明治活劇 ハイカラ流星組 -成敗しませう、世直し稼業-【咲村賢】

この記事は約15分で読めます。
Nintendo Switch用ソフト 
ブランド:アイディアファクトリー 
ジャンル:明治世直し恋愛AVG 
発売日:2020年9月24日

オトメイトさん、イチカラムさんのNintendo Switch用ソフト「明治活劇 ハイカラ流星組 -成敗しませう、世直し稼業-」で石川界人さん演じるキャラクター、咲村賢の感想とネタバレをまとめました。

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キャラクター紹介

※「明治活劇 ハイカラ流星組 -成敗しませう、世直し稼業-」は乙女ゲーム制作ブランド『オトメイト』、『イチカラム』の作品です。
 バナーの画像はこちらの公式Twitterからお借りしております。

CVは石川界人さん。
若くして銀座で舶来屋を営むやり手。

帝都に出て来たばかりの頃は、酔いつぶれている所を彼女に拾われた。
そうして彼女と母と三人で長屋で暮らしていた事もあり、彼女たち親子に大変な恩を感じている。

櫻小路信子とは遠縁の親戚という事もあり、店の出店資金もそこから出ているらしい。

飄々と平気な顔で嘘をつくので、どこまでが嘘でどこからが真実なのか、簡単に相手に掴ませない人。
なにか秘密を抱えているようだ。

感想

咲村賢の感想をいくつかの項目に分けてまとめました。

ビジュアルについて

明るい髪色、人好きのする笑顔。
ものすごい好みのビジュアルでした。
更には声も石川界人さんという事もあり、すごく楽しみにしていました。
石川さんのために買ったゲームと言っても過言ではありません。

でもね、結果、ビジュアルしか好きじゃないかも?と(笑)

恋人として

上辺だけの恋愛には慣れてそうな人でした。
だからエスコート上手だったりするので、恋を楽しむのならいい相手かも?

でも本気でずっと付き合って行くには、信頼度が低いかな?(笑)

仲間として

自分すら疑えという彼なので、仲間としてもどうかな?とは思います。
ただ場所の提供もしてくれているので、そもそも彼がいないと成り立たなくはあるかな?

隠していた事も、そこまでショックなことではなかったし、彼の素性に関しても読めていたので驚いたりはしませんでした。
ただやっぱり隠し事が多い感じの人なので、その辺りは信頼関係築きづらいかな?と思います。

最後に…

正直一番楽しみにしていたのですが、なんか胡散臭い人でした(笑)
隠していることがあるから、それを匂わせる必要があったんだと思いますが、この人を信じて大丈夫なのかな?と。

そして坊っちゃんのときは、それなりに流星組として活躍したかな?という終わりでしたが、結局最後の最後まで彼らの力ではラスボスに叶わないという流れ。
ここもせっかく流星組という成敗する組織があるのにもったいないな…と。
もっと勧善懲悪的な要素も個人的には欲しかったです。

ハイカラ流星組としても、恋愛要素としても、なんとなく中途半端な感じでしたね。

賢さんのことは見た目の好きで楽しみにしていたので、すごく残念でした。

ネタバレ(あらすじ)

君が好きだから手放すんだ。
好きだから…迎えに行く。
そして始めよう。
待っていて欲しい。

流星組に憧れて

彼の父の広孝は、櫻小路家の婿養子
女ばかりで跡継ぎの居ない華族の家に婿に入ってやったんだと言う態度がどこかあったのだろう。
やりたい放題な所のある人だった。
その一つが芸者であった彼の母のていを水揚げして妾とした事。

正妻である信子の母ふじは、長男を出産したもののすぐにその子を亡くした事もあり、そんな夫に虐げられていた。
当時は華族は男子が継ぐものとされていたからだ。

そうして妾であるていは、ふじの娘の信子の2つ下の男の子を出産。
彼は櫻小路の血を引く唯一の男児となった。
そうして次期当主として厳しく育てられることに。

厳しいと言えば聞こえがいいが、躾と称した折檻を受けていたのだ。
そしてそんな彼を姉の信子も、母のていも、誰も助けてはくれなかった。
辛かった、苦しかった。
早くこんな家から逃げ出したいと思った。

そんな辛い日々が続いたある日、彼はどうしても櫻小路から逃げたくて、家を抜け出した。
屋根を伝い歩く彼は、そこで流星組と遭遇。
成敗後の流星組との遭遇だったため、一度は刃を向けられもしたが、彼女の父と久史の父に助けられた。
何でもその頃の流星組は、彼女の父や久史の父のような穏健派と、姿を見た者は容赦なく殺すという思想の過激派と2つに別れたような状態だったんだとか。
そうして彼は彼女の父と出会い、そのカッコ良さに憧れたのだ。

だからどうしても会いたくて、父を成敗して欲しい…と頼み札を書き神社の絵馬掛けに掛けた。
幼い彼の目的は流星組に会う事
だから自分の頼み札が選ばれるのか気になり、こっそりとその様子を盗み見ていた。
するとそこに、まだ十代の徳次郎と銀之助がやってきて、彼の頼み札を手に取った。

これできっと来てくれる!
そう思って流星組が来るのを待っていた彼。
しかし待てど暮せど流星組は現れない。

そうして彼は折檻に耐える日々に限界を感じ、ついに小刀を手に父を殺そうと寝所へと向かった。
するとそこに流星組頭である彼女の父が現れ、彼を止めてくれたのだ。

彼が知っているのはそこまで。
そこから先、何があったのかは見ていない。
でも、その後彼の父である櫻小路家当主は突如命を落とした。

流星組狩り

父の死後、五世木の指示で母は彼を連れて櫻小路家を出た。
殆ど父の死の騒ぎのどさくさに紛れる形で。
そうして横須賀に逃げた二人は、そこで新たな暮らしを始めた。

母と自分と二人きりの生活。
折檻をされる事はないものの、働かなければ食べて行けない。
だから彼は必死に働いていた。
すると横須賀である船乗りの自慢話を耳にした。

その船乗りは五世木の洋行の世話係をしていたんだとか。
そして船乗りの話によると、五世木は当初から洋行の予定はあったものの、突然日程を早めてエゲレスへと向かったようだ。
ちょうど彼女の父が亡くなった直後に。

帝都では彼の父の死後、流星組狩りが行われ、いろいろな人が処罰されていた。
そうしてその騒ぎの中、頭が事故で亡くなったという話も聞いていた。
事故死という扱いではあったが、彼は信じていなかった。
きっと誰か権力を持つものに殺されたのだ…と思っていたから。

櫻小路家のあの地獄のような日々から逃げ出せたのは、流星組のお陰だ。
あの日自分で父を手に掛けようとしていた彼を救ってくれた事。
依頼を達成して自分たちを自由にしてくれた事。
そのどちらにも感謝していた。
けれどその事がきっかけで、流星組狩りが行われてしまったようで、彼は責任を感じていたのかも知れない。

だから決意したのだ。
その船乗りの話を聞いた時、自分が頭の死の真相を確かめよう…と。
それが彼自身が流星組から受けた恩を返す唯一の方法だと思ったから。

そうして彼はそれまでに働いてためたお金を母に渡し、自分は一人帝都へ。
けれど何もうまくいかず、手持ちを使い果たし酔いつぶれていた彼。
そんな彼を拾ってくれたのが彼女だった。
見ず知らずの彼に手を差し伸べ、決して裕福な暮らしではないのに、彼を家族のように迎え入れてくれたのだ。

櫻小路家では折檻に苦しむ日々を過ごし、父を父とも思えず、母も彼を櫻小路家の次期当主としてどこか他人行儀に扱っていたため、家族の温かさを知らずに育った。
そんな彼に、家族とはこんなに温かいと教えてくれたのが、彼女とその母だった。

そうしてしばらく厄介になった彼は、異母姉の信子の世話になり、銀座に舶来屋を出店。
店が軌道に乗ると、彼女の家に差し入れをして恩返しをするように。
そして引き続き事件の真相を追っていた彼は、彼女たち親子が頭の家族で、長屋に住む銀之助と徳次郎は流星組の元メンバーだと知ることとなった。

だから怪しいと思った。
見守っているだけなら、何も長屋に住む必要はないのでは?と思ったから。
彼女たちを見張っているのでは?と案じたから。

両方かどちらかが五世木に命じられて見張っているかも知れない。
そう考えた彼は、五世木との繋がりをあぶり出すため、偽の伝書を用意した。
それは彼女の父である流星組の頭が材木置場で事故死した事から、材木置場へと呼び出す内容の伝書だ。
これで揺さぶりを掛けられないだろうか?と考えたのだ。

その頃、彼の営む舶来屋に銀之助がやってきた。
婦人用の夜会の衣装の注文だった。
彼は長屋で確認済みなので、すぐに元流星組の銀之助だと分かった。
けれど銀之助の方は彼女が長屋で世話をしていた男だと気づいていない様子だった。

結局それは彼同様に五世木が頭の死に関係していると睨んだ銀之助が、彼女を夜会に呼び出し、父の死は事故ではない、あいつに殺されたんだと教えるためのものだった。
それでも彼女が父の死を知り動揺した後、彼は銀之助を庇い夜会へ招待したのは自分だと言う事にした。
そうして銀之助と情報を共有する事にしたのだ。
少しでも彼女の父の死の真相に近づきたくて。

そうして夜会の一件で父の死が事故ではないと知らされた彼女と共に、彼女の父の死の真相を解明するために、ハイカラ流星組を結成する事となった。
メンバーは流星組に依頼をした事のある彼、流星組頭の娘の彼女、流星組メンバーの息子の久史、そして元流星組の徳次郎と銀之助の5人で結成。
しかしその後、彼女たちの怪しげな行動に気づいた歌舞伎役者の楓花も、自分を変えるためとメンバー入り。
総勢6人となったハイカラ流星組は、彼女の父の死の真相を調べるため、まずは街の人々の依頼をこなす事から始める事となったのだ。

結婚できない男

ハイカラ流星組の活動が始まり、頻繁に銀座で会合を開き、彼と過ごす時間も自然と増えるように。
元々彼女の家で暮らしていた事もあり、彼もよく長屋を訪ねてくれたりしたのだ。

そんなある日、彼女の元に神無月爛漫夜会の招待状が届いた。
それは父の死について教えられたあの夜会への招待状とよく似ていた。
差出人不明の夜会の招待状だ。
それでも彼女は気になってしかたなかった。
また誰かがなにか大事な事を知らせようとしているのでは?と思ったから。

そうして夜会に参加してみると、その夜会は彼が招待したものだと本人から知らされた。
更には最初の夜会に関しても「あの時は俺が招待したって事にしたけど、本当は俺じゃないんだ」と教えられたのだ。
何でも彼は本当の差出人を知っていて、でもその人に秘密にすると約束してしまったので話せないと言うのだ。

そんな彼が彼女を今日の夜会に招待した理由は、自分の正体を明かすためだった。
天涯孤独で今は遠縁の櫻小路家の援助により舶来屋を営む…と彼女には話していた。
でも本当は櫻小路家の人間なのだと知らせるために。

知られたくなかった。
あんな惨めな過去を。
だから一人では話せないと思ったから。
そんな弱い自分を追い詰めるため、櫻小路ふじの参加する夜会に、敢えて彼女を招待したのだった。

そうして彼の素性を知る事となった彼女は、彼の辛かった過去の話も聞かされた。
それでも彼は言う「俺にはまだ君にも言えない秘密があるんだ」と。
そしてハイカラ流星組の誰も信じてはいけないよという彼は、まだ君に話していない事もあるから、俺の事も信じてはいけないよ…と言うのだ。

それでも彼の誰にも話していない過去の話を聞い事をきっかけに、二人の距離はより近いものに。
周りの人達にも、二人はいい仲だと知られる程に。
楓花に至っては結婚の話まで持ち出す程だ。

けれど彼にハッキリ言われてしまった。
君の事は気に入っているよ。でも結婚は出来ないんだ」と。
俺には結婚する資格がないからね」と。
彼がそう告げる理由は分からない。
ただ分かったのは、彼が結婚できない男だと言う事だけだった。

櫻小路家当主に

彼の腹違いの姉の信子は、一人息子を実の母に取り上げられていた。
ふじは孫を櫻小路家の当主にしたかったから。
そんな実母の態度に信子は思ってしまった。
まるで自分は櫻小路家の当主を産むための道具のようだと。

それだけでも信子は精神的に追い詰められていたのに、それに追い打ちをかけるように、ふじは夫と離縁するよう信子に勧めたのだ。
もう当主としての孫は確保出来た。
櫻小路の血の流れていない信子の夫には用はないと言うことなのだろう。

だから信子は思い切った行動に出た。
なんと夫と共に、息子を連れて櫻小路家を出てしまったのだ。

すると当然ふじの関心は彼に向いてしまう。
信子もそれを理解した上で、賢には迷惑がかかってしまうけれど、もうこれしか方法がないの…と漏らしていた。

そうして信子や賢が案じた通り、フジはすぐに彼を呼び出した。
もちろん彼は櫻小路家を捨てた身。
華族の身分になんて興味がなかった。
けれど彼には断れない事情もあった。
それは流星組に彼が父を殺して欲しいと依頼した時の話を持ち出されたからだ。

流星組に依頼し、自分で父を殺したのだろう?と言われてしまえば、返す言葉がなかった。
依頼は本当。
でも自分では手を下していない。
けれど、それをふじに告げると、次に疑われるのは彼の母ていだと知っているから。
そこまで計算した上で、ふじは彼に当主になるように持ちかけたのだろう。

そうして彼は知っていたのだ。
一度櫻小路家の当主になってしまえば、その力でふじを遠ざける事も可能になることを。
そうすれば、そのあとは彼の自由だ。
けれどその手を使うと、ふじから逃れることは出来るものの、庶民である彼女とは結婚出来なくなってしまう。
信子もその手があることを知りつつも、そうすることで愛し合う二人が結ばれなくなると案じていた。

しかし彼はと言えば、自分は殺しを依頼した身、つまりは人の命を奪ったも同然だから、結婚する資格がないと思っていた。
それも手伝ったのだろう。
彼はふじの提案を受け入れ、櫻小路家の当主となることを彼女に相談もせず決めてしまった。

彼女がそのことを知ると、そのまま彼女は遠ざけられてしまったのだ。
そう、華族と庶民とでは身分が違う。
華族には華族の法律があり、庶民とは結婚も出来ないほど、彼らはあまりにも立場の違う存在となってしまった。

そんな彼も、最初は当主になることに迷いもあった。
何で信子さんは…と恨んだりもした。
でもちょうどいいとも思ったのかも知れない。
どのみち自分は結婚する資格がない男だから、彼女と離れる口実としていいかも知れないと。

だから当主を受ける直前、受けるとは話をしないまま、彼女に自分の父の死について話をしたことがあった。
流星組に依頼をし、待てど暮らせど来てくれないから、しびれを切らして自分の手を汚そうとした時、彼女の父に止められたこと。
その後流星組がどうしたかは分からいものの、父が死に流星組狩りが始まり、彼女の父が命を落としたことを。

自分の父殺しを依頼したばかりか、彼の依頼が彼女の父を死へ追いやったのかも知れない。
そんな不安が、彼に当主を受けさせたのかも知れない。

櫻小路家を成敗せよ!

彼に遠ざけられてしまった彼女。
それでも彼女はそのまま黙って諦めるような女ではなかった。
だから自身がハイカラ流星組でありながら、彼女は依頼者となったのだ。
櫻小路家を成敗してください」と。
そうすることで、賢さんに自由を与えて欲しい、信子さんが不自由なくあの家で暮らせるようにして欲しい…と。

一方その頃、彼女を突き放した彼も同じことを考えていた。
だから彼女抜きで活動することとなった今回の成敗に、彼も一役買ってくれることとなったのだ。
作戦決行の日は彼の当主としてのお披露目の夜会。
その夜会を終えると、彼は正式に櫻小路家の当主となる。
今日の様子を信子さんにも見てほしいと、流星組に頼み、信子は夜会に顔を出していた。

ふじが求める櫻小路家の当主は正当な血を引く者だった。
それを叶えてくれるのが信子の産んだ息子だった。
けれどその信子の息子をあっさりと諦めたのには理由があった。
ふじの実の妹は公家に嫁いでおり、その娘と彼を結婚させる計画を用意したからだった。
そうすることで、彼の父が婿養子で彼の中には全く櫻小路家の血が流れていなくても、その結婚により生まれた子供には、櫻小路家の血が流れるから問題ないという考えだった。

そんな結婚の話まで聞かされて、落ち込んでいた彼女だったが、夜会の前日、彼に呼び出され彼の実母と会うことに。
彼の母のていの話によると、父が亡くなった日、すぐに櫻小路家を出たのは五世木の指示があったからだと知ることが出来た。
今まで父の死の話になると、母は話をそらしてしまい、何も聞くことが叶わなかった。
けれど今回は彼の決意を感じたのか、ついに真実を話してくれたのだ。

母のその話により、彼は母も父の死とは無関係だと知ることが出来た。
これが分かれば安心して櫻小路家を成敗出来る。
そうして作戦決行を前に、二人は再び関係を修復。
夜会での作戦がすべて終わったら、君に話したいことがあると彼は彼女に告げた。

そうして運命の夜会の日が訪れた。

恋仲だった二人

夜会の夜のハイカラ流星組の作戦は、五世木に筒抜けだった。
当然彼らの策は成らず、更にはふじに毒が盛られ、それをハイカラ流星組の仕業にされてしまったのだ。
夜会には大勢の警察官が待機しており、彼らは逮捕されそうになった。

事前に彼女のことを託されていた信子は、彼女を外へ連れ出した。
そうして彼女は信子の手引で駅へと向かった。
向かう先は横浜。
彼も一緒に向かう予定だと信子に聞かされた。

だから駅で愛おしい人を待っていた。
本当はすぐに戻って安否を確認したかった。
それでも必ず行くから待っているように…との伝言を受け、じっとその場で待っている彼女。

するとまもなく汽車が出るという頃、彼は彼女の元へ現れた。
しかしそれは彼女を見送るためだった。
愛しているから一度手放すという彼は、全て片付いたら迎えに行くといい、彼女だけを横浜へと向かわせたのだ。
自分は仲間の様子も気になるし、後始末もしなければならないから…と。

毒を盛られたふじは幸い一命をとりとめた。
そうしてふじは自分が五世木に狙われたことを知った。
だから彼にメモを託した。

それはふじが長い時間を掛け、五世木との会話の中から導き出した五世木の隠し財産のありかが記されたメモだった。
聞き出すことで精一杯で、まだ実際にそこにあるかは調べていないというふじ。
けれどおそらくそこにあるだろう…と。
あなたの好きに使いなさいと託してくれたのだ。

ふじと五世木は昔恋仲だった。
結婚の約束もしていた。
しかし五世木の家の格が櫻小路家より低かった事もあり、二人の結婚は許されなかった。
そうして別の男と結婚したふじ。
それでも五世木を慕い続けていたのだ。

そうして関係を持ち続けた二人は、互いが互いを利用しあってもいた。
けれど利用しているつもりが、最終的にふじが利用されたのかも知れない。

五世木の隠し財産

逮捕は免れたものの、身の安全のため櫻小路家へ身を隠したハイカラ流星組。
その中に徳次郎の姿はなかった。
華族の家にはそう簡単に警察も手出しをすることが出来ないのだ。
だからここにいれば捕まることはない。
しかしここを出る事も出来ないという状態だった。

だから彼らは五世木と交渉するために、こっそりと櫻小路家を抜け出し、ふじの情報を元に五世木の隠し財産を探しだした。
どこに行っても、恐ろしい金だから持っていたくない…というのが正直な所のようで、皆あっさりと彼らにその金を手渡してくれたのだ。

そうしてその金を使い、五世木と交渉。
自分たちのことを不問にするのなら、隠し財産を返すと持ちかけた。

その交渉が成功したことにより、身の安全を確保されたメンバー達。
けれど相手は五世木だ。
当然保険は掛けてある。
それは隠し財産の一部で警察に預けられている分を、ハイカラ流星組が持っていること。
元警察官の徳次郎が、警察署から見つけ出し、五世木には内緒で彼らが管理することにしたのだ。

そうして事態が収拾したことを受け、信子の夫と共に居た彼女は、再び帝都に戻って来た。
やっと愛し合う二人は再会出来たのだ。
これからは彼女の母も共に、三人で暮らす予定だ。

結局一番知りたかった彼女の父の死の真相は藪の中。
未だ何もわからない。
五世木が怪しくはあるものの、確かな証拠はつかめなかったし、今後もそれを探ることは難しいだろう。

それでも彼女は大切なものを手に入れた。
愛する人と、その人と共にある未来だ。
過去にはもうこだわらない。
大切な人との未来を見つめ、共に歩いて行けばいい。

その他のキャラのネタバレ(あらすじ)

南郷久史

松原銀之助

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