KOEIさんのNintendo Switch用ソフト「遙かなる時空の中で7」で寺島拓篤さん演じるキャラクター、真田幸村の感想とネタバレをまとめました。
キャラクター紹介
※「遙かなる時空の中で7」はコーエーテクモゲームスの作品です。
バナーの画像はこちらからお借りしております。
CVは寺島拓篤さん。
天の青龍。
家族や友との絆を大切にする、心優しい青年。
絵に描いたような正義のヒーローで、普段は温和な性格だが、戦場では大変勇猛。
彼女の暮らす令和の世界に、時空を繋ぐ洞窟から現れ彼女と出会う。
平和な令和の世に美しく咲く花に心を奪われ、彼女から花の種をもらうなどの交流の中絆を深める。
彼女の正体を一番最初に知りながらも、彼女の使命に掛ける信念を知り、その意思を尊重し支えてくれる人。
感想
真田幸村の感想をいくつかの項目に分けてまとめました。
ビジュアルについて
無双もBASARAも幸村って赤いじゃないですか?
髪色が青いこともあり、「この幸村青いな」という感想を最初に持ちました(笑)
でも大変ステキな人なので、いつしか私の中で幸村のビジュアルは戦国無双幸村から、遙か幸村に塗り替えられて行きました。
優しそうな目元が特に大好きです!
恋人として
純朴そうなイメージに反して、結構はっきりと想いを口にする感じかな?
そして結構キザというか、平気で甘い言葉を口にします。
それが嫌味じゃない所も、すごく素敵でした。
愛した人をとても大切にしてくれるし、何より家族を大事にする人。
だからきっと恋人でも大事にしてくれると思いますが、家族となった暁にも、変わらず大切にして愛情を注いでくれる人だろうなって思います。
何かを相手に強要したりしないで、相手の意思を尊重してくれる。
そんな所も素敵なパートナーとして、ずっと寄り添っていたいなって思わせてくれました。
仲間として
とても仲間思いの人です。
絶対に裏切ったりしない人です。
約束を必ず守る人です。
恋人しても信頼出来ますが、仲間としてもこの上なく信頼出来る人だと思います。
最後に…
とても素敵な人でした。
とても素敵な物語でした。
すごく感動して泣きました!
そういう意味でも、キレイに終わっていて素敵だと思います。
ただ、彼のハッピーエンドは、果たして本当にハッピーなのか?という疑問は残ります(笑)
好きですよ、こういう感じ。
エンディングにファンタジー感あって。
でも、普通に幸せにもなりたかったな…とは思います。
昔の遙かって、現代エンドと異世界エンドとあったじゃないですか?
なので、今回のヒロインは特殊なので、その特殊さを生かした2種類のハッピーエンドがあってもいいかな?と。
これだけがハッピーエンドと言われると、少し疑問も残る感じもしますが、個人的には好きな終わり方でした。
ただ本当に、普通に家族になりたかったな…とは、ずっと思い続けてしまいそう(笑)
ネタバレ(あらすじ)
必ずまたお会いしましょう。
私の姫。
人質時代
幼少期、彼は人質として過ごした。
辛い時代だった。
それでも全てが辛かった訳ではない。
人質時代があったからこそ、三成や兼続という得難い友を得ることが出来たからだ。
しかし、そんな人質時代の出来事の中で、とても忘れられない悲しい出来事があった。
それは弟・楽丸の死だ。
元は彼の父を狙ったものだったのだろう。
城に徳川方からまんじゅうが届いたのだ。
そのまんじゅうには毒が仕込まれており、父がそれを食べて命を落とす事を狙ったものだった。
しかし、まだ幼かった彼の弟の楽丸は、美味しそうなまんじゅうを前に、我慢出来なかった。
幼いのだから仕方がない。
だから食べてしまったのだ。
毒が入っているなんて思いもしないで。
そうして毒に侵され、苦しんでこの世を去った。
当時彼は人質として城を離れていた。
だから何もしてやれなかった。
弟を守る事も、苦しい時にそばに居てやる事も。
それが何よりも辛いのだ。
その事があったから、彼は徳川を憎んでいた。
彼女が時空を超えてたどり着いたこの異世界は、我々の歴史で言う所の関ヶ原の戦い間近な時期だった。
大名たちは東軍か西軍かに別れようとしていたのだ。
徳川方は東軍。
当然彼は三成らと共に西軍につくことになるだろう。
いつ戦が始まってもおかしくない。
そんな不穏な空気が流れていた。
そんな時代に彼女はたどり着いた。
自ら志願してやって来たのだ。
自分たちの世界に怨霊が来るのは、彼らの世界の龍脈が乱れているから。
ならばそこに行ってその龍脈を正したい…と。
織田の姫
彼女は令和の世からやってきた。
何不自由ない時代で、平和に生きていた。
けれどある時を堺に彼女の世界に怨霊が現れるようになり、今まで見えなかったそれが見えるようになった。
そんな時、彼と出会った。
きっと運命が引き合わせたのだろう。
そうして彼の住む世界、異世界にある戦国の争乱の世へやって来た彼女は、そこで知る事となったのだ。
自分は元々この世界の人間だったと言う事を。
織田信長の娘で龍神の神子だった彼女は、本能寺の変に巻き込まれていた。
そんな中神子である彼女に父は言った。
「龍神の力を使い、この乱世を鎮めてみせよ」と。
そうして彼女を逃してくれたのだ。
けれど彼女は父と兄を案じていた。
だから龍の逆鱗を使い、時を飛んで二人を助けようと思った。
しかし彼女は兄や父のもとではなく、五月たちの住む世界へと飛んでしまったのだ。
五月の一族は元々異世界側の人間で、星の一族だった。
五月の祖先が異世界からこちらの世界に移り、そうして五月たちへと星の一族の血が、知識が受け継がれていた。
だから五月にも両親にも怨霊が見えたし、それを祓う力もあった。
そんな五月が双子の兄の三鶴と滝に遊びに来ていた時、彼女が突然現れたのだ。
滝に時空の穴を開けて。
驚いた彼らだったが、穴に吸い込まれそうになった五月を助けた兄の三鶴が、そのまま穴に吸い込まれ、彼女と代わるように異世界へ。
そうして彼女と出会った五月は彼女を家に運び、強い力と辛い記憶を持つ彼女に、五月の両親は術を施し、彼女の力と記憶を封じたのだ。
何も知らないまま、彼女は五月の妹として平和な世で育てられた。
そしてそんな平和な日常はずっと続くはずだった。
あの日、彼と出会うまでは。
乱世を鎮めるために
彼女の暮らす世界と、彼の暮らす異世界。
その2つの時空を繋いだ洞窟。
そこが二人を引き合わせた。
そうして彼女は本来あるべき場所、彼らの世界へとたどり着いた。
そこで忘れていた過去を思い出した彼女は、歴史に詳しい兄から、今この異世界は俺達の歴史で言う関ヶ原を控えた時期だろう…と教えられたのだ。
その言葉に思い出した。
父の遺した「龍神の力で乱世を鎮めてみせよ」と言う言葉を。
龍神の神子である彼女に仕えてくれる八葉は、その関ヶ原で戦う東軍と西軍に分かれていた。
けれど怨霊を浄化し、龍脈を正すため、与する側の違う彼らが力を合わせてくれていた。
だから余計に思ったのだ。
自分の力でこの乱世を鎮める事が出来たなら、彼らも仲間どうしで戦う必要がなくなるのでは?と。
そうして八葉に力を借り、怨霊を浄化していく。
けれどきりがない。
浄化しても浄化しても現れる怨霊に、とても浄化が追いつかない。
そこで家康が龍神に詳しいと言う話を聞き、彼女は家康に会いに行った。
家康の話によれば富士の峰で龍神の力を使えば、この日の本全体の龍脈を正す近道になるだろう…との事。
関ヶ原の戦いが始まる前に、なんとしても乱世を鎮めたい彼女は、八葉と共に富士の峰へと向かった。
途中呪詛にあい、断念せざるを得ないか?と言う状況になったものの、皆の力を合わせなんとか無事に富士の峰へとたどり着いた。
そこで家康の助言に従い、彼女は龍神を呼んだ。
所が肝心の龍神の姿が見えないのだ。
失敗したのだろうか?と案じる彼女だったが、彼女の呼びかけに龍神の力は顕現され、見事龍脈は整えられた。
しかし、急激に龍脈が整えられた事で、怨霊が一気に集まり、百鬼夜行となって現れたのだ。
南蛮の怨霊
龍脈が整った事による穢の反動の暴風、そして百鬼夜行の出現。
皆の力で百鬼夜行を倒した頃には、暴風も落ち着いたものの、龍脈を整え彼女が役目を終えたとみなされ開いた元の世界に続く時空の穴は閉じてしまった。
彼女自身は元々こちらの世界の人間だ。
けれど共に百鬼夜行に対抗するための力を貸してくれた兄の五月と幼馴染の大和まで、彼女と共にこの世界に残らざるを得なくなってしまったのだ。
そうして無事役目を終えた彼女は、甥の秀信のもとに身を寄せることに。
しかし一つ分からない事があった。
役目を終えたはずなのに、彼女の体には龍神の力がいまだ宿り、同じく八葉の体にも玉が残ったままになっていた事だ。
けれど誰もその理由が分からないまま時が過ぎた。
もう役目は果たした…と思っていた矢先、再び日の本に怨霊騒動が巻き起こった。
しかし今回は今までの怨霊とは違っていた。
見たこともない怨霊だ。
よくよく調べてみると、新たに現れるようになった怨霊は南蛮のもので、どうやら魔法陣を使い呼び出している様子だ。
その頃彼女は彼に頼まれ、三成が逃げる手助けをした事があった。
その際、以前旅の道中に出会ったカピタンが現れたのだ。
突然現れたカピタンは、なぜか三成に手を貸すと言う。
どう考えても怪しかったが、他に手立てがないまま、三成はカピタンの力を借り、無事に逃げおおせた。
その後、南蛮のものとは言え、怨霊が各地に現れるようになった事から、八葉は再び結集。
皆の力で原因を突き止め、三成とカピタンが取引をする直前に、三成にカピタンが魔法陣で南蛮の怨霊を呼び出している事、そこに民の血を使い民を苦しめている事を伝えた。
そうして彼らの介入により、三成はカピタンと取引をするをせずに済んだのだった。
龍神の慈雨
神子と八葉に取引を邪魔された事を怒ったカピタンは、再び龍神に呪詛を掛けることに。
一方八葉はと言えば、三成とカピタンとの取引をとめる事に成功した後、関ヶ原での戦に備え、それぞれの場所へ戻って行った。
そう、八葉は東軍と西軍とに二分されてしまったのだ。
それだけでも仲間と戦わねばならないという辛さがあるのに、更に悲しい出来事が、彼を追い詰めた。
それは兄の裏切りだった。
真田は三成のいる西軍につくはずだったが、兄の信之だけが徳川につくと言い出した事がきっかけだった。
楽丸のこともあり、家康を恨んでいる彼にとっては、信じられない話だった。
兄は楽丸の事をなんとも思っていないのか?と。
楽丸を殺されたのに、どうして徳川になどつくことが出来るのか?と。
兄は兄で、三成率いる西軍に勝ち目がない事を見抜いていた。
だから徳川につく事を決めたのだ。
一人でも真田から徳川に味方をしていれば、負けた三成についた家族の命を救えるかも知れないからだ。
けれどそんな兄の考えなど到底受け入れられない彼は、兄と喧嘩別れのようになってしまった。
そうして兄はそのまま徳川へと去って行った。
信幸の幸の字も、父から貰った字を「之」の字に改名して。
そうして兄と争う事になってしまった彼に、更なる問題が。
それは南蛮怨霊に対応する中、彼女の様子がおかしくなってしまった事だ。
怨霊を浄化するのに龍神の力を使うたび、彼女の体に異変が起きるようになっていた。
最初は少しふらつく程度だったが、次第に症状は悪化し、ひどい時には三日三晩目覚めない事も。
だから皆彼女に龍神の力を使わせないようにしていた。
しかしある時大きな異変が起こった。
それは怨霊に襲われた彼を彼女が身を挺して庇った時の事だ。
その時怨霊に深手を負わされた彼女は、そのまま意識を失い倒れてしまったのだ。
けれどそばに居た彼の話によると、彼女は倒れる直前に龍神を呼び、その龍神が怨霊を浄化し辺りに慈雨を降らせた…と言う。
真実と覚悟
彼は彼女に嘘をついた。
とても本当の事など言えなかったから。
あの時起こった出来事の真実はこうだ。
怨霊に深手を負わされ意識を失った彼女の体は、そのまま宙に浮かび、そして龍神に変じて慈雨を降らせた。
その後再び人の姿に戻った彼女が、彼の元に降りて来たときには、傷一つない状態だった。
そう、彼女は龍神の神子ではなかった。
彼女自身が龍神だったのだ。
富士の峰で龍神を呼んでも姿が見えなかった理由も、彼女自身が龍神だったからに他ならない。
一人だけその現場を目撃した彼だけが知っている真実。
けれどある時、彼女にそれを打ち明けた。
彼女に龍神の力を使わないでください…と懇願した時だ。
これ以上力を使えば、あなたは龍神の姿になり、きっと人に戻れなくなってしまうから…と。
けれど彼女は「約束出来ない」と言うのだ。
怨霊を浄化出来るのは私だけだからと。
必要があれば、私はまた龍神の力を使うと。
初めは自分が龍神そのものだなんて思いもしなかった彼女。
しかし彼に真実を知らされてもなお、彼女の決意は変わらなかった。
世界を救う力があるなら、この世界のためにその力を使いたい…と。
そうして例え人の姿を失い、二度と皆に会えなくても、世界を救う覚悟を決めた彼女は、ある日夢でお告げを見た。
それは竹生島の心柱が呪詛されている夢だった。
龍神である彼女の見る夢だ。
これは事実に違いない。
だから彼は八葉を集め、皆で竹生島へ行くことに。
最初は皆には真実を告げづに行く予定だったが、彼女は仲間に自分の正体と覚悟を話したのだった。
人の姿を失ったとしても
真実を知った仲間達は、とても驚いたが、すぐに決めたのだ。
龍神の力を使わなければ、きっと彼女は大丈夫だと。
だから自分たちが頑張れば、彼女に力を使わせずに済むはずだと。
そうしてなんとしても彼女を彼女のまま、無事に連れ帰ろうと。
たどり着いた竹生島はとても寒々しい雰囲気だった。
龍神である彼女は、カピタンが神域の心柱にたどり着いている事を感じ取った。
龍の力を使い皆を神域に送ると、そこにはカピタンが。
カピタンの狙いは、龍の力で収められているこの国を手中に収める事だった。
そのためにカピタンは腹心の部下の命を奪い、それを魔法陣の供物とした。
既に心柱には魔法陣が施され、そこには関ヶ原で流れた多くの血を注ぐことで、心柱を支えている黒龍を穢していた。
その様子に皆が驚いていると、カピタンは腹心を供物にした魔法陣から、まるで龍のようなディアブロのレヴィアタンを呼び出した。
彼女は神子として八葉と共に、レヴィアタンを倒した。
無事に人の姿を保ったまま。
これでもう大丈夫と思ったのもつかの間、カピタンによる呪詛で心柱がもう持たない状態になってしまった。
このまま放置すれば、この世界は失われてしまう。
けれど彼女は龍神だから。
今のままでは無理でも、彼女が龍の姿に戻り自分の力を開放すれば、再び心柱を安定させる事が出来るのだ。
それでも八葉は皆彼女を止めた。
十分世界のために戦った彼女だ。
何も自分を犠牲にしてまで、この世界を救う必要はない…と。
皆の言葉に、彼女は彼に手を握ってもらい、彼から勇気を貰った。
だから決めたのだ。
人の姿を失い、人として生きた記憶を失くしたとしても、この世界を救う事を。
だってこの手の温もりをくれた彼は、この世界の人だから。
だってこの手の温もりをくれた人は、彼女が命に変えても守りたい大切な人だから。
もうここは彼女にとって異世界ではない。
家族のいる、仲間のいる、彼女にとって大切なもう一つの世界だから。
日の本一の侍
八葉の皆は、彼女の力で神域から出されていた。
そうして彼女はその力で心柱を修復。
日の本は、この世界は彼女の犠牲によって守られたのだ。
人の姿を失った彼女は、これから神域で龍神として悠久の時を生きることに。
今はまだ覚えている仲間の事も、長い時の中、いつか忘れてしまうだろう。
もう人の姿にも戻れない彼女にとって、記憶は唯一彼女が人であった証なのに。
神域から出た彼女は、龍となり八葉たちが眺める空を飛んだ。
地上には彼女の仲間の八葉たちの姿が。
しかし一人だけそこに居ない八葉がいた。
それは彼だ。
彼女の背中に乗っていたのだ。
驚く彼女に彼は言った。
死罪になった三成に、淀殿とその息子を託されました。
それを果たすまでは、私はあなたと神域にはいけません。
少しの間、寂しい思いをさせる事になると思いますが、人としてなすべきことをすべてなしたら、必ずあなたに会いに行きます。
彼女にそう誓った彼は、大坂の陣で秀頼親子のために奮闘。
敵である家康に「日の本一の侍」と言われる程の活躍を見せた。
それでももう大阪城を守りきれないと思った彼は、秀頼親子を逃がすため、最前線へ。
そこで奮闘を見せるも、あと一歩という所で大阪城が炎上してしまった。
二人は逃げられただろうか?
後少し時間があれば…と彼が思ったその時、空に龍が現れて慈雨を降らせたのだ。
その雨のお陰で、大阪城の火は少し抑えられた。
きっと姫が助けてくれたんだ。
そう思った彼は、とても穏やかな表情で、役目を終え討死。
そうして彼女との約束どおり、彼女と元へと旅立ったのだ。
ネモフィラの花の中で
誰よりも彼女を愛していた。
だから本当は止めたかった。
それでも彼は誰よりも彼女を理解していた。
だから彼女の意思を尊重したのだ。
例え愛する人を手放すことになったとしても。
彼が討死した頃、五月は遠い令和の平和な世界で二人の事を思っていた。
そうして思い出したのだ。
彼と妹の話をした時の事を。
私は姫を愛しているから。
例え姫が龍神となり人のこころを忘れたとしても、必ず私が思い出させる!
そう言い切った彼だから、五月は信じる事が出来たのだ。
龍神となり神域へと姿を消した妹だけれど、きっと彼と幸せになってくれると。
そうして八葉の皆が、彼の討死を知り、彼女と彼へと思いを馳せる頃、彼は神域へとたどり着いていた。
そこには一面の青い花が咲き乱れていた。
それはまだ彼が見たことがない、けれど見たいと願ってた花。
彼女が令和の世から持ってきてくれ、弟楽丸の墓の前に植えた花だ。
戦乱が終わり、楽丸の墓の前にも美しく咲いたネモフィラは、今彼のいる神域にも咲き乱れていた。
あの花を思い、見たいと強く願う彼の心に、神域の力が応えてくれたものだろう。
地上では兄の信之が、楽丸の墓を参り、ネモフィラの美しさに彼らを思っていた。
弟の討死の知らせを聞き、信之は思ったのだ。
きっと幸村はここではないどこかで、今頃愛する人と共にあるだろう…と。
そうしてそこで家族になるのだろう…と。
彼はネモフィラの花の中で、彼女を呼んだ。
永久に続く時の中で、既に彼女は人の記憶を失くしていた。
それでもいつも地上の様子を見ては、彼から目が話せずにいたのだ。
その理由を思い出せないままに。
だからそのまま決して思い出す事はないと思っていたのに。
彼が何度も彼女を呼ぶから、その声に、自分が人であった時の名前に、彼女の記憶は呼び覚まされた。
そうして記憶とともに、人の姿を取り戻した彼女は、神域へやって来た彼の前に姿を現した。
やっと巡り会えた二人。
もう何を憂うこともない。
悠久の時の中、ただ愛する人と共にあればいい。
いつまでも二人で。
ここで家族としてずっと。
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