キャラクター紹介
※「幻奏喫茶アンシャンテ 」のバナーに使用されている画像の著作権は、アイディアファクトリー株式会社に帰属します。
CVは赤羽根健治さん。
魔界アスモディアの魔王。
人外最強と謳われる存在。
アンシャンテの常連で、毎日魔界から通い、夜になると帰っていく。
イルの事は弟のように思っているのか、時折過保護すぎる態度も見せる。
過保護に関しては彼女にも同様で、誰かと出かけていて帰りが遅いと案じて電話をしてくるお父さんぶり。
大抵の事は何でも魔法でちゃちゃっと解決してしまう実力者ながら、とても気さくな性格。
けれど毎日決まった時間に帰ってしまう彼には、なにか秘密があるようだ。
感想
ミシェル最高でした!
この作品の中で一番好きです。
ただ、個人的には最後の展開が残念でした。
どうしてそうなった?と。
凛堂さんの時は予想外の展開で嬉しくなりましたが、こちらもまた予想外でしたが、残念な結末かな?と。
それでも素敵な言葉をくれたから。
そこに救われました。
そして彼の境遇を思えば、今まで彼がしてきた事を思えば、その言葉は何より信じられると思えたのも良かったです。
多分、この展開他のキャラではここまで感動できなかったと思うのです。
ミシェルのこれまでの人生ありきだと思うので。
そしてそんなすごい人生を歩んで来たなんて少しも見せない彼の強さ、かっこいいなって思いました。
また思い出のカップのエピソードも、とても素敵でした。
そして何よりノアとの事が泣けました。
辛い事を頼まれたのに、お茶会をしよう…と提案した彼の粋な計らい。
本当に素敵でした。
ライバルなのに、告白させてあげたりした態度も、懐の大きさが見えてカッコよかったです。
色々あった彼ですが、どうかずっと私の優しい魔王様でいてください。
どんなカタチでも、あなたはずっと私の魔王様です。
後、直接ミシェルの感想とは関係なくなりますが、本物の魔王様アスモディウス。
彼もすごくいいキャラでした(笑)
FDとか出たら仲良くなれるのかな?とワクワクするような存在です。
ネタバレ(あらすじ)
人としての生を全て君に捧げるよ。
その死後も俺は、数百、数千、数万年かかろうとも君を目指して旅をする。
だから君にたどり着いたその時には、変わらない笑顔で迎えて欲しい。
終わりの世界
昔々、今では創世記と呼ばれる時代。
その頃の世界は現代よりももっと科学技術が発達し、魔法も存在していた。
既に異世界も発見され、そこへと向かうホールも存在していた。
だから人類は異世界渡航を計画したのだ。
けれど誰も行った事のない異世界。
本当に人間がそれに耐えられるのだろうか?
そう考えた研究機関は、人体実験を行うことにした。
そしてその人体実験の被験体として選ばれたのがノアと言う青年だ。
本人には当然そんな非人道的な実験の話は伏せた。
ただ異世界を研究するホールの祭壇で働かないか?と誘ったのだ。
当時ホールに関われるのは優秀な人材だけだったから、ノアはその誘いを大変喜んだ。
そうして祭壇で働くことになったノアは、ある時異世界へと通じるホールが気になり、そこを覗き込んだ。
ちょっとした好奇心で。
その時だった。
研究機関の研究員がノアの背中を押したのは。
そうして彼はホールの中へ落ち、気づいたら何もない空間へとたどり着いた。
何もないそこには大気も何もない。
空っぽな空間は、ノアを蝕んだ。
そうして一人孤独の中もがき苦しんだ末、環境に適応する為、ノアの体は変異した。
人外となったのだ。
しかし、人外と呼ぶのも憚られる程の変化だった。
なぜならノアは終わりの世界と呼ばれる、世界そのものになってしまったのだから。
ノアの大災害
一人はつらくて、一人は孤独で、ノアは元いた世界へと手を伸ばし、体を揺らした。
誰だって突然そんな孤独な異世界に辿り着いたら、戻りたいと思うのは当然のこと。
だからノアに罪はない。
けれど世界そのものとなったノアのその欲望は、他の世界へと干渉し、人間界では滅亡寸前の大災害となってしまった。
それは現代には大洪水と伝えられている、ノアの大災害。
その頃、やはり同じく創世記と呼ばれる時代をミシェルは普通の人間として生きていた。
大災害により、人々は新天地を探し、方舟と呼ばれる異世界へと旅する船を作った。
そこへは現在アンシャンテにあるものと同じゲートが積み込まれた。
人々が移住するのに相応しい場所を見つけたら、そのゲートを使い、その異世界へとと移住する為のものだった。
ミシェルはその方舟の1つに乗り込んだメンバーの一人だった。
そして彼の乗った船は、ノアが変異して出来た、あの終わりの世界へとたどり着いてしまった。
ただ一面が灰に覆われた世界。
その灰はノアの体が崩れ落ちて出来た灰だ。
そんな世界にたどり着いた方舟のメンバー達は、終わりの世界で生きる事が叶わず、吐血し命を落としていった。
一人、また一人と。
彼も他のメンバー同様、殺してくれ!と叫ぶほどの苦しみに襲われた。
何度も血を吐いて倒れた。
それでも彼だけは苦しみの中、環境に適応する為に体が変異し、なんとか生き延びたのだ。
メンバーの中でたった一人。
そんな異形に成り果てながらも生き延びる彼の様子を、この世界そのものであるノアはずっと見ていた。
ノアの声は彼には届かない。
けれど彼の声はノアに届いていた。
だからずっと彼と共に、一方通行ながらも何万年もの時を過ごしてきた。
彼が来てくれたお陰で、一人じゃないと思え、ノアは孤独から救われたのだ。
忘れられない一杯
一方彼はと言えば、ノアの存在を感じる事もなく、話し相手もなく孤独だった。
時折ホールが開いては人間が落ちてくるものの、誰も彼も死んでいった。
触れたものすべてを灰にしてしまう能力。
そんな厄介な能力を身につけた彼は、落ちてきた人々に手を差し伸べる事も出来ない。
ただ彼らの終わりを見守るだけだった。
そうして誰かが亡くなる度に、彼は降り積もった灰で墓を作ってやった。
何百年も、何千年も何万年も。
ただそれを繰り返すだけ。
それでも死んでいった彼らを仲間と思い、彼は墓に語りかけていた。
途方もない孤独の中で。
そんなある日、目の前に大きなホールが開いた。
好奇心で中を覗くと、そこには喫茶店があった。
そしてホールの中には、幼い少女がいた。
喫茶店の中の少女は、彼の姿を見てその声を聞いて駆け出した。
当然だよな、こんな異形、子供は怖いに決まってる。
そう思った彼だったが、少しすると少女はホールのところへと戻って来たのだ。
コーヒーカップを小さなその手に持って。
「あなたの声、乾いているから喉が乾いているんでしょう?」と、あどけない笑顔で彼にコーヒーを差し出した少女。
触れたもの全てを灰にしてしまう彼なのに、何故か少女の手渡してくれたコーヒーカップは灰になる事なく、それを美味しく味わう事ができたのだ。
嬉しかった。
堪らなく嬉しかった。
終わりなどないかと思われた孤独の果てに、こんな暖かな瞬間が待っているなんて思ってもみなかったから。
だから彼は約束したのだ。
「今は何も出来ないけど、いつかお礼をさせて」と。
そうして少女から手渡されたひび割れたコーヒーカップと、少女とのあの僅かな時間は彼の宝物となった。
その後彼は死んでいった者たちから少しずつ得た魔法の力を使い、自分の体を作り変える魔法を使えるようになった。
そうして見た目から魔王と名乗り、自分の乗ってきた方舟に積んであったゲートから、アンシャンテへと来店するようになった。
そこはあの少女が居た喫茶店だ。
偽りの魔王
彼女に会う為に、あの日のお礼の為にアンシャンテへとやってきた彼。
しかし彼が来店した時には、彼女は既にアンシャンテには居なかった。
それでもマスターの草庵は彼のような人外の来店も歓迎し、暖かく迎えてくれた。
初めはそんな草庵に驚いたが、カヌスの姿を見て、何故草庵が彼に驚かなかったか納得できた。
そうして草庵やカヌス達と共に、あの場所は彼の安らげる場所となった。
その後草庵の死により、一度はcloseとなったゲートだったが、彼女が店を継いだ事で、再び彼らはアンシャンテへと戻ってきた。
そうして無事に彼女との再会を果たした彼。
草庵とは違う、けれど居心地のいい時間が流れた。
そんな中、初めはあの日コーヒーを淹れてくれた彼女に抱いた親愛の情が、いつしか愛情へと変わっていることに気づいた。
そして苦しくなったのだ。
彼女を騙している事が、みんなを騙している事が。
しかしそれも本物の魔王の登場により、皆に知られてしまった。
そうして本物の魔王アスモディウスに彼女が見初められ攫われた時、彼女を奪還する為に無理をした事で、彼はその正体を彼女に晒す事に。
触れれば全てを灰にしてしまう、終わりをばら撒く異形。
そんな本来の自分の姿を。
その後、滅びの力を抑える為にしばしアンシャンテに来店出来なかった彼は、自らの姿を力を恨んだ。
なんでこんな力を…と。
その一方で全てを見ていたノアは、あの日ミシェルが救われた時に嫉妬の心を抱いた。
同じ終わりの世界の住人だというのに、どうして彼だけが救われるのだろう?と。
だからノアは欲したのだ。
ミシェルを救った彼女の事を。
そうしてアンシャンテにミシェルの姿で顔を出し、彼女を終わりの世界へと攫った。
そしてミシェルからは滅びの力も異形の姿も奪い、人間界へと送り返した。
人外ではなく人間として。
そして彼は偽りの魔王から、ただの人間となったのだ。
彼女の為に
彼女が連れ去られた終わりの世界は、人間が生き残れる環境ではない。
現に今まで彼を除き、誰も生き残る事が出来なかった。
だから人間界で目覚めた彼は、人外としての力を失いながらも彼女を救う為に終わりの世界へと向かう事にした。
彼の仲間のアンシャンテの常連達も、本来ならマスターの危機に駆けつけるのだが、今人間界も含めたあらゆる世界に、終わりの世界が干渉していると思われる亀裂が次々と発生。
亀裂の現れたエリアは消滅してしまうと言う現象が起こっていた。
その為、各世界において最強である常連達は、自分の世界を救う為、呼び戻されていたのだ。
今彼女を救いに行けるのは彼一人。
人外としての力を失い人間となった彼にとって、もはや終わりの世界は故郷とは呼べない。
彼に死をもたらす危険な世界となってしまった。
それでも御門の開発した人外抑制薬サプレシオンを投与し、終わりの世界へと向かった。
最初こそサプレシオンの効果により、なんとか動けた彼だったが、薬が切れた途端、はるか昔に味わったあの苦しみを再び味わう事となった。
血反吐を吐き、ボロボロの彼だったが、それでも彼女を求め歩き続けた。
そんな彼にノアは攻撃を繰り広げた。
もう無理かも知れない…と思った時、彼の元へカヌス、イル、イグニスの三人が助っ人に現れた。
それぞれの世界での戦いの中、共を助けに行って来いと送り出されたのだ。
そうして仲間の助けを借り、終わりの世界の中枢へと道をこじ開けて貰った彼は、彼女がいるその中枢へとたどり着いた。
けれど遅かった。
既にこの世界で肉体を保てなくなった彼女は、ノアに融合され世界の一部となっていた。
だから彼がもがき苦しむ様を見て、「私はいいから、あなただけでも人間界へ戻って」と伝えたいのに、もはや実態を持たない彼女は言葉を紡ぐ事が出来なかった。
そんな彼女の為にノアが彼女が求めるアンシャンテを灰で再現した場所に、彼はドアベルを鳴らして来店した。
もう彼の人間の肉体は限界だった。
それでも倒れ血を吐きながら、彼は彼女と約束したあのカウンターへと腰掛けた。
「次に会いにきたらあのカウンターで、本当の事を全部話すよ」と約束したから。
もう思考さえも奪われそうだった彼女だったが、彼に会いたくて、言葉を交わしたくて、その意識を強く持つことが出来た。
そうして実態を失いながらも思ったのだ。
彼と話したいのなら、唇を創ればいい。
彼に触れたいのなら、手を創ればいい。
彼に微笑みたいのなら、顔を創ればいい…と。
そんな彼女の想いが実り、実体化に成功。
「いらっしゃい」と彼を迎える事が出来たのだ。
友を送り出す最期のお茶会
あり得ない。
ノアは実体のない彼女を見つけたミシェルの事も、ミシェルに会いたくて実体化した彼女の事も、驚きで見つめていた。
あんなにも長い間彼を見守っていたのに。
彼は一度たりともノアの存在に気づかなかった。
なのに彼女がこの世界と一体化していても、彼は見つけ出したのだ。
何が違うと言うのだろう?
そんなノアに、中枢に来る途中にノアの悲しみを全部見た彼は、気づかずに過ごしていた時間を詫び、早く気付いて友達になりたかったと言うのだ。
そうして互いに彼女に気持ちを伝え、恋のライバルとして決着をつけた後、友達になった二人。
だからノアは友達である彼に頼んだ。
「僕を終わらせて欲しい」と。
もう滅びの力を抑えられず、力のみが勝手に他の世界に干渉して世界を滅ぼそうとしていたから。
だから彼は「詭弁だけど、友達とのお茶会をしよう」と、カップを2つ出して、乾杯をした。
今の僕は少しの振動で灰になり崩れ落ちるから…とノアが教えてくれたから。
そうしてノアの言葉通り、次第に灰と化していくノアは、消える間際まで友達となった彼と言葉を交わし、満足げに去っていった。
殺すのではなく、見送る。
だから最期にお茶会をしよう…との彼の提案のお陰で、長い孤独から解放されたノアは、幸せな最期を迎えたのかも知れない。
彼女と言う世界と共に
終わりの世界そのものであったノアの消滅と共に、終わりの世界は消えた。
ノアと同化していた彼女も、そこで消えるはずだった。
けれどノアが望む世界を描いて、君の世界を作るんだ…とアドバイスを残してくれた事で、彼女は人外として存在を残す事に成功した。
終わりの世界の齎した被害は甚大だ。
それでもそれぞれの世界で復興が始まり、皆いい形で新たなスタートを切ったようだった。
そしてアンシャンテでは、人間となったミシェルがマスターとして働いていた。
扉を開けるとそこには、彼女と言う世界が広がっていた。
それはあの日、彼女がアンシャンテを継いでくれた事を祝うお茶会で、彼が彼女の為に作ってくれたあの世界だった。
彼女にとって、あれは特別で忘れられない世界だったから。
そんな世界の中で、幽霊のように不確かな実体を保つ彼女。
時折何かに集中すると、その姿が見えなくなる事もある。
けれどあの終わりの世界でも彼女を見つけた彼だから、どんなに姿が見えなくても探す事が出来るのだ。
人外となった事で、コーヒーを淹れる作業に苦戦した事もあったが、今では彼のサポートのお陰で人間の頃と変わらない味を出せるように。
そうしてアンシャンテのもう一人のマスターとして、誰でも暖かく迎える日々を過ごしている。
けれどノアのように世界となってしまった彼女だから、人間となった彼と同じ時を刻む事はもう叶わない。
いつか彼が彼女を置いてその生を終える日が必ず訪れる。
その寂しさに悲しさに耐えられず、彼女がノアのように彼を求める余り、世界を滅ぼす程の揺れを起こしてしまうかも知れない。
それが今の彼女の一番の不安の種だ。
けれど彼は言う。
幽霊だろうと異形だろうと、どんな姿になっても、どんなに時間をかけても、また必ずアンシャンテに来店してみせると。
人間になってもあの世界から彼女を連れ戻した元魔王だ。
きっとその約束を違える事はないだろう。
そうしてこれから先、彼女を待つ果てしない時の中、幻奏喫茶アンシャンテは多くの人々に安らぎを与え続けて行くことだろう。
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