幻奏喫茶アンシャンテ【イル・ファド・デ・リエ】

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キャラクター紹介


※「幻奏喫茶アンシャンテ 」のバナーに使用されている画像の著作権は、アイディアファクトリー株式会社に帰属します。

CVは石川界人さん。
天界・カエルム出身の堕天使。
物腰の柔らかい礼儀正しい人。
趣味は乙女ゲーム。

堕天使として天界の天使に追われる身である事から、カエルムに帰らずずっとアンシャンテの居住スペースで暮らしている。
基本部屋に引きこもり乙女ゲーム三昧の日々。

世間知らずで他の人外たちから世話を焼かける。
甘いものが好き。

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感想

見た目から好みでした。
色素の薄い感じも大好きです。
そして何より、彼の趣味が乙女ゲームなのが良かった(笑)
一緒に乙女ゲームを楽しんで、キャラの萌語りをしたり出来る相手なのも、現実で知り合いたい、付き合いたいと思わせてくれました。

趣味が乙女ゲームという事もあり、一緒に乙女ゲーム関連のイベントに参加したりするシーンもあり、そんなことも現実で出来たら素敵だな…と思えて、そこも惹かれました。

天然で世間知らずな所も彼の魅力なのですが、それが彼の生い立ちに関わっている所は、すごく泣けました。
なんて悲しい存在なのだろう…と。

そして全てを受け入れた上で、彼女の為にとした彼の選択。
切なくはありましたが、かっこよかったです。
そして何より、なんとしても彼女の元に帰らねば…という強い想いと愛が、とても素敵でした!

石川さんの声もあっていて、本当に良かったです。
石川さん、ありがとうございました。

ネタバレ(あらすじ)

私はあなたに『愛』を教えて欲しい。
彼らが遺した感情の価値を、それは決して無価値ではないのだと。
無意味ではないのだと証明したい。

神の誕生と断罪の使徒

その昔、天界には霊獣達が住み、わずかな自然も残っていた。
そんな世界にある日人間が迷い込んで来た。
そうして彼らは科学技術をもたらし、現在の天界カエルムが作られた。

更に人々は愚かなことを思いついた。
自律型人工知能を作り、完璧な不変の世界を作ろうと。
それが永遠なる安寧への道だと思い込んで。
そうして作られたものが【神】。
生命体ではなく、自律型人工知能の神だった。

しかし善良な科学者はそれを止めたかった。
そんな世界はおかしいと知っていたから。
不変な完璧な世界など、あってはならないと。
それにそんな目的で神なる存在を作れば、いつか人間を滅ぼしかねないと。

だからその善良な科学者は、こっそりと自律型人工知能の中にプログラムを埋め込んだ。
【断罪プログラム】と言う、神が万が一人に害をなす行動に出た場合に、神が自滅するプログラムだ。

その後神は天使を生み出した。
素材に使われたのは人間や霊獣。
そこから不変な安寧の世界を築くのに邪魔となるものを悉く排除。
最たるものは感情だ。
感情は変化を呼ぶから。
そうして生産された生体端末が天使だった。

しかし素材として人間を用いている以上、感情を排除したとしても、そこに魂は宿る。
魂があればいつしか感情を抱いてしまうものだ。
そうして感情が芽生えた天使は堕天使となって行った。

そんな堕天使を処分する任務を与えられていたのが彼、断罪の使徒だ。
断罪の使徒(天使)は神が最初に作った天使で、自らの半身と呼ぶ存在だった。
神の中にある戦闘プログラムから生み出された断罪の天使は、戦闘に特化した存在だった。

しかしここで善良な科学者の仕込んだ断罪プログラムが、この断罪の天使に全て組み込まれる事となった。
なぜなら善良な科学者は、断罪プログラムを隠していたのだが、その隠し場所が戦闘プログラムの中だったから。

そうして知らず断罪プログラムを持ち生み出された彼と、断罪プログラムを無くした神が誕生した。

追憶の使徒

彼は神が最高傑作と賞賛する程完璧な仕上がりだった。
神の理想通り、命令にだけ従う従順な操り人形だったから。

その頃の彼は、思考の自由もなく、日々神と神託の使徒の命令により、堕天したものを処分していた。
彼が望んだ事ではない。
しかし彼には感情がなかったし、思考も許されていなかったから、望んではいないがその行為が嫌だと思う事も無かったのだ。
ただ命令に従うだけ。

そんなある日、彼は追憶の使徒と呼ばれる天使の処分を命じられた。
追憶の使徒は天使には珍しく、男女二人で一対の天使で知識を司る有能な使徒だった。
けれどある日危険な目にあった時に、互いに相手を失いたくないと強く感じ、失う恐怖を覚えた。
それが感情の芽生えで、それを機に堕天してしまった。

二人をを追ってやってきた彼は、そこで二人の施したジャミングにより、神からの命令も神託の使徒からの命令も届かない状態に陥った。
そうして身動きできなくなった彼を前に彼を座らせ、二人は楽しそうに自分たちの堕天について話を聞かせるのだ。

考える力を持たない彼。
彼には特別にほかの天使より思考能力が劣るよう施されていたから。
だから二人の話をよく理解することが出来なかった。
それでも二人は何度もいろいろな話を聞かせてくれた。
それは友に対する態度のようで、とても自分たちを殺しにきたものに対する態度では無かった。

さらには言葉を話すよう作られていなかった彼に、声の出し方も教え「断罪の天使なんて似合わないわ。なんだかぼんやりしてて可愛いもの。あなたにはもっと綺麗な名前が似合うわ」などと言ってくれたのもこの二人だった。

その時の彼にはまだ理解出来ていなかった。
けれど彼にとって二人は友で、二人にとっても彼は友と呼べる存在になっていた。

そうして二人のジャミングの効果で、3日ほど共に過ごした事で、彼は思考する事を覚えた。
だから考えたのだ。
彼らの何が罪なのだろうか?と。
互いを大切に思った二人は、「この暖かい感情の名前を教えてほしい」と言っていた。
たしかに優しく暖かい感情だと、彼も感じていた。

なのについに彼らの居場所を突き止めた神託の使徒ソリトゥスに、二人を処分するよう命じられてしまった。
しかし彼は自らの意思で拒否したのだ。
断罪されるような要素は一つもないと。

そんな彼の様子に怒ったソリトゥスは、槍を彼に突き刺した。
そうする事で、彼の中に強制的に命令がインストールされてしまうのだ。
そうして彼は初めて出来た友の命を、自らの意思に反し奪わなければならなくなった。

その強制的な断罪行為が引き金となり、彼は堕天した。
感情だとまだ理解出来ていないものの、神のくだされた判断が間違っているのでは?彼らは何も罪を犯してはいない…と感じてしまったから。
だから断罪を終えた直後、二人の元に駆け寄ったけれど、もう二人は動かない。
そうして二人は光の玉となった。
だから彼は慌ててその赤と青の玉を抱きしめた。
彼らの心のかけらでもいい、それが消えてしまわないように…と。

そうしてボロボロになりながらも必死に逃げた彼は、神ですら知らない謎の区画へと足を踏み入れた。
そこに船のような建物があり、中に身を隠した。
真っ暗なそこで倒れそうになった彼は、何かに寄りかかったが、それが扉であった為にそこから落ちた。

そう、彼が寄りかかったそれは、天界に存在するゲートだったのだ。
アンシャンテにつながる。

彼女との出会いと乙女ゲーム

アンシャンテへとたどり着いた彼は、まだ状況が把握出来ないまま、ボロボロでそこに現れた。
その時たまたま両親と共にアンシャンテへと訪れていた、まだ幼い彼女は、そこでボロボロの天使と出会った。
ボロボロの天使は、彼女の手にしていた本へと意識を向けた。
彼の居る天界は科学技術の進歩がめざましく、紙媒体など大変珍しかったのだ。

それは…?
覚えたての言葉で彼は彼女に、謎の媒体について尋ねた。
これは絵本よ」と彼女は答えた。
そして「これはね、とっても素敵な『愛』のお話なの」と教えてくれたのだ。
絵本と呼ばれたそれに描かれていたのは男女の天使の絵。
その表紙の絵の二人が、追憶の使徒によく似ていたのだ。
特に幸せそうに見つめ合うその笑顔が。

だから彼はそのときに思ったのだ。
二人が見つけた温かい感情は愛というものなのかもしれないと。
そうして決意した。
愛を知ろうと。
愛に関する情報を集め、私が証明しよう…と。
神が無意味だと、無価値だと言った二人の抱いたあの感情に意味があるという事を

その後、両親が待っていると祖父に呼ばれた彼女は、彼に別れの言葉を掛けてその場を去ってしまい、ボロボロの彼もそのまま意識を手放した。
そうして孫娘が帰ったあとに、当時のアンシャンテのマスターである彼女の祖父の草庵が彼を見つけ保護してくれたのだ。

しかし何も喋らない。
草庵を見ると怯えてしまう。
すでにミシェルやカヌスが常連として訪れていたものの、あまりの彼の様子に、二人にも彼の存在をしばらくは隠していた草庵。
けれどある時、ミシェルを呼び相談したのだ。
こいつをなんとかしてやれねぇか?」と。

こいつ、何もしゃべらねぇんだ。
天使と悪魔ってのは似たようなもんだろ?
だからかうちの常連の中で一番悪魔っぽいお前なら、なんとか出来るんじゃないか?

そんな無茶苦茶な事を言う草庵に、当時のミシェルは困ってしまったものの、何も話さない彼に根気強く話しかけていた。
ミシェルは少しは天使に関する知識もあり、彼と接するうちに彼が堕天使である事、そして断罪の天使と呼ばれる存在である事に気づいていたのだ。

そんなある日「あい…とは、なに…か?」と、小さくつぶやくようになったのだ。
だから愛を教えてやりたいと思い始めた。
そうしてたまたま街を歩いていた時、ゲーム店の画面に紹介されていた乙女ゲームに『愛』という文字がしきりに出て来るのが気になった。
これならば彼も愛を知る事が出来るのでは?と。
そうして彼に乙女ゲームを与えたのがミシェルだった。

人形のように何もしない彼の前に、一通りの使い方を説明しゲームをおいた。
プレイしてくれるか分からない。
それでも、彼が求める愛に関する、何かしらにヒントになれば、彼も気力を得る事が出来るのではないか?と考えたのだ。

そうして一晩かけて夢中でその乙女ゲームをプレイした彼は、翌朝、アンシャンテへと自ら降りて来て「私は堕天使。イル・ファド・デ・リエと申します」と流暢に言葉で自己紹介を始めたのだ。

彼女との再会

そうしてアンシャンテの正式な一員となり、アンシャンテの居住エリアに部屋ももらい、乙女ゲーム三昧の日々を送るようになった彼。
今ではイグニスという獣界からの新しい仲間も加わり楽しく過ごしていた。
そんなある日、突然マスターである草庵に皆そろって店を追い出された。

ミシェルは魔界から通って来ていたものの、カヌスもイグニスも、そして彼もアンシャンテで暮らしていた。
カヌスやイグニスは時折用があれば自分の世界に帰るものの、彼に至っては堕天している為、一切自分の世界に帰る事はなかった。
だから困ってしまったのだ。
ソリトゥスや神に居所を知られる訳にはいかなかなったから。

そうしてあの日偶然見つけたゲートのあったエリア。
あの暗いエリアにひっそりと身を隠して過ごしていた彼だったが、ある日突然ゲートが開いた。
そうしてそこで出会ったのは、久しぶりの仲間だけでなく、見知らぬ少女だった。
彼女はマスターである草庵の孫だという。
孫という存在をよく知らない彼は、外見の違う草庵と同じ個体だと認識した。

けれど彼女は草庵とは全く別人だった。
『箱入り』とイグニスに言われるように、彼は何をやってもうまくいかないため、誰も彼に何かをさせようとしない。
全てみんながやってくれるのだ。
だから彼はただ乙女ゲームを楽しんでいればよかった。

けれど彼女は彼にいろいろな事をやらせてくれる。
過保護なミシェルに外出も禁止されていたのに、彼の行きたがる乙女ゲームのイベントにも、一緒に参加してくれた。
私がついて行くから」とミシェルたちを説得して。

そんな彼女に、彼はいつしか特別な感情を抱き始めた。
それがなんという感情なのか、分からないけれど、それでも彼女を大切に思っていたし、失いたくない特別な存在だと感じるようになっていた。

神隠し事件と神の計画

彼と彼女がその距離を縮めた頃、アンシャンテ周辺では神隠し事件が頻発していた。
最初は単なる噂として聞いた彼女だったが、外出帰りに女性の悲鳴を聞き駆けつけたところ、そこで光る何かを見つけただけで他には何も見当たらなかった。
翌日凛堂から昨夜の神隠しの件を聞いた彼女は、自分が近くに居たと証言。
なにか見なかった?」と問われた彼女は、光る何かを拾った事を思い出した。
そうしてバッグからそれを取り出すと、なんと光る何かは天使の羽だったのだ。

その事で彼が疑われた事もあったが、真相を知る為にみなで天界へと赴き、そこで神の救済計画を知る事となった。
神は天使不足を補う為の材料とし、人間をさらっていた。
しかしそれだけでは飽き足らず、全ての人間を霊力炉のエネルギーとし、天使に変えてしまおうとまで考えていた。
なぜなら変化を嫌う天界カエルムにとって、感情が邪魔であるのと同じく、その感情を持つ人間もまた邪魔な存在であった。
ならば全ての人を霊力炉に取り込み、天使とする事で、不変の安寧の世界を築く事が出来ると考えたのだ。

そう、それはまさしく遠い昔、善良な科学者が危惧した事だった。
だから断罪プログラムをこっそりと搭載していた。
神がそのような暴挙に出て、いつか人間を滅ぼすのではないかと危惧していたから。

しかし神自ら最初に生み出した天使である彼に、戦闘ブログラムと共に善良な科学者がこっそり忍ばせた断罪ブログラムを譲渡していた為、神が神隠しを行った際にも、そのプログラムは発動する事がなかったのだ。

そうして一度は神の元に連れられ初期化により彼女の事も忘れ、ただの人形のような天使になってしまった彼だったが、どんなに感情を封じられようとも、彼女へ想いから再びその感情を取り戻した。
そうして神と接続した事により、彼は神の恐ろしい計画をしる事となったのだ。

断罪プログラム

神は人間界の全ての人間を炉に組み込む計画を立て、三日後にそれを実行する。
彼が皆にそう教えてくれた。
人間界と天界とをホールでつなぎ、そこから天使を侵入させ、人間界の全ての人々を連れ去る予定なのだ。

人々をこの世界を救う為には、神にこの計画を中止させなければならない。
けれど話して納得してくれるような存在ではない。
だから方法はただ一つ、神を倒す事だった。

しかし相手は神だ。
天界での戦いという事も考えると、唯一倒せる可能性を秘めているのは彼だけだった。
ただここで大きな問題が。
彼は神の創造物である為、神に対し彼の攻撃は無効になってしまうという事。

しかしそれは以前天界へ行った時に知り合った堕天使のエピロギのもたらした情報により解決の糸口が見つかった。
それは、彼の中に断罪プログラムが存在するという情報だ。
神を断罪する為のプログラムである為、発動できれば神を倒す事が可能なんだとか。
そのブログラムの発動の為の解析に時間はかかるものの、なんとか神の計画実行の時間までには間に合う計算だ。

そして分かった事がもう一つあったのだ。
彼は誰にもその事を伝えなかったが、断罪プログラムは自滅の為のプログラムで、それを発動する為に神と一体化してしまうと、彼という存在は消えてしまうというのだ。

ずっと知りたかった愛を彼女と知り合い知る事が出来た。
一度は感情を失ったものの、彼女のお陰でそれも取り戻す事が出来た。
もう神からも開放され、自らの意志でしっかりと堕天した事で、自由も手に入れた。
これからいろいろな事が出来るハズだった。
彼女と共にたくさんの時間を過ごす事が出来るハズだった。

けれど彼女が居なければそれは叶わない。
彼女と過ごした、彼の居場所であるアンシャンテがなくなってしまっては、それは叶わない。
だから命を掛けてでも守ろうと決意したのだ。
しかしそうする事で、彼の肉体は残ったとしても、それは抜け殻の人形となるだろうから、やはり彼の願いは叶わない。

それをアンシャンテの仲間が聞いたら、きっと止めるハズだから。
彼は誰にも言わずに準備をしていた。
エピロギへの手紙と、渡すつもりのない彼女への手紙を書きながら。

そうして作戦決行の前の晩、彼女とデートした彼は、彼女に約束した。
あなたに伝えたいことがあるから、全てが終わったら聞いてください…と。
それはあの二人が名前を知りたがっていたあの感情。
彼はそれを理解し、彼女に向けその感情を抱いている事を知ったのだ。

決戦、そして彼は…

そうして迎えた決戦の日、聡いミシェルは気づいてしまった。
彼が消滅する覚悟で戦いに臨む事を。
だから止めに来た。
けれどそれでも行くという彼。
どうしても彼女を、彼女の世界を守りたいから…と。

彼の覚悟と彼女への深い想いを理解したミシェルは、彼を止める事を諦め、頑張ってと見送る事にしたのだ。
そうしてそんなミシェルに見送られ、彼女を伴い天界へ。

予想通り彼を阻むソリトゥスだったが、強い意志を持つ彼に破れ、いつまでも彼に執着するソリトゥスのそれは感情なのだ…と教えられた。
そう、共に神の両翼とし存在していた二人。
当時言葉を話す事はなかった彼に、いつもソリトゥスは語りかけてくれた。
なにかあれば「案ずる事はない」と、いつも安心させてくれた。

ソリトゥス自身は義務だというが、きっとそうではなかった。
いつしかソリトゥスの中にも、彼に対する友愛の情が生まれていたのだろう。
そうして彼が神と対峙し、ピンチを迎えた時に、その友愛の情を胸に彼を助けに来てくれたのだ。
イル・ファド・デ・リエ、神殺しを行え!」と。
いつも断罪の使徒と呼んでいたソリトゥスが、彼を名前で呼んでくれたのだ。
きっとそれは彼を使徒としてではなく、彼として認めてくれた証なのだろう。

そうして断罪ブログラムを実行する時、神は彼女に教えてくれたのだ。
それを行う事がどういう事なのか、彼がどうなってしまうのか。
その言葉に辛くて悲しくて、ただ彼に泣きながらすがる彼女だったが、彼の想いと意志の強さを知り涙を流しながらも必死に彼に応え支え続けた。
それが彼を失う事になると知りながら。

次第に感情を失い人形になりつつある中、それでも彼は必死に自分をつなぎとめていた。
そうして彼女に尋ねるのだ。
私は、あなたのすきな、えがおをみせられているでしょうか?」と。
片言になりながらも必死に尋ねる。
だから彼女も泣き笑いで答えた。
うん、私の大好きなイルの笑顔だよ

そうして彼は大好きな大切な彼女に見守られながら任務を遂行し、人間界を人々を救った。
自らの存在と引き換えに。

あとに残ったのは彼の肉体。
けれどもう暖かさも無ければ心臓の音も聞こえない。
それでも天界の技術で、肉体的な回復をはかる事は可能だという事で、神に代わりその後の天界をまとめてくれる事になったソリトゥスとエピロギに彼を預けた。
預けられた彼は、培養ポットの中で静かに眠り続けている。

感情を全て失ったとしても、魂のひとかけらでも残れば、マスターの元へ帰れるかもしれない。
彼が一縷の望みを掛けていそれも、未だにその兆しは見られないまま、1年の月日が流れた。
アンシャンテでは、彼を除いた常連たちが今も変わらずそこにいた。
ただ彼だけが居ない空間に、どうこらえても時折寂しさが襲う。

それでも彼が自らの存在と引き換えにして守ってくれた世界だから、場所だから。
ここが私の居場所です」と、彼が言ってくれたアンシャンテを守って行く事を誓った彼女。

そんなある日、最後のお客であるミシェルを見送ったあと、洗濯物を干しっぱなしである事を指摘され、慌てて取り込みに裏庭へ。
そうしてそこで居るハズのない幻影を見た。
まるで天使のようなその青年は、翼を羽ばたかせながら裏庭へと着地したのだ。

イル?
その姿に目を見張った彼女は、思わず名前を呼んでみたが、「あなたは…だれですか?」と尋ねられてしまった。
ショックだった。
けれど彼を失ったと思った時に感じたあの苦しみに比べたら、これくらい大した事はない。
だって今は目の前に彼がいるのだから。
会いに来てくれたのだから。

はじめまして。私はここ喫茶アンシャンテのマスターだよ」と自己紹介をすると「ます、たー…マス、ター、マスター……マスター!」何度も彼女を呼ぶ彼は、次第に瞳に光を取り戻し、彼女を認識してくれたのだ。
そうして「私はあなたをずっと探していた。それはなぜでしょう?」と。
それは私があなたと同じ気持ちだから」と答えた彼女。

あの時のショックでいろいろな事が分からなくなっていますが、今すべき行動がなんなのかは分かります。
そう微笑んだ彼は、彼女を抱きしめキスをした。

彼に感情を教えたのは彼女。
失った感情を取り戻させたのも彼女。
だから戻って来る事が出来た。
彼に残ったひとかけらの魂が、彼女に会いたいと彼を動かしたから。
そうして彼女と言葉を交わす程に、彼は様々な事を思い出して行く。

でもそれは全てではないかもしれない。
それでも構わない。
今までのように一つずつ二人で積み重ねて行けばいいのだから。
だってもうこれからは、ずっと一緒に入られるのだから。

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