空蝉の廻【颯】

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空蝉の廻 (うつせみのめぐり) - PSVita

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キャラクター紹介

CVは内田雄馬さん。
鬼の討伐隊で隊長を務める。
腕が立ち、啓太のように憧れているものも多い。


人とは一定の距離を保ち、仲間であっても必要以上に親しくなろうとしない人。
仲間の死にも心を痛めている様子を見せず平然としているため、冷たい人のように見える事も。

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感想

カッコよかったです。
元々、颯さんから攻略しようと思ってました。
ちょっと結鶴さんの鬼から受ける態度が気になり、後回しになりましたが、期待通り素敵でした。


立ち絵やスチルはなかったのですが、幼い頃の彼と養父のやり取りも微笑ましくて。
幼い彼と養父が共にいる姿も見て見たかったな…と思いました。


初めは事情もあったので、どんなに彼の元にいこうと、冷たくあしらわれる感じで、なかなか手強いし切なくもありましたが、一度親しくなってからは、とても優しく変わって。
その雰囲気の変化も素敵でした。


強くてカッコよくて、発作の時も彼女の声が届いたりしたのも、すごくステキな流れでした。


まだまだ初代の時にできてしまった怨恨、その真実はどうなのか、柊さんがあんな事をした理由とか、紫月丸さんは大丈夫なのか?
気になる事はいっぱいあるのですが、颯さんが好きすぎて攻略出来ない感じに。
それくらいカッコよくて好みでした。


プレイ中のこのタイミングで、私はマクロスΔを見ています。
デルタの主人公もハヤテで内田さんなんですよね!
ハヤテ繋がりながら、全く違う声の感じに、さらにドキドキさせられました。
今後も個人的に内田さんには注目して行きたいです。
内田さん、素敵な颯さんをありがとうございました!
大好きです。


ネタバレ

済まない、師匠。
俺は彼女と共に生きる道を選ぶ。



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幼い頃に両親を亡くした俺には養父となってくれた人物がいた。
それが鬼の討伐隊隊長だった。
明るく人懐っこい性格の隊長は、俺をとても可愛がり、愛想のない俺をからかって居た。


初めこそ本気で父とは思えなかったものの、隊長の愛情を感じ、討伐隊として共に戦う中、その強さや人柄に尊敬を覚え惹かれていった。
そうしていつしか父として慕うように。


けれど無愛想な俺には、父と呼ぶ事がとても照れ臭かった。
それを知ってか知らずか、隊長は父と呼ばせたがって居た。
それでも呼べない。
恥ずかしくて。

そしてそんな想いは、しっかりと隊長に伝わっても居た。
だから幸せだったと思う。
両親がいないながらも、いつも養父がそばにいてくれたから。


けれど7年前のある日、事件は起きた。


鬼として生まれたものは、湖巌門を守るほかに、死の国へと帰れなかった罪を背負った魂が、時間をかけて変じた妖魔を討伐する使命を追っていた。
鬼にはそれだけの力があったから。


けれどその力のある鬼には、発作と言う大きな弱点もあった。
感情が昂ぶると、体の一部にある痣が全身に広がり力が暴走。
そして敵味方の区別なく戦ってしまうものだった。


だから皆幼い頃に訓練を受ける。
発作を起こさないように…と。
けれど俺は訓練の必要がないと言われるほど、発作の兆候は見られなかった。
そう、あの日までは。


そんな俺が7年前のあの日、突如初めての発作に襲われた。
自分でも何がなんだか分からなかった。
分からないままに人間の村にまで向かってしまった俺を止めてくれたのが、師であり養父であるあの人だった。
養父のお陰で、人間側に被害を出すことはなかったものの、俺は訳もわからないまま、父を死なせていた。
気づいた時には腕に生暖かい血の感触があり、父が倒れていたのだ。


慕っていた、誰よりも。
父と呼べないながらも、養父は紛れもなく俺の父であった。
なのに呼べなかった。
あんなに望んでくれたのに、俺に父と呼ばれる事を。
そればかりか、その養父の命を奪ってしまうなんて。


以来俺は感情の昂りを恐れ、人との距離を取るようになった。
誰かが怪我をしても、命を落としても、そのことに心を動かさないように努めた。
誰にどんなに冷たいと言われようとも、もう何もわからないバケモノのように、知らぬ間に誰かの命を奪いたくは無かったから。


そうして俺は魁様に仕える事を使命とし、生きるように。
7年前のあの日、養父を死なせた自分をもこの世から消してしまおうとした俺を、魁様が止めてくれたから。
お前が発作を起こした時は、俺が必ず止めてやるから…と。
その言葉に拾われた命。
ならば魁様に捧げよう…と思ったから。


そうして淡々と使命を果たしていた俺だったのに、あなたと出会い変わってしまった。
どんなに距離を置こうとしても、あなたは俺に近づいて来たから。


差し入れの握り飯も、養父が唯一美味しく作ってくれた思い出の食べ物だったから…と、突き返す事が出来ないまま食べてしまった。
そんな風に少しずつ近づいた頃、発作に狂った所をあなたに見られ、あなたに救われた。
あなたの声が呼び戻してくれた。


そうして7年前の事件の話を知っても尚、変わらずそばにいてくれたあなた。
だから俺は惹かれてしまった。
人と近づきすぎてはいけなかったのに。
そんな俺を悲しいとあなたが言うから。
本当は優しいのに、それを隠してずっと一人で居るつもりですか?と、悲しそうに問うから。


そうしてあなたと結ばれたのに、古祭りを控えたある日、柊殿が裏切り者だと分かってしまった。
違和感を感じ、問い質したら、なすべき事がある…と魁様を裏切った。
信じていた仲間に裏切られた事よりも、誰よりも信頼していた腹心に裏切られた魁様の心を思うと、堪らなく辛かった。


そうして柊殿のなすべき事には、彼女の血が必要だからと、養父を妖魔にし俺を脅して来た。
本来は罪を背負った魂が、時間をかけて妖魔に変じるものなのに。
柊殿は何かの術を使うのだろうか、すでに啓太を妖魔にし、俺に差し向けていた。
そして今度は養父をも。
二人とも死の国に入れないような罪など犯していないのに、妖魔として使役され、安らかに眠ることも許されないなんて。


それでも俺だけが柊殿の元へ行けば済むだろうと、あなたに何も告げずに、魁様を裏切るようにこっそりと柊様の元へと行ったのに。
あなたは来てしまった。
俺の為に。


そうして現れた養父を盾にされ、あなたから血を奪うよう命じられた。
養父の事を知ったあなたは、颯様は間違っていないと、血を奪われる覚悟を早々に決めてしまう。
そんな姿に気づいてしまった。


確かに二度も養父を手にかけるなんて辛すぎる。
けれど彼女を守ると誓ったから。
それを違え、彼女を傷つけてまで、養父を眠らせる事を優先するのは正しい事なのだろうか?
養父はそんな俺をどう思うだろうか?



そうして俺は決意した。
再び養父を手にかける事を。
それで彼女を守れるのなら…と。
二度も貴方を殺すことになってしまった。すまない、父さん
初めて養父をそう呼び、彼女を守る為に養父を討つ。
もう何も躊躇わない。


きっと貴方なら分かってくれるだろう、父さん。


そうして無事に父と柊殿を討ち果たし、魁様の元へ。
全ての顛末を報告し、事態は終結したのだ。


その後、彼女により、門の異変の際などの協力体制を整える為に、鬼と人の交流が提案された。
そうして人からは柊殿の代わりとなる人材として相良殿が魂宮へ。
鬼からは、相良殿の代わりに彼女の護衛役として俺が鎮宮へ行くとこに。


鎮宮の長老である彼女の祖母は、俺が護衛役になる事は認めてくれたものの、俺たちの仲は別の話だと。
けれどそう容易く認めて貰えるなどと、もとより思っていなかった。
時間をかけてゆっくりと、これからの俺を見て貰えばいい。
そして何度でも何度でも、諦めずに説得すればいいのだから。
そんな諦めない姿勢は、彼女が俺に教えてくれたもの。


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