剣が君 百夜綴り【螢】山吹の書:鬼として人と共に

剣が君 百夜綴り 通常版 - PS Vita

シナリオ紹介

CVはKENNさん。
鬼族の長。


彼女とは夫婦となり、吉備国で暮らしている。
そんな彼らの元に江戸城から呼び出しが。
温羅の伝説の最後を思い出し、嫌な予感を抱えながら江戸に向かう物語。

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感想

温羅については時々出て来ました。
すごい人だと知っていました。
でも、最後がそんな形だったとは全く知らず、今回このシナリオで知る事が出来て、本当に良かったです。
そんな温羅の話からも、鬼がいかに不遇の時代を過ごしていたか、窺い知る事が出来ました。


そして、凄いいいシナリオでした。
とても泣けました!
どのエンドからの続きなのか、分からないのですが、私の見たエンド同様、二人は吉備国で夫婦となり鬼族として暮らしていて、天下五剣も授けられていないと言う所からの流れ。
そこからこんなステキに展開してくれるなんて!


いつも男らしく頼れる螢さんが本当に大好きなのですが、反則的にカッコ良かったです。
ズルイです、このカッコよさ(笑)


そしてそんな螢さんを支えるのは、彼女一人ではなく、江戸で得た出会いで。
それら全てを自分の一部だと思える彼は最高にカッコいいです。
もっとほかの人のシナリオも…と言う欲をすっかり取り去られてしまうくらい、大満足なお話でした。


KENNさん、ステキな螢さんをありがとうございました!
大好きです。


ネタバレ

江戸で生きた毎日が、出会った大勢の人たちが、オレの一部なんだ。


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吉備国でオマエと夫婦になり、幸せに過ごしていた。
成し遂げなきゃなんねぇ事はあるが、少しずつ進めるつもりでいた。
そんな時、江戸城から使者が現れたんだ。


届いたのは人間の長とも言える将軍家光からの文で、謁見に来るようしたためられていた。
文からは、和睦を匂わせる雰囲気も。


その内容にオマエは和睦だと喜んでいるものの、オレは安易に喜べなかった。
温羅の話を思い出しちまったから。


そうしてオレが一人で供を連れて拝謁に行くつもりが、どうしてもと聞かねぇオマエに押し切られ、共に江戸へと向かう。
どことなく不安が顔に出ちまったのか、オレの様子を気にするオマエに、「温羅の伝説って、どこまで知ってるんだ?」と尋ねた。
刀を奪われても最後まで戦った伝説の英雄、オマエはそこまでしか知らなかった。
けどな、続きがあるんだ。
温羅は人鬼の乱の後、城に呼びまだされ、だまし討ちのように一人殺されたんだ。


そんな不安を押し込めつつ進むオレたちは次第に江戸へと近づいて行く。
所が後少しって所で、じいさんが道に座り込んで、近くの茶屋まで送って欲しいって言い出した。
まだ時間にも余裕があったし、家臣たちを説得し、じいさんを茶屋まで送ってやると、茶屋では茶と団子をご馳走してくれた。


けど、もっと警戒すべきだったんだ。
オレは知らぬ間に平和ボケしちまったのかも知んねぇ。


じいさんも茶屋の主人も賊だった。
オレたちに振る舞った茶や団子には薬が盛られていて、眠らされてしまった。


気づいた時には手足を縛られ、オレは一人部屋に閉じ込められていた。
部屋を訪れた浪人の話じゃ、ほかのヤツらも別な部屋に閉じ込められていて、無事なようだった。


だったら早く助けてやらねぇと。


そうは思うが縄を切らねぇと、何もできやしない。
どうしたものかと考えていたオレの耳に、となりの部屋から女の声が。
壁に近づき叩いて声をかけると、隣に捕らえられてたのは、オマエだった。


そうして縛られてないオマエに縄を切れそうな壺の欠片を鼠の穴からもらい、なんとか手足の自由を確保。
そうしてとなりの部屋のオマエに無事に再開出来た。
けどそこに捕らえられてたのは、オマエだけじゃなくて。
もう一人の娘は鉢巻の取れたオレの額のツノを見て、青ざめた顔をした。


だいたいこんな反応なのは知っていた。
いつまでたっても人と鬼の溝は埋まらねぇ。



そうしてオマエがオレを自分の夫だから信じて欲しいと娘を説得し、一緒に逃げられる…って所で、オレが居なくなった事に浪人たちが気付いちまった。
そうしてこの部屋に現れた浪人達は、娘の想い人を傷だらけの状態で連れてきた。
そうしてその男が彼女だけは助けて欲しい!なんでもするから!…と訴えると、「じゃあ、その鬼を殺せ」と言い出したんだ。


あぁ、そうか。
やっぱ温羅の時と同じか。
幕府からの呼び出しに応じ、オレは温羅のようにここで一人終わるのか。



そんな諦めの気持ちが心の中に広がって行く。


やめて!
螢、螢!
お願い、螢を殺さないで!



そんなオレの耳にオマエの声が。


そうだ、オレはこんな所で死ぬ覚悟なんてしてる場合じゃねぇんだ。
オマエがこんなにも信じてくれている、愛してくれている。
だったらなんとかするしかねぇ!



そう思った時、「ご用だ!」と聞き慣れた声が。
そこに現れたのは、金四郎のおやっさんとかむろで、オレたちが江戸に到着しない事が騒ぎになり、探しにきてくれたんだ。
ちょうどこのあたりで拐かしが横行しているからと、虱潰しにあたった結果、ここでオレたちを見つけたんだとか。


温羅、オレはあんたが成し得なかった事を成してやるよ。
一人じゃねぇんだ。
江戸での毎日、出会った人々、それら全てがオレの一部なんだから。



そうして賊をお縄につけ、オレはオマエを連れて江戸へと向かった。


拝謁では、将軍は温羅のだまし討ちの話を持ち出し、そんな事はしないと言ってくれ、和睦への道を歩む意思を示してくれた。


鬼も人も、同じ日の本で暮らす者同士が、争う必要なんてどこにもねぇ。


そんなオレの飾らない言葉を受け、廃刀令をすぐには撤廃出来ないし、鬼の悪い噂も耳に入る。
だからそなたが余に話すがいい、鬼がどのように生き、どうやって今後生きていくつもりなのかを。
こうして時折城を訪ねて
…と言ってくれた。


まだ実際の状況は何も変わっちゃいねぇ。
けど確かに一歩前に踏み出した。
これから少しずつ歩み寄れる未来へと。


それも江戸での出会いがあったから。
おやっさん、かむろ、料理茶屋の親父さん。
そして何よりオマエに出会えたから。
だからオレは今ここに立つ事が出来たんだ。


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