キャラクター紹介
CVは岡本信彦さん。
猫又の幽魔。
元々は普通の猫だったものの、心残りを抱えて亡くなったため、幽魔になったのが彼。
見た目は愛らしい彼ですが、実は600年もの時を生きているという最年長。
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感想
600年も猫又として生きている彼の心残りが、お世話になった飼い主さんに、感謝の言葉を伝えたいという素敵すぎる理由なのが、すごく人柄が出ていて大好きです。
生まれた頃は戦国時代だったとかで、言葉遣いもなんか色々古いし、壮介くんには「おじいちゃん」なんて呼ばれていますが、見た目は一番幼くて可愛らしい。
なのにおじいちゃんみたいに話す彼が、とても愛おしいです。
もう、猫好きなので、猫で岡本さんとか反則だと思います(笑)
ときめかない訳がない!…という事で、案の定ときめきました。
そして本当に感動的なお話で、私の好きなファンタジーな展開も、凄く良かったですね。
攻略後、頂いたトロフィーが「奇跡の猫」なのですが、まさに奇跡の猫のお話でした。
「奏くん、奏くん」と名前を呼びながら泣いてしまうような、そんなシナリオで、泣きすぎて今目がよく見えません(笑)
本当に素敵なシナリオでしたし、岡本さんの演技にやられました!
最高でした。
岡本さんの演じる年上さんは、本当にいつも好みで、今回は流石に年上って言っても600歳とか無理だよ…と思いましたが、素敵でした!
悔しいくらい素敵でした(笑)
なんか声とか話し方に、包容力を感じます。
凄く安心させてくれるんですよね。
奏くんが岡本さんで本当に良かったです。
岡本さん、素敵過ぎる奏くんをありがとうございました。
本当に大好きです!
ネタバレ
ただ一言、主人に「ありがとう」と伝えたいんじゃ。
それが彼の心残り。
600年もの長い月日、主人を探し続けた命の糧。
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それはまだ彼が名も持たない子猫だった頃、食べるものもなく、弱った体である家を訪ねた。
すると、そこではとても美しい女性が琴を奏でていた。
あまりの美しさに、子猫の彼は見とれてしまい、そのまま彼女に擦り寄り、ニァーと声を掛けた。
それが猫と主人の出会い。
その後、彼は彼女の猫となり、彼女と共に幸せに暮らしました。
琴の上手な主人は、よく琴を奏でてくれて、その音色が大好きな子猫が歌うようにニャーと鳴くので、「奏」と名づけられた。
そんな幸せで穏やかな日々を過ごしていたある日、戦で彼女の家が火事になってしまった。
主人は落ちてきた柱に足を挟まれて逃げ出す事が出来ないまま、たった一人の大切な家族である、猫の奏の事を想った。
私は助からないけれど、どうかあなたは幸せになって、奏。
それが主人のたった一つの、最期の願い。
一方無事に火事の難を逃れた彼。
鎮火された後に、主人を探しに戻ってみるものの、二人でくらした家は跡形もなく燃えていました。
それでも主人が自分を探しに来てくれるかも知れない…そう考えると、そこを離れられなかった。
だって、どうしても伝えたかったから。
あなたに拾われて幸せだったと。
育ててくれてありがとう…と。
主人にとってかけがえのない存在だったように、彼にとっても主人はかけがえのない存在だった。
そうして食べず飲まずで主人を待ち続けた彼は、ついにその命が尽きてしまった。
けれど、彼には心残りがある。
幸せだったと、ありがとうとまだ伝えられていないから。主人が居なければとうに死んでいた命。
救われただけでも有り難いのに、沢山の幸せをもらったから。
そんな彼の強い思いが、彼を猫又として生まれ変わらせた。
その後、100年程主人を探し回ったが、流石にもう死んでいるだろう…と諦めた事も。
それでも、ある時感じた。主人の生まれ変わりの存在を。
だから本人でなくても構わない。
主人の魂に届けたかった。
感謝の気持ちを。
そうして転生した主人の魂の持ち主を探し続けた彼。
彼が猫又になり、600年近くの月日が流れたある日、彼は突然「暴走」を経験した。
その事がキッカケで、ぬらりひょん校長に逢魔に来ないか?と誘われ、逢魔で暮らし始め、再び生まれ変わりを探したいと思い、人間界に出る資格を得る為、黄泉校に入学。
そうして彼は彼女と出会った。
彼女が探していた魂の持ち主とも知らぬままに。
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元々人間と共に人間界で暮らしていた彼は、人間界の事に興味があり、彼女の授業を興味深く聞き、質問をしているうちに親しくなった。
それでもただの教師と生徒でしかなかった。
そんな彼女に自分の願いを話した所、「いつか叶うといいね」そう彼女が笑うから、だから彼は言えなくなってしまった。
猫又とは心残りを糧として生きる幽魔。
故に、それが果たされた時、その存在が消えるという事を。
けれど、それは悲しい別れではない。
だって、ずっと望み続けた願いが叶った証なのだから。
そう、ずっとそう想い続けて来たハズなのに。
どうしてか悲しい事のように感じてしまう。
それはマルという猫又の心残りを解決する為、彼女と共に奔走した時に感じてしまった感情。
マルの願いが成就し、消えてしまうときに、寂しいと感じたのは、きっと自分に置き換えてしまったから。
あんなにも願っていたのに。
あんなにも望んでいたのに。
その想いが果たされた時、わしは消えてしまう。
消えたら教員殿と会えなくなってしまう。
そうして彼女に猫又とはどういう存在なのか?
猫又の辿る運命を話せないまま、マルが消え、彼女をとても傷つけてしまった事もあったから。
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一方彼女もまた、マルが消えた事、消えた理由を知り、怖くなってしまった。
あんなに願っていたのに。
奏くんの願いが叶うといいね…って。
でも、今はそんな風には思えなくなってしまった彼女。
だってそれは彼という存在が消えてしまう事を意味するから。
そんな事を悩み始めた時、多分もう恋は始まっていた。
そんなある日、彼女は彼とよく二人でお茶をのみ、彼の奏る琴を聴いた茶室に、彼の琴の音色に導かれてやってくると、そこで思い出してしまったのだ。
自分ではない自分の記憶を。
燃えさかる炎の中、必死に大事な家族である猫を探し、彼の無事と幸せを願いながら息絶えた記憶。
そう、それは前世の記憶。
そしてその前世とは、彼の探していた主人。
だけど言えなかった。
その事実に彼が気付いてしまったら、マルと同じように、明日彼が消えてしまうかもしれないから。
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けれど彼は気付いてしまった。
記憶が蘇り、倒れてしまった彼女が、主人と彼しか知り得ない事を、気を失う間際に呟いたから。
思い返してみれば、生まれて初めて暴走を経験したのは、力が不安定になった事が原因で、それが20年くらい前の事。
彼女の年齢を考えると、丁度彼女が生まれた頃。
そうして今年はより不安定になり、時折体の自由が奪われる感覚に襲われていた彼。
あぁ、そうか。
自分の探していた主人に出会っていたから、だから少しずつ少しずつ、命が削られているのかも知れない。
そでも消えたくなかった。
主人に感謝を伝えたいという気持ち以上に、今の自分は彼女と離れたくないと強く想うから。
ならばこれで上書きにならないだろうか?
心残りが命の糧ならば、新しい大切なものが出来れば、それが新しい心残りとなるハズだから。
いつまでもつのか分からない。
後100年は生きられるかもしれない。
もう600年も生きているのだから。
それとも、明日消えてしまうかもしれない。
もう600年も生きてしまったのだから。
それでも伝えたかった。
彼女が好きだと、愛していると。
だから共に生きて欲しいと。
それがどれほどの長さなのか分からないけれど、出来る限り長く、出来る限り沢山、愛する彼女と過ごしたい。
そうして彼女に気持ちを伝えた彼。
主人の生まれ変わりだと知っているし、主人には感謝の気持ちでいっぱいだけれど、今はそれよりも教員殿、おぬしが好きなのじゃ…と。
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気持ちを伝え、全てを知った上で、それでも消えずに彼女と共に居てくれる彼。
もしかしたら本当に心残りの上書きが出来たのかも知れない。
そんな淡い期待を抱くものの、確実に彼の体に異変が生じていた。
体は動くものの、ひどくだるい。
まるで人の体のように重い。
それでも必死に起き上がり、学校へと通う彼。
所が、ある日学校で倒れてしまい、そのまま意識が戻らなくなってしまった。
このまま目覚めない可能性が高い。
日向先生の見解は、良くないもだった。
それでも希望を捨てず信じ続けた彼女。
だって、彼は言ってくれたから。
一緒に生きたい…と。
彼が意識不明になってから一週間が過ぎた頃、突然目覚めたものの、100年近くの記憶を失くしていた。
驚いたものの、彼が消えてしまうと怯えていた彼女にとって、そこに彼が居てくれる事が何より嬉しく思えた。
所が、翌日、亮が彼を迎えに行くと、前日の記憶がリセットされてしまい、また全員がはじめましてから始めなければならない事態に。
これは悪い兆候で、今後よくなる見込みは少ない、そう紫苑先生に言われたものの、それでも彼女は信じていた。
彼の言葉を、自分の想いを。
けれど神様は意地悪で、そんな彼女にさらなる追い打ちを掛けた。
ある日の休日、彼の様子を見に行った彼女。
そこで迎えてくれた彼は、姿形は彼のままなのに、猫の鳴き声しかはっしなくなっていた。
そうしてその日の深夜、ついに猫の姿になってしまった彼。
それでもまだしっぽは二又の猫又のまま。
だからそんな絶望的な状況でも彼女は負けなかった。
ずっと彼を、彼のくれた言葉を信じ、猫になった彼と共に暮らし、いつも彼に話しかけていた。
そうして卒業式も終えたその日、縁側で彼を膝に乗せていると、その温もりの心地よさに、いつしか寝てしまった彼女。
ただひたすらに、どんなに状況が悪化しようと、彼のくれた言葉を信じつづけた彼女。
そんな彼女の想いに、運命は味方してくれたのか?
寝て入る彼女を優しく起こす手と声が。
とても懐かしく、とても大好きなそれは、ずっとずっと聞きたくて堪らなかった彼の声。
そう、彼女が寝ている間に、彼は元の姿に戻り、彼女に愛の言葉をくれたあの時のまま、優しく語りかけてくれた。
600年以上も想い続けた主人。
その想いをも超えてしまう程、愛した彼女だから。
そんな彼女が、ひたすらに自分の事を信じ、手を離す事なく、待ち続けてくれたから。
だからこうしてまた巡り会えた。
それは彼女の中に宿る、主人の魂が起こしてくれた奇跡なのかも知れない。
その後、彼女は彼と結婚し、黄泉校で先生を続け、彼はといえば、得意の剣術を幽魔の子どもたちに教えるようになった。
あんな辛い事も乗り越えた強い絆で結ばれた二人だから、きっとこれから先もずっとずつと、何があってもその手を離す事なく、共に歩んで行く事だろう。
誰よりも幸せに。
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