前作のあらすじ
CVは梶裕貴さん。
主人公の教え子で、雪女の幽魔。
通常女性しかいない雪女の中で唯一の男性で異端な存在。
そんな彼を長がよしとせず、彼は両親を長に殺された。
彼自身も長に命を狙われていた事から、引き取りたいといった祖母を説得する形で、ぬらりひょん校長が彼を逢魔県へ。
彼には両親は人間界にいると教え、彼はただ両親に会いたい一心で黄泉校へ入学。
いないはずの両親とは文通を続けていた。
書いていたのは彼の祖母。
母と偽り、彼とずっと文通をし、彼の心を支え続けた。
両親はすでにこの世にいない事など、悲しい真相を知り、一時はそれを受け入れられずに荒れた事もあったが、主人公に支えられ乗り越えた彼。
真相を知るに至った事件の中で、担任である主人公とともに、許可なく人間界に出た事から、卒業が一年延びてしまったものの、人間界と逢魔県と離れ離れながらも、文通好きの彼とは文字を通して連絡を取り合い、愛を育んだ二人。
彼の卒業後、彼が祖母のもとへ来た事で人間界でともに生きるように。
After Storyはそんな彼と彼女のその後のお話。
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ネタバレ
沢山の思い出をくれたキミには、何度ありがとうって言っても足りない。
だから、今日は特別な雪をキミに贈るよ。
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ずっと両親に会いたくて、だから最年少で黄泉校に入学し、両親と会うことを楽しみに頑張ってきたのに。
卒業を間近に控え、会うのが楽しみだと送った手紙には、会えないと書かれていた。
そうして彼は彼女とともに人間界に。
当然黄泉校を卒業していないものが人間界に行くことは許されない。
あくまで特例としての外出。
戻ればペナルティーが課せられる。
それを知ってもなお、彼は確かめたかった。
ずっと会いたいと言ってくれていた、彼の卒業を待っていてくれた母が、突然会えないと連絡してきた理由を。
けれどそれは雪女の長の罠で、雪女の世界で異端であった彼と言う存在を消し去りたかったと知った彼。
更には彼の両親は、既に雪女の長の手にかかり、既に居ない事も知らされた。
文通の相手は母のふりをした祖母で、祖母が彼を育てたかったのに、それを許して貰えなかった事も。
そうして奪おうとする長を、守ろうとする彼が退け、狙われて居た祖母を助ける事に成功。
両親を失っていたと言う事実に嘆いたものの、自分に祖母が居ると言う現実は嬉しくもあった。
そうして再び黄泉校に戻った二人だったが、彼は卒業が延期され、もう一年黄泉校で学ぶ事となり、彼女は逢魔を追放され、ぬらりひょん高校の紹介した人間の学校で教師をする事に。
そこから二人は一年の遠距離恋愛を経て、人間界で再会を果たした。
彼は念願の家族と暮らすと言う夢を叶え、祖母と二人暮らしを始め、彼女との交際も順調だった。
そんなある日、自分には振り返る思い出がないと、元クラスメイトが開いてくれた彼の卒業祝いで言っていた言葉を思い出した彼女により、水族館へと連れ出された彼。
そこで大好きなペンギンと、そのペンギンの世話をして居る飼育員を見て、働きたいと思うように。
そうして無事に水族館の飼育員のアルバイトを始めた彼。
楽しく笑顔でバイトをして居る様子を偶然見かけた彼女も安心していたのに。
その頃、彼の祖母が体調を崩してしまう。
我慢強い祖母は、目眩を起こしたにも関わらず、心配する彼に笑顔で平気だと告げ、その後、彼女と街で会った時にも同じように目眩を起こしたのに、やはり平気だと我慢してしまった。
そうして二人がデートの帰りに、一緒に周防家に戻った時に、ついに我慢しきれず倒れた祖母を発見。
慌てて救急車を呼び、病院へ。
その時、街で彼の祖母を見た時に、具合が悪そうだった…と話した彼女に、まだ子供な彼は怒鳴ってしまった。
どうして何もボクに言ってくれなかったの?
まるで彼女を責めるみたいに。
そうじゃない。
言いたい事はそんな事じゃない。
ただ、おばあちゃんにもしもの事があったら、どうしたらいいか分からなくて、怖かったから。
けれど、そんな心の内を伝えられないまま、彼女を傷つけた後悔から、彼女を追い返してしまう。
このまま一緒に居たら、もっとキミを傷つけそうで怖かったから。
その後、彼女が何度も連絡をするも、彼からの返信はなし。
彼の様子も、彼の祖母の具合も心配でたまらないものの、訪ねる事が出来ないまま数日が過ぎた頃、彼からメールが。
おばあちゃんが退院した。
一言だけのメール。
それでは彼の祖母の体調がどんな様子か、見当もつかなくて。
その日の仕事帰り、思い切って彼の家を訪ねた。
すると、元気そうな様子の彼の祖母が。
倒れたのは、老化と疲労、そして風邪が原因で、大きな病気の心配はないと。
彼の祖母のその話に安堵した彼女だったが、その日はあいにく彼はバイトで、会う事が出来なかったのだ。
壮介くん、怒ってましたよね?
思わず彼の祖母に尋ねると、そんな事はないと教えてくれた祖母が、箱を彼女に見せてくれた。
その中には、遠距離恋愛中にやり取りした手紙の全てと、彼女と沢山撮影した写真が、彼女が彼のバイトが決まったお祝いにとプレゼントしたアルバムにしっかりと収められたものが入っていた。
祖母によると、最近の彼は昔の手紙を読み返したり、思い出の写真を見たりしながらため息をついていたんだとか。
あの子は子供だから、引くに引けなくなって居るんだと思います。
そんな祖母の言葉に、居ても立っても居られず、彼女は彼のバイト先の水族館へ。
そうしてやっと言葉を交わした二人は、あの日の事を話し合い、無事に和解。
一人が当たり前だったのに、今は一人になるのが凄く怖い。
そんな胸の内を明かしてくれた彼に、彼女は言った。
私は人間だから、頑張っても100年くらいしか生きられない。
だから、壮介くんをいつか置いていく事になると思う。
それでも生きて居る限り、壮介くんの隣に居させて。
…と。
その後、彼は水族館でバイトではなく、正式に飼育員として働く事になり、2年の月日が流れた。
二人の思い出は、その後も沢山増え続け、アルバムももう三冊目。
その事が堪らなく嬉しい彼は、彼女に感謝の言葉と共に贈り物を。
贈り物は指輪。
雪の結晶を象った特別な雪の指輪。
命ある限り隣に居させて、そう言った気持ちが今も変わらないなら、ボクと結婚して…と。
彼の勤める水族館で行う事になった結構式。
青に囲まれた空間に、彼が優しい雪を降らせる。
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今まで何度もキミのために雪を降らせてきたけど、これは…これだけは、キミにしか降らない雪だよ。
しかも絶対に溶けないって言う特別な雪。
この雪に誓うよ。
キミを絶対幸せにすると。
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