剣が君 百夜綴り【螢】山吹の書:山吹の刺繍

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剣が君 百夜綴り 通常版 - PS Vita

シナリオ紹介

CVはKENNさん。
奉行所に勤めている。
皆には内緒にしているが鉢巻で角を隠している鬼族。

花嫁行列後の話。
せっかく一番刀になった彼だったが…。

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感想

鈴懸のバッドな展開も辛かったですが、螢さんのバッドな展開、本当に死にそうになりました。
改めて螢さんが私にとっていかに大切な人かを思い知りました。

おばあさんと二人で刺繍をしていて、螢さんの思い出話をするのでもしや?とは思いましたが、本当にそんな…。
しかも彼の事を案じていたおばあさんが、彼の未来に期待を持った矢先の出来事でしたので、切なすぎました。

やっぱりバッドな展開は苦手ですが、螢さんへの想いを再確認させてくれたと言う意味では、読めて良かったです!
本当に螢さん、大好きです。

KENNさん、ステキな螢さんをありがとうございました。

ネタバレ

花嫁行列で知り合った二人は、その後も縁があり、今では彼女が彼の祖母に刺繍を習うまでに。
初めて来た頃は、まだ刺繍が思うように出来なかった彼女も、彼の祖母の指導ですっかり手慣れて来た。

オマエ薙刀持ってる方が様になってる。

そんな風に彼はからかうけれど、本心はそうじゃない。
けれど照れ屋な彼はそうとは言えない。
それに何より、彼はどんなに親しくなった人とも壁を作ってしまうのだ。

それは彼の本当の姿のせい。
普段は鉢巻で隠しているものの、彼の額には角が生えていた。
そう、彼は花嫁行列の時に襲われた斬鉄と同じ鬼族だった。

人鬼の乱の後、鬼には廃刀令が敷かれ、隠れてコソコソ暮らさなければならなくなった。
けれど彼は鬼族の誇りを取り戻したいと考えていた。
だからこそ吉備から江戸へと出てきて、奉行所で働いていた。
きっと人間が好きなのだろう。
だから鬼とか人とかの区別なく平和に暮らせる世を目指していたのだろう。

彼女の刺繍通いが始まってしばらく経った頃、彼の祖母が体調を崩した。
孫のことを案じながら、夜なべをして刺繍の内職をしていた事が原因だ。

祖母は彼が不憫でならなかった。
両親を亡くし、彼にとっては祖母と祖父だけが家族。
けれど祖母も祖父もずっとはそばにいられない。
彼がとても優しくていい孫だから、孫の行く末を案じてしまう。

そんな時彼女と出会ったから。
だから期待してしまう。
あの子ならば孫の正体を知っても、変わらずそばに居てくれるのでは?と。

そんなことを考えながら遅くまで夜なべをし、風邪をひいてしまった祖母。

歳も歳だし、祖母を一人にするのは心配だと言う彼は、迎えに来たかむろに、彼女に刺繍は今日は休みだと伝言を頼み、祖母に付き添った。
彼女に祖母の体調の話をするなと言い聞かせて。

彼女は優しいから、きっとかむろの話を聞いたら見舞いにきてしまう。
そんな心配を掛けたくないし、それに自分たちは鬼族だから。
医者の心配をされると困ってしまうのだ。
鬼だとバレたら江戸に居られなくなってしまうから。

けれど案の定彼女はやってきた。
祖母を案じ、医者に…と言う。
それが当然だと分かりつつも、そう出来ないもどかしさから、彼女を追い返す言葉も乱暴になってしまった。
けれどそんな彼に怯む事なく彼女は言った。
霊泉に水を汲みに行くと言う彼に着いていきたいと。
自分も何かをしたいと。

いつも彼は壁を作っていた。
だから誰もそこから先は踏み込めなかった。

二人の会話を聞いていた祖母は、それでも期待していた。
その壁を超えてくれるのでは?と。
けれど彼女は壁を超えるわけでも、壁を壊すのでもなく、彼に寄り添うと言う形でそばにいてくれようとした。
それが祖母にはたまらなく嬉しかったのだ。

その後、霊泉でトラブルがあり、彼が鬼である事が彼女に知られてしまった。
それでも彼女は全てを受け入れてくれた。
彼の正体も、鬼族の悲しい過去も全部。
彼を怖がる事なく、変わらずそばに居てくれた。

そうして二人の関係が進展した頃、彼は御前試合に参加。
試合中、鉢巻が取れ鬼だとバレながらも、彼は見事一番刀になったのだ。
けれど彼は帰って来なかった。
血塗られたように鮮やかな夕焼けの日に、帰らぬ人となってしまった。

鬼族だとバレた祖母は、孫だけでなく内職の仕事も失った。
もともと祖母が江戸に居る理由は、孫を見守る為だったので、吉備へ帰ると言う。

最後に二人で趣味として刺繍を楽しんだ日、祖母は彼女に帯をくれた。
綺麗な山吹の刺繍の帯を。

やっぱりあなたには山吹が良く似合うわ…と。

彼も彼の祖母もいなくなったあの家。
彼女は今も時折訪ねている。
誰もいないそこには、そのうち新しい住人が入るかもしれない。
けれどそれが悲しかった。
彼らの痕跡がこの町から消えてしまうようで。

そうして彼女は一人刺繍を続けている。
今は亡き彼を思いながら。

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