キャラクター紹介
※「オルフレール ~幸福の花束~ 」はA'sRing/dramatic createの作品です。
CVは須賀紀哉さん。
幼い頃から次期当主、騎士団長としての教育を受けていたが、全て弟のアデルに譲り、自身は家からの経済的援助を一切受けずに、貿易会社を立ち上げ成功を収めた。
アデルが騎士団長を務めるヴァルト騎士団の資金源は、彼の会社の収益によるもの。
勝手をして事業を起こした事で弟達に負い目があり、コミュニケーションはうまくとれていない。
弟達に対し、クールな態度を見せてはいるもの、実は兄バカな一面も。
感想
須賀紀哉さんは大好きな声優さんなので、楽しみにしていました。
が、黒髪のキャラって割と苦手な事が多く、しかも始めクールでどうしようかと思いました。
実際に攻略してみたら、物凄い好みでした。
初見の印象ではアデルの優しい雰囲気に惹かれ、兄の冷たそうな感じは苦手かな?と思いました。
でも物語が進むに連れ!騎士団長に相応しい完璧主義のアデルに対し、完璧を嫌い、変化や新しいものを好む彼の気質が大変好ましいと思いました。
ダメだからと呆れない、むしろ伸び代があって面白いと捉えてくれる感じが、大変居心地が良かったです。
そして兄バカなのか見えてからは、可愛かったです。
こんな人なのね?とビックリ(笑)
また堅物に見えて、ロマンチストなのも良かったですね。
最初は彼女の靴のサイズのことをいち早く気づいてくれた事に感動し、身分の差を超え、そんな古い考えにとらわれるのですか?と、新しい考えで壊して行こうとする態度が、凄くカッコよかったです。
見た目の印象では、私の好みと言うより、協力サイトの管理人のお友達の好みな感じなのに、きっとルイスさんの事は私の方が好きだと思います(笑)
予想以上に素敵でした!
ネタバレ(あらすじ)
いいか、自惚れろ、自覚しろ!
君はこの私、ルイス・リードに愛されている事を忘れるな。
家督を譲った男
リード家の長男として生まれた彼は、幼い頃から家を継ぐべく育てられた。
それこそ当時はそれが当然と思い、彼も努力していた。
けれどある時息苦しさに気づいてしまった。
リード家の当主は、代々ヴァルト騎士団の団長を務める。
彼も席こそは副団長ではあるものの、団長の座にいる父に代わり、騎士団を纏めていた。
けれど彼は騎士には向いていなかったのだ。
騎士とは元来古いもので、その伝統を守る義務があるから。
それに対し彼の気質は全く逆だった。
新しい物を取り入れ、常に変化していく男だったから。
剣術にしてもそうだ。
騎士の守りの剣とは違い、彼の剣術は壊していく剣術。
扱う剣も双剣と邪道だったのだ。
そんな彼にとって、弟のアデルは希望だった。
変化を好む彼よりもずっと、伝統を重んじる完璧主義の弟は騎士団団長に向いていたから。
彼は団長と言うより、国王タイプなのだろう。
そんな事もあり、彼の存在は貴族達から危険視された。
いつか王位を狙うのでは?と。
アンゼリアは古い考えの国だったから。
だから彼は家督を弟に譲り、ヴァルト騎士団も辞めた。
団長も弟に譲ったのだ。
そうして彼に対する批判も落ち着いたのだった。
たった一人の力で
騎士団を辞め、家督も譲った彼は、親の力も借りず自ら事業を興した。
貿易会社を立ち上げたのだ。
新しいものが好きで、変化を恐れない彼にその仕事は向いていたのだろう。
あっという間に国を代表する企業へと成長した。
そうして彼の齎らす潤沢な資金により、ヴァルト騎士団はその力を強めていた。
彼にしてみれば罪滅ぼしの気持ちもあった。
元から息苦しく感じていたあの世界から、自由に羽ばたけるようになったのだ。
ひどく自分勝手な兄で、弟に申し訳ないと思っていたから。
そうしてヴァルト騎士団が力をつける一方で、国は不安定な状況に陥っていた。
国王が倒れ、二人の王子の間で争いが起きたからだ。
そんな状況では民は貧困に喘ぎ、盗賊団も出やすくなると理解出来る。
しかし、今この国を襲う連続盗賊団事件は、少しそれとは性質が違うようだった。
まるで国そのものを疲弊させるようなやり口なのだ。
だから彼は考えていた。
これは盗賊団単独の犯行ではなく、裏でレジスタンスが糸を引いているのでは?と。
唯一の生き残り
そんな時、彼女がリード家にやってきた。
今まで盗賊団に襲われた村は全滅してしまい、生存者はいなかった。
けれど今回はアデルが彼女を助けた事で、唯一の生存者となったのだ。
そうして彼女はリード家で兄弟四人のうちの誰か一人に、専属メイドとしてつく事になった。
専属メイドはメイドの中でも高位な存在。
とても特別なポジションだ。
それを保護した村の娘に与えると言うのは、誰が聞いても異例の好待遇だった。
そうして彼の専属メイドとなった彼女は、彼から聞かされたのだ。
彼女の好待遇が話題になれば、それを聞いた盗賊団が焦る筈だと。
「そんな好待遇を受けるほどの有力な情報を、彼女が握っているのかも知れない」と思うから。
それが彼の狙いだった。
当然盗賊団だけでない、そことつながるレジスタンス、そしてレジスタンスに資金を提供している貴族達も焦る筈だから。
故に彼女には外との接触を固く禁じていた。
焦った輩が彼女を狙って動き出すことは、十分考えられるから。
疑われた幼馴染
資金提供している貴族はどこだろう?
そう考えた時に、いくつかの貴族が挙げられた。
中でも最有力候補となったのは、彼女の幼馴染でもあるカインの家、コーエン家だった。
コーエン家はまだ男爵位を得たばかり、いわば成り上がりだ。
それだけでも怪しいのに、彼女の村が襲われたあの日、コーエン家は一家でザンディッヒから新居のあるアルゼルムへ行き、その晩はそこで過ごしていたのだ。
仮に彼の家がレジスタンスに資金提供をしていたとするならば、事前に襲撃の情報を入手し、襲撃を逃れたと考えられる。
それに息子のカインも、なかなか食えない男だと彼は感じていたから。
それでも彼女は「そんな筈ありません」と否定する。
ずっと昔から知っているから、いつも二人で過ごしてきたから。
だから彼の身の潔白は私が証明すると言い出した彼女。
そうしてリード家でお茶会を催し、彼を招待する事になった。
そこでカインと直接話した彼と弟のアデルは、カインへの疑いを晴らし、カインと協力し共に彼女を守って行こうと約束した。
そうしてカインは持ち前の情報収集力を活かし、彼に協力してくれる事になったのだ。
小説のモデル
彼女がリード家に保護され、彼の専属メイドとなった。
その話は彼の読み通り瞬く間に広まった。
美談として広まるだけでなく、まるでシンデレラのような彼女の境遇を羨ましがる娘達が後を絶たない。
さらにはそれに拍車をかけるように、レジスタンスに協力している貴族をあぶり出すためと、彼女は彼にエスコートされ、社交界デビューも果たした。
その事で一層二人は注目されたのだ。
そうして巷では彼と彼女をモデルとした小説が、いくつも書かれるように。
彼は一通り自分で内容を確認していたのだが、何も知らなかった彼女も、彼の末の弟のノアにより、そのことを知る事となった。
それだけではない。
ノアの勧め、いや押し付けでその中の一冊を読む事になったのだ。
大人な内容の物語が多い中、そう言う描写の少なそうな本を選んだ彼女。
その夜少しだけのつもりで読み始めると、その内容に夢中になってしまったのだ。
彼女の選んだ本だけが、たくさん出版されている二人をモデルとして小説の中で、唯一彼に幼い頃から今までの事を取材して書かれたノンフィクションに近い作品だった。
弟との間の事、弟に団長の座も家督も譲る事、父親との確執の事、そして一切の援助なしに一人で貿易会社を成功させた事などが記されていた。
作中の彼、ロランは空を羽ばたくよう、海へ漕ぎ出るよう世界へと飛び出した。
小説の彼と現実の彼
小説のロランと現実の彼には隔たりがあった。
それも当然だ。
取材をしたとは言え、作者は完全に彼の心を理解出来る訳ではない。
あくまであれは虚構なのだ。
キラキラした物語の中に描かれる自分とは違う本当の自分。
彼は自分の事を空っぽの容れ物だと言う。
そして何もない空っぽの容れ物の自分とは違いアデルは光だ。
俺はその光何しには存在出来ない影なんだ…と切なげに呟く彼。
彼女はその言葉に切なくなり、苦しくなった。
そして愛おしさが増した。
いつもは相手が彼女であっても、彼はそんな話をしない人だ。
最近は二人が話題となり、リード家には二人宛に沢山の招待状が届くようになっていた。
以前二人で一度だけ参加した晩餐会が評判となっていたから。
それでも彼女の身の安全のためにも、彼は彼女を伴わず一人で出席していた。
二人への招待状なのに、彼女が不参加なのは礼を欠くからと、普段は顔も出さないような席にまで参加していた。
彼女はもう十分役割を果たした。
今後は矢面に立つのは自分一人でいいと。
そう彼女を守ろうとしている彼。
けれどそれが彼をひどく疲れさせてもいた。
そんな裏事情を聞いていた彼女は、彼を癒そうと彼の心に寄り添ったのだ。
そうして二人はその夜結ばれ、彼女は専属メイドでありながら、彼の恋人となった。
反逆罪
彼の恋人となり幸せな日々を送る彼女だったが、その一方で別れる決意もしていた。
自分はメイド、どう考えても爵位をもつリード家の長男とは釣り合わない。
そんな考えを持つのは何も彼女だけではない。
この国の大部分の人間がそうなのだろう。
だからこそあの小説も人気が出たのだ。
身分を超えた恋愛だったから。
それがこの国の古い考え方で、国民はそれに知らず縛られていた。
そしてそれに気づいてもいないのだ。
そんな事は許せなかった。
彼は変化を好む男だから。
古い考えがそうさせるのなら、そんなもの壊してしまえばいいと。
そうして帯剣をし、彼女を伴い待ちへ出た。
彼の剣は騎士らしからぬ壊す剣。
自らの命すら顧みず、ただ相手を倒す事に集中する剣。
そんな剣術の彼だから、誓いとして剣を帯びた。
古い考えを叩き壊そうと。
彼女の中のそれだけでない、この国に根付く古い考えまでも。
そんな彼の革新的な態度に世間の注目が集まった頃、事件が起こった。
彼の会社の扱う複数の商品から毒が検出され、それを口にした人々が次々と倒れる事件だ。
会社は大変な騒動になっていた。
しかし事態はそれだけで終わらなかった。
彼は自身の貿易会社を使い、多くの人々に毒を盛る事でクーデターを起こそうとしているとされ、反逆罪に問われてしまったのだ。
そうして彼女の見ている前で、連行されてしまった。
公開裁判
彼が連行され、彼女がひどく動揺する中、兄弟たちは比較的落ち着いていた。
取り乱す彼女を落ち着かせてくれたのも彼らだった。
実は彼らは今回の事件について、既に調査を開始していた。
カインも協力し、なぜこんな事態になったのか?状況を把握してもいた。
あとは彼の狙い通り、彼の裁判が公開裁判となれば、より強い影響を与えつつ無実を証明出来ると言う算段だ。
そうして彼の、彼らの狙い通り、裁判は広場での公開裁判となった。
まるで晒し者のように、大勢の民に囲まれて行われる裁判の中、彼女とのデートの時の好意的な歓声とは打って変わり、人々からは非難の声があふれていた。
しかしいざ裁判が始まると、彼と弟たちとカインが今回の事件の裏を暴いて行った。
彼の会社の商品を運ぶ業者はいつもと変わらない。
しかし、その業者が輸送の途中で別の者達と入れ替わっていたのだ。
入れ替わった業者は、いつもの業者とは違うルートを通っていた。
そこには途中、盗賊団に滅ぼされた村があり、そこには鉱山があり、今回の事件で使われた鉱山毒が入手できるのだと言う。
そうしてその村に立ち寄る事で、彼の会社の様々な品に毒を混入させ市場へと出回らせたと言うのが、今回の事件の裏側だった。
彼はそのことを暴き、自らの無実を証明。
さらにはレジスタンスが今回の事件に関与していて、どの貴族がそこと繋がっているのかまでも暴いて、レジスタンスとそれに関わる貴族を一掃してしまった。
見事な手腕だった。
大人のおとぎ話
今回の貢献が認められ、彼は彼女と共に王宮の晩餐会に招かれた。
彼女を同伴なのは出来れば断りたいが、相手が王では流石の彼も無理だった。
そうして二人は王宮の晩餐会へと出席。
公開裁判のあの日、無実が証明された彼と、大勢の人前で熱い抱擁を交わしたことで、二人のブームは再燃し、以前より大きな盛り上がりを見せていた。
そんな二人が揃って出席したこともあり、みなの注目の的だった事は言うまでもないだろう。
そうしてぐったりとして、一泊二日の晩餐会から戻った翌朝。
早朝から彼の姿が見当たらない。
心配して屋敷中を探し回る彼女に、兄弟達は笑って「ああ見えて兄弟の中でも一番ロマンチストだから、ルイス兄さんは」と教えてくれた。
彼らの言葉がさっぱり分からない彼女だったが、その後すぐに顔を泥だらけにした彼を見つけた。
手には花屋では見ない花で作った花束を持っていた。
それは彼が早朝から山に入り、自ら見立て摘んできた花。
彼女への贈り物だから、生きた花を自分で選び、その花で花束を作りたいと思ったから。
そうして彼は彼女の前に跪き、花束を捧げてプロポーズ。
以前の彼女だったら、立場を気にして受けられなかったかもしれないが、彼が変えてくれたから。
だからもう怯える事なく、彼のプロポーズを受け入れたのだ。
専属メイド兼恋人だった彼女は、今では秘書兼妻となって、彼と共に働いていた。
そうして共に世界を飛び回る日々。
ザンディッヒと言う小さな村の中しか知らなかった彼女は、とても小さな世界を生きていた。
辛い事件に遭遇し、多くの大切なものを失った。
けれど沢山のものを手に入れた。
そしてあの本の中で世界を旅するロランのように、彼女も広い世界へと羽ばたけるようになったのだ。
それは彼が彼女にくれた、とても広い世界。
そんな二人の恋は、大人のおとぎ話として有名になった。
もう今では出版された本の検閲など間に合わない程に、二人をモデルにした物語が沢山出版されている。
けれど誰の書いたどんな物語よりも、きっと彼女の人生の物語は、とびきりステキなおとぎ話なのかも知れない。
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