ニル・アドミラリの天秤 色ドリ撫子【鴻上滉】帝都幻惑奇譚

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Nintendo Switch用ソフト 
ブランド:アイディアファクトリー 
ジャンル:女性向け恋愛アドベンチャーゲーム 
発売日:2018年9月20日

 

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キャラクター紹介

CVは岡本信彦さん。
フクロウのメンバー。


人付き合いは苦手なようで、勤務中は話をするも、勤務外には誰とも関わりたがらない。
映画好き。

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感想

今回も手紙風に。


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最初は嫌われているのかな?と不安でした。
お仕事の時は話してくれるものの、プライベートでは話したがらないあなただから。


でも、映画をキッカケに親しくなれた時は、とても嬉しかったです。
映画で一番うれしかったのは、すでに見ている映画を一緒に見てくれた事。
そして宇宙の話をする事が出来た事。
あれは本当に嬉しかったです。


そしてまだ知り合う前に、小瑠璃ちゃんを助けてくれていた事も、運命を感じてしまいました。
普通その場合、運命を感じるのは小瑠璃ちゃんなのかもしれませんが。
それでもその後知り合ったのは私なんだから、ここはぜひ運命を感じさせてください。


あなたの生い立ちを知った時、華族に対してのあの態度の意味を理解しました。
きっと辛かったと思います。
まだ小さかったから。
華族と自分の血はなにか違うらしい…というのも切なかったです。
でも、そう感じるのに十分な事件だったと思います。


そしてカラスとの関係も驚いてしまいましたが、きっとあなたの中ですごく葛藤があったと信じたいです。
そしてあなたのお兄さんも、きっと銃の傷は狙って撃ったんだと思うんです。
兄から弟への贈り物でもあったのかもしれません。
もう自由に生きていいよ…という。


実際の事は分からない。
けれどそんな風に思えたら、もっと素敵な気がするから。
あなたにもそんな風に思ってもらえたら嬉しいです。


これからは誰に遠慮する事なく、あなたはあなたらしく、自由に生きて行ってほしいです。
そしてその隣に私がずっと居られたらいいなって思います。

 

ネタバレ

仕方ないだろ。
俺のこの身体には、黒い羽根の刺青が入っているんだから。



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見た目は何も変わらないのに。
血の色だって同じ赤なのに。
華族と俺たちは何かが違うらしい。


母親は四木沼の下働きで、喬の父毅のお手付きになった。
そうして生まれた子供が俺だ。
半分は華族。
けれど母親が下働きだから、賤しい身分と蔑まれる存在。


それでも家を与えられ、母親と過ごし、時折父だと言う男の尋ねてくる日常は、それなりに平和で幸せだった。
そう、あの日までは。


ある時、俺は四木沼の別荘に招待された。
そこで初めて腹違いの兄の喬と出会った。
喬の俺を見る目は、同じ人間を見る目ではなかった。


そんな喬と川へ遊びに出た時の事、急な大雨に二人とも足をすくわれ流されてしまったんだ。
すぐに助けられ、二人とも命に別状はなかった。
けれど喬は流木にやられ片目を失った。


雨が原因の事故。
けれど俺が責められた。
どうして喬をこんな目に遭わせたのだ?
なんでお前じゃなかったんだ?
お前が変わるべきだったろう
…と。


同じ父を持つ人間。
けれどヤツらにとって、俺は四木沼の人間ではないらしい。


その夜、俺の母はバスタブで手首を切って死んでいた。
遺書として、四木沼の坊ちゃんにケガをさせた事を詫びた手紙が残されていた。


同じ人間なのに。
華族は特別で
俺たちみたいな賤しい身分の者が、華族にケガを負わせると、命で償わなければならないらしい。



そんな母を最初に見つけたのが俺だった。
白い浴室に広がる鮮血。
どこまでもどこまでも赤い世界。
あの日のあのシーンが脳裏に焼き付いて、未だに少しの血でも狼狽える。
血が怖くて堪らないんだ。


そうして俺は喬の身代わりとして育てられた。
喬が何かをして警察に捕まる事になれば、俺が喬として身代わりで罪を償う。
処刑になることもあるかも知れない。
けれどあいつらにとって、俺の命なんてその程度のものなのだろう。
華族じゃないものなんて、虫けら同然だ。


そうして喬はナハティガルを作り、カラスと言う組織が出来た。
カラスと敵対関係にあるフクロウ。
俺は喬の命令で、フクロウに潜り込む事になった。


表向きはフクロウの一員。
けれど俺の任務は、フクロウの内部の情報をカラスに流す事。
鵜飼の息子の招待状で俺と新人が潜り込む時も、隼人がナハティガルの裏口から忍び込む時も、俺は事前に連絡を入れていた。


俺の体にはカラスの証の黒い羽の刺青が入れられている。
もちろん自分から好き好んで入れたものじゃない。
けれどそれが俺を縛る。
それがある限り、俺はカラスの四木沼喬の犬であり続けるしかない。


そんな俺の前に、稀モノの事件で弟が焼身自殺をはかった久世家の令嬢が、同僚として現れた。
久世家は子爵の家柄、そう俺の嫌いな華族様だ。
やる事なす事いちいち世間知らずで、あぁ、本当に華族の令嬢なんだな…と思うと腹立たしかった。
もちろんあんた個人が悪いわけじゃない。
それは分かっている。
けれど華族というだけで、好きになれない。
俺の母親を死に追いやったのは、華族なんだから。


けれどあんたは「華族だからと一括りにしないで。華族にも色々あるんだから」と「私は違う」と何度も俺に話してくれた。
言葉を尽くしてくれた。
だからかな?
いつしか俺たちの距離は近いた。


決定的だったのは、映画館での出来事。
巡回中にポスターを見て気になった俺は、仕事の後に映画館へ。
するとそこにあんたが現れた。
その日は満席で、夫婦席しか空いておらず、俺たちは夫婦席で映画を楽しんだ。


その後、一緒に月に行く映画を観た時なんて、「いつか月に行きたい」と興奮したあんたは、「一緒に行きましょうね」と嬉しそうに言うのだ。
本当にあんたの言う通りだった。
華族だなんて一括りにしてたけど、みんなが同じ訳じゃない。
箱入りだから世間知らずではあるけど、あんたは喬とは違う。
ちゃんと俺を人として見てくれる人だった。


だから惹かれたのに。
フクロウとして俺と共にナハティガルに潜入したあの時から、喬はあんたに目をつけたんだ。
その時はまだ理由は分からなかった。
けれどあんたのアウラを見る能力と、華族の血筋に惹かれたようだった。


詳しい事は分からない。
喬と妻の薔子さんは仲が悪い訳ではないものの、子供が居ない。
子供が出来にくい体質だ…と噂に聞いた事はある。
原因はそこだろう。
だから華族としての血筋と、アウラが見える特殊な能力を兼ね備えたあんたに、子供を産ませようと考えたんだろう。


フクロウは居心地は悪くなかった。
けれど俺の希望のない人生の中で、そのフクロウを裏切る事に、大きな罪悪感を伴う程のものでもなかった。
けれどあんたが現れたから。
あんたが喬に狙われたりするから。
俺の中で何かが変わってしまった。


そうして俺は朱鷺宮さんに全てを話し、喬からの「ナハティガルで待っている」の手紙に対し、全員で乗り込む事にした。
その時初めて知ったんだ。
喬にもアウラが見えるということを。
あんたみたいにいつも綺麗に見える訳じゃない。
それでもぼんやりと見えるそれに、心を奪われ、だからフクロウを潰しそこで保管している稀モノを自分のものにしようと考えた。


そして喬の狙いは日本をぶっ壊す事。
支配階級である華族制度を無くそう、平等にしよう…という昨今の動きを良しとしない喬は、そんな日本なら壊して作り直そうと考えていた。
偽の稀モノを作って行ったオークションの収益は、日本を壊すための資金だったのだ。


けれどカラスとフクロウの直接対決で、フクロウが勝利した事から、その計画を阻止する事に成功。
喬に銃で撃たれ、俺は入院することにはなったが、大きな犠牲を出す事もなく、四木沼喬を捕らえる事が出来たのだ。


裏切り者だとフクロウの皆に知れてしまった俺なのに、朱鷺宮さんを始めみんなが今までと変わらない。
むしろ四木沼喬逮捕に貢献した事を評価して、今後もフクロウとして、ここに残れることになった。


またあんたとここで過ごせる。
それが何より嬉しかったんだ。


なにもかも諦めてた。
華族じゃないから…と投げやりになってた。
捨ててもいいと思っていた命だった。
けれどそんな俺の命に人生に、あんたが価値を与えてくれたんだ。
やっと見つけた手放せないもの、それがあんたなんだ。


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手が早くて見かけより強情な割にはすぐ泣くし、世間知らずかと思えば鉄砲玉だし。
一瞬も目が離せないから側に居るよ。
一番大切で、一番きらきらしてて、一番目が離せない。

 

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