キャラクター紹介
CVは髭内悪太さん。
金貸しで利益を得る札差を営んでいる人。
桜華屋の楼主の時雨と友人で、桜華屋の常連。
かつては主人公の姐さんの馴染みだった人。
その頃から彼女に大してだけ、取り立てて態度の悪い彼とは、未だに険悪な関係。
久々の再会後、彼女に会いに登楼して来た事から、否応なしに急接近し、絆を深める。
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感想
急接近後も、ビックリするくらい険悪で、この二人どうなるの?とヒヤヒヤしましたが、予想以上に素敵な結末でした。
最初は本当に嫌なヤツだな…と思う彼でしたが、シナリオが進み、彼と俄と呼ばれる吉原のお祭りに行ったあたりから、今まで知らなかった顔が見え始め、彼女が彼に惹かれるように、私も次第に好感を持てるようになりました。
最初が本当に印象悪かったのに、後半のあんな変化はズルいと思います(笑)
惚れない訳がない(笑)
声質が高めの方が好きなのですが、今回は珍しく低音の色っぽい声にやられてしまいました。
本当に髭内さん、素敵でした。
エピローグもほんわかした気分にされて頂きました。
そしてお友達からも聞いていましたが、なんかスチルとか美しすぎて、いやらしさがなくてビックリ(笑)
寧ろもっといやらしくてもいいのかな?とも思いますが、文章も綺麗な作品なので、この世界観には、この美しすぎるスチルでいいのかもしれません。
髭内さん、本当に素敵でした。ありがとうございました。
ネタバレ
子供はお前に似た女の子がいい。
もう、最高級な雛人形も羽子板も注文してあるんだ。
そんな気の早すぎる夫の言葉。
吉原の外で、愛する人と夫婦としてこんな話をする夜を迎えられるなんて。
きっと昔彼女は想像もして居なかっただろう。
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札差として金を貸して儲けている神楽屋。
彼は桜華屋の楼主の友人として、桜華屋の常連だった。
その昔、まだ彼女が千景という花魁についていた幼い頃、彼は千景の馴染みだった。
突き出しを迎える前の彼女は、姐さんたちの仕事を覗き見て勉強するようにと言われていた事から、彼と千景姐さんの床入りを覗いた事があった。
熱く彼を求める千景に対し、彼はどこまでも冷めていて。
そんな二人の温度差と、彼の背中に彫られた虎の刺青がとても印象的だった。
そんな彼が彼女に会いに来るようになったのは、単なる嫌がらせだった。
綺麗に済ました顔を泣かせて歪ませたい。
そんな嗜虐的な考えからの事。
ところが、三度目の登楼後、勢いで床入りする事になった事をキッカケに二人の関係は変わり始めた。
そうして互いが互いを想うようになった頃、化粧品を売りに来た駿河出身の青年から、駿河の清洲屋は店主とその妻が自殺して潰れてしまったと聞かされた彼女。
辛い吉原での日々。
それでもいつか年季を終えて両親の元に帰る事だけを楽しみにして来たのに、知らされて居なかった現実に、彼女の夢は潰えてしまった。
仕事も出来ない状態の彼女を案じた友人が、彼に文を書いてくれた事から、駆けつけてくれた彼。
そうして彼女に事情を聞いた事で、彼は青ざめてしまった。
駿河の清洲屋という呉服屋が、江戸に出店する際に、札差だけでなく両替商も営んでいた神楽屋が、金を貸していた。
火事に遭い、店がなくなった清洲屋は借金を抱え娘を吉原に。
その当時の神楽屋は彼の父が仕切っていたものの、若いものの指揮は彼が執っており、執拗なまでの取り立ても、すべて彼の指示によるものだった。
そうして追い詰められた清洲屋夫妻は、娘を吉原に残したまま、この世を去った。
自ら命を断つ事で。
ずっと会いたいと思っていた最愛の両親。
その両親を死に追い込んだのは、自分を身請けして夫婦になろうと言ってくれた想い人だった。
その事実に耐えられず、一度は彼と離れたものの、どうしても彼への想いを断ち切れなかった彼女。
やっと仕事に復帰し、久々に稲荷へお参りに来たときに、彼と遭遇。
ここにいればお前に会えると思ったから…と。
そうして彼に
許せない!もう私の前から消えて!
そんな言葉を投げかけて彼女が去った直後、物陰から出てきた局女郎により、彼は刺されてしまった。
局女郎は元は武家の娘で、彼が父に金を貸さなかったせいで自分が吉原で働くハメになった…と逆恨みしていたのだ。
そうして彼はひどい怪我を負い、そのときに彼女は心から思い知らせれた。
彼がどれほど大切なのかを。
金貸しとして評判の宜しくない彼だったけれど、彼女の両親を自殺に追い込んだ後、しばらく落ち込んでいた事。
以来、取り立てには必ず自分が出向き、執拗な取り立てもしないように改善したり。
彼女が目撃した岡田屋への態度も、吉原で女に入れあげて借金を作り、妻子を放り出したまま、働かず借金が返せないと嘆く妻に頼まれて、岡田屋を懲らしめていた所だった事…など。
彼は実は結構人に感謝される仕事をしている事を人づてに知らされた彼女。
その後、一命をとりとめ、桜華屋で養生していた彼と共に時雨に身請けの話をし、彼の傷がいえると同時に彼女は吉原を出ていった。
彼と夫婦になるために。
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