吉原彼岸花【大月忍】

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吉原彼岸花 久遠の契り - PSVita

キャラクター紹介

CVは須賀紀哉さん。
彼女の馴染みのお客さん。
一風変わっていて、お座敷に来てもみんなと楽しく騒いでは、お酒に弱いのか彼女と床を共にする事なく眠ってしまう人。


軽い印象の彼は、女の子と見れば誰かれ構わずくどくような人で、飄々として掴みどころのない感じ。
けれど優しい人。
桜華屋の遣り手のお菊のギックリ腰事件をキッカケに絆を深める。


感想

もう忍さん、最高でした!
彰人さんのルートのときも、凄いいい人だなって印象だったのですが、想像以上に素敵な人でした!


お菊さんを助けた時の頼りになる感じと、お年寄りに優しい所にまずキュンとなりましたね(笑)
自分がおばあちゃんっ子だったから、男性のそんな所にはとても弱い(笑)


そしていつもにこにこしてる彼の神剣な表情にもやられ、「抱かせてください」って切羽詰ったような声で言われた時には素敵すぎて吐きそうになりました!


須賀さんの声が心地いいし、話し方もとても優しくて。
忍さんのおおらかな人柄を素敵に演じてくださってました。


そして普段は優しい印象が目立つ彼なのに、大人のシーンで見せるちょっと意地悪な様子とか、優しい口調なのに有無を言わせない感じとか、たまらなかったです(笑)


彼のお母さんの話も、運命を感じずにはいられないですよね!


後半は本当に花魁である事が辛い展開でしたので、物凄い泣きました!
これ、GOODエンドなハズなのに、なに、この展開…と思う終わり方でしたが、エピローグで感動しましたね。
そういう終わり方もいいなって。


更には組紐の事とか忘れてたのに、ちゃんと覚えててくれたのも嬉しかったです。
彼がくれた言葉は、冗談みたいなものですら、一つも嘘はないんだな…と心から思えました。


優しいのに有無を言わせない所もあったり、頼りがいがあり洞察力に優れてて、なんでも分かってくれる所とか、本当にかっこ良かったです。
忍さん、最高でした!
大好きです!
須賀さんが忍さんで本当に良かったです。
須賀さん、素敵過ぎる忍さんをありがとうございました。


ネタバレ

普段使いにはもったいないから、ここぞって時に使わせて貰うよ。
そうだな…俺が君に跪いて結婚を申し込む時かな?



冗談めかして言った彼の言葉が、いつか現実のものとなる日が来るなんて。


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彼女の馴染みの客である彼は、吉原でも有名な珍しいお客だった。
吉原の遊郭に来る男たちは、宴会をした後、自分の相手である遊女と閨を共にする。
しかし彼は楽しく宴会で盛り上がっては、酒に弱いのかそのまま寝てしまう。
桜華屋のお職の彼女の馴染みではあるものの、彼は未だ彼女と枕を共にした事がない。


そんな彼の不思議な行動は、今に始まった事でなく、以前より色々な店でそんな事を繰り返しては、定期的に贔屓にする店を替えていた彼。


甲斐の大名の九条家の当主を父に持つ彼だったが、母は吉原で遊女をしていた。
彼女が桜華屋に来るよりもずっと前に、彼の母は桜華屋のお職花魁として働いていた。


江戸藩邸に来た彼の父が、花魁道中をしている彼の母、白波に一目惚れ。
以来、彼女の元に足繁く通いつめた。


そうして彼女は彼を身ごもった。
普通は遊女が妊娠すると、子供を堕ろさせられてしまうものだけれど、彼女は特別に遊女が療養に使う三ノ輪で、こっそりと彼を出産した。


その頃、甲斐公は既に正妻を迎えていたため、彼の母を自分の家に迎えたかったが、嫉妬から正妻に反対されて、自分の家来である大月重十郎夫妻に息子を預けた。


育ての親である重十郎は、幼い彼を良く母のいる桜華屋に連れて行ってくれ、今は彼女が使っているあの部屋で、白波は息子である彼に良く折り紙を教えてくれた。
そんな優しい母が大好きだった彼。
けれど、母はまだ彼が幼いうちに、病でなくなってしまった。


正妻の子ではないものの、彼も大名の息子。
時折江戸藩邸に出向いては、武士の子息として教育を受けていた。
けれど、その頃正妻の葉津には子供がおらず、そんな焦りからだろうか?
彼へ嫌がらせをするように。


ことあるごとに、遊女である母を悪し様に言われた彼。
だから彼は母の事は大好きだったものの、自分の出自を恥ずかしいもののように感じても居た。


それでも吉原には母との思い出があるから、複雑の立場の彼には辛い事が多く、安らぎを求めるように吉原へと通っていた。
次々とお店を替え、馴染みの花魁を替えながら。


そうしていつしか、母と同じ桜華屋のお職に会いたい気持ちを抑えきれず、彼は桜華屋へと登楼するようになり、そこで母と同じ桜華屋のお職をはる彼女と出会った。


望んでいる場所でもないし、ましてや望んでしている仕事でもない。
それは誰もが知っている事。
それでも、彼女は自分に与えられた場所で、自分に与えられた役割を懸命にこなしていた。
その仕事に誇りを持って。
凛としたその姿に、彼はいつしか惹かれていた。


そうか、白波もこんな風に働いていたのかもしれない。


彼女の姿に、彼は母の事を思い、そして自分の出自を恥ずかしいとは思わなくなった。
葉津になんと言われようと、母は立派な花魁だった、立派な女性だったと、彼女のお陰で理解する事が出来たから。


だから変わろうと思った。
逃げてばかり居たあの家と向き合おうと。
だって彼は彼女を愛してしまったから。
だから彼女にふさわしい男になりたいと思ったから。


正妻の元に生まれた鈴千代は体が弱く、成人するまで無事に生きられるか…と、心配されるような状態の中、彼を跡取りに…との声が家臣の中からも挙がり、そのことで葉津からの嫌がらせはひどくなり、今では命を狙われるまでに。


だからあの家から逃げ続けていた。
遊郭に入り浸り、日がな遊んで暮らす様子を周囲に見せれば、自分を当主にと推す声も聞こえなくなるだろうと。


彼は弟がとても好きだったし、弟もまた彼を兄と慕ってくれていたから。
だから彼の望みは、弟の鈴千代が無事に成人して、九条家を継いでくれる事だったから。


そうして彼女と心を通わせた事で、彼女までもが九条家の跡継ぎ問題に巻き込まれ、そんな中、父から跡継ぎとして彼が指名された。
鈴千代が成人して跡を継ぐまでとの条件付きで。


そんなの本当はいやだと思った。
だって、まるで鈴千代は成人するまで生きられないって思われているみたいだったから。


それでも、その反面嬉しくもあった。
彼女にふさわしい男になりたいと頑張って、それが父に認められたようで。


でも、そう思えたのも、彼女が居てくれたから。
だからこれからさきもずっと彼女と共に有りたかった。
もう彼女が仕事とはいえ、他の男に抱かれるなんて、耐えられそうになった。


そうして側にいて欲しいと気持ちを伝えると、彼女はその申し出に頷いてはくれなかった。
遊女の息子である事で、彼が受けた仕打ちを知っているから。
だから身を引こうと決意した彼女の想い。
聡い彼はすぐに気づいてしまった。


そうして彼女は彼に、彼の母が父に言ったように、


愛した男の幸せを願わない女は居ない。
自分が側にいる事が愛する人の枷になるのなら、遠くから幸せを祈りたい。



そんな言葉で身を引いた彼女。


あぁ、やっぱり親子なんだ。


遊女の息子故に、本当に父の血を引いているのか?
そんな風に怪しまれる事が沢山あったし、自分でも分からなかった彼なのに。
彼女に惹かれた事で、彼女のその言葉で、父との確かな血のつながりを感じた。
だって、同じような女性にこんなにも惹かれたのだから。


彼女と共にあるためにどうすればいいのか考えるし、一緒に頑張るという彼に、領主として領民のためにするべき事が、これから他に沢山ある…と諌めた彼女。


そんな彼女の言葉と想いに背中を押された彼は、彼女の愛を受け止めながら、身を引くというその彼女の決意を受け入れた。


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そうして二人が別れたあの日から数年の月日がながれ、彼女は無事に年季を明けて吉原の外へ。
その間、沢山の身請け話が舞い込んだものの、彼以上に愛せる男はいないと、すべて断った彼女。


あの日から今日まで、辛い日々も沢山あった。
そんなときもいつも彼の存在が彼女に力をくれた。
駿河の両親が数年前に亡くなったと聞いたときも、心の中で彼の名を幾度となく呼び、彼との思い出に支えられた。


そうして彼の支えでやっと終えた年季。
これからは自由にどこにでも行ける。
まずは両親の墓前に手を合わせたい…と、駿河に向かおうとあるき出した矢先、桜の木により掛かるように座る大柄の男の姿が目に入った。
その手は器用に折り紙で動物を作り、いつからそうしているのだろう?
彼の周りは紙で折られた動物でいっぱいだった。


忍さんだ!


確信した彼女は彼へと足を踏み出すと、彼もまた彼女に気づき、あの頃より大人びた表情で彼女に微笑んでくれた。


彼は無事に甲斐の領主として領地を治め、弟が成人したため、家督を譲り今は優雅な隠居生活なんだとか。


そうして彼女の年季が明けるのを聞いた彼が、彼女に逢いたくて待っていた。
どうしても伝えたい事があったから。


もうふたりともそれぞれの役目は無事に果たしたんだ。
これでもう一緒になれるよね?



それはあの日彼女がお礼にと渡した組紐。
彼女に結婚を申し込むときに使うと冗談めかした約束だったのに。
彼は約束を違える事なく、あの日のあの組紐で髪を結い、彼女に結婚を申し込んだ。


もう、何にも誰にも縛られる事もない二人は、これからは愛する人と共に歩いて行ける。


-----


まずは駿河に行こう。
君の両親のお墓に、娘さんを俺にくださいって、挨拶したいから。
そうして夏まで駿河にいよう。
そうすれば約束の蛍を二人で見られるから。



それは遠い昔、彼が折り紙で螢を折って彼女に贈った時に交わした約束。
いつか二人で本物の螢を見よう…と。


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