あやかしごはん~おおもりっ!【犬嶌詠】

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キャラクター紹介

CVは梶裕貴さん。
謡とは双子で、彼は弟。
狛犬のあやかし。


人間が大嫌いで、面倒くさがりで、感情がほとんど見えない冷たい感じの男の子。

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感想

一見冷たそうで、対応もクールですが、親しくなると実は優しい事も分かり、照れてる様子が可愛かったです(笑)


人間にあまりいい感情を抱いていない事から、仲良くなるのが大変ではありましたが、後半、本当に素敵でした。


冷たいように聴こえる言葉も、梶さんが少しずつ少しずつ優しい声音にしてくださるので、徐々に近づいている感じが伝わって、凄く良かったです。


後半、自分を犠牲にしてみんなを守ろうとした彼女の決断、素敵でしたし、それでも必死に助けようとする詠くんが、本当にカッコ良かったですね。
もう、最後の頃なんて、「詠、詠…」と、彼と離れたくなくて泣きながら、呟きながら、プレイしてしまいました(笑)人が見たらアブナイ(笑)


END後の詠くんのあの一言が凄く気になるので、他の方も攻略すると、桜の秘密とか、色々分かるのかな?と、気になる事がたくさん残っていて、色々な方攻略出来てしまいそうです。


もう、本当に梶さんがカッコ良くて、いっぱいときめきましたし、いっぱい泣かせてもらいました。
梶さん、素敵過ぎる詠くんをありがとうございました。
大好きです!


ネタバレ(あらすじ)

おまえが生きてて、本当に良かった。


狂い咲いた桜。
いつものように彼女と訪れたそこで、まばゆい光を見た瞬間、彼は唐突に気付いてしまった。
自分が本当は既に死んでいる事に。

狛犬時代

むかしむかし、まだ人々が着物姿で生活していた頃、彼と双子の謡が狛犬をしているあの神社も栄えていた。
子どもたちは毎日遊びに来るし、村人達もよくお参りに来てくれていた。
作物がよく実ればお供えをしてお礼をしてくれ、掃除もマメにしてもらい、とても綺麗な神社だった。


所が、時の流れと共に、人々の信仰も薄れて行った。
そうして神様や狛犬は、みんなの信仰がなくなるにつれ、その力が弱まってしまった。
大した加護も与えられないまま、次第に誰も来なくなり、寂れて行った彼らの神社。


そんなある日、一人の少年が彼らの元に現れた。
彼は幼いながらもとても信心深くて。
汚れてしまった神社に遊びに来ては、少しずつ少しずつ綺麗にしてくれた。


すっかり汚れた詠と謡の狛犬としての体も、彼によって元の綺麗な姿に。


掃除をしながら村の様子を聞かせてくれる彼は、ある日、好きになった女性の事を話してくれた。
二人はそれがとても嬉しかったのだ。


双子の狛犬は、たいして残っていない力を振り絞り彼の恋を応援すべく、通り雨を降らせ、二人を雨宿りするように仕向けた。
そんなお膳立てで親しくなった二人。
青年の人柄に彼女が恋をするのにさして時間は必要なかった。


そうして二人は夫婦になり、それ以来、二人は夫婦で毎日神社を訪ねてくれた。
その後二人は子宝に恵まれ、息子と三人でお参りを。


そんな家族の優しさと暖かさに、人々が離れて寂しくて壊れそうだった彼の心は救われた。

奪われた片目

けれど、そんな幸せな日々は長くは続かなった。
狛犬のそれと人の生涯は長さが違うから。
彼らから見たら人間はあっけない程短い時間で命を終える。


そうして再び寂れてしまった神社を訪う人は居なくなってしまった。


またそこから月日が流れ、人々は神の力を頼らずとも生きていける時代になった。
益々人が寄り付かないそこには、近くの子どもたちが遊びに来ていた。


昔の子供達と違い、寂れたそこを気持ち悪がり、汚れた狛犬を破壊しようとする子どもたち。
石を当てられた双子の狛犬は、それぞれそ片目を奪われてしまった。


誰が悪い訳でもない。
時代の流れだから仕方のない事なのかも知れない。


それでも辛かった。
苦しかった。



だって彼はニンゲンが好きだったから。
そんな大好きで、ずっと見守ってきたニンゲンからの、とても理不尽な暴力。
そうして奪われた片目。

好きな心の裏返し

辛くて、悲しくて、もうこんな村見守りたくない…とそう言う彼に、兄の謡は「それでも俺達は見守るのが仕事」と言う。
だから彼は決めたのだ。
傷つきたくないから、最初から嫌いでいればいい。
嫌いなら、傷つかなくて済むから。


ニンゲンも、それを見守るという謡も大嫌いだ!


そうして彼は、暗く冷たい狛犬になってしまった。
ニンゲンが好きな心の裏返しで。

時間の流れの違う種族

でも、彼女と出会ったから。
自分たちの態度に問題あり…という事で、神様にぽんぽこりんに預けられた双子の狛犬。
彼らの暮すそこに、ある日やってきた彼女。


最初はうるさい暴力女だとしか思っていなかったのに。
彼女と共に過ごすうちに、彼の心は次第に変わっていった。


だって、嫌いな振りをしているだけだから。
彼はきっと、本当は今でも、ニンゲンが好きなハズだから。


でも、彼らはすぐに居なくなるから。
残される寂しさをもう二度と味わいたくない。
共に過ごした時間がしあわせであればある程辛いだけだから。



そう思う彼。
けれど、彼女は違っていた。
母を亡くして辛い時も、幼い頃の紅葉村でのしあわせな時間が、その思い出が、彼女を支えてくれたから。
だからあやかしという時間の流れの違う種族の彼の事を愛しても、彼女は逃げなかった。

傲慢な天狗

例えば二人が結ばれたとして、私はいつか詠を残して居なくなるから。
その時、彼には辛い思いをさせてしまうけれど、それでも一緒に居たい。
限りある時間だけど、尽きる時まで一緒に居たい。
その思い出が、いつか彼を支えてくれるハズだから。



そんな彼女の強い想いが、二人を近づけたのに。
けれど運命は残酷で、二人をすんなりと結びつけてはくれなかった。
突然現れた天狗が、あやかしの見える彼女を気に入り、自分の嫁に迎えたいと言い出したのだ。


傲慢な彼は、断る彼女を益々自分のものにしたいと願い、彼女が自分の元に来るように、村の女の子を攫い始めた。


力の強い天狗。
いくら狛犬であるとはいえ、本気で戦ったのならばきっと天狗に敵わない。
そんな不安をつくように、天狗は言った。


おまえが俺の嫁になれば、攫った女は村へ返すし、双子の狛犬を始めとしたおまえの大切な人たちを殺したりはしない…と。


一度彼女を助けるために、殺されそうになった彼だったから、守りたいと思った。
自分が犠牲になる事で、愛する人を守れるのなら、それが一番しあわせだ…と。
だから彼女は決意した。
天狗の元に行く事を。
大切な人を、愛する彼を守る為に。

彼女の決意と彼の想い

そうして約束の時まで、みんなに自分の笑顔を覚えていてもらおうと、笑って過ごした彼女。


けれど、彼は見逃さなかった。
いつも彼女を見ていたから。
何かを隠している、様子がおかしい、そんな事はすぐ気付いてしまう。


だからあの夜も、彼女が自分の気持ちを伝えてくれた時に、ひどく違和感を感じていた。
そうして彼女が一人、天狗と共に去ろうとしてる時に、それに気付き駆けつけた彼。


彼女を取り戻すため必死に戦うも、天狗には敵うはずもなく、彼女はあっけなく連れ去られてしまった。


それでも必死に彼女の名を呼んだ。
応えられなかったけれど、彼も同じ気持だったから。
彼女が好きで、彼女が大切だから。
自分だけ助かっても、そこに彼女が居なければ意味はないから。

守りたい

匂いを頼りに、彼女を追いかけ、やっと追いついた彼は、彼女を取り戻すべく天狗と戦う。
けれど、やっぱり全く歯がたたない。
いや、それどころか、もうただの一方的な暴力でしかなかった。
ただ、天狗になぶられるだけの彼。


そんな彼の元に、彼女が飛び込んで来たのが見えた瞬間、コイツを守らなきゃ!という必死な思いから、彼の姿は狛犬に変じていた。


そうして狛犬の力で戦った彼だが、やはり分が悪い。
最初は押しているように見えたものの、長時間狛犬の姿を維持する事が叶わず、再び倒れてしまった。


そんな彼を天狗から守ろうとする彼女。
詠の命は、自分の命より大事!…と。


そんな彼女を守ろうとする彼。
おまえが居なきゃ、俺だけ助かっても意味はない…と。


命がけの二人の思いに、天狗は去った。
興が削がれた…と言い残し。
他の男を命がけで愛してる女など、全て自分のものにする事が出来ないから、興味はない…と。

出来る限り、命が尽きるまで

そうして無事に結ばれた二人。


違う種族。
永遠にすら思える程の長い時を生きる彼と、あやかしからしたら、ほんの一瞬とも思える程、短い時しか生きる事の出来ないニンゲンの彼女。
それでも出来る限り、命が尽きるまで、傍に居たい
そう願う彼女に、「ずっと傍にいてやるから、長生きしろよ」と、優しく囁く彼。


そんな風に始まった二人の温かい時間。


そうして迎えた春。
二人は紅葉山に狂い咲いた桜を見に出かけた。
今まで何度も二人で見た桜。
でも今日はなんだかそこに行かないといけないような、そんな予感がする…と言う彼女と共に、桜へとたどり着いた。


桜はいつも以上に美しく咲き、その桜がまばゆい光を放った。
その刹那、彼は知ってしまった。
自分は既に死んでいるのだ…と。


そうして彼女の名を呼び涙をながす彼。
そうか、俺はもう死んでいたんだ
小さくつぶやく彼のそれに、「どうしたの?」と訊ねる彼女。
抱きしめて涙をながす彼は、「今はまだ分からなくていい」という。


でも、いつか知る時が来る。
その時おまえは凄く傷つくと思う。
凄く悲しむと思う。
それでもおまえなら、きっと乗り越えられるから。



そう呟いた彼。
もしかしたらあの桜が咲いている間しか、ここに留まれないのかもしれない。
それがいつまでなのかも分からない。
けれど、今ここに共にあれるこの瞬間。
この時間は間違いなくしあわせな時間だから。
今はそのしあわせを噛みしめて、抱きしめあう二人。


その先の未来、二人が何が待ち受けているかもわからない。
けれど今のその想いがあれば、きっと乗り越えてゆけるハズだから。


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