嘘月シャングリラ【ハティ】

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嘘月シャングリラ 通常版 - PSVita

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キャラクター紹介

CVは斉藤壮馬さん。
貴族であるエンデの弟。
孤児だった彼をエンデが引き取り弟にしたため、血はつながっていない。
ちょっと気弱な優しい男の子。


エンデの屋敷に彼女が住むことになり、絆を深める。

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感想

一番好きです。
背負わされた運命、そしてそれゆえに彼女に惹かれてしまう心。
それでもそんな運命も本能も関係なく、最終的に彼が、彼自信が彼女を求める様子がとても素敵でした。


最初はいろいろわからないのですが、まるで一目惚れしたみたいに、彼女に夢中な様子も、とても好ましく思えました。


優しいから、その優しさから過去の記憶に傷ついてしまったりもしましたが、優しいからこそ、みんなを必死に守ってくれる様子も素敵でした。
自分を犠牲にして助けに行くの?と思ったシーンの後、戻って来てくれたときは、嬉しくて泣けました!


短いからなかなか感情が入りづらい感じもありますが、ハティは割とすんなりと気持ちが入って行ったよう思います。
それはハティのシナリオの効果なのか、私が壮馬さんが好きだからなのか、そこは謎です(笑)
でも、本当にハティ大好きです。
着ている服のファーの耳っぽい部分も、可愛くて好き(笑)


壮馬さん、素敵なハティをありがとうございました。


ネタバレ

どんな時でも何があっても、ずっと俺の側にいて欲しい。
俺は心から君を大切にすると誓うよ。
愛している。
今も、これから先も、この生命の続く限り。



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昔々、ある男に美しい二人の子供が生まれました。
一人は男の子、もう一人は女の子。
あまりに美しい子だったので、父は二人に星の名前をつけました。


ところが、人間の分際で星の名をつけるとは何事だ!と怒った神が、二人の子供をそれぞれ太陽と月を運ぶ馬車の御者にしてしまったのです。
けれど神はそれだけでは飽き足らず、空に狼を放ったのです。
太陽を狙う狼と、月を狙う狼を。


そうして太陽は狼に飲み込まれ、世界には昼が訪れなくなり、ハティという名の狼は未だ月を追いかけ続けているのでした。


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シャングリラに伝わる神話。
そしてその神話に出て来るハティという名の狼の生まれ変わりがハティだった。


けれど彼は何も知らない。
気づいた時にはスラムに居て、食べ物は残飯をあさり見つけていた。
何日も探してやっと食べ物を見つけても、犬や猫がそれを欲しいとやってくれば分けてあげる優しい男の子だった。


そんな彼を保護したのはエンデだった。
自分の屋敷に連れて帰り、食べ物と住む所を与え、彼を自分の弟にした。
最初は利用価値があるから…と保護したつもりだったエンデも、ともに彼と暮すうちに、使用人のスノトラを含め、まるで本物の家族のようになっていた。


そんなある日、嘘月が現れた。
名前のせいだろうか?
それとも瞳に宿る月のせいだろうか?
月を追いかけていた狼の生まれ変わりのハティは、一目惚れでもしたみたいに、彼女に夢中になってしまった。


そうして最初はグラズヘイムにいた彼女が、彼の屋敷で暮らすようになった事から、次第に二人の距離は近づいた。


共にいる時間が増える中、彼は彼女に自分がエンデの本当の弟ではない事や、記憶がない事を話した。
またなくした記憶を取り戻したい…とも。
けれど、記憶を取り戻すのはやめた方がいいとエンデに止められているのだ…と。


もちろんエンデは、心優しい彼が、自分が狼の生まれ変わりだと知ったら、人を傷つけた事があると知ったら心を痛めるだろうからという理由から、記憶を取り戻す事を止めていたのだった。


そんな事を知らない彼と彼女は、エンデに内緒で、二人で街のあちこちを見て回りながら、彼の記憶を探し始めた。
そうして程なくして、彼は時折頭痛を訴えるように。
そしてその時、彼はフラッシュバックのように記憶を見ていたのだ。
それは人を襲っている記憶だったり、なにかから逃げている記憶だったりと、恐ろしいものだった。
だから違うと思い込んだ。
こんなの俺の記憶じゃない…と。


けれど、それは本当の彼の記憶で、満月の夜に月の影響を受け、暴走してしまった彼。
もう彼女の言葉も耳に入らず、ただ彼女が欲しいと、喰らいたいという欲望のみに支配された。
そこにエンデたちが助けに入り、彼の正体について聞かされた彼女。


彼女にとっては、彼の正体が月を狙う狼だった事よりも、その本能故に君を欲しているだけで、恋心ではないよ…とエンデに言われた言葉の方がショックだった。
そしてその事で気づいてしまったのだ。
自分が彼に惹かれていることに。


一方、その頃月を追いかける狼を探しているヤドリギという怪しい団体があり、彼が一度暴走し狼になってしまった事で、その存在を確認してしまったのだろう。
あの暴走から数日が過ぎた頃、彼の屋敷が襲撃されてしまったのだ。
ヤドリギの存在も、彼を狙っていることも、彼がここにいると分かれば襲撃される事も知っていたエンデ達により、逃された二人は湖へと向かった。


嘘月くんを守るんだ、ハティ。


そう彼女を兄から託されてはいたものの、彼女だけでなくともに暮らしてきた兄のエンデとスノトラは、彼にとってもう家族同然だったから。
だから一人屋敷に戻るという彼。


彼への気持ちを自覚し、彼の気持ちも知っていた彼女は、そんな彼を本当は止めたかった。
それでも彼がエンデ達を大切に想う気持ちは理解出来たし、何より彼女は嘘月の力で見て来たから。
幼い頃の彼をエンデたちがどんな風に愛し育てて来たのかを。
だから「必ず戻ってきてね」と約束し、彼を送り出した。


戻った屋敷は火に飲まれていて、庭でスノトラの無事を確認した後、屋敷の中にいるとエンデを助けに向かった彼。


みんなを守る為と、狼になり人を殺めてしまった時、とても傷ついた事もあった。
それでもみんな変わらず彼を見てくれた。
狼とか人間とか関係なく、ハティという存在を愛してくれた。
彼女も、エンデたちも。


もう怖くない。
俺がみんなを守るんだ。



そうして燃え盛る屋敷から、無事に兄を救出する事が出来たのだった。


屋敷が燃えてしまった為、現在は彼女もエンデもスノトラも一緒に、グラズヘイムで暮らしている。
議会にも、兄の代理として彼が出席し、貴族たちにも次第に認められつつある。
一番重症だったエンデは、命に別状はないものの、まだ意識が戻らない状態。
それでも日に日によくなっているようだから、きっともうすぐ目覚めるに違いない。


そんな彼の今の夢は、彼の力で屋敷を建て、みんなで暮らす事。
前の屋敷のように大きいものは無理だとしても、彼女とエンデとスノトラといつか生まれる自分の子供達と暮らすための家を建てたいという彼。


今でも彼の中に狼は眠ってはいるものの、満月の夜にも暴走する事はなくなったのだ。
それは多分彼女のお陰。
彼女への気持ちを我慢する事なく、すべて伝える事で、暴走せずに済んでいるんだとか。
好きだと伝え、強く抱きしめ、たくさんキスをする。
それが彼が暴走せずに済む方法。


そんな彼女と共に、これからは兄を積極的に助けながら、貴族としてシャングリラで幸せに暮らして行く事だろう。
そうして二人の間に可愛い子供が生まれる日は、きっとそう遠くないハズ。


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いずれ俺たちの子供にも、ごく自然に「お父さんは狼にもなれるんだぞ」って言えたらいいよね。


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