オトメイトさん、REDさんのNintendo Switch用ソフト「ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~」で河西健吾さん演じるキャラクター、平教経の感想とネタバレをまとめました。
キャラクター紹介
※「ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~」は乙女ゲーム制作ブランド『オトメイト/RED』の作品です。
バナーの画像はこちらからお借りしております。
CVは河西健吾さん。
能登守教経と呼ばれる平家の武人。
貴族化する平家の中にあり、彼だけは骨の髄まで武人だった。
主人公とは同じ年。
故に比べられ続け、いつか勝負したいと興味を持つように。
五条橋の一件で回り始めた運命の歯車。
幾度も戦いのチャンスを得つつ、なかなか真剣勝負の出来ない二人は、とても似ていて、いつしか惹かれ合うように。
感想
平教経の感想をいくつかの項目に分けてまとめました。
ビジュアルについて
気の強そうな表情、明るい髪色。
見た目はどストライクでした。
一番好みかも?ってくらい大好きでした。
戦装束の時も、旅支度の服の時も、どちらもかっこよかったです!
スチルでも麗しかったです。
性格について
五条橋の事件が彼キッカケで起きる事もあり、見た目好きだけど面倒な人だな…と最初は思いました。
でもお話が進むにつれて、どんどん素敵になって行きました。
戦の事しか考えてない戦バカなのかな?と思いきや。
色々気遣いを見せてくれたり。
また勝負に対しても、平家の軍で戦うのではなく、あくまで自分との一騎打ちを望むあたりも、男らしくて素敵だと思えました。
恋人として
いつも対等でいてくれる人でした。
時に彼女が前を進むと、彼がそれを必死に追いかける。
時に彼が先へ行くと、それを彼女が追いかける。
そんな互いが互いを磨くような関係性が素敵でした。
そしてそんな関係を、彼と恋人となって築いて行きたいと思わせてくれました。
彼にふさわしく有りたい。
そう思わせてくれる人なので、自分の向上にもつながる素敵な関係になる予感がします。
ぜひお付き合いしたい人でした。
そしてまっすぐな所も、大変信頼出来ました。
ずっと一途に思ってくれそうだな…と。
また照れる様子が本当に可愛くて。
そんな彼を一番近くで見ていたいなって思いました。
仲間として
大変信頼出来ます。
背中を預けて戦えるような人です。
…いや、私に戦う能力があるのか?という段階で、ここにたどり着けないという現実はありますが(笑)
そういうのおいておいて、彼と背中を合わせて戦いたいなって思いました。
恋人としても素晴らしい彼ですが、仲間として共に戦いたくなる人でもあります。
またとても仲間思いな所も素敵でした。
多分それは最初からではなくて、彼女と出会った事で、彼の中で大きな変化があって生まれた感情なのかもしれません。
それでも兵士一人一人、兵士たちの家族の事まで。
平家一門全てを助けたいという熱い思いが素敵でした。
最後に…
最初は義経である事が受け入れられなかったのです。
歴史上の人物が実は女だったみたいな設定が苦手で。
でも終わった今は思います。
これは義経であるから生まれた物語なのだと。
そして主人公が義経であるからこそ、伝わるものがあるのだと。
宿命を背負う二人なので、何度も切なくて泣きました。
恋愛エンドでも切ない気持ちで涙しました。
ご都合主義の分かりやすいハッピーではなく、重いものを背負ってたどり着く幸せかな?と思いました。
悲しみの中から、苦しみの中から掬い上げたような幸せです。
それでま二人の選択を間違ったとは思わない。
きっとこれが最善だったと思えました。
それは私だけでなく、物語の中でも二人の選択が認められているように感じる部分もあったからです。
一時は教経のせいで…なんて恨めしい気持ちにもなりました。
でも京で彼女を逃してくれたあたりから、平泉で再会したあたりから、本当に変わって行って。
眩しくて見ていられないくらい、それでも追いつきたくて追いかけたくなるような、そんな人へ変わっていく様が、本当に素敵でした。
河西さんの声も教経にとても合っていて、凄い素敵でした。
そして教経には直接関係ない話ですが、天月さん!!
主題歌だけでも嬉しくてビックリしましたが、声優さんとしても凄いお上手でビックリしました!
嬉しい驚きでした♪
ネタバレ(あらすじ)
苦しくてどうしたらいいのか分からない。
お前もこんな風に心かき乱される事はあるのか?
なら傍にいろ、これからもずっと。
全てが終わり、男の役目を終えた後には、女として俺の傍にいろ。
縛られて生きる二人
平治の乱の勝利から15年。
平家の者は舞や宴に興じ、武人というよりは貴族と言った雰囲気だった。
そんな中、彼だけは異色だった。
未だ武人だったのだ。
だからだろうか?
幼い頃より同じ年の源氏の末子、遮那王と比べられて来たのは。
そうしてそんな周りの言動が、彼に興味を与えたのだ。
いつか遮那王と本気で戦ってみたい…と。
本当に強いのはどちらなのか、雌雄を決したい…と。
そんな強い思いに突き動かされ、彼は鞍馬寺へと赴いたのだが、当の彼女は全く相手にしてくれない。
平家の者と争うつもりはないというのだ。
それでもなんとか戦いに引き釣り出したくて、五条橋で刀狩りをしている弁慶の名を持ち出したのだ。
弁慶を先に捕らえた方が勝ちとしようと。
彼はただ純粋に勝負がしたかっただけなのに。
五条橋で彼女によって傷を負わされた事が原因となり、平家が鞍馬寺を攻める事になってしまった。
源氏と平家。
敵に生まれたからこそ、彼は彼女に興味を持った。
けれどその事が自由に彼らを戦わせてはくれなかった。
そう、二人はそれぞれの家に縛られて生きているのだ。
新天地平泉へ
平家が攻めて来るとの噂を聞きつけた彼女は、鞍馬寺を出る事となった。
本当はここで自らの学問や剣術の研鑽をしながら、静かに暮らしたかったのに。
源氏の末子という事実が、いつも彼女を翻弄するのだ。
そもそも女でありながら男として生きなければならなかったのも、源氏に生まれてしまったからだ。
それをそこまで不自由に感じてはいなかった彼女だったが、それが彼女の生き方の自由を奪う。
周りのものは期待しているのだ。
いつか兵を挙げて平家を討ち果たしてくれるだろう…と。
鞍馬寺を出ることになった彼女は、その時寺を訪れていた吉次の勧めで平泉へいく事となった。
そこは源氏に大変な恩を感じているから、彼女らを暖かく迎えてくれるだろうと言うのだ。
最初に話を聞いた時は、行くつもりなどなかった。
しかし状況が変わった事と、奥州を治める藤原秀衡が気になったからだ。
そうして彼女は平泉にいくに辺り、鞍馬寺と自分はもう何も関係がないと都の人々に知らしめるため、危険を犯して都へ向かった。
そこで自ら皆に語ったのだ。
鞍馬寺を破門にになったと。
そのまま平家の兵から逃げようとした彼女。
しかし平家の数が多く、思うように逃げられなかった。
そんな時彼と出会った。
まずい相手に出会ったと思った彼女だったが、彼女がどうして平泉へいくのか、そして名に縛られず自由に行きたい…という思いに心を動かされた彼が、平家から匿い逃してくれたのだ。
宿命を背負いながら
彼女が平泉に向かうと、彼は平家一門を捨て、同じく平泉を目指した。
当然父親を始め、知盛たちにも驚かれたし止められもした。
それでも名に縛られる事なく、ただの一人の武人として彼女と戦いたいと思ったのだ。
最初こそ一人旅など初めてで戸惑う事も多かった。
しかし平泉を目指す旅の商人たちを盗賊から守った事で、彼らと旅を共にする事となった。
そうして彼は知る事となったのだ。
平家が民にどう思われているかという事を。
そしてそんな平家から逃げるため、平泉を目指すものがいるという事を。
新鮮な経験だった。
平家を外側から見るという事は。
その経験が、彼を少しずつ変えたのだ。
変えるキッカケは彼女がくれた。
ただ名に縛られず、互いがただの武人として、彼女と戦いたいという願い。
そうして平泉に入ると、すぐに彼女と出会ったのだが、対戦を断られてしまった。
だからずっと様子を伺っていると、狩りに出て来た彼女と遭遇。
しかしタイミングが悪かった。
やっと戦えると思ったのに、彼女たちは蝦夷と一戦交えていたのだ。
見知った相手だ。
捨て置くことも出来ず、彼も加勢。
その甲斐あって一度は状況は有利になが、二人は道に迷ってしまったのだ。
そうして迷った先で蝦夷と遭遇し、彼女が斬られそうになった瞬間、彼が彼女を庇った。
深手を負った彼をなんとか助けて洞窟へ逃げた彼女。
誰の助けもないまま、ここで一晩越さなければならない。
彼の体は冷たくなり、出血の量からも危険な状態だと見て取れた。
そんな彼をなんとしても死なせたくなくて、彼女は着物をはだけさせ、自らの体温を利用し、彼を温めた。
幸いひどい熱で朦朧している彼に、自分の性別はばれるはずないと自らに言い聞かせ。
そうして無事に彼を助ける事は出来たものの、翌日合流した春玄や弁慶たちに、彼が平教経であると平泉の者たちにバラされてしまった。
ここは源氏方の土地。
平家のものはここでは敵なのだ。
だから彼は捕らえられ牢に入れられてしまった。
それでも秀衡は彼を手厚く手当してくれたのだ。
それが秀衡の人柄なのだろう。
憎くて処刑する訳ではない。
今頼朝が各地の源氏に声を掛け、後白河法皇の命で平家討伐のために軍を募っている最中だ。
平泉にも賛同するよう書状が届いていた。
だから仕方なかったのだ。
状況が、彼を助ける事を許さなかった。
それでも彼女は受け入れられなかった。
だって彼は彼女と戦うためだけに、平家を捨ててここまで来ただけだったから。
いくら説明しても、平家の者として見られてしまう。
それは自分も同じ事。
どんなに自分らしく有りたいと願っても、源氏の名がついてまわるのだ。
似ている二人。
だから助けずにはいられなかった。
どこまでもまっすぐな彼。
こんな所で処刑されるような死に方は似合わないと思ったから。
そうして彼を逃した事で、彼女は立場を危うくした。
だから誓ったのだ。
源氏のために兵を出すと。
その決意の元、彼を逃した。
だからすでに彼とも約束済みだった。
互いに宿命を背負いながら、その中で相見えよう!と。
弱き者を守りたい
源氏の軍に加勢する事になった彼女は、木曽義仲の援軍を命じられた。
そこですぐに彼と再会した。
彼女が討伐する平家の軍に、彼が出陣していたからだ。
しかしそこでも勝負は叶わなかった。
彼女は作戦で動いていたからだ。
そうして彼女が囮の奇襲を掛けた作戦は成功し、義仲の目論見通り平家の大軍は、誘導された崖に落ち、多くが命を奪われたのだ。
誘導するように指示されてはいた。
しかし「そこには何があるのだ?」と何度尋ねても義仲は教えてくれなかった。
だから知らなかったのだ。
そんな酷い殺し方をするだなんて。
彼女も彼も慌てて皆を止めようとした。
しかし大軍であるが故に止まらない。
止まっても後からくるものに押され、崖下へと落ちていくしかなかったのだ。
その後勢いをつけた義仲は、京へと攻め入ったのだが、そこでのやり方もひどいものだった。
罪のない女子供まで容赦なく手にかける。
更には略奪行為まで行っていた。
弱き民はただ犠牲になるだけ。
平家の横暴な政治の犠牲者だった彼らは、今度は源氏の傍若無人な振る舞いで、また犠牲となったのだ。
こんなやり方は間違っている。
何度も進言しても聞き入れてもらえない。
だから自ら助ける事を選んだのだ。
平家は敵かもしれない。
けれど戦う術を持たぬ弱き者まで手にかける必要などない。
彼女はただ守りたかった。
戦う術を持たない弱き者たちを。
それは平家だろうと源氏だろうと関係ない。
そんな彼女の行動に、義仲軍が怒りを顕にして斬りかかる。
そこに彼が現れ共に弱き者たちを守った。
彼女は敵である平家のために、脇腹を斬られながらも、必死に戦ったのだ。
その後、逃げる平家と共に、深手をおった彼女は、彼に抱かれて逃げることに。
争いのない未来で共に…
都から逃げる平家の者と共に、彼女は一ノ谷へ。
彼は小屋に彼女を隠し、その傷が治るまで甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。
そんな様子を見つけた知盛が、時折彼女をからかいに来たりする。
そうしていつしかあの日助けた平家の女たちが、食事を運んで来ては話し相手になったくれた。
その頃、義仲軍が一ノ谷まで平家討伐にやってきた。
圧倒的に数では負けている。
それでも彼女も共に戦い、多勢だった義仲軍を退ける事に成功。
そうして彼女はすっかり平家に馴染むようになったのだ。
義仲軍を退けた事で、清盛の娘で現天皇である安徳天皇の母の徳子は、京を奪還しようと言い出した。
しかし彼も知盛もそれには賛同しなかった。
皆、後がない戦いで守るのに必死だった。
だからたまたま勝てただけで、今の平家に京に攻め込む力は残っていない…と。
彼はなんとしても平家に付き従ってくれた家来たちと、その家族を守りたいと思っていた。
だから一人奔走していたのだ。
全員を乗せられる舟を調達するために。
その頃義仲の都での横暴が問題となり、義仲は頼朝に討たれたという知らせが。
そして平家にも朗報が。
後白河法皇が平家に和睦を申し入れて来たのだ。
平家が持って逃げている三種の神器を返還するのなら、お咎めなしとする…と。
その事で平家方では会議が開かれたが、意見は分かれてしまう。
それも仕方がない事だ。
後白河法皇が平家討伐を言い出した張本人なのだ。
和睦が本心なのか罠なのか、計り知れないと思うのも無理はない。
それでも彼は和睦を受ける意思を示し、皆に進言するという。
彼は望んでいたのだ。
争いのない未来を。
そうして平家一門の兵士やその家族を守りたくて。
更には和睦が成れば、もう敵も味方もなくなる。
つまりは彼女と共にある事を誰も咎めるものがいなくなるという事だ。
彼はすでに知っていたのだ。
あの日朦朧とした意識の中で、彼の命を救った遮那王が、実は女だという事を。
その事を知られたくないと思っていた彼女にも、「女でも男でも関係ない。お前はお前だ」と言ってくれていた。
彼のその言葉に偽りはなく、彼は彼女の本質を見てくれる人だったのだ。
出会ったあの時からずっと。
そうして彼の進言も手伝い、平家は和睦を受ける事を決めたのだった。
激流の中、手にした自由
しかし徳子は納得していなかった。
だから和睦の席に兵士を連れて乱入。
彼が止めるのも聞かず、使者として現れた者の命を奪ってしまった。
その行動が元となり、和睦の話はなくなり、使者として来ていた頼朝は、隠していた大軍を呼び出しそのまま平家を討つことになった。
離れて見ていた彼女の元には、源氏の頃に彼女を信じついてきてくれた仲間が来ていた。
源氏の陣にいくよう言われたのだが、和睦が成るのを見届けたいと、陣には行かずにいた。
しかし、突然平家討伐が再開され、彼女は慌てて彼の元に行こうとする。
当然彼も混乱の中彼女を探していた。
しかし、このまま彼女が平家の元に行けば、それこそ謀反。
今度こそ彼女の命はない。
だから仲間たちが彼女の意識を失わせ、彼へと手を伸ばした彼女を無理やり源氏の陣へと連れていってしまったのだ。
一方彼女を探していた彼は、ここで戦うのは得策ではないと判断し、自身で準備した舟へと兵士たちを誘導した。
そうして皆を誘導し終えた時、それでも現れない彼女を待っていたものの、源氏の攻撃が激しく、そのまま彼女抜きで舟を出す事となったのだ。
その後正式に後白河法皇より平家追討の命が下った。
しかも舟で壇ノ浦に逃げた平家を追討してくるよう命じられたのは、他でもない彼女だった。
そうして二人は再び敵として戦場で相まみえる事となったのだ。
彼はこの戦いで全てを終える覚悟をしていた。
だから兵士たちにも、隙きを見て戦線を離脱して逃げるよう指示した。
生きてこそ意味があると。
生きていれば家族とも会えるだろうと。
そして生きて生きて、源氏の作る未来を見届けろと。
更には潮の流れを知り尽くした漁夫を雇った彼。
彼が兵士に逃げるよう指示を出しているのを驚いている彼らにも、頃合いを見て逃げていいと伝えた。
そんな指示を受けたのは初めてだと驚く漁夫に、指示ではないお願いだというのだ。
負けが決まっている平家に雇われてくれてありがとうと。
そして雇った以上関係は対等なのだという彼。
そうして戦が始まると、彼は自ら最前線へと出て来た。
そして声高らかに総大将の能登守平教経だと名乗るのだ。
そんな彼と目があった彼女は、彼に呼ばれていると感じた。
二人は似た者同士、だからいつも互いの考えが分かってしまう。
そうして彼女は彼の元へ。
でも分かってしまった。
彼が自分の命を持って戦を終わらせるつもりだという事を。
派手に戦い、派手に討たれる。
そうする事で誰の目にも明らかに「平家が源氏によって滅ぼされた」と映るように。
だから彼の決意に応え、彼女は全力で戦った。
そんな二人の戦いを見る彼女の仲間は、まるで全霊で愛を語るようだと思った。
その通りだったのかもしれない。
どれほど愛しても、二人は敵同士。
とうしても戦う宿命。
ならば愛の限り、魂をぶつけ合い戦うしかない。
そうして互いに力尽きようとした時、彼女は彼を討つ事をやめた。
「お前を失いたくないのだ」と。
そうして「ならば共に戦ってくれるのか?」という彼に「そうだ」と応えた彼女は、最後だというように刀を振り上げ彼へと斬りかかる。
そうして彼を貫く直前に刀を引き、そのまま二人で激流の中へと飛び込んだ。
これで周りから見たら、源氏の大将は平家の大将と相打ちで平家を滅ぼしたと映るはずだ。
そうして激流の中、必死に手を伸ばす二人は、互いに手を取り抱きしめあった。
もう誰を憚る必要もない。
自由になったのだ、二人とも。
共にある事が許される空の下
気づくと二人は砂浜にいた。
激流に流された二人が落ちる瞬間を漁夫たちが見ていたのだ。
彼らは壇ノ浦の潮の流れを知り尽くしている。
だから二人がどこに流されるか予想出来たのだ。
それでもひどい激流だ。
普通だったら死んでいるはずだった。
けれど二人は奇跡的に生きていて、その事は漁夫たちも驚いていた。
そうして助けられた二人は、温かい南の土地で生きる事に。
知盛兄弟の話によると、彼女は仲間たちにも死んだと思われ、皆彼女の死を悲しんでいたという。
結果として、彼を助けられたものの、仲間を裏切る事になったのだ。
偽りの死によって。
その事は決して忘れられず、彼と共に暮らす日々の中、時折思い出しては彼女を苦しめる。
けれど彼も同じだった。
沢山の兵士を死なせてしまった。
もっと助けてやりたかった。
それでも彼が各地で舟を調達しながら、平家のものを受け入れて欲しいと頭を下げて歩いたお陰で、壇ノ浦につくまでに沢山の兵士やその家族を逃がす事が出来た。
壇ノ浦開戦の前の晩も、残った女子供を投降する事で救う事も出来た。
けれど全てではない。
寧ろ散らせた命の方が大きい。
それでも彼らは宿命の中戦い続け、何度も諦めようとしても諦めらけなかったものを手に入れた。
それは罪深い事なのかもしれない。
多くの犠牲があるのだから。
自分たちだけが生きていていいのだろうか?と思うこともある。
それでも生きているから出来る事がある。
だからこれからも互いに寄り添い生き続ける。
武人だった彼は、今ではすっかり畑仕事が上手になっていた。
彼女も籠を編む事を地元の女性たちに習い、すっかり上達していた。
剣を捨てた二人は、今穏やかな日々を生きている。
それでも心に傷を持っている。
それは二人とも同じだ。
似ている二人だから、互いの苦しみも手に取るように分るのだ。
でも互いが共にあることを望んだ事を少しも後悔はしていない。
だからきっと大丈夫。
これからも共に支え合い、きっと強く生きていく。
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源頼朝
平知盛
ifエンド
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