Re:BIRTHDAY SONG~恋を唄う死神~ another record【ナミ】

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【通常版】Re:BIRTHDAY SONG~恋を唄う死神~another record - PS Vita

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キャラクター紹介

CVは諏訪部順一さん。主人公の通う死神学校の教師。
やる気なさげな教師で、彼女のいる補習クラスの担当。


死神になるべく奮闘する彼女を教師として助ける事で絆を深める。

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感想

先生のシナリオで有りながら、真相のシナリオでもあるような内容でした。
教師として、やる気なさげに見ても、結構しっかりと導いてくれているようにも思えていたので、色々真相が見えると、少し彼の味方が変わるかも(笑)


大人な感じで包容力抜群な役を演じる諏訪部さんが好きなので、結構期待していましたが、ちょっと思っていたのとは違うかな?と。
なので、先生個人が好きという気持ちより、真相分かってスッキリ…という印象です。


ネタバレ

頼む、おまえの歌で俺を送ってくれ。
もう俺には時間がないんだ。



-----


時は明治。
それはまだ彼が人間だった頃、
彼は身寄りがない学者だった。

無愛想で、恋人も友達もなく、
ただ一人だった彼だが、
その分析力のお陰で
仕事にだけは困らなかった。

そんな彼はある日、
古本屋で彼女と出会った。
彼が見つけた本をたまたま彼女も目にして
二人で同じ本に手を伸ばすという出会い。

それがキッカケで、
無愛想な彼に興味を持った彼女は、
いつもニコニコと笑顔で彼に声を掛けた。
特に楽しい話をしてくれる訳でもないのに、
懲りることなく、声をかけてくれる彼女。

そんな彼女の笑顔に、
彼はいつしか惹かれていた。

そうして年の離れた二人は恋に落ち、
彼が定職を手に入れ安定した頃、
二人は結婚することに。

共に身寄りのなかった二人は、
特に結婚式を挙げる予定もなかったが、
彼が西洋から取り寄せた
純白のドレスに身を包み、
二人で記念撮影をする約束をしていた。

事件が起こったのは、
ちょうど撮影の約束の日。
先に写真館でドレスを着付けて貰った彼女。
後は仕事を終えた彼が来るのを待つばかり。
ドキドキと彼を待っていた彼女の耳に、
外から銃声が聞こえた。

政治的活動の盛んな時期で、
過激な集団は、武器を用いて活動していた。
その日もそうだった。
ただ、銃を手にした男が、
運悪く彼女のいる写真館に入って来ただけ。
そしてその男が発砲した弾が、
彼女を貫いてしまっただけ。

騒ぎを聞きつけたのか、
彼女が撃たれた直後、
彼が写真館へと現れた。

でも遅かった。
彼がたどり着いた時には、
愛する人を包む純白のドレスは、
彼女の血に染まっていたのだ。

泣きながら彼女の名を呼ぶ彼。

だから応えたいのに。
言葉を発しようとしても、
ヒューヒューと息が抜けて、
言葉を紡ぐ事が叶わない。
伝えたい事は沢山あったのに。

そうして彼女は彼の腕の中で
静かに息を引き取った。

絶望した。
何もないと思っていた世界で、
たったひとつ見つけた
大切なものだったのに。
それをこんなにも
あっけなく奪われてしまったから。

その後彼の命もすぐに終わり、
彼女への未練の断ち切れない彼は、
冥府へとたどり着いた。

そこで死神になった彼は、
学者として培った分析力を買われ、
死神上層部の組織で研究員として働く事に。

そんな彼に依頼されたのは、
初代死神主人の娘を探す事だった。
そうして彼は、自分の最愛の人を探す傍ら、
任務の死神主人の娘を探し始めた。

-----

初代死神主人。
主人は冥府を作ったとされる人。
まるでおとぎ話みたいに冥府に伝わるそれは、
紛れもない事実だった。

心優しく歌の好きだった主人は、
愛する妻に先立たれたものの、
元気で可愛い娘と幸せに暮らしていた。

所がある日、主人は病に侵された。
治らない病。
死んでしまう主人。
けれど、自分が死ぬ事で
愛する娘を一人にしてしまう事が
主人には心残りでならなかった。

だから死んでしまった後も、
その想いから、主人は成仏する事なく、
天国へも地獄へも行けないまま彷徨っていた。

そんな主人の元に、
同じように未練を残した魂達が、
惹きつけられるように集まって来た。

心優しい主人は、
そんな魂達を不憫に想い、
彼らの住む場所を作った。
そうして作られた冥府。

更には魂達が暮らしやすいようにと、
生前と同じ体を与えた。

そうして未練を残した魂達だからこそ、
死んでしまう事の辛さ、
新しい人生へ旅立つ不安を
誰よりもわかっているから…と、
彼らに人々の魂を狩る死神の仕事を与えた。

辛さも不安も悲しみも、
すべてを知っているからこそ、
魂を正しく暖かく
導く事が出来ると信じたから。

そうして主人の娘が17歳を迎える頃、
娘は主人と同じ病で亡くなったのだ。
死の間際、彼女は思った。
自分は恋を知らないままだという事を。
そうしてそれが彼女の未練となった。

だっていつかは大切な誰かと
永遠に愛し合いたい
と思っていたから。

だから主人は特別な力を注ぎ、
彼女の魂を転生された。
天国へも地獄へも、
もちろん冥府へも送る事なく、
今度こそ彼女の願いが叶うようにと
願いを込めて歌を歌った。

そうして彼女は命を失ってすぐに転生し、
何度も何度人生をやり直した。
けれど、何度やり直しても
彼女は17歳を迎えるとその命を終えてしまう。

そんな幾度も繰り返された人生の中で、
彼女は特別な5つの魂と出会った。

明治時代に出会った孤独な学者。
彼は死してもなお、
彼女への想いが忘れられず
冥府へとやって来た。

大正時代で出会った
人の心を知りすぎた少年。
彼もまた彼女と出会い恋を知り、
彼女との約束を果たせないまま
病で命を落としてしまい、
それが彼の未練となり冥府へ。

昭和に出会った家族の愛を
受け入れられない青年もまた、
明るい彼女と出会い、
彼女に救われたものの、
命を落とした後も彼女を忘れられず
冥府へとたどり着いた。

平成で出会った二人の少年。
一人は幼馴染で
いつも彼女を守ってくれていた。
そんな彼と、一時期離れ離れだった彼女は、
もう一人の少年と夏のひまわり畑で出会った。
何でも作れる器用な彼に、
彼女は密かな憧れをいだき、
彼もまた彼女に淡い恋心をいだいていた。
けれど父との確執から、
彼は自らその生命を絶ってしまった。
そうして彼もまた冥府へ。

彼への憧れの気持ちを抱いた彼女は、
すぐに彼とは引き離され、
泣きながら別れたものの、
元の環境に戻り日々の暮らしの中、
ひまわり畑の彼のことは、
忘却の彼方へ。
そうして再び幼馴染に
大切に守られる日々の中、
幼馴染に恋心を抱いた。
けれど、17歳の誕生日の日に、
幼馴染と共に事故に巻き込まれて、
その命を落とした。

そうして彼女の恋は、
いずれも成就する事なく、
彼女は何度も人生を終えた。
そんな彼女を
主人は再び転生させようとしたものの、
未だ冥府の死神学校の地下で、
人格を失いながらも
冥府を守り続けている主人の力も、
だいぶ弱まっていた事から、
彼の奇襲にあい、転生が失敗。
彼女の魂は冥府へと落ちてしまった。

彼の探していた愛しい人、
そうその人が死神主人の娘の魂だったから。

-----

その後、彼の管理下で
1年半眠り続けた彼女だったが、
死神の上層部が彼女の魂の存在に気付き、
急遽彼によって逃された。

そうして逃された先で目覚めた彼女は、
死神学校に生徒して学ぶ事に。
校長と教師して死神学校にいる彼が、
その力を見極める為に。

死神の上層部の目的は、
彼女を死神主人に据えて、
初代死神主人の身代わりにする事だった。

初代の力が弱まった今、
現世では異常気象がおき、
冥府も不安定な状態が続いていた。
冥府と現世、そして天国や地獄は
つながっているから、
冥府が安定を保てず崩壊する事があれば、
世界は終わってしまう。

だから彼女が必要だった。
彼らがどんな愛し求めていようとも、
死神の上層部は、ただ彼女を利用したいだけ。
冥府を世界を守る為に。
彼女が人格を失い、魂のみの存在となっても、
この冥府を世界を支えてくれるようにと。

けれど、彼にはそんな事耐えられなかった。
自分の愛した人の魂が、
そんな事に利用されるのが許せなかった。

それに何より彼の望みは彼女だけだったから。
世界がどうなろうと、冥府がどうなろうと、
彼には関係なかった。
ただ彼女と共にあれればそれで良かった。

だから壊してしまおうと思った。
世界を壊し、
初代と同じ力を持つと言われる彼女の力で、
新しい世界を作ろうと。
他の誰もいない、彼と彼女と二人きりの世界。

彼は生前愛した彼女を求めるあまり、
今の彼女が見えなくなり、
更にはそんな歪んだ願望まで持ち始めていた。

そんな彼に必死で訴えたのは彼女。
もう私はあなたの愛したあの人じゃない。
けれど、私は私としてあなたを愛している
と。
先生とみんなと出会った冥府が大事で、
だから二人きりの世界なんて作れない。
冥府もみんなも、そして先生も私が守る!
…と。

そんな彼女の想いに、
やっと現実を見つめてくれた彼。

でも本当は知っていた。
彼もまた今の彼女に惹かれていると。
ただ怖かっただけ。
あんなに愛した彼女を忘れ、
今の彼女に惹かれているという事実が。
だから認めたくなくて目をそらしていただけ。

せっかく彼女の想いが届いたのに。
上層部が彼のしようとしている事を嗅ぎつけ、
二人を捕らえにやって来たのだ。

そんな中、彼女だけでも逃がそうとした彼は、
死神の鎌にその身を貫かれてしまった。

死神が死ぬ条件は二つ。
一つは未練を晴らして成仏する。
もう一つは死神の鎌で貫かれる。

彼が死んでしまう!
彼女たちのピンチに、
特別補習クラスのみんなが駆けつけ、
助けようとしたものの、
彼が死んでしまうかも知れないと、
彼女は動けずにいた。

すると彼女の耳に父の声が聞こえた。

おまえの力を使うんだ。
想いを込めて歌えばいい。

彼女と父の持つ力は、
「願いを叶え力」。
強く願い歌に込めると、
その願いが形になる。

だから彼女は争いが収まるように、
愛する人が消えないように

心を込めて歌を歌った。
そんな彼女の想いが、
冥府から消えようとしていた
彼をここに留める事に成功したのだ。

その後、決意を固めた彼女は、
父の力のすべてを受け継ぎ、
死神主人として冥府の為に力を尽くす事に。

そうして事件以来姿を消していた彼が、
久々に彼女に前に姿を現した。
会いたかった人。
愛おしい人。

けれど、彼は残酷な言葉を口にした。

頼む、俺をおまえの歌で送ってくれ…と。

そう、彼は鎌で貫かれていたから。
彼女の歌の力で一時的に
冥府にとどめていたものの
そろそろ限界だったのだ。

もう消えようとしている彼に、
何度でも歌う、だから消えないで!
と願う彼女。
でも、彼は成仏してまたやり直したいと、
彼女に送られる事を望むから。

だから彼女は心を込めて歌を歌った。
彼が新しい人生で幸せになれるようにと。

そして自分が
いつか死神主人の役目を終えて、
再び転生出来る時がきたら、
また彼を探すと誓う。
だってこんなにもあなたが大切だから。

そうして長い月日が流れ、
彼女が再び転生して迎えた17歳の誕生日。
大好きな鳴海先生には、
何度も告白してもふられてしまう日々。

そんな彼女がとある教室を覗くと、
そこに佇む先生から、
可愛い飴玉を貰ったのだ。
誕生日のプレゼントだと。

そうして俺は大人だから、
物事の分別を付けないといけない

…と言う彼に、気持ちに応えられないと、
再び告げられてしまった彼女。

でも「今はまだ」。
いつか、彼女が卒業しても、
まだ彼を好きだったら、
もう教師し生徒じゃなくなるから。
その時は…という彼。

その言葉が何よりの
誕生日プレゼントだったのかも知れない。

-----

今はまだな?
卒業しても、変わらず俺の事を
想ってくれているのなら、
まぁ、その時は…。

なんて言ったけど、ちゃんとわかってる。
おまえはバカ正直で真っ直ぐだから、
多分ずっとその想いは変わらないって。

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