剣が君 百夜綴り【九十九丸】彼岸花の書:江戸城剣取り御前試合

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剣が君 百夜綴り 通常版  - PS Vita

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シナリオ紹介

CVは小野友樹さん。
東海道では彼女の護衛を務めた、田宮流居合の使い手。

ここでは彼女の料理茶屋で働いている。
何故か剣術からは表向きは離れている様子。

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感想

斬鉄の事件の最後に、その後の二人については別な話で…とあったので、てっきりあの続きから、八編に渡り二人のラブラブな日々を読めるのかと思っていました。
所が、蓋を開けてみたら、九十九丸にまつわる様々な短編集と言った感じ。

九十九丸にまつわりと書きましたが、基本主人公と彼の物語。

今回は料理茶屋で働いている九十九丸…という、割と九十九丸的には普通な設定(笑)
二人が夫婦で、若旦那として…というものもあったのですが、これはまだそこまでではないのかな?という印象。
読み違えていたらすみません。

思ったよりも長くしっかりしたお話でした。
前作でも普通に料理茶屋で働いてくれる道を選んでくれた九十九丸でしたが、そんな彼の剣に対する想い、彼女や彼女の父に対する思いがよく伝わるお話でした。
家族を失った彼にとって、彼女と彼女の父は、本当に大切な家族なんだな…と。

小野ゆーさん、素敵な九十九丸をありがとうございました。

ネタバレ

元々江戸へは御前試合に参加する為にやってきていた彼。
路銀を稼ぐ為と参加した花嫁行列だった。

無事にお役目を終えた彼は、予定通りに御前試合に参加することに。
そうして無事に勝ち続け、準決勝まで進んだ。
対戦相手は斬鉄。
東海道で盗賊として彼女をさらった相手だった。

そんな相手を前に、彼は戦いの途中にマレビトに飲まれてしまう。
そうして斬鉄に破れ、生死の境目を彷徨うことに。

その後、無事に一命はとりとめたものの、彼の中に存在するマレビトを抑える為、霊場巡りの旅に出た。

マレビトとは常夜の神。
彼は十五歳の時に一度死んで、それを父が反魂呪を使い蘇られたのだ。
マレビトの力を借りて。

そんな彼の中にあるマレビトに飲まれてしまわないように、彼は霊場を巡る事で、マレビトを抑える力を得たかった。
そうして霊場巡りをしつつ、修行に励んだ彼は、無事にマレビトの力を抑え込めるように。

その後、約束通り彼女の元へ戻った彼は、彼女の料理茶屋を手伝っている。
彼女と彼女の父は、彼にとっては家族のような存在で、馴染みのお客もいい人ばかり。
みんなに喜んでもらえるこの仕事は、とても気に入っていた。

それでも、春になり、江戸の町が御前試合の話で盛り上がると、心がざわざわしてしまう。
だって、剣の道を捨てきれて居なかったから。

それでも剣を握らないのは、彼女に二度とあんな思いをさせたくないから。
目の前で死にそうになった彼を見て、とても悲しんだ彼女。
だからもうそんな思いをさせないためにも、彼は剣を握るのを辞めた。

それでも時折、彼女や彼女の父が寝静まった頃、一人庭で稽古をしていた。

マレビトを抑える為と行った霊場巡り。
結果、マレビトを抑える事も出来るようになったが、以前より強くもなった。
だから本当は御前試合に参加したかった
自分の腕を試してみたくて。
ずっと一番刀に憧れていたから。

一方彼女は気づいていた。
彼が夜中にこっそり稽古をしていることも、本当は御前試合に出たいと思っている事も。

だから彼が話があると言った時に、すぐにその事だと気づいたのだ。
確かに彼の事は心配だった。
それでも彼が本当にそれを望むのなら、そんな気持ちを応援したいし、背中を押してあげたいとも思っていた。
だから彼女は彼が御前試合に参加する事に賛成してくれたのだ。

そうして迎えた御前試合。
今回は順調に決勝まで上り詰めた。
対戦相手は共に東海道を旅した仲間の一人、縁。
縁の強さは知っているものの、彼も負けられないと挑んだ試合で、彼は見事優勝し一番刀となった。
授けられたのは天下五剣の一振り、鬼丸国綱。

不思議な事に、彼はそれを授けられた時、懐かしい心地を覚えたのだ。
まるで前からこの剣を知っているかのように。

その時の彼はまだ知らなかった。
その剣は彼の失った記憶の中にあるものだと。
かつて彼の父が、御前試合で一番刀になった時、賜ったものだという事を。

そうして彼は彼女と彼女の父と共に、料理茶屋で働いている。
今では故郷のように大切になった江戸の町で。
本当の家族のように大切な人たちに囲まれて。

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