剣が君 百夜綴り【九十九丸】彼岸花の書:九十九丸の過去・前編

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剣が君 百夜綴り 通常版 - PS Vita

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シナリオ紹介

CVは小野友樹さん。
彼女とは夫婦になり、既に幾つかの季節が巡っている。

彼女の父の留守に、彼の田宮流居合の師、無堂来世がやってきた。
そうして15歳以前の記憶のない彼に、昔話を聞かせるのだった。

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感想

前作でも彼がどんな風にして、あの彼になったのかは触れられて居ました。
けれど、今回はもっとよく知る事が出来ました。

特殊な存在であるが故に、彼の過去は一番気になる所でした。
そんな彼の過去を詳しく知る事が出来て良かったです。

そして過去を知った事で、彼の事をずっと不憫だと思って居ましたが、いろんな人に愛されここに居るんだなぁ…と、幸せな気持ちになれました。
沢山の人の愛でたどり着いた彼女の隣。
これからも幸せに暮らして欲しいと心から思いました。

小野ゆーさん、素敵な九十九丸をありがとうございました。

ネタバレ

魅せられてしまったんです、剣の道に。
自分が歩む道はこの道だと確信しました。

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晴れて二人が夫婦になり、幾つかの季節が巡ったある日、彼女の父は留守で二人で店を任されて居た。
そこに彼の田宮流居合の師、無堂来世が訪ねて来た。
そうして記憶のない彼に、彼の知らない昔の話を聞かせてくれた。

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陸奥の国、花巻で生まれた彼。
父は八幡、母はいち。

八幡と来世は御前試合で出会った。
そこで八幡は一番刀となり、鬼丸国綱を授けられた。

そんな八幡の剣に惚れ込んだ来世は、八幡に手合わせを頼み、親しくなった。
以来二人は交流するようになり、息子の九十九丸を連れて来世の家を訪ねて来るように。

何度もそんな交流を続けて居たある日、来世の元へ一人で訪ねて来た八幡は、一番刀の仕事が忙しいと告げ、ひどく疲れた様子だった。
その訪問を最後に全く姿を見せなくなった八幡。

そんな中、八幡が離縁したと噂に聞いた来世は、八幡を訪ねた。
すると八幡は息子はご近所に預けて、自分は山に籠ると言うのだ。
息子を頼むと言われた来世は、九十九丸が預けられた家を訪ね、時折剣術の稽古をするように。

そんなある日悲劇が起こった。
九十九丸の預けられた夫婦はとても優しい人だったが、裕福ではなかった。
その為時折借金取りが家に訪ねて来ていたのだ。
その日は金を返せない彼らに業を煮やし、妻を連れ去ろうとした。
九十九丸の目の前で。

彼は強い侍に憧れて居た。
だから預けられたその家の夫婦を自分の家族のように大事に思い、守りたいと思って居た。
そうして連れ去られそうなその家の妻を助けるため戦おうとした九十九丸だったが、子供の彼には歯が立たず、斬り付けられてしまったのだ。

そこにちょうど来世が訪ねて来て、彼のその状況に驚き、八幡に知らせた。
カラスバトで手紙をやり取りして居た来世は、ちょうど八幡の手紙を持ってきたカラスバトを九十九丸に見せようと、彼の預けられている家を訪ねようとして居た所だったから。
そのカラスバトに九十九丸の状況を急ぎ手紙にしたためて託したのだ。

そうして八幡は自分の命を犠牲にし、息子を禁術で蘇られた。
天下五剣の鬼丸国綱を使いマレビトの力を利用して。

その後、生き返った九十九丸は、来世により九十九丸親子が来世の元を訪ねる際によく泊まっていた旅籠の夫婦に、彼の事情を話し、養子に迎えて貰った。
禁術で蘇る前の記憶のない彼は、当然自分が禁術により、父の命の犠牲で生きている事など知らない。
そうして旅籠で愛されて育った九十九丸。

一方来世は、彼の過去を知っている自分は今後は関わるべきではないと、九十九丸に会いに行く事をやめて居た。
それでも九十九丸と剣術の稽古をした楽しさが忘れられず、剣術道場を開いて子供達に剣術を教えていたのだ。

けれど運命のいたずらなのだろうか?
自分の門下の田一が九十九丸と知り合いになり、剣術をやらせた所とても筋がいいから…と彼の道場に連れて来たのだ。
そうしてそれもまた八幡の意思なのかもしれない…と、旅籠の夫婦は心配していたが、九十九丸に剣術を教える事となった。

そうして同門の田一とともに稽古に励む九十九丸。
けれどどんどん田一の体が大きくなるのに、彼の体は全く成長しない。
さらには八幡が呪に失敗したのか、最初からそう言うものなのかは分からないが、次第に九十九丸の体のあちこちが腐敗し始めたのだ。
本人には皮膚の病だと言ったものの、九十九丸が自分の体に違和感を持つのは時間の問題だろう。

九十九丸の体は確実に死へと向かっていた。
彼の体は生きているように見えるだけで、実際は死んでいるのだから。

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