ブランド：オトメイト
ジャンル：女性向け恋愛ADV
発売日：2019年9月19日
通常版：7,480円(税込)
オトメイトさん、triangleさんのNintendo Switch用ソフト「蛇香のライラ ～Trap of MUSK～」で興津和幸さん演じるキャラクター、鱗皇驪の感想とネタバレ（あらすじ）をまとめました。
キャラクター紹介
※「蛇香のライラ ~Trap of MUSK~」は乙女ゲーム制作ブランド『オトメイト』『triangle』の作品です。
バナーの画像はこちらからお借りしております。
CVは興津和幸さん。
鱗帝国の皇太子で物静かで温和な人。
白蛇伝に出て来る白娘子という登場人物に本気で恋をしている様子。
「世界次世代指導者会議」のため、シャナーサ王国を訪問し、街を散策していた時に主人公と出会う。
その美しさと聡明さが、彼の理想の白娘子だったようで一目惚れ。
以来ひたすら彼女に心酔してしまう。
そんな兄を見かねた弟により、彼女と再開を果たすが、弟の狙いは………。
感想
別サイトにまとめた攻略直後の感想です。
ネタバレ（あらすじ）
私が望んだのです。
真実が知りたいと。
その為に私は、彼女さえも利用しました。
王が不在の後宮
鱗帝国の皇帝である父は、体調を崩し療養していた。
ある時倒れてしまったのだ。
にも関わらず、王が不在の後宮には、未だ新たな娘が嫁いでやってくると言う。
それは一体なんの為に？
しかし、おかしな事はこれだけではない。
後宮で娘が消えると言う噂があるのだ。
当然噂の真相が気になった私は、後宮の様子を窺おうとしたものの、後宮には近づけて貰えなかった。
王のものと言われてしまえば、どうしようもない。
それでもずっと気にかかっていた。
後宮に纏わる噂と、不穏な動きが。
そもそも私の婚約者候補とされた美蘭も、思い人は他に居ながらも、私の母である皇后により婚約者に…と決められてしまった。
美蘭にはそれを断れない理由があった。
それは姉が後宮に嫁いでいるから。
仲の良い姉妹なのだろう。
後宮の噂の事もあり、姉を案じた美蘭にとって、その状況は人質を取られているようなものだったろう。
だから私は白蛇伝好きを利用したのだ。
「私には白娘子と言う心に決めた人が居るから、あなたとは結婚出来ません」と。
そうして美蘭をのらりくらりとかわす側、後宮の真実を追求する術を探っていた。
理想の白娘子
私がどんなに断ろうが、母が引いてくれる事はなく、表向きは皇太子妃候補とされた美蘭を伴い、私は弟の希驪とシャナーサ王国へやってきた。
ここで『世界次世代指導者会議』が開かれるのだ。
数年前まで資源不足だったシャナーサ王国を、この会議の開催国へする程発展させたシャナーサ王。
彼とその彼の造った国を見るいい機会だった。
それだけでも十分有意義な会議だったのに、私はここで運命の女性と出会った。
シャナーサの市場を希驪と見て歩いていた時に出会った彼女は、白蛇伝から出てきたのかと思うほど、理想の白娘子だった。
出会ってすぐに惹かれずにはいられなかった。
まさか本当にここまで理想の白娘子が存在しているとは。
だから頭の中が彼女でいっぱいになってしまった。
美しく聡明な白娘子にもう一度会いたいと。
そんな私の願いは、弟の希驪によって叶えられた。
希驪が彼女を探し出し、城へと招待してくれたから。
そうして白娘子と過ごす中、私は白娘子に似ている彼女ではなく、彼女自身を愛するように。
彼女の持つ優しさ、聡明さに強く惹かれていった。
けれど会議の期間は7日間。
それが過ぎれば、私は自国へ帰らなければならない。
だから彼女に告げた。
一緒に鱗帝国へ来て欲しいと。
白娘子としてではなく、彼女自身を愛していると。
鱗帝国での再会
しかし本当は打算もあった。
彼女を愛しているのは本当。
けれどただ純粋な愛のみではなかったのだ。
彼女の持つ能力が私の助けとなるだろう…と言う打算もあった。
ずっと白娘子を愛しているように振る舞ってきたのは、彼女への本当の思いを悟られないため。
そして希驪の依頼に気づいていたから。
そんな依頼を受ける彼女ならば、後宮の真実を暴く手助けをしてくれるのでは？と、そんな事も考えていた。
そして希驪とも親しくしてくれる様子や、心根の優しさも、未来の皇后に相応しいと。
けれど彼女には断られてしまった。
シャナーサには大切な人たちがいるからと。
そうして彼女への想いを胸に、私は一人鱗帝国に帰還したのだが、ある時城で苦しむ彼女を見つけた。
どうやら金梅を食べてしまったようだった。
金梅は慣れていない人間が口にすると、媚薬のような効果を齎してしまうのだ。
幸いな事に、金梅に苦しみながらも監禁されていた部屋を逃げ出した彼女と、偶然廊下で遭遇したのが私だった。
そうして彼女を金梅の苦しみから解放する為に、自身の欲望を抑えつけ介抱した私に、彼女は彼女の意思でその身を捧げてくれたのだった。
その後彼女が休んでいる間に調べはついた。
彼女は母によりシャナーサから連れ去られ、この城に監禁されていた事。
金梅があのような効果をもたらすことを知りながら彼女の食事に混ぜ、見張りとしてつけた兵士たちに抱かれている様子を私に見せ、彼女への想いを断ち切らせようとしていた事を知った。
だから私はすぐに国民を集め、皇太子妃のお披露目を行い、彼女を皇太子妃とした。
そうすることで側で彼女を守る事が出来ると思ったから。
後宮に巣食う悪魔
事情は後で説明します…とし、半ば無理矢理皇太子妃に据えられた彼女はと言えば、その後希驪だけでなく、私の三人の幼い妹達とも仲良くしてくれた。
父は後宮にいる多くの妻達との間に子をもうけることを義務と感じたからか、私たちは皆母親が違う。
それでも私たち兄弟はとても仲が良かったし、私は家族を大切に思っていた。
だから、彼女が妹達と仲良く過ごしてくれている姿は、とても嬉しいものだった。
けれど私の母である皇后により、皇太子妃候補とされていた美蘭は、姉の事もあり現在の状況を心穏やかに見る事は出来なかった。
だから彼女にその怒りをぶつけたのだ。
しかし優しい彼女は美蘭の思いを汲み、話を聞き、自らの意思で美蘭の姉の安否を確認しようと後宮へと潜り込んだ。
そうして彼女は私の力では調べようもない事実を突き止めたのだった。
後宮では噂通り娘が消えている事。
消えた娘達は一様に後ろ盾の弱い身分の低いものばかりである事。
皇后が自ら人身売買を行う、闇オークションに関わっている事だった。
初めは私への報告を戸惑っていた様子の彼女だったが、私が彼女の密偵の仕事の事も既に承知している事を知り、話してくれた。
彼女に真相を聞いたことで、全て合点がいった。
母の身につけている衣が豪華であるのに、国庫を逼迫するような事態に陥っていない事が、腑に落ちなかったから。
こうして私と彼女は、共に力を合わせ戦う事になった。
利用している訳ではない。
彼女の力を必要とし、協力し合いたかったのだ。
そうしてその力を欲しながらもまた、私は彼女を一人の女性として心から愛していた。
いつも私の家族を大切にしてくれる優しさや、美蘭を放っておけず、自ら危険に飛び込む優しさ。
秘めた強さと行動力。
彼女のあらゆる面に心から惹かれていた。
そんな彼女により、後宮に巣食う魔物の正体は皇后である事が分かった。
そうして私たちは後宮に巣食う魔物を退治すべく、策を練り始めたのだった。
闇オークション
後宮に潜入の際に、彼女は娘が連れ去られるのを目撃していた。
連れ去られた娘がどこに連れて行かれるのかを追跡し、オークションの会場と開催日時を確認してくれていた。
オークション当日、彼女は売られる娘と入れ替わり、商品として壇上に。
協力者である希驪が陽動を行い、囚われたふりをしていた彼女と共に壇上で大暴れ。
母がけしかけた兵士達を蹴散らした。
私は私兵を率いて会場を取り囲み、そこで母を捕らえる事に。
会場には母に会わせたい人を呼んでいた。
それは父である皇帝陛下だ。
数日前、私たち夫婦は療養中の父を尋ねたところ、父は病ではなく毒による体調不良だと彼女が気付き、解毒剤を調合してくれたのだった。
まるで白娘子のごとく、我が妻は薬学の知識も長けていた。
そうして彼女の薬のお陰で自由を得た父は、母の説得へと力を貸してくれた。
母は父を愛していたのだろう。
だから他の妻の元へと渡れないように、愛するが故に毒を盛った。
自由を奪い閉じ込めてしまう為に。
歪んだ形で現れたそれは、けれど母の深い愛なのだと知っている父は、母を咎める事なく、母への愛を伝え、追い詰めたことを詫びていた。
こんな悲しい愛し方をしてしまうのも、後宮があるから。
貴族達にとって、そこは王族と繋がる機会をくれる大切な場所。
しかし、見目の麗しい娘達は、身分に関係なく後宮に囚われ、一度も王の渡りがなかったとしても、後宮から出た後も彼女たちに自由はない。
愛する人と結ばれる事も許されず、永遠に男を知らぬままその生を終えるしかない。
だから私は変えたいと思っていた。
もう誰にも悲しい思いをして欲しくなかったから。
皆に愛する人と幸せになって欲しかったから。
後宮制度廃止
オークションに潜入し、それを壊したお陰で、今後二度とオークションが開かれる事はないだろう。
既に売られてしまった娘たちに関しても、一人一人会いに行き、戻ることを希望するものは、戻れるよう手配もした。
それらの作業は、城を自由に空けられない私に代わり、男装した我が妻が行ってくれた。
少々見目麗しすぎて、娘達を虜にしてしまった事以外は、全てうまく事が運んだ。
そうして体調が回復した父は、私に譲位。
王となった私は、彼女や希驪に力を借りて、後宮を廃止する為に動き出した。
まずは前王の妻として嫁いだ娘が後宮を出て、新たに妻となる娘達が後宮に入る娘の入れ替えを行うのだか、それを希驪が担当する事に。
当然後宮廃止を目論む私たちなので、娘の入れ替えは行わない。
見張りの兵士を味方につけ、大臣達には娘の入れ替えを行ったように見せかけていた。
そうしてついに、正式に皇后となった彼女を伴い後宮へ。
そこで扉を開けた私が「さあ、娘達よ。そなた達は自由です」と声をかけると、控えていた大臣達が騒ぎ出した。
娘の入れ替えは済んでいるはずでは？と。
そんな大臣達の声は無視し、娘達を外へ。
中には生活が苦しくて、後宮から出ると立ち行かないと言う者もいた。
大臣らは、当然そこも指摘して来た。
だから私は伝えたのだ。
後宮に居たもの達の生活は王宮が保証すると。
後宮を維持する費用を考えれば、後宮から出た娘達を保証する費用の方がずっと安く済む事を伝えると、大臣達はついに黙り込んだ。
こうして無事に娘たちは自由を手にした。
これからはそれぞれ愛する人の元へと向かう事だろう。
今日からこの国は、誰もが愛する人と自由に結ばれることの出来る国となるのだ。
私と妻のように。
身分も家柄も関係なく、ただ互いが互いを愛し、必要とする者同士が結ばれる未来へ。
私たちは、この国は、新たな一歩を踏み出した。
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