戦場の円舞曲【ヴィルヘルム】

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戦場の円舞曲 - PS Vita

オトメイトさんのPSVita用ソフト「戦場の円舞曲」で中村悠一さん演じるキャラクター、ヴィルヘルムの感想とネタバレをまとめました。

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キャラクター紹介

CVは中村悠一さん。
ヒロインに宿った魔剣。
実体化される前は男の子で、CVは竹内順子さん。

それがある日、目覚めると青年となりヒロインのベッドで寝ていた…と言う出会い。

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感想

そんな勝手に隣で寝ていた青年に、男の子の姿しか知らないので、最初はもう大騒ぎでした(笑)

このルートで魔剣は誰が作ったのか、ヴィルヘルムがなぜ魔剣の中にいたのかが分かり、またどうしてヒロインによって永く眠りに就いていた魔剣が覚醒したのか…など、魔剣に関する真相が分かりました。

そして、他のみんなのルートで、散々自分を犠牲にしてきた彼がやっと報われました!
本当に良かったです。

男の子だった頃と言ってる事が変わらなくて、でも見た目が大人になで、本当に手に負えない感じでしたが(笑)、みんなのお陰で彼はニルヴァーナに居場所を見つけられて、ヒロインとも結ばれて本当に良かったです。

彼もまた好きって気持ちを臆面もなく表現出来る人で、そんな所が素敵でした!

サブキャラのアサカが、彼のルートでは色々と活躍してくれて、アサカの人柄の良さも改めて見る事が出来て、そちらも個人的に大変嬉しかったです。

ヴィルヘルムを素敵に演じてくれた中村さん、ありがとうございました!
そしてアサカ役の緒方恵美さんも、素敵でした!

ネタバレ

魔剣に宿る魂。
それが彼という存在。
彼女が魔剣を手にして、初めてニルヴァーナに連れてこられた時に、幻としてその姿を見せてくれて。
その時にはまだ男の子の姿だったが、それからも何度か話をしたり、姿を見せてくれたり。

魔剣から出る事など出来なかったハズの彼だが、ある日、彼女が目覚めると、彼女のベッドに青年のヴィルヘルムが寝ていた…という出会い。

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それは遠い昔のお話。
悪魔メフィストが、退屈しのぎに…と剣を作り、その剣に少しばかりの魔力を注ぎ、人間の手に渡してみた事が始まりだった。

その時は少し魔力を注がれたただの剣だったそれ。
けれど幾人もの手に渡り、沢山の血を吸った剣は、いつしか魔剣となったのだ。

そうしてある正義感の強い王により、祠に封印された魔剣。
そのままではメフィストの退屈しのぎにならないと、彼は祠からそれを持ちだして、今度は占い師のおばあさんに変身し、ある騎士にその魔剣を手渡した。

あなたこそ、この剣に相応しいと。

手渡された青年の名はヴィルヘルム。

当時の彼はとても強かった。
戦場で戦う事が本当に楽しかった。
敵を斬って斬って斬りまくる、そんな毎日。
だから彼は誰も信じていなかった。

戦場なんて所詮敵だらけ、信じられるのは自分だけ。

そんな彼を、部下たちもまた信じなかった。
なぜなら、彼が自分たちを信じてくれないから。

いつかあいつは俺たちを裏切る。

部下たちは心のどこかでそんな風に考えていた。

そんなある日、部下の一人のヨルゴスが謀反を起こした。
そうして一人ヨルゴス達に囲まれ戦う彼の元に、その国の王子サファイアが現れた。
彼を助ける為に。

彼は王子サファイアが嫌いだった。
平和なんて甘い事を口にするから。
剣は人を守る為のものだなんて、甘い事ばかり言うから。

そうして細い体で、実は女なのに、跡取りの居ない城で生まれた時から王子として育てられて。
笛の名手でどうみたって女みたいなのに、剣の腕が立って、自分たちと同じくらい強い彼…彼女が嫌いだった。

何かあれば、女なんて真っ先に逃げるに違いない。

いつもそう思ってバカにいていたのに。
彼女は自分の身の危険も顧みず、部下の一人である彼を助けにやってきた。
そうしてヨルゴスに討たれそうになっている彼を庇い、彼女は命を落とした。

その光景に、彼の頭は真っ白になり、ただひたすら周りのヤツを斬った。
斬って斬って斬りまくって、そうして気付いたら誰かに殺されていた彼。

殺されたのに。間違いなく殺されたハズなのに。

何が起こったのか、彼の魂はそのまま魔剣の中にとらわれてしまった。

それから長い月日が流れ、沢山の人の手に渡った魔剣。

剣の中から時折持ち主に話しかけることも出来たけれど、そんな事にも飽きた頃、彼は気付いたのだ。
自分が次第に若返って居る事に。

そうして嫌な予感がした。
若返るにつれて、自分の力が、魔剣の魔力が、次第に弱くなっている気がしたから。

怖かった。
もう死んでいるとは言え、永い間魔剣にとらわれて、そうして今度は消えてしまうかも知れない。

消えるってどういう事なんだ?
消えたら俺はどうなるんだ?

怖くて堪らなかった。
だから彼は眠りに就いた。
眠っていれば、それだけ消耗を防ぐ事が出来るから。
そうする事で消えるその時を遅らせる事が出来ると思ったから。

そうして祠の中で永く眠っていたのに、ある日、突然目覚めさせられて、抗う事の出来ない力に引き寄せられた彼は、気付いたら彼女と同化していた。

彼女だったのは偶然じゃない。
彼女は、あの日彼を助けたサファイアの生まれ変わり。
同じ魂を持つ娘だったから。
だから彼は引き寄せられた。

それはきっと悔いていたから。
あの時彼女を信じられないまま、目の前で死なせてしまった事を。
本当は助けたかったから。

だから消えるまでの僅かな時間を与えられたのかも知れない。
眠ったまま気づかないうちに消えてしまおうと思ってたのに。

そうして彼女の中で次第に力の弱まる事を感じていた彼。
なのに突然、彼にも何が起きたのか分からないけれど、気付いたら実体化し、今度は魔剣は彼の腕に宿っていた。

見慣れない世界、知るハズなど無かった時代。
そんな中に突然実体化させられた彼。

彼の知っている時代とはあまりに違っていた。
彼の頃は戦ばかりだったのに、鍛錬ばかりで実践のない毎日。

ニルヴァーナの生徒して扱われてはいるものの、彼には居場所なんてなかった。

それでも彼女も、その友人たちも彼に構う。
どんなに冷たくあしらっても、どんなにヒドイ言葉を投げつけても。

そうして彼らと交流する中に、少しずつ彼の中で何かが変わっていった。

ただ戦う事しか知らなかった彼。
信念も正義もなく、ただ人を殺めるだけの日々。
けれど、それが彼の日常で、それは彼にとって当たり前の事だった。

だけど、彼はやっと理解出来た。
あの時のサファイアの言っていた人を守る為の剣の意味を。
それを教えてくれたのが、彼らとの交流だった。
そしてそれは、当時彼を裏切り、謀反を起こしたヨルゴスが、ディモスとなり、ロムアのイゴールに憑いて襲って来た時の出来事だった。

その戦いで、彼女やアサカがやられそうになり、彼女が死んでしまうかもと思った時、

どうせ消えるのなら、それでも構わない。
ただこいつらだけは俺が守らないと!

心からそう思えたから。

大事だった。
彼女をいつしか愛していたから。
守りたかった。
やっと出会えた素敵な仲間達だったから。

そんな思いでイゴールを、いやヨルゴスを斬った時、体を奪われているイゴールに一切傷をつける事なく、魔剣の力でヨルゴスのみを浄化する事が出来たのだ。

彼が剣を振るった直後、霧散した魔剣。
魔剣が滅びてしまった事で、魔剣の弱まりと呼応するように、実体化の彼も子供になったり、力が弱まったりしていたが、青年のまま、魔剣から本当の意味で解放された。

討たれたあの日、そのまま死して魂を縛られる事がなかったら、彼はこんな気持を知る事なくこの世を去った事だろう。

魔剣という狭い所に永きに渡り閉じ込められていた事は、とても大変な事だったかも知れない。
それでも、その永い時を経て、彼がようやく知る事が出来た想い、手に入れたものは計り知れない。

だからきっと、彼を救う為に…と言うサファイアの力なのかも知れないけれど、そんな何かの力が働き、彼を閉じ込めたしまったのだろう。

これからは、ニルヴァーナの生徒して、仲良くなってきた仲間達と、そして最愛の彼女と共に、ミルヴェリアの平和を守る為、その剣を使っていく事だろう。

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