遙かなる時空の中でultimate【安倍泰明】

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キャラクター紹介


※「遙かなる時空の中で Ultimate」はKOEIさんの作品です。

CVは石田彰さん。
稀代の陰陽師安倍晴明の弟子で陰陽師。

能力は素晴らしいが、協調性に欠けるところも。
優しくない訳ではないが、言葉は機械的。

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感想

アニメで補足されているためか、たしかに彼のシナリオも薄いな…と感じました。
それでも天真くんに比べ、このシナリオしか知らなくても、十分泣けるし彼という人を愛せる分量には感じました。
イノリくんも薄い感じが強く、良くわからないまま終わってしまったので、泰明さんは私が攻略した中では、一番しっかりした内容だったように思います。

儚い人でした。
見ていて切なくなってしまうし、ある日突然消えてしまうんじゃないかと心配になりました。
そして私はそういう人に弱いのです(笑)
ものすごく好みです。

八葉抄当時、関智一さんに夢中で、関智さん目当てでプレイ。
その時も好きだなって思いましたが、今あらためてやると一番好きだなって思いました。

自らを「道具」などと言うときには、「お願い、そんな悲しい事は言わないで!」と心から思いましたし。
本当に切なくて泣けるシナリオでした。

アニメだと天狗を小さく変えてくれて、その子が小天狗として活躍して…なんてエピソードもあったので、小天狗ちゃんにも出て欲しかったなって思いました。
そんなふうにアニメと比べると物足りない部分は多々あるものの、他の人よりも納得出来る作りに感じたのは大きく評価したいところです。

ネタバレ(あらすじ)

確かに私は師に造られた存在。
人ならざる者。
けれどお前に出会って初めて生を受けたのかも知れない。
お前を愛する者として。

造られた存在

稀代の陰陽師安倍晴明。
晴明を師に持つ彼は、人ならざる者。
晴明が術により生み出した存在。

故に有能ではあるものの、人の心がわからない。
冷たい訳ではない。
本当に人の心が理解出来ないだけなのだ。

彼にとって当たり前の事に、人は悩み立ち止まる。
なぜだ?
いつも彼にはそれが理解出来ない。

けれどそれを悲しみと捉えることもない。
仕方のない事だと理解していた。
自分は人と違う造られた存在だからと。

そしてそんな日々は当たり前に続くと思っていた。
しかし彼女が現れた。
龍神の神子として、何もできない少女が彼の心を救ったのだ。

ないと思っていた心の欠片

造られた存在である自分には、ほかの八葉が失くしたと言う心の欠片など、ある訳がないと思っていた。
なのにお気に入りの場所を彼女と共に訪問した際、突然心に何かが入って来る感覚を覚えた。
心の欠片だ。

その事に一番驚いたのが、他でもない彼自身だ。
なぜなら自分にはないと思っていたからだ。
心を持たぬ人ならざる自分は、心の欠片など失くしていないと。

だから帰ってきた心の欠片に驚き、それと同時に少しずつ彼女に惹かれて行ったのだ。
彼女は特別な存在だったから。
それは龍神の神子だからではない。
彼女だったからだろう。

なぜなら彼女は理解しようとしたからだ。
彼と言う存在を。
造られた存在なのに、「道具として使えばいい」と自らの事を話せば、その事に憤るのだ。
道具だなんて言わないで」と。

八葉は神子の剣であり盾である。
即ち神子の道具なのだ。
それだけではない。
彼は道具として生み出されたと思い込んでいた。
だから自らを道具と呼び、使えばいいと彼女に伝えた。

けれど彼女は彼を、ほかの八葉を決して道具として扱わない。
いつも大事に接し、案じてもくれる。
仲間なのだと言うのだ。

初めはおかしな娘だと思ったし、そんな彼女の心を全く理解出来なかった。
けれど失くした心の欠片を取り戻すうちに、彼女と接する時間が増えるにつれ、彼にも理解出来るように。
彼女を大切だと、守りたいと思ったから。

神子を穢す存在

次第に神子に惹かれて行く自分。
彼自身もそれに気付いていた。

そしてそんな自分に気づいた頃から、力が弱まるのを感じるように。
自分の力に自信があったハズなのに。
誰もが晴明の弟子として、彼の力を認めてくれていたのに。

そうして彼は気づいたのだ。
自らの浅ましい心に。
そしてその心が神子を穢しているように思えた。

だから清めなければと焦った。
神子に近づけないと思った。
なのに彼女は自らの意思で彼へと近づいてきた。

私に近づくと、神子が穢れてしまう!

そう恐れた彼は、彼女に告げた。
穢れてしまうから近づいてはいけないと。
そんな彼の言葉に訝しげな彼女に、彼は伝えたのだ。
己の中の浅ましい想いを。

私は人ならざる造られた存在。
なのに願ってしまうのだ。
神子と同じ存在になりたいと。

それは多分彼女を慕っての事。
彼にとって彼女はとても大切な存在になっていたから。
神子であるとかそんな事は関係なく、ただ彼女だから。

そして彼女は彼のそんな想いに寄り添ってくれた。
穢れてなどいないと。
近づいても穢れたりしないのだと。

そうして彼女への想いを強く感じた時、彼の顔の色が変わった。
一部灰色がかっていた部分が取れ、全て同じ肌色となったのだ。
そしてそれが彼の封印が解けた証だった。
本当の力を封じていた封印。
いつかそれが解けたら、本来の力を発揮出来るだろう…と、彼の師晴明が言っていたのだ。

理解と共感

いつも分からなかった。
周りの言うことも、感じている事も。
だから彼の行動や言葉は、時に冷酷なもののように感じられていた。

そんな彼はあの日を機に、イクティダールの抱える矛盾を理解するように。
イクティダールはアクラムに仕えたいと思っていた。
しかし、イクティダールが大切に思うものは別に存在していた。
そしてそれらは相反するもの故、両立しない。
だからアクラムに従う一方で、それでは守るべきものを守れないと思う心が存在する。
そんな矛盾だ。

そうして彼は思った。
私は仕えるべき者と守りたい者が同じで幸いだ」と。
仕えたい者、それは神子。
自らの中にある陰陽の力で守りたい者、それも神子。

そんな人の心の機微を理解出来るようになった彼は、最終決戦の日、妹を救いたいと願う天真の想いも理解し、共に戦う事を承諾してくれた。
更には決戦の場でアクラムの言葉に、「哀れだ」とその心に共感し、同情の言葉まで口に出来るように。

神子の居ない世界

彼に同情の言葉を口にされながらも、もう引き下がれないアクラムは黒麒麟を呼んだ。
しかし彼らの絆の前に、黒麒麟は敗退。

それでもまだ足掻くアクラムは、ランを使い黒龍を呼び出した。

破壊を司る黒龍は、凄まじい瘴気で京の町を覆い始めた。
このままでは京が…と誰もが思った時、彼女が動くのを感じた彼は、「神子待つのだ。私が食止めて見せる」と、術で食い止めようと試みた。

しかし彼ほどの力であっても、黒龍の瘴気を払う事が叶わない。
だから彼女は彼を守りたいと、白龍に祈りを捧げた。
あの人を守りたいの。お願い白龍、私に降りてきて」と。

覚悟はしていた。
ランが黒龍を呼ぶ時に体を奪われると案じていたのを見ていたから。
だから自らを捧げることで、それでも彼を八葉を京を救おうと決めたのだ。

そんな彼女の決意だったが、白龍が現れ瘴気を払い京が救われた後、白龍は彼女に言った。
神子の願いを叶えよう」と。
京を救う事は皆の願い。
まだ神子の願いを聞いていない
と。

神子、神子!行ってはならぬ」と彼女を必死に案じる彼の声。
会いたい。
願いが叶うなら、彼の元へ帰りたい。

そう願った彼女。

彼女のその願いに応えた白龍により、彼女は無事に彼の元へ。
彼女への想いを伝えた彼に、私も泰明さんと一緒に居たいから、京に残ります…と告げた彼女。

造れれた存在である彼は、いつ消えてしまうとも分からない。
突然消えるかも知れないし、彼女より長生きかも知れない。
人ではない存在故、己の寿命すら把握できない。

それでも彼女を愛おしく思うから。
そばに居たいと願うから。
不安に負けて諦めるのではなく、彼女へと手を伸ばした。

白龍の加護のある二人だから、きっと大丈夫。
これから先もずっとずっと、二人寄り添って生きていける。
二人で守った、みんなで守った、この京と言う町で。

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