蝶々事件ラブソディック【狐射堂遙】

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蝶々事件ラブソディック - PSVita

オトメイトさんのPSVita用ソフト「蝶々事件ラブソディック」で村瀬歩さん演じるキャラクター、狐射堂遙の感想とネタバレをまとめました。

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キャラクター紹介

CVは村瀬歩さん。
主人公の女学校の先輩で、寮では同室。
女学校のマドンナ的存在で、歌劇団に属しトップスターとして活躍。

転入して来たばかりで意地悪をされている彼女を助ける為、エスになってくれた人。
いつも彼女の事を心配してくれる優しいお姉さま。

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感想

男性が声を担当されているし、乙女ゲームで王子ポジションの方が女性という事はないだろう…と、だいたい予想出来ていると思いますが男性です(笑)
でもね、村瀬さん、凄いんですよ。
本当に女性に聞こえるのです。

そしてその凄さとうまさが仇になり、私にはずっとお姉さまな感じに(笑)

男性同士でも、女性同士でも、割と同性の恋愛って苦手なんだと思うのです。
そういう苦手要素もあったからか、少し遙さまとは心の距離を置きながらプレイしてしまったのかな?
色々切ない要素も満載で、本当に可愛そうな境遇だし、シナリオ的に見捨てられない展開でもあるにも関わらず、ずっとお姉さまのポジションで居て欲しいなと思ってしまいました。

内容的にも、遙さまを放って他の人に行きづらい内容なので、攻略制限の都合上、一番最後には出来ませんが、将成さんの後の方がいいかな?とも思います。

ただ私の場合、遙さまの女性感が強かった反動か、将成さんの日本男児って感じの男らしさに予想外に惹かれてしまい、むしろ遙さまが先で良かったかな?と。
某通販サイトさんのレビューでは、将成さん⇒遙さまの順がオススメされてましたので、一般的にはその順番の方がいいのかも?

彼という存在が本当に可哀想で。
幸せになって欲しいなって思わされました。
そしてハッピーエンドなのに、ちょっとスッキリしないかな?という終わり。
もしかしたらFDとかも考えてつくられてるのかな?とも思います。

そして何より特筆すべきは、村瀬さんの演技力。
物凄いです。
本当に女性にしか聞こえないのに、男の時はかっこいいし。
ちょっとした感情の揺れも声で見事に表現されています。
今後も色々な乙女ゲームで活躍して欲しいですね。
そして吐息とか、キスとか、物凄いセクシーでドキドキしました。

次はお姉さまじゃない感じの設定で、村瀬さん攻略したいです。
村瀬さん、素敵な遙さまをありがとうございました!

ネタバレ

君の傍にいられるただ一人の男として、守り支えて行きたいんだ。

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スヴァローグ計画。
それは大戦敗戦後にロシアが行った計画で、スラヴ神話の火神の名から名付けられた。
その名の通り、火神の如き人間兵器を作り出す事が目的だった。

それにはロシア人である彼女の母の血が必要だった。
母の血には、人の肉体を強化させる作用があったから。

その血の提供者である母と、生物学者の父は、その計画で知り合った。

ところが計画はうまくいかず、何度実験を行っても、ただ肉体を強化された化け物が出来てしまったのだ。

そうしてロシアの情勢が悪化したのに伴い、彼女の両親は日本へと渡った。

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彼女と同じく、遠い昔にロシアから花嫁を迎えていた狐射堂家は、彼女の母と同様の血を持つ祖先から受け継いだ能力で、陰陽師として術を使ってきた。
そう、ロシアの花嫁の血が混じって以来、狐射堂の陰陽術は大変強くなったのだ。

けれど問題もあった。
その能力は女子にしか遺伝しないと言う問題が。
更には男児が生まれ成人すると、まるで今横浜の街を恐怖へ陥れている非徒と同様の化け物へと成長してしまうのだった。

だから狐射堂は化け物狩りを始めたのだ。
一族から生まれた化け物を秘密裏に処理する為に。

そんな歴史から、狐射堂では男の赤ん坊が生まれると忌み子として殺されるように。

そんな狐射堂家で男として生を受けた彼もまた、家の伝統に則り殺される運命だった。
けれど彼の母はそれを認める事が出来ず、家を出て横浜へと移り住んだ。
彼を極秘で育てる為に。

本家には殺したと偽り、彼の一つ年上の姉、遙と共に二人で一人の遙として育てられた。

男女でありながら、幸い二人は面差しもよく似ていたし、背格好もそっくりだったから。
そうして入れ替わりがバレないように、彼は姉のできる事はなんでも出来るようになったのだ。

そんな二人の複雑な事情は、本家から送り込まれた遙の許嫁の万葉だけしか知らないものだった。

所が数年前、彼の家を非徒が襲った。
両親は目の前で殺され、大好きな姉も、必死に戦ったものの、その戦いに敗れ死んでしまった。

そうして彼はひとりぼっちになってしまった。
ずっと二人で一人の遙だったのに。

その後唯一の生き残りとして、狐射堂遙は狐射堂一族の長となり、イエーヴァ女学校に在籍しながら、陰陽師の仕事もこなし、更には姉の夢であった歌劇団にも参加し、スタアとして活躍するように。

そんな彼の元に、一人の少女が現れた。
女学校のマドンナ的存在の彼と寮の同室となった彼女。
最初は馴染めず、意地悪をされたりもしていた彼女を守る為と、エスとして彼女の姉になった。
それも夜に陰陽師の仕事をするのに抜け出しやすいように利用する為に。
だから彼女に優しくしていた。

所がいつからだろう?
友人が次々と非徒の被害に遭う中、取り調べや囮捜査など、非徒の事件に巻き込まれる中、気丈に頑張るその姿に、本気で守りたいと思うように。

更にそれは陰陽師としてではなく、一人の男として守りたいと思うまでに。

けれど彼女の母の血がそうであったように、彼女の血は非徒を引き寄せてしまう。
甘い香りを放って。
だから囮捜査にも駆り出されたのだが、成人すると非徒のような化け物になると言われる狐射堂の男である彼に、その香りは毒だった。

長であるため、狐射堂遙であるためにと、女として生きてきたのに。
彼女を大切に思えば思うほど、男でいたくなりった。
その気持ちの変化のせいだろうか?
彼の陰陽師の呪いの力が弱まり、挙句彼女の香りに誘われるように、非徒へと近づいて行く事に。

一方彼のそんな事情は知らない彼女は、両親の研究の事を知り、彼と共に故郷の金沢へ。
そこで知ってしまったのだ。
彼女の両親もまた、彼の両親と同じように非徒に殺されたと言う事実を。
そしてその非徒は、当時父の研究の助手で、現在はイエーヴァ女学校の学園長イ織の秘書をしている周防だと言う事を。

そして彼女に非徒を言葉で制する力を見た彼は、その力に狐射堂の呪いと同じものを感じた。
だから自分の呪いの力の弱体化の事で本家に行っている万葉を追うように、彼女を連れて狐射堂本家へ。
所がそこに周防が現れ、戦いの最中男である事が前長の祖母にバレてしまう。
更に悪い事に、非徒化して戦う様子まで見られてしまった。

化け物だ、殺してしまえ!

非徒を制する力を持つ彼女に、彼の祖母は言った。
けれど彼女は、

自分の孫をそんな風に言うあなたの心が化け物です!

と、祖母の要求を突っぱねた。
そうして横浜へ戻り、二人の力で周防を倒した。

けれど彼が非徒化する問題はなにも解決していない。
それでも、彼女の力があれば彼を抑える事は出来るし、彼が我を忘れそうになると、「遙さま、私の遙さま」と、彼を呼び戻してくれる。

そう、俺は化け物なんかじゃない。
彼女を守る狐射堂遙なんだ。

彼女の呼びかけにそう思える彼。
これからも人と非徒の狭間で苦しむ事はあるかもしれない。
でも一人じゃない。
俺が、私が傍にいるから。

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正気も狂気も君次第だ。
君と一緒ならば、どこへだって行ける。

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