オトメイトさんのNintendo Switch用ソフト「オランピアソワレ」で杉田智和さん演じるキャラクター、玄葉の感想とネタバレ(あらすじ)をまとめました。
キャラクター紹介
※「オランピアソワレ」は乙女ゲーム制作ブランド『オトメイト』の作品です。
バナーの画像はこちらからお借りしております。
CVは杉田智和さん。
出身は黄泉であるにも関わらず、努力を重ね医師となり医療院で働き、朱砂にスカウトされ今ではコトワリの副所長。
コトワリの副所長室は、彼の研究所と化しており、家には帰らずほぼそこに住み着いて日夜『剥』の新薬を研究している。
主人公にはいかがわしい冗談ばかり言うも、医師としての志も素晴らしく、黄泉の子どもたちのために定期検診なども行っている。
主人公はそんな彼の新たな一面に触れてから、彼を意識するように。
彼はといえば、黄泉の者とも壁を作らず、相手が誰であれ同じ目線で接する事の出来る彼女の姿に惹かれたものの、自身の【色】が黒である事からその距離を考えてしまう事も。
感想
別サイトにまとめた攻略直後の感想です。
ネタバレ(あらすじ)
半身か…。
俺にそんなものが居るのかって思っていたけど、今なら信じられる。
こんなにも愛おしく思える存在は、あんたしか知らない。
非時丹・涅(ときじくたん・ね)
今から20年と少し前の事。
【黄】の当時の長である葉金の元に男の子が産まれた。
綺麗な金色の髪に白い肌、そして美しい金色の瞳の赤ん坊だ。
右目の下に黒子のある。
しかしその子はまだ幼くして剥を発症した。
助からないと思った大人たちは、当時まだ研究段階で、名前もなく番号で管理されていた薬を治験として投与してみた。
これが効けば、剥の治療薬として今後使用可能となるだろうとの期待を込めて。
しかし薬を投与された赤ん坊は、高熱を出して今にも死んでしまいそうだった。
「やはりダメだったか」
治験に関わった医師達は、その場で諦めてしまった。
だから苦しむ赤ん坊をそのまま放置したのだ。
そうして一晩経った翌朝、あの赤ん坊は死んではいなかった。
しかもどこにも剥は見当たらない。
高熱で苦しんだのち、あの薬はちゃんと剥を治療したのだ。
ただ手放しでは喜べなかった。
なぜなら助かった赤ん坊は、黒い髪、黒い肌、そして黒い瞳に変色してしまったから。
元々剥の薬は非時丹と言う薬のみだった。
投与しても全ての患者に効く訳ではない。
大半は効果もなく命を落としていた。
しかしある時【黒】の血を混ぜて薬を生成した所、真っ黒な薬が出来上がったのだ。
それが赤ん坊に投与されたもので、後にそれは非時丹・涅と名付けられた。
涅とは水底に澱む黒い土の事。
飲んだ人間を黒く染め上げてしまう、その力からそう名付けられたのだ。
そうしてその赤ん坊は命は助かったものの、黄の身分は剥奪され、黄泉に落とされてしまったのだ。
まだ親が誰で、自分が何者かも分からない幼い内に。
そうして彼は黒として黄泉で育ち、彼らをよく世話してくれた萩野と言う娘の死から医者を志すように。
見事医師となった彼は、剥の研究に没頭した。
もう誰も剥で失いたくなかったから。
そんな中、歴代の剥の患者のことを調べていた彼は知ってしまった。
自分が【黄】として生まれて、薬の副作用で黒となった事を。
そして原色の人間が「黒く染まるくらいなら死を選ぶ」と服用を拒む『非時丹・涅』を初めて服用した人物が自分である事を。
【黒】と言う色
色に縛られる島、天供島。
そこでは赤・青・黄の原色が最も尊い色とされていた。
卑流呼が最初に生み出したとされる色だからだ。
その下にある独色と呼ばるれ色達は、交配で生み出される色であるのに対し、稀に他の色から原色が生まれる事もあるが、基本他の色の交配で生み出せない色が原色だ。
故に尊い色とされ、数も少なく、その色を持つもの達は色を守るのに必死だった。
そんな中、彼女の持つ【白】も特別で、天供島には存在していない。
天女島にのみ存在し、女しか居ないのだ。
だから赤渦の災の後に、この島に来た彼女は、その色から好奇の目に晒された。
「真っ白い子ね、不気味」と言われた事もあった。
しかし白の女には特別な力がある。
アマテラスに祈りを捧げ、太陽を守る力だ。
故に希少で珍しがられもするが、崇められる存在でもある。
実際に彼女は闇を払い太陽を輝かせているのだから、美しいその舞で。
一方同じ希少な色【黒】。
こちらはこの島の人々は太陽を崇める事からも分かるだろうが、闇を酷く恐れるのだ。
そんな闇を連想させる漆黒は、不吉な色として忌み嫌われる。
元々黒はそう昔から存在する色ではなかった。
ある時現れ、人々に恐れられるようになったのだ。
それでも濁りのない色。
数年前に【黒】の地区も与えられた。
しかし島の人々の視線に、態度に耐えられなかった彼らは、自ら黄泉へと下ってしまった。
そうして地上から黒の姿は消えた。
いつもそうなのだ。
黒に限らず、原色・独色の者たちは、自分たちが美しいと思えない色を迫害し、黄泉へと追いやる。
自分たちの目につかないように。
そんな忌み嫌われる黒だが、その血がある時、非時丹・涅の元になった。
剥から人の命を救えるのだ。
これはとても素晴らしいことであるのに、色の綺麗な者たち、特に原色のもの達は、この薬を拒む。
飲めば剥からは助けられるが、その色が真っ黒に染まってしまうからだ。
そうして命を救われる代償として、持って生まれた色を失い、黄泉落ちとなる。
だから島の人々は、生きる事よりも剥で死ぬ事を選ぶものが後を立たない。
仮に家族の希望で非時丹・涅を使用しても、黒く染まった自分に耐えられず命を絶つものも居るほどだ。
命は決して軽いものではない。
生きている事に意味があるのに。
医師である彼は命を粗末にする事が許せなかった。
けれど黒く染まる事の辛さは誰よりも知っている。
だから薬を研究していた。
黒く染まる事なく、剥から人を救える薬を。
偽りの婚約者
そんな彼は黒でありながら、医師となり医療院で働いた。
そして今では朱砂に選ばれたコトワリの副所長にまで上り詰めた。
今もコトワリの副所長の仕事をしながら、自分の部屋を研究所として、日々剥の薬を研究していた。
そんなある日、彼女と出会った。
白を残すため、一年以内に婿探しをするよう命じたのが、彼らのコトワリだ。
その事を告げる為彼女を呼び出した時に知り合った。
舞台で舞う姿は美しく、しかし誰とも口を聞かず、目も合わせず笑いもしない。
美しいが故に、まるで作り物の人形のようだった彼女。
しかし実際の彼女は、全く違う顔を持っていた。
黄泉へと案内すれば、地上で暮らす事を許されない醜い、不出来とされる色のものたちを「綺麗な色」だと言うし、すぐに彼らと親しくなってしまった。
突然黄泉と地上との手紙のやり取りが出来る様に…と、手紙の配達を始めたりもした。
化色である彼を蔑む事など一度もなく、誰とでもいつも相手と同じ目線で話をする娘だった。
だから彼女に惹かれた。
それでも彼は自分の色を理解していたから、弁えていた。
どんなに魅力を感じても、自分は彼女に相応しくないと。
からかって笑い合うくらいで我慢するべきだと。
一方彼女はと言えば、黄泉で子供達を死菫城に呼び、検診をしている彼の姿が忘れられなくなっていた。
からかってばかり、いかがわしい冗談ばかり言う人だと思っていたのに。
命に対する考え方や、子供達への態度。
そしてこの島のあり方への彼の思い。
そんなものを知るにつれ、彼の事で頭がいっぱいになってしまうのだった。
そうして互いに惹かれ合う二人だったが、そこにある男が立ちはだかった。
黄緑の薙草だ。
次期長と既に決められており、見目麗しく女性たちから大変な人気だ。
そんな薙草と彼女が婚約したと言う事実無根な瓦版が出回ってしまったのだ。
私の妻になりなさい
薙草の狙いは原色に自分たち独色が取って代わる事だった。
どんなに努力し、力をつけたとて、独色である彼はどうしたって原色には敵わない。
だから彼女が必要だった。
白のオランピアの夫となれば、自分の地位が向上し、原色と対等に渡り合えると思ったから。
そうして事実無根の瓦版に腹を立てる彼女に、薙草は何度も声をかけた。
夫の候補にして欲しいと頼めば、あなたを夫には考えられないと断られる。
それでも諦めず、せめて友になれませんか?と食い下がる。
そうして何とか彼女の友人としての立場を手に入れた薙草。
しかし見てしまったのだ。
彼女が彼と砂浜で戯れあい口付けるところを。
許せなかった。
化色ごときが自分が手にできないオランピアを手に入れる事が。
薙草は知っていたのだ。
彼が元は【黄】だった事を。
原色に強い劣等感を抱く薙草は、いい気味だと思っていたのかも知れない。
元は黄であったも者が、今は黒で自分に逆らえない現状は、さぞ気持ちがよかっただろう。
しかしその黒に彼女を奪われた。
自分の方が、この美しい色の方が、オランピアには相応しいのに!
そう思った薙草は、行動に出た。
彼女を脅迫したのだ。
彼をオランピアに暴行したと訴えて処刑すると。
その頃海で口付けを交わした際に、彼女の髪が黒く染まったのを見逃さなかった彼は、非時丹・涅の事を思い出し、彼女を避けるようになっていた。
あの美しい白を黒の色素が黒く染めてしまうのでは?と恐ろしくなってしまったから。
そうして二人の距離が開いた所に、薙草が割り込んで脅迫した。
最初こそ強気で拒んだ彼女だったが、ここで薙草を殺す以外に彼を守る方法はないと悟り、身の危険を感じた時のみ使える拔を使おうとした。
そうして手に意識を集中すると、そこに熱が集まった時だ。
「そうそう、天女島の女には拔を使えるものがいるらしいですね?優しいあなたの事だ。そんな恐ろしい事はしないと思いますが、万が一私に何かあれば、玄葉がオランピアを暴行したと言う瓦版を私の友が出すことになりますよ?」と言うのだ。
その言葉に、彼女は抵抗を諦めた。
「玄葉を愛しているのでしょう?ならば、私の妻になりなさい」
そう言う薙草に下着姿にされ組み敷かれる。
好きでもない男の指が触れると、体は強張りザワリと悪寒が駆け抜ける。
それでも彼を守る唯一の方法だと、我慢しようとした時だ。
突然薙草が喀血した。
驚きいた彼女が血を吐きかけた彼の腕を見ると、その手が白く変色していた。
そう、薙草はこのタイミングで剥を発症してしまったのだ。
命を救うことへの躊躇い
薙草の血を浴びた彼女は、彼の元を訪れていた。
「剥に罹っていないか調べて」と。
そこに「黄緑の薙草が剥を発症した」と叉梗が知らせて来た。
薙草は当然非時丹は使用し、涅の使用は拒否した。
そうして非時丹は薙草の剥には効果がないと言う。
「私の上で血を吐いた」と聞き、薙草に彼女が抱かれたと思った彼。
彼女のためにと冷たい態度を取ったものの、他の男のものとなるのは許し難いのだ。
それでも叉梗に「お前の才なら新薬を作れるはずだ」と言われてしまう。
医師として新薬を作り患者を助けるのは当然の事。
今までだって、島の人々を剥から救うために研究を重ねて来たのだ。
しかし今回ばかりは躊躇いの気持ちも出て来た。
彼女が無理矢理汚されたのなら、そんなヤツを助ける必要があるのか?と。
それでも彼女は「助けたい」と言う。
助けて薙草に言いたい事があるのだと。
そんな時、今度は道摩の侍従が、道摩が二人を呼んでいると訪ねてきた。
道摩屋敷へと足を運んだ二人に道摩は言う。
「薬が間に合わなかった事にして薙草を見殺しにするのなら、玄葉に【黄】の身分を与え、長としよう。そうしてこの娘を娶るのだ」と。
お前のこの娘への想いは、人一人殺せない程度の覚悟なのか?と問う。
確かに薙草が生きていたら、二人は結ばれない。
白の彼女は好きな色を選んで構わないとされているが、この島の仕来りから考えるに、色層が上位の薙草が婚姻を申し込めば、下位の彼は身を引かざるを得ない。
つまり薙草が助かれば、彼女は妻となるしかない。
だからこれは魅力的な提案だった。
道摩によれば、赤は朱砂、青は璃空が長となる。
黄の長に彼がなれば、友三人で島の未来を変えていけるだろう…と。
確かにこの三人が原色の長となれば、この島は変えられる。
それは彼女にも容易に想像できた。
しかしそのために助けられる命を見殺しにする事は正しいのだろうか?
だから彼女は止めた。
「玄葉、これは罠よ」と。
そうして考える時間が欲しいと言った彼だったが、彼女の血を使い新薬を開発すべく勤めていた。
しかしダメだった。
思った結果にならなかった。
それを聞いた彼女は思いついた。
天女島の生き水ならどうだろう?と。
黒の自分のままで
生き水は天女島に湧く泉だ。
天女島でしか手に入らない。
だから二人は月黄泉を訪ねた。
天女島へ船を出してと。
しかし月黄泉に断られてしまった。
二人で行くといいと。
けれど天女島は渦潮で守られており、月黄泉しかそれを抜ける事は出来ないと聞いている。
だから月黄泉にどうしてもと頼むと、あれは間違った噂だと言う。
渦潮はアマテラスが天女島の女を守る為のものだから、彼女に決して害をなさないと、佳き目的の為に上陸するのなら、決して渦潮に飲まれる事はないと。
そうして二人は天女島へと向かった。
見事な渦潮に怯んでしまったが、見る見るうちに渦潮は消え、二人を天女島へと迎え入れてくれた。
無事に生き水を手にした彼は、その夜徹夜で新薬を完成させ、薙草はその命を救われた。
それから暫く、新薬関連で医療院に通い詰める彼とは、数日会えていない。
それでも無事に新薬を作り、薙草を救ってくれた彼を誇らしく思っていると、そこに薙草が現れた。
助かったのに、悔しいのだ。
化色のくせに、黒のくせにと。
私が何もなし得てないのに、なぜ玄葉があんな事を成してしまうのだ!
そんな悔しさから、彼女を無理矢理自分のものにしようと襲って来た薙草。
しかしそこに朱砂と璃空、そして彼が現れた。
そうしてオランピアへの暴行で逮捕された薙草は、一時は霊殺の刑の話も出たものの、朱砂が取りなし流刑となった。
そうして二人は晴れて結ばれた。
彼女の髪色の秘密を知った彼は、あんなにも恐れていたのに、今度は嬉しくなってしまったのだ。
どこまで俺の色に染まるのか、見てみたいと。
彼は黄の身分は断った。
そうして黒として新薬を完成させ、彼女との婚姻を決意したのだ。
ありのままの彼のままで。
伊舎那天に呼ばれ、報奨金の話も出たが、それは断り、黄泉に念願の医療院を作って貰える事にもなった。
これからはコトワリの副所長の他、黄泉の医療院にも力を尽くさなければならない。
忙しい日々が始める。
けれどそれは新しい天供島へと変わる為の第一歩。
こうして少しずつ、この島は彼らの手で佳き島へと変わっていく事だろう。
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