キャラクター紹介
CVは入野自由さん。
隣のクラスの男の子で、主人公と同じ放送部員。
成績優秀な優等生で、人当たりもいい男の子。
でも、千木良先輩には「ジミー」とアダ名をつけられてしまう程、地味な人(笑)
そして地味にその事を気にしている様子。
共にカエルにされてしまい、寮の都合でカエルチームだけ別な古民家を寮にする事になり、部活も一緒なので朝から晩まで共に過ごす中、絆を深める。
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感想
なんでもそつなくこなす優等生で、仮面被りまくって周りに合わせているような人なのですが、古民家のカエル仲間達と過ごす内に、彼らの前では素の彼を見せてくれるようになります。
初めは好みじゃなくてどうしようかと思いましたが、段々好ましくなってきました。
スルメのように、じわじわ味の出るキャラでした(笑)
主人公からしても、「いい人」の評価から、「意地悪な人」と変わったという事で、後半、もっと意地の悪い感じでも良かったかな?と思ったりもしますが、それは彼女との間に甘さを出すための敢えての演出なのかも知れません。
それでも強気で自信家な雰囲気で意地悪言っていた時が、一番好きだったので、そこは残して欲しかった!と。
でも、それでも素敵な人でした。
軽く話してくれていた雨男の話も、物語の核に触れてくるようなシナリオ展開もビックリでしたし、素晴らしいなって思いました。
入野さんの少し意地の悪い感じの話し方が本当に好みなんだな…と改めて実感させて頂きました(笑)
入野さん、素敵な広瀬くんをありがとうございました!
ネタバレ
遠足や運動会。
楽しみな行事の時には必ず雨が降る。
だから雨は嫌いなんだ。
そう話してくれた雨男の彼。
でも、そんな彼の体質が、彼女に触れられて嬉しくて幸せで、そんな気持ちが溢れると雨を呼ぶ体質へと、いつしか変化していた。
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月宿市は、その土地が呼び込み体質であるため、悪いものを呼び込んで、その土地を汚染させてしまう。
そうでなくても、人が暮すという事は、その土地に大きなストレスを与え、土地を汚す事になるのに。
土地の汚染。
それは何も目に見えるものばかりではない。
例えば恨みや妬みなど、人々の負の感情もまた、土地を汚すものとなる。
人は自分本位だから。
土地が汚染されようと気にする事なく暮らしていける。
けれど目には見えない世界の住人達、妖や妖精などは、そんな汚染された土地では暮らしづらい。
だから月宿市には雨女之月宿姫という神が祀られ、その神により汚染が浄化されていたのだ。
所がある日、その神がいなくなり、神使のカエルは困ってしまった。
そんな時、そこに居た月蓮蛙達が、自分たちの体に汚染された悪い物を溜める事で、土地の浄化をはかった。
けれど、彼らには元々そんな力は備わっていないため、月蓮蛙たちは、その命を土地を守るために散らしていった。
そうしてついに月蓮蛙たちも全滅し、今は神使の二人のカエルだけが残された。
紫の子とピンクの子。
とてもファンシーな色をした大きなカエル。
そのうちの一人のカエル創一は、今度は自分が身代わりに…と、その身に悪い物を受け始めた。
神使の二人は攻撃と守りのそれぞれ対の力を持ち、守りを司る創一の体質は、器として丁度良かった。
けれど、それでも汚染を止める事は出来ず、創一の体調は次第に悪化していった。
そんな彼は、ゴミを減らす事で土地の浄化を試みようと、月宿高校の先生として、人の姿になり、エコ部の活動を開始した。
それでも病に冒された彼の体はもう限界寸前。
そんな彼の体の様子を見かねたもう一人のカエル一陽。
何か他の方法で、なんとか雨女之月宿姫が戻るまで、持ちこたえようと考えていた。
そんな一陽のイタズラでカエルにされてしまった5人。
その中の一人が彼女で、もう一人が彼。
カエルになった所を助けてくれた三股しっぽの化け猫に頼まれ、浄化活動をする中、化け猫の十九波によって、彼は、自分が呼び込み体質である事を知らされた。
そう、それはこの土地と同じ。
悪いものを呼び込みやすい体質の持ち主。
だから彼が楽しみにしている行事ではことごとく雨が降るし、いつも小さな不幸に見まわれ続けた。
でも、それは単に運が悪いんだ…と思っていたのに。
それが体質に由来するものだったなんて。
そうして更に悪い事に、彼と彼女、そして彼らの所属する部の部長の三人で、月宿神社に行った時、じゃんけんで負けた事で、彼がご神体に触れる事に。
そう、呼び込み体質で運の悪い彼は、じゃんけんで勝てた試しがない。
そのご神体に触れた事で、神の力を呼び込んでしまった彼。
そのせいで、彼の周りに不幸を寄せ付けてしまう事に。
それは悲しい事に、彼自身が「嬉しい」「楽しい」「幸せ」など、プラスの感情を持った時に起こるように。
彼が喜べは喜ぶ程、周りが不幸に見舞われる。
本来は彼自身もその不幸に見舞われるハズなのに、彼の隣には気づくといつも彼女が居てくれたから。
彼女は浄化体質で、悪いものを浄化する力を持っていた。
だから彼と居る事で、彼に訪れる分の不幸を彼女が浄化してしまうため、彼の周りにだけ不幸が訪れた。
いつも人に合わせて演じてばかりの自分だったのに。
この寮のカエル仲間には、気を許す事が出来た。
言いたい放題言い合えた。
損得勘定抜きで付き合えた。
なのに、自分のせいで、自分が彼女と居るせいで、周りを不幸にしてしまう。
それは一番身近にいる仲間達だったから。
だからずっと好きだった彼女と一緒にいられるようになって、とてもうれしいけれど、彼女のお陰で嬉しくて、彼女のお陰で自分だけは不幸に見舞われぬまま、仲間を不幸にする事が辛くて仕方なかった。
そう、ずっと好きだった。
それは推薦入試の日、高熱で受験出来ず、一般入試で受験した彼が、不運な体質のお陰で筆記用具を忘れ、貸し出してもらった鉛筆を試験中に転がし、試験官は眠っていて、拾ってもらう事も叶わなかったあの日。
斜め後ろの席に座っていた彼女が、鉛筆をそっと貸してくれた。
試験後、返そうと声をかけると、その鉛筆は地元の神社のもので、ご利益があるので差し上げます…という彼女。
嬉しかった。
助けてもらった事も。
不幸に見舞われる体質の自分に、ご利益のある鉛筆をくれた事も。
勿論彼女は何も知らずにした事だったけれど、彼にはそれはとても嬉しい事で、その鉛筆は大切な宝物になった。
高校生になった今も。
放送部に入ったのも、彼女が放送室に入る所を見かけて、嬉しくて声を掛けたから。
それでもただの部活の仲間。
それ以上でも、それ以下でもなかったのに。
カエルの呪いのお陰で近づけた距離。
それはとても心地よく大切なものとなった。
手放す事が困難に思える程に。
それでも初めて本当の友達と呼べる人たちと出会えたから。
そのみんなを不幸にする訳には行かない。
悩んでいた彼の元に現れたのがカエルの一陽。
彼もまた学園のマドンナとして、月宿高校に通っていた。
そうして彼の体質の事を知り、その体を創一の代わりの器にしようと考えた。
人間である状態の彼では、悪いものを呼びこむ事は出来ても、体が持たないため、彼を一度妖怪にする事で、器として完成させる。
それを聞いた彼。
真っ先に彼女の事を考えたけれど、土地の浄化が終われば、みんなは一連の出来事の記憶を消され、そしてその代わりに浄化のお礼として願いを叶えて貰える事になったから。
それは彼にとって好都合だった。
自分がみなんのために器になる事を選んだら、多分みんなは悲しんでくれるだろう。
特にいつも傍に居てくれた彼女は。
でも、それも浄化が終わり、記憶が消えるまでの事。
どんなに悲しんでも、記憶がリセットされれば、自分は彼女にとって、ただの部活の仲間でしかない。
そして他のみんなにとっても、居ても居なくても変わらない、どうでもいい同級生の一人になる。
だから彼はみんなに何も告げないまま、一人器になるために朝早く寮を出た。
でもそんな彼に気づいた彼女が、彼を引き止めたくて彼の元へ。
そこでは彼を妖怪にするための儀式が始まろうしていて。
共に駆けつけた創一が一陽を止めた隙に、儀式に使う銅鏡を拾った彼女。
儀式を進めようとする彼は、それを取り返そうとするのですが、もみ合ううちに共に倒れこみ、そこで別れの前に気持ちを再確認し、キスをした二人。
思いを確認しあうキスは、彼女にはとても冷たく感じられて。
その温度に、彼を止める事が出来ないと感じてしまった。
所が、そんな時、急に雨が降りだした。
彼が嬉しいと感じたから。
幸せだと感じたから。
ずっと好きだった子と想いが重なり、キスをした事が。
そうしてなんと、その雨があたり一面を浄化したのだ。
浄化体質の彼女。
そんな彼女が神器でもある銅鏡を持った事でその力が強まり、更にキスをした事で、浄化の力が彼に流れ込み、彼の呼び込み体質が雨を呼んだ。
浄化の力を帯びた雨を。
以来、雨ばかりが続く月宿市。
けれど、それは浄化の雨で、あんなに嫌いだった雨が、今はそうでもないと思える彼。
だって、この雨は、自分の嬉しい気持ち、幸せな気持ちが形になったものだから。
いつまで続くか分からない雨。
でも、彼女も気に入っていた。
だって自分が傍に居る事で、触れる事で、雨は素直に彼の気持ちを教えてくれるものだから。
結局彼の中にご神体から呼び込んだ神の力は残ったまま。
彼女の浄化の力が強くなり、土地も浄化された事で、以来、周りに不幸は起こらなくなった。
ただひとつ問題なのは、彼らが完全な人間には戻れていない事。
浄化の暁には戻れるハズが、彼の体内から祓玉を取り出すと、爆発してしまうし、仲間たちの絆が深まり過ぎたため、連動して全員爆発してしまうんだとか。
いつまで妖怪と人間の間に居る事になるのか?
それはわからないけれど、土地も浄化され、みんなも幸せに暮らせているから。
大好きな彼女と共に、雨を降らせながら、幸せに暮らしていく事だろう。
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