスを着せてみたい…と。
けれど彼の感覚を気味悪がる親戚の大人たちは、彼がドレスをデザインしているのを見ては悪口を言っていた。
KEISAI:INはメンズのブランドなのに、女の服なんてデザインしても意味がない…と。
だから彼は封印してしまったのだ。
心からデザインしたいと思ったレディースへの気持ちを。
そうしてKEISAI:INのデザイナーとして相応しいよう、メンズのデザインに励んできた。
けれど元々彼はレディースの服のデザインが好きなのだ。
だからメンズをデザインしてもオリジナリティーに欠けてしまう。
いつもどこかKEISAI:INを意識したものばかりだった。
デサインのための婚活
何度も何度もデザインをした。
これはよく出来た!と思ったものは、何度も祖母に見せた。
けれど一度も褒めてくれる事はなかった。
昔はよく褒めて貰ったのに。
いつからこうなってしまったのだろう?
そんな不安を抱えた彼は、日本を飛び出したアメリカへとやって来た。
そこでも祖母の名は大きく、螢彩院家の人間として色眼鏡で見られてしまう。
それでも彼は一人努力して、KEISAI:INで採用されないのなら…と、自身でブランドを立ち上げた。
それが彼の名前から取ったRyukiだ。
それでもこれで満足などしていなかった。
彼のデザイン学校の生徒は、皆若いうちから自分のブランドを立ち上げたりしていたから。
だから彼のこれはあくまで通過点に過ぎなかった。
いつかKEISAI:INのデザイナーになるための。
努力する彼に、祖母も姉も今のままではだめだという。
そうして二人はCCに入会し、結婚する事を勧めたのだ。
もちろん彼に結婚願望などまだなかった。
19才なのだ、当然だろう。
それでもデザインのために必要な事ならばと、二人に言われるままにCCに入会し婚活を始めた彼。
しかし螢彩院家の者は皆顔面偏差値にうるさい。
家訓にも顔面偏差値の高いものと付き合うように書かれているくらいだ。
そんな彼が満足出来る相手など、そうそういないのだ。
だからとモデルや女優など、美しい女性を紹介してはくれるのだが、彼女たちがよりよくなるようにアドバイスしてしまうから、結局うまくは行かなかった。
彼にしてみれば、もっと努力すれば綺麗になれる…という善意なのかもしれない。
けれど美意識の高い女性が、ダメ出しをされるのだ。
怒る人だって当然いるだろう。
そうして彼は誰を紹介してもうまく行かない、外見パラサイトしてCCの問題会員の一人となってしまったのだ。
彼女との出会いと再会
けれど、彼の転機はそこにあったのかもしれない。
パラサイト5の一人となった事で、彼女に出会う事が出来たから。
彼女は面白い人だった。
ハッキリものを言う彼に、みんな恐れをなして何かを聞いても自分の意見など言ってくれない。
店の店員にしたって、彼が厳しいからすぐに辞めてしまうのだ。
なのに彼女だけは違った。
彼の色の話にも特別気味悪がる様子もなければ、物怖じせずに話をするのだ。
そうしてパラサイト5として彼女が担当になり、彼の新しい婚活が始まった。
講師を呼んでの恋愛講座に参加したり、彼女を相手に模擬デートをしたり。
更には番組の企画として、パラサイトハウスなるものに参加。
彼女を始め、パラサイト5のメンバーと共同生活もした。
そんな1ヶ月に渡るパラサイトハウスの番組が終わる頃、彼らの中に変化が訪れたのだろう。
示し合わせたかのように、全員が退会してしまったのだ。
退会後は、彼はいつも通りの生活をしていた。
唯一忌憚ない意見を言ってくれる貴重な存在だった彼女。
でも、きっともう会うことはないのだろう…と思っていた。
ところがそんなある時、彼女から連絡が入った。
ちょうど彼はヨガウェアーをつくる事になっていて、自身の試作品がヨガの動きに対してどう動くか?を検証するため、ヨガに参加しようとしていた。
しかしそこには女性ばかり、さすがの彼も気後れしていた所だった。
そんなタイミングで彼女が連絡をくれたものだから、彼女と共に参加する事が出来た。
更にはこの女性用のヨガウェアーに合うものをデザインして欲しいとの依頼だと聞いた彼女が、「螢彩院くんのウェアーじゃ、この女性用とは合わないんじゃない」と意見もくれた。
そして普段ブライダルアドバイザーとして、様々な会員と会話をしている彼女だから、男性会員でヨガをしている人たちの言葉を思い出して、それも併せてアドバイスしてくれたのだ。
合わせて作るという依頼でも、彼は自分のデザインをしていた。
でも、違ったのだ。
合わせて作るという事は、並んだ時にどう見えるか?ということも大事だったのだ。
そんな新たな発見を、再会した彼女がもたらしてくれた。
着る人のための服
彼女の用事は会員の結婚式に関するものだった。
彼女の担当している男性会員が、KEISAI:INの大ファンで、KEISAI:INでブライダルコレクションをやる予定があれば、結婚式を延期しても構わないというのだ。
だから孫である彼に、今後そんな予定があるかどうか聞いて欲しいと。
現在祖母と積極的に連絡を控えている彼。
だから螢彩院家のも者とはいえ、KEISAI:INに関わる情報は、一般人と同じくマスコミから知るものだけ。
それでも、数年前に彼がタキシードのデザインをした時に「うちではブライダルは扱わない」と祖母が言っていたのだ。
だから彼は、「待つだけ無駄だと思うよ」と返答したのだった。
ところがその数日後、KEISAI:INがブライダルに参入とのニュースが。
彼女の担当会員はそのニュースに大喜びする一方で、彼はひどくそのニュースに傷ついていた。
ブライダルはやらないと祖母は確かに言ったのだ。
けれどこうしてブライダルに参入している。
つまりは、僕のデザインがダメだという事じゃないか…と。
そう彼が落ち込んでいる頃、彼女から仕事の依頼があった。
CCとRyukiでコラボ企画をお願いしたいというものだ。
彼のセンスで、参加した会員に似合う服や色をアドバイスして欲しいと。
そうしてCCとの企画が始まった。
当初は彼の口の悪さが心配だったものの、すかさず彼女がフォローする事で、辛辣ながらも彼のアドバイスや教えは大変好評を博した。
更にはその企画の中で、彼女の担当しているメラニーという女性と知り合い、一般人は服を選んだりコーデしたりがとてもむずかしいのだと知った。
それがまた彼の転機となったのだ。
彼女や会員たちの言葉に感化され、彼は久しぶりにレディースのデザイン画を描いてみた。
するとこれが本当に楽しいのだ。
デートで女性が可愛く見える服。
彼は初めて着る人のことを考えてデザインする楽しさを覚えた。
そうしてデザイン画を彼女に見せると、お世辞抜きで大絶賛。
彼女にも着てもらいたくて、彼はすぐに自身のブランドでレディースを販売する事に。
かけがえのない存在
Ryukiのレディースラインは、彼女との会話から、デートに何を着たらいいか分からないという女性が、全身コーデできるように立ち上げたもの。
そうしてオープンの日、訪ねてくれた彼女に試着をしてもらうと、その様子を外から見ていたお客が店に入って来た。
そう、服はマネキンに着せているだけではダメなのだ。
人が着て動きが出る事で、初めてそれの良さが人に伝わるものなのだ。
忙しくてそんな基本的なことも忘れていた彼だったが、すぐにそれに気づいた。
そうして彼女に試着している服をプレゼントするからという条件で、店員として手伝ってもらう事に。
更には彼女と共に来店したメラニーにも、似合う服を選び、デート用のコーデが完成した。
そうして彼女の手助けもあり、準備した全てが完売し、オープン初日は無事に幕を下ろした。
その後忙しさで食事も出来なかった二人は、彼の家に行き、彼のお手製の和食に舌鼓を打つ。
初めての和食だと言いながらも、美味しいと喜んだ彼女は納豆まで喜んで食べてくれたのだ。
そんな様子に忘れていたものを思い出した。
あぁ、誰かと食べる夕食は、こんなにも美味しいのだと。
だからなんとなく彼女と離れがたく感じ、彼女もまた同じ事を考えていると、突然の雷雨に見舞われ停電。
暗いのが怖いのか、怯えたような声を出す彼に、彼女はレディースラインのオープン記念に購入したアロマキャンドルを灯りとしてともしてくれた。
雨で気温が下がった中、二人で毛布をかぶってキャンドルの灯りに照らさた時間は、彼をいつもよりも素直にさせた。
そうして彼の中で次第に彼女はかけがえのない存在となったのだ。
デザイン出来ない
パラサイトハウスが終了し、パラサイト5が退会してしばらくたった頃、CCにはパラサイト5への取材依頼が。
そうして退会はしたものの、依頼に応えるべく、久々にパラサイト5が集まった。
今回は編集の仕事をしているギルが記事の編集をし、琉輝がデザインした服で5人の撮影をするという企画だった。
皆で集まった中、彼は彼女を避けるようにしていた。
どうしてか彼女が可愛く見えてしまうのだ。
今までと違う色に見えるのだ。
だから撮影には、LYコレクション用にデザインしている服を使う!と言ったものの、本当は自信がなかった。
だって彼女が可愛く見えて、違う色に見えるという事は、自分の価値観が変わってしまったという事だから。
つまり今までのように、ものの良し悪しを見分ける目を失ったかもしれないのだ。
デザイナーにとっては死活問題だ。
そうして依頼を受けた彼は、部屋にこもり四苦八苦していた。
なんとかしていいものをつくりたい!と。
それでも分からない。
どれが良くて、どれがダメなのか。
今の彼にはさっぱりわからなくなってしまったのだ。
だからろくに寝ないで、まともな食事もしないでデザインした。
そして体力の限界に達した彼は、そのまま倒れてしまったのだ。
そんな彼を案じた愛犬の花楽は、家を飛び出した。
匂いなら覚えている。
この前遊びに来てくれたあの人を連れて来ればいい。
そうすればご主人を助けてくれる。
そうして花楽はCCまで行き彼女を見つけ、彼の倒れている家まで連れて来た。
彼女が来て看病してくれたお陰で、彼は無事に目を覚ました。
作って貰ったおかゆも食べた。
それでも怖くて彼女を追い出してしまった。
自分の根幹が揺らいでいるようで、心もとなかったから。
世界で一人だけ特別に
絶対的な美意識。
それが変わってしまったかもしれないという不安。
だから彼は彼女を避けるしかなかった。
怖かったのだ。
これ以上何かが変わってしまう事が。
だって僕はデザイナーなんだ。
一人前になってお祖母様に認められなきゃならないんだ!
以来彼は仕事で彼女と関わる際にも、彼女と目を合わせなくなった。
彼と近づけたように感じていた彼女は、彼の態度に落ち込んでいた。
そしてそんな彼女の落ち込みにメラニーが気づいたのだ。
その原因が彼であることも。
弱気だったメラニー。
けれど彼のお陰でオーウェンとのデートもうまくいった。
彼はメラニーの服を選んだだけでなく、ちゃんとオーウェンの服もメラニーの服装に合わせて選んでくれていたのだ。
だから彼女も彼もメラニーにとっては大切な恩人だった。
そんな二人が困っているのなら、助けなければ!と、以前は内気だったメラニーが立ち上がった。
そうして彼の店を訪ねたメラニーは、彼に言うのだ。
「ミラーさんを好きだと認めてください」と。
でも彼はそんな事は出来ないという。
「デザイナーなのに、彼女が一番綺麗に見えて、美意識がおかしくなってしまったんだ」と嘆く。
するとメラニーは「そんなの当たり前じゃないですか!」と言い放った。
好きになったら、その人が一番素敵に見えるのは当たり前なんです。
他の人が今までと同じに見えるのなら、構わないじゃないですか?
世界で一人だけ特別に見える。
それが恋をしているって事なんです。
そんなメラニーの言葉にハッとした彼。
そうだ、他の人は今までと同じに見える。
だったら何も問題ない。
僕がおかしくなったんじゃなく、ただ僕は彼女に恋をしただけなんだ。
そう分かった途端、今まで出来なかったデザインがまた出来るようになった。
スケッチを見ても、どこがおかしいのかちゃんと分かる。
もう何も心配要らない。
彼女のためだけのウエディングドレス
彼女に気持ちを伝えよう!
メラニーの後押しでそう思えた彼の元に、祖母から電話が。
彼に相応しい顔面偏差値の女性を見つけたから、その人と結婚しなさい…と。
以前の彼ならば、きっとおとなしく従っていただろう。
お祖母様がそういうのならと。
けれど今は違う。
もう彼女以外考えられない。
だから彼は決意した。
彼女を祖母に会わせて祖母を納得させようと。
そうして彼女をデートに誘った。
以前の疑似デートではない、本物のデート。
そこで彼女に告白するために。
以前からエスコート上手だった彼。
けれど今回は彼女への想いに気づいていることもあり、一段と優しくエスコートしてくれる。
そうして前回には見られなかった優しい笑顔も。
楽しいデートが終わりに近づくと、帰りたくないと思った彼女。
けれどどうしてそう思うのかは分からない。
楽しかったからか、また話せるようになったからか。
そんな彼女に彼は気持ちを伝えた。
好きだと。
お祖母様に紹介したい…と。
彼の言葉に戸惑っている彼女に、返事は今すぐじゃなくていいと告げた彼は、「OKなら12月1日にCCの前に来て欲しい」と続けた。
それから彼は一人彼女にウエディングドレスを作った。
どうしても作りたくてたまらなくて。
彼女に着せるものだからと、誰の手も借りずに、全て一人で作り上げたのだ。
そうして迎えた約束の12月1日。
約束の場所へたどり着いた彼。
しかしそこに彼女の姿はない。
OKなら来て欲しいと頼んだのは彼だ。
つまりはOKでなければ彼女は来ない。
不安な気持ちで待っていると、彼女の友人のクラリスに声を掛けられた。
クラリスは彼女がどこにいるのかを知っていて、式場でドレスを着ている…と教えてくれた。
まだクラリスは話の途中だったようだが、最後まで聞いてなんていられない。
だって式場でドレスって、誰かと結婚するって事だろ?と思ったから。
「その結婚、待ったー!」
慌てた彼は、クラリスの話の途中で手にたドレスをそのままに駆け出した。
CCの式場へと向かって。
そうして大声で扉を開けると、そこではドレス姿の彼女を撮影していたのだ。
そう、彼女は他の誰かと結婚するわけでもなく、彼を選ばなかった訳でもなかった。
ただ彼の気持ちに応えるために早くCCに着きすぎて、そこで来られなくなったモデルの代役として、急遽撮影する羽目になっただけだった。
それを聞いた彼は安堵したものの、「何そのダサいドレス」と文句をいい、自分の作ったドレスを彼女に着せた。
彼女に似合うドレスは僕にしか作れない…と自信があったから。
彼のドレスをまとった彼女の美しさに驚いた撮影スタッフは、急遽このドレスで撮り直す事となり、撮影は無事に終わったのだった。
撮影を終えると、彼女の手を引きCCを出る。
向かう先は祖母の待つホテルだ。
そこには彼に相応しい顔面偏差値だという女性も来ている。
そこに彼女を連れて行き、この人と結婚したい!と宣言する予定なのだ。
顔面偏差値100の婚約者の正体は?
たどり着いたホテルで二人を待っていたのは、祖母だけではなかった。
メイキャップアーティストとしてシリウッドでも活躍する姉も一緒だった。
そうして彼女がいるにも関わらず、紹介されてしまった女性はなんと………彼女の母だった。
そう、ヴィーナスだ。
「ママなの?」と驚くと、実はCCの会員として現れ、彼女に担当して欲しいと言っていたあの女性がそもそもママだったのだ。
娘の仕事ぶりを近くで見たくて、神界から人間界までやってきたらしい。
なんとも自由な母親だ。
もちろんヴィーナスである彼女の母だから、彼から見ても顔面偏差値は100だった。
それも当然だろう。
美を司る神なのだから。
そして彼女の母である事を知り、また彼が彼女との結婚を望む事を告げた所、祖母は快く了承してくれたのだ。
更には彼がRyukiのレディースラインを立ち上げた事も、その服がどんな服なのかもすでに知っていた祖母は、彼の服をとても褒めてくれたのだ。
着る人の事を考えたとてもいい服を作れようになった…と。
そんな祖母に彼は告げた。
「僕がKEISAI:INを継ぎたい」と。
祖母は元々彼の母に継がせようと思っていたのだが、母は現在ヴァイオリニストとして活躍している。
更に姉はデザイナーではなくメイキャップアーティストに転向してしまった。
だからなんとしても自分が継がねばと気負いすぎていた彼。
それもあって、本当は好きだったレディースの服のデサインだって、封印してきたのだ。
けれど祖母はレディースの服を否定する気など全く無かった。
それどころか、KEISAI:INでレディースを出しなさいと、彼のために「KEISAI:IN+Finn」というラインを立ち上げてくれる事になったのだ。
これからはレディースはKEISAI:INで展開し、メンズは今まで通りRyukiでデザインを続けるという彼。
そんな彼の服は祖母に認められていただけではなかった。
海外にいる母が雑誌に載っている写真を姉が見せてくれたのだが、その母が身につけているのがRyukiのレディースラインで販売した服だったのだ。
家族みんなバラバラに生活している螢彩院家。
けれど離れても、家族は家族を思いやっている。
とても仲良しな家族だった。
それを知る事が出来たのも、KEISAI:INから服を出せる事になったのも、彼女と出会えたから。
彼女と出会い、変わった事で、彼は着る人を思いデザインする楽しさを知ったのだ。
きっとこれからも彼の作る服は、沢山の人を幸せにする事だろう。
そうして彼女と共に、螢彩院家のみんなのように、強い絆で結ばれた温かな家庭を築く事だろう。
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