Collar×Malice【白石景之】

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Collar X Malice - PS Vita

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キャラクター紹介

CVは木村良平さん。
現職の警察官でプロファイラー。


現職でありながら、柳達の探偵事務所のメンバーで、情報提もしている人。
首輪をつけられ、事件に巻き込まれた平凡な彼女にプロファイラーとして興味をもつ。

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感想

切なかったです。
ちょっと「絶対階級学園」を思い出してしまいました。
ちょうど木村さんだし、洗脳だし。


最初は変わった人だなって思っていましたが、どんな人なのか気になって攻略した所、すごく素敵でした。
楽しみにしていた岡崎さんより、むしろ好きかも?って思いました!


何もない彼の過去。
番号で呼ばれる人生。
そんな彼に与えられた偽りの名前ではあるものの、「白石さん」と呼び続け信じ続けた彼女との絆はとても素敵でした。


彼女が戻るまで待っていてくれた彼と、彼を待ちたいという彼女。
これから先の二人の未来が幸せてであるといいなって思います。


そしてこんな展開だけに、白石さんFDでどうするの?と大変心配です(笑)
早くそっちもプレイしてみたいです。


木村さん、素敵な白石さんをありがとうございました。


ネタバレ

人形のように横たわる彼女を見ながら願った。


どうか彼女を目覚めさせて…と。
神様でもなんでもかまわない。
お願い彼女を助けて
と。


彼女を目覚めさせてくれるのなら、
他には何もいらないから。



だからどうか…彼女だけは助けて下さい!


-----


身寄りのなかった彼は、幼い頃からアドニスの組織で育てられた。
役割をこなす、従順な駒として。


彼の世界はいつもただ真っ白で、その世界が彼のすべてだった。


外の世界に出たら色があるのかな?
自由などありはしないのに、そんな事を考えていたあの頃。


アドニスという組織の、その頂点のゼロの命令に従うように洗脳された彼は、その後、外に世界に出る事を命じられ、【白石景之】という警察組織のプロファイラーを演じる事に。


10年間演じ続けたその役。
ただ命令に従っていればそれで良かった。
心などない人形のように。


そんな彼は、憧れた外の世界に出て10年、けれどこれという色に出会う事はなかった。
それは世界に色がなかった訳じゃない。
洗脳された彼の心を何も揺さぶる事が出来なかったから。


ところがある日、しばらく音沙汰のなかったゼロから命令が。


最初の命令は、探偵事務所に手紙を置くことだった。


その事が発端となり、出会った彼女。
なんの変哲もない彼女が、アドニスにより、自分も知らされていない首輪をつけられた事に、ただ最初は単純な興味が沸いただけだった。


そしてその後、彼女の大切に人になるように命じられた。


アドニスは彼女を組織の人間にしたかったから、彼女が彼を愛し、大切な人となった時、その彼が犯罪者と知り、愛する男をその手で断罪出来るか試すため。


そう、彼は彼女に興味をいだいた直後彼女を騙す事を命じられ、更には彼女がアドニスの組織に必要か試すために、殺される事が決められてしまった。


でも、心は痛まなかった。
組織はそういう所だったから。
換えの駒なんていくらでもある。
別に彼じゃなくても構わない。
彼である必要なんてない。


だから自分の命も、この世界も彼にとってはすべてどうでも良かった。


そう、どうでも良かったハズなのに。


プロファイリング出来ない彼女の行動に、戸惑ううちに、惹かれていた。
どんな相手でもまっすぐに向き合おうとする彼女の強さに。
彼女と共に追った事件は9月10月の事件。
彼女の事件に怯える人々の話に、耳を傾けて助けになりたいという信念から、彼らは真相へとたどり着いた。


事件の真犯人は、10代の双子。
彼らの母親は、10年前にとあるフリースクールでカウンセラーをしていた。
そのフリースクールには、9月の事件の被害者の蜂須賀と、9月の事件の加害者の砂森が通っていた。


蜂須賀の母親は大女優で、以前の学校を不登校で辞めてしまった事から、そのフリースクールには多額の寄付をしていた。
その為、学校は蜂須賀の言いなりだった。


そんな中、目をつけられたのが双子の母。
彼女を気に入った蜂須賀だったが、既婚者の彼女に断られた事から、彼はプライドを傷つけられて彼女を追い詰めた。


蜂須賀の命令で、砂森が連日彼女のカウンセリングを予約しては、ただひたすら彼女を罵倒した。
生きている価値がない、死んでしまえと。


数時間に渡り、連日そんな言葉を聞かされていた彼女は、少しずつ壊れてしまった。


更には蜂須賀の取り巻きの女子が、母親を使い、学校に抗議して来たのだ学内の事だけでなく彼女が家庭内で子供を虐待していると、嘘の抗議を。


どんどん追い詰められていく彼女。
学校側は分かっていた。
誰の差し金なのかなど。
それでも、多額の寄付を受け取っているからと、自分たちの保身を第一に考えて、誰も彼女を守るものは居なかった。


そうして壊れた彼女は、ある日帰宅すると、「あなた達はかわいそう。私の子供なんかでかわいそう」壊れたようにそうつぶやき、双子と無理心中を図った。


たまたま帰宅していた父親が助けに入ったものの、壊れていた彼女はそのまま夫を刺殺した。
ただ刺しただけでは飽き足らず、何度も何度も滅多刺しにして。


その後、彼女は自ら喉をかき切って自殺。


大好きだった両親。
幸せだった家庭。
そこで突如起こった恐ろしい事件。
幸せで満たされていたあの空間は、双子の目の前で真っ赤に塗りつぶされた。


そうして絶望の中親戚の中をたらい回しにされた二人。
双子の妹はあの事件の瞬間心を壊し、そうしていつしか、凶暴な男の子の人格が生まれていた。
そしてたったひとりの家族となった妹を兄は必死に守ろうとした。


生きているのが辛い毎日。
それでも、双子が生きて来られたのは、母の友人の竹内の存在があったから。
竹内はまるで母のように、双子の成長を見守ってくれた。


どこに行っても、誰と会っても、犯罪者の子供としか見てもらえない二人を人間として扱ってくれる唯一の人。


けれど、18歳になった時、竹内から母の死の真相を聞かされた二人は、復讐を誓った。


だって、あんなに母は苦しんでいたから。
あんな風に母を追い詰めた奴らが、のうのうと生きてていいハズがない。
そう、そいつらはゴミだ。
だから復讐で殺しても、殺人じゃない、この社会から、いらないゴミを掃除するだけ。



そんな風に歪んでしまった心。
けれど仕方ないのかもしれない。
恐ろしい光景を見せられ、心に傷を負い、辛い毎日を生きてきたのだから。


そんな彼らの復讐心につけこんだアドニスにより、9月10月の事件が持ちかけられ、彼らは復讐を果たした。


復讐を終えたら死ぬつもりだったのに、両親の所に行こうと決めていたのに。
二人を支え続けてくれた竹内の存在が、二人をこの世につなぎとめた。


そんな二人を彼女が救い、竹内とも話し合う事が出来て、これで罪を償って二人は…という所で、二人の記憶は消されてしまった。
アドニスに埋め込まれたチップによって。
事件の事がまるごとなかったかのように。


-----


その事件を通し彼と彼女の絆は更に深まり、彼の中には迷いが生じた。


誰かといる事の温かさを、心地良さを彼女が教えてくれたから。


それでも彼は知らなかった。
命令に従わない生き方なんてした事がないから。
駒としてただ育てられてしまったのだから。


それでも生まれた葛藤と戦う中、彼は一つの事に気づいてしまった。
任務だけが大事だった彼に、何よりも大切で譲れないものが出来た事に。


そう、それは彼女。


色のなかった彼の世界に、強烈な色を残した彼女の存在。
どこにでもいる平凡そうな女の子に見えて、真っ直ぐな信念を持っている強い彼女は、誰にも染まらない彼女の色を持っていた。
そう、それは彼が幼いあの日に憧れていたものだった。


だから心に決めた。
何を犠牲にしても構わない。
彼女の首輪を外して、自由にしてあげよう。
あの子は明るい日の当たる所が似合う子だから。

だからたとえ殺人を犯したとしても、彼女だけは助けたかった。


そうして彼は朝共に出勤した彼女に、「君は君らしくいればいい」と、その色を何があってもなくさないでと願いながら、「バイバイ」と彼女と別れ、その夜、総理大臣の息子で現役の政治家の御国れいを殺害した。


その後、彼女をさらう事で、アドニスと直接会う所までこぎつけた彼。


後はアドニスに洗脳されたまま、命じられたまま動けばいいだけ。
そうすれば、彼女は自分を殺すしかなくなるから。
自分を殺す事で、彼女が彼女らしさを失うかもしれない。
ただそれだは心配だったけど、それ以外に、彼女の首輪を外す手段が思い浮かばなかったから。


洗脳されたままに動く彼に、すべて今までの行動は演技だと言われても、彼女は少しも変わらなかった。
いつもと同じように、ただまっすぐに彼を信じてくれた。


そんな彼女の想いが、彼の洗脳を解いた。
ゼロに14番と呼ばれ操られる彼から、白石さんと彼女に呼ばれるいつもの彼に戻った。


そうしてゼロを撃って、彼女と逃げたものの、すぐにゼロに追いつかれた二人。
そこで彼女は、引き金を引いた。
ゼロから彼を守りたい一心で。
彼女の放った弾丸は、ゼロの心臓を貫いたものの、同時にゼロが手にしていたリモコンを捜査し、彼女の首輪に内蔵されていた毒が、注入されてしまった。
半狂乱になった彼は、ゼロの体を必死に探り、なんとか解毒剤を見つけ、闇医者に彼女を診せた。


本物の医者に診せねべきだった。
それは頭では嫌という程分かってた。
でも、彼女が無事で、何事もないと分かるまで、せめてそれまでは側にいたかったから。


外の世界に出たら、彼らはどうしても引き離されてしまうから。


彼は彼のわがままで、彼女を手放したくないという想いから、外の医者に診せる事が出来なかった。


だから彼女は動かない。
息はしているものの、もう何日もただ眠ったまま。
死んではいない。
でも、動かない。
それはまるで人形のよう。


そんな彼女は、誰かに会わないと、誰かが待っているという強い想いに突き動かされ、やっと目を開けた。


なのに、彼女の中からは、
記憶が消えてしまっていた。
毒による後遺症で、麻痺と記憶喪失になってしまった彼女。


あなたは…誰ですか?
ずっと愛していると告げたかった愛おしい人に、投げかけられた残酷な質問。
でも、演じるのは得意だった。
施設でそんな風に育てられたのだから。


だから彼は、「君の主治医だよ」と少し悲しい笑みを浮かべて答えた。


それから一年、彼の献身的な介護のお陰で、彼女は彼の助けがなくても動けるように。


未だに記憶は戻らないものの彼といると感じる温かさや、ドキドキする心を感じ、もどかしさでいっぱいになる彼女。


二人のいるそこは陽の当たらない窓のない場所。
おそらく地下にある部屋。
普通じゃないと気づきつつも、彼女は彼と居る事を選んだ。
彼を信じたいと思ったから。
それはきっと、分からないだけで、ちゃんと心の奥には、彼への想いがあったから。


そうして歩けるようになった彼女を彼は事務所へと連れ出した。
そこで事務所のみんなとのクリスマスパーティーを一年越しの約束として開いてくれた。


事務所のみんなとの空間は体に覚えがあり心地いいものの、やっぱり記憶がない彼女には初対面の人々。
それでもみんなと楽しい時間を過ごす事が出来た。


そうして夕方になり彼に呼び出され、もう一緒にいられないと告げられた。
彼は人を殺したから、罪を償うのだと。


だから、柳くんたちに任せたよ。
君は君らしくいて。
バイバイ。



君は君らしくいて。
それは彼が御国れいを殺すまえに、彼女にくれた言葉。
彼女が彼女のままでいいと、無条件に肯定してくれたその言葉を彼女はとても大事にしていた。


だからだろうか?
彼の言葉に、すべてを思い出した彼女は、やっと彼に「好き」だと告げる事が出来た。
そうして罪を償うまで待っいると。
たとえ何年かかっても、ずっとあなたを待っていると。


-----


あぁ、そうだった。
君はそういう頑固な子だったよね。
だから僕が折れるしかない。



わかったよ。
待ってて。
何年かかっても、僕は君の元に必ず戻るから。
だって、僕の居場所は君のとなりだけだら。


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