キューピット・パラサイト【シェルビー・スネイル】

この記事は約19分で読めます。
Nintendo Switch用ソフト 
ブランド:アイディアファクトリー 
ジャンル:女性向け恋愛ADV 
発売日:2020年8月20日

オトメイトさんのNintendo Switch用ソフト「キューピット・パラサイト」でKENNさん演じるキャラクター、シェルビー・スネイルの感想とネタバレ(あらすじ)をまとめました。

スポンサーリンク

キャラクター紹介

※「キューピット・パラサイト」は乙女ゲーム制作ブランド『オトメイト』の作品です。  
 バナーの画像はこちらからお借りしております。

CVはKENNさん。
主人公の勤めるキューピット・コーポレーション(CC)の社長。
常に地位に固執する地位パラサイト

学生時代にマッチングアプリを開発し、会社を興した凄い人。
ひょんな事から「愛妻家」であると評判になり、独身である事を隠して暮らす。
嘘を真とするための婚活だが、愛妻家の噂の為表に出られず、秘書による代理婚活中。

感想

ビジュアルについて

ビシッとスーツで大人に印象のキャラは、基本苦手です。
髪型もきちっとしていて、色素は薄いものの、やっぱり苦手な感じ。

唯一ビジュアルで好きなのは、瞳の色くらいでした。

攻略してみようと思ったのも、声優さんがKENNさんだったから

性格について

冷血な印象でしたが、仕事を頑張っている主人公をはじめとした社員をしっかり見ていてくれます。
そして労いの言葉をかけてくれたりするのです。

そんな社長の姿に、一気にイメージが変わりました。

地位に固執している件に関しても、理由が分かれば納得出来る範囲のもの。
そして彼女との秘密の契約の中で、凄く彼女を気遣ってくれる優しさが見えました。

話にも耳を傾けてくれる所も、大変好感が持てました。

恋人として

恋人と言うより、旦那様になって欲しい人です。

仕事人間だし、パラサイトハウスの時はゼリー飲料しか摂取してないイメージだったのに。
実は料理上手でマメな所もいい旦那様になりそうな気がしました。
何より、社長との共同生活は楽しかったし、心地よい時間に感じられました。

契約云々の話も、逃げ恥みたいな感じで、とても受け入れやすく、むしろ楽しく感じられました。

仲間として

社長の場合は上司として?とかのイメージですが、理想的です。
忙しい人ですが、ちゃんとみんなを見てくれて、きちっと評価もしてくれる。
社長が武将なら、私は迷わず仕官したと思います(笑)
仕官したくなる人でした。

ある韓国ドラマで「秘書の仕事って、尊敬できる上司が相手なら、凄く素敵な仕事だな」と思った事もあり、オーウェンさんに代わり、私が秘書としてサポートしたいくらいです。

ときめきポイント

仕事のトラブルから、会社のみんなに疑われてしまうシーンで、彼女を信じ庇ってくれるのが社長でした。

たた彼女だけ庇うのではなく、みんなに的確な指示をだし、彼女を最初に疑った人物の嫉妬心を和らげるように、その人の仕事を評価した上で仕事を割り振る。
そして厳しい口調で彼女を社長室に呼びつけ、まるで叱り付けるかのような印象を社員に与えたにもかかわらず、社長室に入ると物凄い優しいトーンで慰め、抱きしめて泣かせてくれた。

この一連の社長の行動がツボ過ぎて!
吐き気がするほどときめきましたし、号泣しました。
本当に人としても上司としても尊敬に値する人で、尚且つとても愛してくれる愛情深い所も最高でした!

後は影絵のシーンも可愛かったです。
凄い動揺して悶々としてる社長を見てる私が悶えました(笑)
その影絵のシーンは「ホーム・アローン」の一人で留守番なのに、外の泥棒に影絵で家族でクリスマス中だよ…と見せるシーンをモデルに作られてるのも、映画を思い出してよかったです。

ネタバレ(あらすじ)

本気でお前が好きなんだ。
お前以外の誰かを信頼出来る気がしない。
だから私の妻になって欲しい。
代理でない、本物の妻に。

SSのシェルビーくん

彼の名前はシェルビー・スネイル。
SSだ。
SSなのは名前だけでない。
学生時代から、すべてに置いてSSだった。

そんな彼はさぞや順風満帆な学生生活を送ったのだろうと思いきや、意外にもミドルスクール時代にトラウマとなる事件に見舞われた。
そしてその事件が、彼を地位に固執する地位パラサイトにしてしまった。

ミドルスクール時代の彼は、すべてに置いてSSでありながら、それを鼻にかける事もなく、勉強を教えて欲しいと頼まれれば快く引き受けていた。
だからクラスの人気者だった。

けれどある日、大手ハンバーガーチェーンの社長の息子が転校して来た。
明るい男の子だった。
それでも学力は彼に遠く及ばなかった。
だから先生にも「もっと頑張れ」と言われるのだが、必死に勉強するなんて…と、彼の努力を馬鹿にするような事を言う。

そして地位以外たいしてSSでもないその転校生は、自分の店でみんなにご馳走をすると言う手段で、クラスの人気者の地位を彼から奪った。
明るく見た目も悪くない転校生は、当然女子からも人気で、恋人も出来た。
その相手は、なんと彼が密かに恋い慕っている女子だったのだ。

いいなぁ」「勝ち組だね」と皆に羨ましがられる彼女。
結局人は地位しか見てないんじゃないか
そう思い、深く傷ついた彼。
その傷が原因で、以来勉強にも集中出来なくなってしまった。

更に悪いことに、その集中できないことが原因で、成績を大幅に落としてしまったのだ。
転校生よりも順位が下がるほどに。
そんな彼に好きだった女子は言った。
名前はSSなのに、SSじゃない」と。

彼よりも順位が上だと知った転校生は、これ見よがしに喜んだ。
そしてまたお祝いだと、クラスのみんなを誘ったのだ。
自分の父のハンバーガーチェーン店へ。
更には彼にまで声をかけ、「シェルビーくんに勝ったお祝いだ!」と派手に騒いだのだ。

ずっと努力し続けて来た彼にとって、この出来事は大きな傷となった。
そうして深く感じたのだ。
地位がすべてなのだと。
成績など良くなかったとしても、地位さえ有ればチヤホヤされるのだと。

だから地位を手に入れるべく、彼は必死に勉強した。
その甲斐あって学生時代にマッチングアプリを開発。
それが元でCCを設立し今に至る。

目標通り、地位は手に入れた。
それでも今度はそれを維持しなければと怖くなった。
すべてに置いてSSでなければならないと思っていたから。

4年前から愛妻家

若くしてロサンヨークで成功を収めた彼は、テレビや雑誌でも取り上げられるように。
それも当然だ。
彼の会社はロサンヨークで一番の結婚相談所となったのだから。

そうして彼はある番組に出演することになった。
その番組の中で、何故か司会者は彼を既婚者として話を進めた。
番組は生放送。
どんどん話が進んでしまい、訂正するチャンスを失った。

独身の彼だったが、幸い結婚したばかりの友人がおり、その友人のノロケ話をしたところ、これが大変好評だった。
そうしてその話がキッカケとなり、CCの社長は愛妻家と言う評判に。

更には彼の会社の広告を担当している広告代理店に勤める先輩が、愛妻家である事を全面に押し出してPRしようと言うのだ。
嘘で会社をPRするのは良心が咎める。
だから先輩に伝えたのに、「お前は若いな。そんなの気にする事はない」と取り合って貰えない。

そうして彼が愛妻家である事は、人々の中で定着してしまったのだ。
彼の心に蟠りを残したまま。

それでも会社の宣伝のためならと、バレぬよう努めて来た。
それなりにうまくいっていると思っていた。
しかしある時を境に、彼が実は独身であると言う記事が出始め、それに併せて彼の別邸には時折侵入者の形跡が見られるように。

別邸は夫婦で暮らしている事を装うよう購入したもの。
しかし実際一人暮らしの彼は、独身者用の部屋を借り、そこで一人で暮らしていた。
侵入者はおそらく彼に妻などいないと言う証拠を押さえようとしているのだろう。

そうして彼は決意した。
妻が居ないから嘘になるのなら、妻を見つければいい!と。
だから自身の会社に匿名で登録をしてみた。
地位がある自分なら、細かな素性など表に出さなくても結婚出来るのではないか?と。
何より自分の正体を明かすわけにはいかなかった。
なぜなら彼は愛妻家で通っているからだ。
そこで婚活も代理を立て、秘書のオーウェンに行ってもらうことに。

しかし当然そんな怪しい人物を相手にする女性は居ない。
そうして彼はCCでも有名な迷惑会員、地位パラサイトとなってしまった。

パラサイト5

自身の婚活のためにどうすればいいのか?
考えた彼はある事を思いついた。
入社一年で、トップブライダルアドバイザーになった彼女に頼ろうと。

彼女の仕事ぶりはとても素晴らしく、いつも会員のためと、縁結びに余念がない。
そんな彼女なら、自分のような難しい条件のある者でも、結婚させてくれるのでは?と思ったのだ。

しかし自分の事だけを頼むのはどう考えても不自然だ。
そこでパラサイト5を利用することにした。
自身を含めた5人のCCでも有名なパラサイトたち。
CCでは彼ら5人をパラサイト5と呼んで、誰もがその婚活に匙を投げていたのだ。

彼女を呼び出し、昇進と引き換えにこの案件を依頼したところ、ぜひやります!と力強い返答が。
きっと彼女の手にかかれば、自分の愛妻家と言う嘘も、真実に出来るに違いない
そう期待していた。

そうして彼女の指揮の元、恋愛セミナーが開かれたり、テレビ局との共同企画で、パラサイトハウスなるものを行い、皆で一月の共同生活をしたり。
さまざまな活動を通じ、パラサイト5は知名度を得て、有難いことに彼らを目当てに入会希望者も増えた。

そうして無事にパラサイトハウスの終了を迎え、いよいよこれからと言うタイミングで、揃いも揃ってパラサイト5のメンバーが退会してしまったのだ。
彼を除いて。

そのタイミングで、彼の周りを探る者の動きも目立つようになって来た。
しかし警備会社が総力を上げているにも関わらず、侵入の痕跡は残っているものの、犯人を捕らえるまでに至らない。

こうなってはバレるのも時間の問題。
ならば発表してしまった方がいい。

そう思った彼だったが、彼の様子を案じてくれた彼女にその事を相談したのだ。
すると株価に影響があるといけないからと、彼女自ら妻役を買って出てくれた。
更には夫婦感を出しましょう!と、別邸で同居する事に。

善意で申し出てくれたものの、独身の彼女にこんな事をさせるのは忍びない。
だから最初は止めたのだが、結局彼女の熱意に押し切られた。
そこでせめて何か…と、彼のポケットマネーから、契約妻として報酬を支払う事にしたのだ。
これはビジネスと割り切り、しっかりと契約書も作った。
そうして彼女との結婚生活が始まった。

理想の暮らし

偽装とは言え妻が出来た事で、今まで家族ぐるみでの付き合いを望む大手の取引先からの、夫婦での食事会の誘いをずっと妻が病弱なもので…と断り続けて来た事も、解決する事が出来た。
彼女が彼の断りの嘘から出来た妻像を、見事演じ上げてくれたからだ。

取引先はやっと奥さんに会えた!と大変喜んでくれ、今後の関係も確固たるものとなった。

しかし1組と会えば、他の取引先からも奥さんに会いたいと連絡がくるように。
流石にすべて彼女に対応してもらう訳にもいかず、どうしても断れない相手だけは、別に特別手当てを設け、彼女の協力を仰いだ。
彼女は快く了承してくれたものの、同居はしているが、互いに仕事が忙しく実質二人の時間などほとんど取れていなかった。
それが原因なのだろう。
結婚4年なのに、いつまでも初々しいのね」と言われてしまったのだ。

そうしてこれではいけないと思った二人は、朝食は必ず一緒に摂る事を決めた。
作るのは彼の仕事。
自ら朝食を振る舞うと申し出たのだ。

最近は時間の節約も兼ねて、ゼリー飲料で済ませてしまうが、元々ずっと自炊をしていた。
作ること自体は苦ではなかった。
だから日頃のお礼も兼ねて、彼が毎朝朝食を準備して、二人で食卓を囲むように。

それでも朝は忙しい。
だからどうしてもゆっくり話が出来ずにいた。
時折もっと話をしたいと彼女から提案があり、彼もそうだと思いながらも、どうしても仕事を優先しがちになってしまった。

けれど彼女も彼に負けない仕事人間だ。
縁結びが好きでたまらないのだと言う。
だから二人でカフェに行った時など、共にお茶をしながら仕事に没頭した事もあった。
けれど不思議と互いに心地よさを感じていた。

仕事を理解し、自身も仕事が好きな彼女。
会社のため、会員様のためと仕事に取り組む真摯な姿。
そんな彼女だから、彼がショートスリーパーなことや、体を休めない事を案じながらも、しつこく言う事はないのだ。
まぁ私も仕事が好きなので分かりますから…と。

だから彼女との距離感も暮らしも、とても心地よかった。
結婚がこんなにいいものなら、このまま結婚出来ないものか?と思うほど。
それでも彼は大人だ。
今後も恋人は出来る予定がない!と言い張った彼女を案じていた。
若いからそう言うだけで、彼女に気になる男が出来たら、契約を破棄しなければと。

ロミジュリウエディング

CCの15周年を記念して、社内でコンペが開かれることになった。
社員は企画担当以外でも、誰でも参加出来るものだった。

以前からお客様にプランを勧める際に、「もう少しこうならいいのに」と思うところがあった彼女は、早速コンペに参加。
審査に携わらないからと、共に暮らす彼も彼女の話を聞いて意見をくれた。

そうして無事に彼女の企画が完成したのだ。
タイトルは「料理de 婚活」だ。
難易度の高い料理を選び、参加者同士が自然と協力し合うと言う空気をつくる作戦だ。

今までのプランでは、内向的な人が参加しづらいものばかりだったので、今回のこの企画は、彼女が担当しているメラニーと言う控えめな女性も参加しやすいものをと考えたものだった。
そんなお客様最優先な彼女の気持ちは、プランにも現れていたのだろう。
見事彼女の企画がコンペで選ばれたのだった。

喜んだ彼女だったが、なんとCCがその企画を発表する直前、ロミジュリウエディングが全く同じタイトルで同じ内容の企画を発表してしうという事件が。
当然盗んだのは向こうだ。
彼が実は独身だと言う記事や、彼の自宅を嗅ぎ回っていたのもロミジュリの仕業だった。
けれど社内では彼女に疑いの眼差しが注がれた。
彼女がロミジュリの企画をパクったのだと。
更には出世が早かったのも、そう言うやり方だからだろう…と謂れのない事で責められてしまった。

悔しかった
お客様のためにと考えた企画が盗まれた事が。
そして何より、社内でそんな風に思われてしまった事が。

しかしそんな彼女を助ける者が現れた。
彼だ。
彼女はそんな事をするような人間じゃないと、噂で彼女を責める社員たちを一括。
更には15周年に向けて、新たに企画を練り直す為の指示と、ロミジュリのパクリについての調査の的確な指示を出した。
そうして社員たちの普段の活躍を讃え、皆で一丸となって乗り切ろうと激励した。

すると社内の空気は一変。
もう誰も彼女を責めるものなどいなかった。
そんな様子に、彼の凄さを感じていた彼女を、彼は少し怒ったような声で社長室へと呼び出した。

呼び出したのは怒っているからではない。
泣かせてやりたかったからだ。
謂れのないことで責められ、あんなに頑張っていたから辛い筈だ…と案じたから。

一頻り彼の腕の中で泣いた彼女は、彼と共に企画を練り直し、同じく料理で婚活ではあるものの、絵本の中の料理を作ってみよう!と言うコンセプトへと変更したのだ。

入会者殺到

一時はどうなる事かと思った彼女の企画。
出版社とコラボし、絵本を展示したり、原画展を併せて開催するなどして、内向的な人も参加しやすい婚活と、利用者から大変好評を得た。
しかしトラブルを乗り越え、一息ついたころ、また新たなトラブルが。

今度はロミジュリが彼女の顔写真入りで、彼の妻の正体と言う記事を出そうとしていたのだ。
幸いその記事が出てしまう前に、ちーちゃんが見つけてくれたので、彼に報告。
すると巻き込んですまないと彼女に謝罪した彼は、対応に行くと出て行ってしまった。

彼の言う対応とは、全てを会見で打ち明けると言うものだった。
実は独身で、トークの最中に愛妻家となってしまい訂正の機会を失って今日に至ると。
全てを打ち明け、誠心誠意謝罪する彼。

更には会見で迷惑が掛かるといけないと、取引先には予め会見の連絡と嘘のお詫びをしていたのだ。
そんな彼の人柄の見える行動と、誠心誠意な謝罪のお陰か、CCへのダメージは大きくなかった。

それどころか、彼が愛妻家と勘違いされるきっかけになった番組の司会者が会見を開いてくれて。
そこで「当時の録画を見直した所、彼は一言も妻がいるとは言ってなかった。なのに私が勝手に勘違いして愛妻家にしてしまっていた」と彼を擁護し、謝罪してくれた。
更に「つまりCCの社長は独身と言うことなので、玉の輿狙いの女性は今すぐCCに登録だ!」と彼が独身である事をダシにして、CCの宣伝までしてくれたのだ。

そんな一連の行動が幸いして、CCには新規登録の女性が殺到。
皆社長との面談を希望し、担当の彼女はその忙しさに目を回していた。
そして彼の人気に、密かに胸を痛めていた。
この痛みはなんだろう?と。

すれ違う心

会見の影響で取引先との関係の悪化を心配していた彼だったが、あれ以来多くの取引先から婚活を応援するメールが届いていた。
それも彼の人柄のなせる技だろう。

一方応援される彼はと言えば、彼女との仮初の夫婦生活を通し、彼女に惹かれていたので、なんとか彼女にその気持ちを伝えようとしていた。
そうして思い切って彼女をデートに誘うも、そこで取引相手と遭遇。
彼が独身だと知った取引相手は、「うちの娘も君を狙っているんだ」などと言う。
それだけでも彼女は胸を痛めてしまうのに、「そちらの女性は?」と訊かれた彼が「私のブライダルアドバイザーです」と返したのだ。

彼の答えはなんら間違ってはいない。
二人の関係場もう偽の夫婦でもないのだから、社長と社員。
それ以外なら彼女は彼のブライダルアドバイザーでしかない。
その事実が、彼女の胸に鋭く突き刺さった。

そんな取引相手との遭遇で、彼も今日の告白を断念。
微妙なムードでデートを終える事に。
しかもちゃんとデートに誘えず、「今後の婚活に備え、模擬デートをしてほしい」と言って誘ってしまったので、取引相手にあんな事を言ってしまっては、とりつくりようもなかった。

その頃、ずっと彼女に片想いしていたギルが、彼女への想いを綴った手紙を本として出版。
その『君しか見えない』が、なんとゴールデン・ロサンヨーク文学賞を受賞したのだ。
学生時代のルームメイトの受賞という事で、クラリスと共にギルをお祝いする事になった。

その約束の日、告白のリベンジに燃える彼は、彼女を食事に誘ったのだったが、既にクラリスとの先約が。
だから彼女は「クラリスと約束が」と断りを入れた。
しかし、それが余計なトラブルを招く結果に。

彼女に断られた彼は、その後取引先との会食の予定が入った。
そして少し時間が余ったから、カフェでお茶をしようと車を走らせていると、偶然カフェでギルと二人きりの彼女をみてしまったのだ。
それは単にクラリスが遅刻して二人きりだっただけなのに。
彼女も地位が大事なのか?とショックを受けてしまったのだ。
ゴールデン・ロサンヨーク文学賞を受賞した途端に、ギルと二人きりで会っていたから。

地位に固執する彼にとって、地位なんて気にならないと本質を見てくれる彼女は、とても大切な存在だった。
だから裏切られた気分になった。
そしてギルに奪われたことが辛くて堪らなかった。

クラス1の人気者

好きなやつが出来たら終わりにしよう

彼女との夫婦のふりの契約を交わした時、彼は密かに心に決めていたのだ。
自分は彼女より大人だから、彼女に好きな人が出来たら手放さなければと。
だから彼は契約書を破り捨て、契約破棄を申し出た。
そうして我が家のように居心地がいいと感じ始めていたあの家を、彼女は出て行った。

翌日出社してみると、彼は『休会中』扱いになっていた。
これで彼との接点はなくなった。
社長である彼と、一社員の自分は考えてみたらそうそう会うことはないのだ。

更にそんな彼女に追い討ちをかけるように、社内では噂になっていた。
社長には実はもうお相手がいるのではないか?と。

とても素敵な人だと、彼との暮らしの中で彼を知って行った彼女。
だから彼に相手が見つかるなんて当たり前のことかも知れない。
それでも嫌だった、彼が他の誰かに恋をするなんて
いつも人の恋愛ばかりを応援していた彼女が、初めてそう思ってしまったのだ。

そしてそんな噂を耳にした彼女は、たまたま見てしまった。
パーティールームでお見合いパーティーに参加し、女性と楽しげに話している彼の姿を。
自分には向けてくれた事のない笑顔だった。
だから深く傷ついた。

一方彼女に見られているとは知らない彼は、会社のパーティールームを使い同窓会を行なっていた。
そうこれはお見合いパーティーではなかったのだ。
同窓会だったのだ。

本当は嫌な思い出のあるミドルスクールの同窓会など、参加する気はなかった。
けれどCCのパーティールームを借りたいとの申し出が出て、気づいたら自身も参加する羽目に。
しかし参加してよかった事があった。
それはミドルスクールでの嫌な思い出の続きを知ることが出来たから。

彼はあの事件の後あの街を去ったのだが、その後御曹司は次第に傍若無人な態度を取り、皆に嫌われてしまったと。
そうして久々に会った彼に皆優しく声を掛けてくれる。
クラス1の人気者は、やっぱりシェルビー君だと。
みんなに誠実で、頼まれた事は出来る限り応えていた彼の人柄は、ちゃんと皆に理解されていたのだ。
ただ彼が気付けなかっただけで。

無効となった告白

重い気分で出社した彼女は、朝からトラブルに見舞われていた。
CCの彼女担当の会員が次々に退会しているのだ。
こんな異常な事態はかつて経験した事がない。

慌てた彼女は、気まずさなど忘れ、すぐに彼に事態の報告をした。
すると社長室に何者かが侵入。
二人に催眠ガスを嗅がせ連れ去った。

人間界にいるとは言え、神である彼女は彼よりも先に目を覚ました。
そうして二人をさらった男にキューピットの金の矢をつかったのだ。
これは神界最強と言われる道具で、思いのままに人を操れる。
だから彼女は男たちを自分に惚れさせ、指示に従わせる事にした。

そうして黒幕の元へ連れて行くよう命じた頃、彼が目を覚ました。
犯人がなぜか私に一目惚れしてしまって、助けてくれる事になりました」と無茶苦茶な説明をした彼女だったが、本当に彼女に惚れている二人が援護射撃の如く、彼女に一目惚れしたと伝えてくれ、なんとか彼に信じて貰った。

そうして船の辿り着いた先に待っていたのは、なんと彼が全幅の信頼を寄せていたオーウェンだった。
オーウェンは彼を羨んでいたし、自分のお見合いでの失態を彼に笑われた事を根にもってもいた。
そんな僅かな黒い心に、ロミジュリを立ち上げ娘のキューピット活動を邪魔しようとした彼女の父が付け込み、神の力で洗脳し操っていたのだ。

船で既に自分たちが拉致され、どこに向かっているのかを通報していた彼。
拾った銃で、オーウェンの手にある銃だけを見事に撃って弾き飛ばした。
そんな彼の活躍もあり、無事にオーウェンは警察に取り押さえられた。

二人が無事に帰還した後、既にパラサイト5は退会したものの、番組の企画でパラサイトハウスをやりたいと提案が。
そこで再びあの日のメンバーが集まった。
彼女も嫌でも彼と顔を合わせる事に。

そうして無事に収録を終え、皆で打ち上げの飲み会を開催。
お酒には強い彼女だったが、チョコを食べたらベロベロに酔ってソファーの陰で寝てしまった。

皆が帰宅後、片付けをしていた彼は、ソファーの陰で眠る彼女を発見。
既に帰ったものと思い込んでいたので驚いてしまった。
すると酔った彼女は、酔いの勢いに任せて彼に告白をした。

彼女が好きで堪らなくて、でもギルと付き合うのだろうと手放した彼だったので、その告白に喜び、彼女を寝室へと運び隣で眠った。
明日はプロポーズするのだ!と心に決めて。

所が翌朝目覚めた彼女は、昨日のことを覚えていない。
彼女に告白され、自分の気持ちも伝え、キスをして盛り上がったのに。
だからプロポーズしようと思ったのに。

結局彼の告白は振り出しに戻ったのだった。

父と歩くヴァージンロード

振り出しには戻ったものの、今度こそはと彼女を誘う。
そうして彼は二人で暮らしたあの家ではなく、日々拠点として使っている単身者専用の部屋へと彼女を案内したのだ。
そうして彼女に想いを告げた。

昨日の失態も聞かされ、恥ずかしい思いをした彼女だったが、やっと彼と通じ合えた事を素直に喜んだ。
そうして二人が結ばれると、彼女の首からキューピットの矢は消えてしまった。

神であっても人に恋をすれば人間になる。
もうキューピットではなくなった彼女から、キューピットの矢は離れ、勝手に神界へ戻っていたようだった。

そうして二人は会社の創立記念日に入籍。
その後式を挙げた。

二人の式には父も参列。
オーウェンを操っていたことを知った彼女に、キューピットの矢でロボット掃除機に恋をさせられ、30日間ロボット掃除機を追いかける日々を過ごし、そんな情けない姿を見た母に激怒され、すっかり反省した父。
今では彼女を認め、こうして結婚式にも参列し、バージンロードを共に歩く。

神でなくなってしまった彼女。
けれど親子の絆は簡単に切れるものではない。
きっとこれからも二人は彼女の父と母なのだ。

そして彼と結ばれた今、今度は彼女と彼が父と母になる日が訪れるのだろう。
そう遠くない未来に。

その他のキャラのネタバレ(あらすじ)

ギル・ラヴクラフト

螢彩院・F・琉輝

ラウル・アコニット

アラン・メルヴィル

隠しキャラ

スポンサーリンク

タイトルとURLをコピーしました