PrototypeさんのPSVita用ソフト「大正×対称アリスall in one」で前野智昭さん演じるキャラクター、赤ずきんの感想とネタバレをまとめました。
キャラクター紹介
CVは前野智昭さん。
彼女が飛び込んだ鏡の中の世界の住人。
「狼」によるストーカー被害あっている彼女を守る正義の味方の警察官として彼女の家に現れた人。
スポンサーリンク
感想
堅い印象で最初は少しとっつきにくい感じでしたが、単に女性が苦手な照れ屋さんと分かってからは、とても可愛かったです。
堂々としてて頼りになる彼が、彼女の行動にあたふたして見せるそのギャップがとても良かったです。
途中彼の過去のお話が出てくるのですが、独白形式って言うのかな?ですます調で書かれているのですが、通常の文章の文体もそうなので、最初主人公の過去なのかな?とか分からなくなってしまったりも。
それが赤ずきんさんの過去だと分かってからは、色々と理解出来ましたし、とても感動出来ました!
通常、主人公と出会う事で攻略キャラが救われる…という流れですが、大抵の主人公は特にその自覚なく救っていますよね?
この作品の場合、彼を救おう!っていう意志がある所が、凄く面白いなって思いました。
独特の文章と独特なキャラの主人公で、最初はなかなか馴染めませんでしたが、最終的にはとても感動出来るお話でした。
前野さんも可愛かったです!
慌ててる所(笑)
前野さん、素敵な赤ずきんさんをありがとうございました。
ネタバレ
辿り着いたのは赤ずきんの世界。
彼女が救うのは、罪悪感と言う罪にとらわれるが故に一人を好み、幸せを拒む青年、赤ずきん。
「外には悪い狼が居るから、決して外に出てはいけない」
母親からそう言いつけられていたのに。
一人が嫌で外に出た彼。
けれど同じ年頃の子供は見当たらない。
だって、その時間は子供たちは学校だったから。
閉じ込められていた彼は、学校にも行かせて貰えずいつも一人。
ただぼんやりと湖を見つめているだけ。
所がある日、オオカミという名の男の子と出会う。
オオカミは何度も何度も彼に声を掛ける。
彼がどんなに無視しようとも。
彼だって本当は嬉しかった。
でも、母と約束していたから。
本当は外に出る事もダメなのに、外で出会った人と話すなんて。
だから、彼は応えなかった。
けれども来る日も来る日もオオカミは彼に声を掛ける。
そうしてついに赤ずきんは、オオカミの呼びかけに応えた。
オオカミもまた体が弱く学校にも行けない男の子。
そう、二人には共通点があったから、だから二人はすんなりと打ち解けた。
そうしてある日招待された。
オオカミがおばあさんと住む家に。
優しいおばさんは、彼のことをオオカミと同じように可愛がってくれた。
オオカミに作った頭巾と同じように、おばさんは彼にも赤い頭巾を作ってくれた。
彼が頭の耳を気にしていたから。
そう、赤ずきんは狼だったのだ。
以来、ずっと気になっていた耳を隠せるようになった彼は、いつもその頭巾を被るように。
その姿が定番となった彼は、いつしか赤ずきんと呼ばれるようになった。
そんなある日、二人が湖で遊んでいると猟師が現れ、おばあさんが危篤で孫の名前を呼んでいると。
そうして猟師に間違えられた赤ずきんは、体の弱い友人が湖に落ちたのを見捨てる形で、友人のおばあさんのお見舞いに。
さらには孫を待っていたおばあちゃんに対して、オオカミの振りをした。
帰宅するといつも一人のその家には明かりが。
母親が帰っていたのだ。
けれど、家から出ないと言う約束を破った赤ずきんを冷たい目で見つめた母親は、家を出たきり二度と戻らなくなってしまった。
そうか、これは罰なんだ。
私は罪を犯したから。
母との約束を破り、友人を見捨て、さらには友人の祖母に嘘をついた。
だから自分には自由がないと閉じこもり、寂しさに耐えながら一人で過ごした彼。
どれくらいそうしていたのだろう?
一人の寂しさが麻痺してしまった頃、彼は偶然あの日の猟師を見つけた。
猟師はその隣に可愛い姫を連れていた。
全部あいつのせいなのに。
寂しさが麻痺した彼は、全ての原因は猟師にあると、あの日、自分とオオカミを間違えた猟師が悪い…そんな風に思い込むようになった。
だから、お姫様を怖がらせて復讐をするつもりで、彼女に「狼」と名乗り脅迫状を。
一方脅迫状を受け取った彼女は、兄と友人のオオカミから聞かされていた彼からのものだと気付き、二人と相談し、赤ずきんを嵌める事に。
彼を罪悪感と言う孤独から救うために。
そうして彼の正体が狼だと知りながら、警察官だと名乗る彼を受け入れ、彼との共同生活が始まった。
共に暮らす中、彼女たちは彼を欺くため自作自演の嫌がらせを。
そうして彼に、彼以外の悪い狼が居ると思わせた。
彼の方はと言えば、元は猟師への復讐をと始めたことなのに、もう一人の悪い狼が現れた事で、いつしか本気で彼女を守ろうと思うように。
彼女との心の距離が近づき、確実に彼女に惹かれた彼に、彼女は「私はあなたを許す」と言った。
罪には罰ではなく、罪に赦しをと。
その後、悪い狼に攫われた彼女を助けに来た彼に、彼らは全てを伝えた。
オオカミは怒っていたけれど、それはオオカミが見捨てられたからではなく、おばあさんの前で孫の振りをしたからでもなく、ただ、親友の自分の前から姿を消した事だったから。
猟師もまた彼に敵意を向けられていると知りながら、そこまで追い詰められた彼をただ案じていた。
また二人から彼の話を聞いていた彼女も、実際の彼に会い、とても彼に惹かれ、心から彼を救いたいと思ったから。
そうしてお姫様の愛と、仲間の友情により、孤独な赤ずきんは救われた。
もう彼は一人じゃない。
愛する人が、大事な仲間が側に居るのだから。
スポンサーリンク