スチームプリズン-7つの美徳-【ユネ・セキエイ】

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HuneXさん、dramatic createさんのPSVita用ソフト「スチームプリズン-7つの美徳-」で高瀬泰幸さん演じるキャラクター、ユネ・セキエイの感想とネタバレをまとめました。

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キャラクター紹介

CVは高瀬泰幸さん。
神官院の神官で、この世界の信仰の象徴。

見た目は16歳くらいだが、400年もの時を生きる不老不死の存在。

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感想

最初は苦手かな?って思ってました。
顔の印象に対し、声に違和感を感じてしまって。

でも、イネスのシナリオで、ユネ様が気になり思い切って攻略してみた所、面白かったです。
乙女ゲームのキャラの感想に面白かったはあれな気がしますが(笑)
シナリオが大変楽しめたという意味で、面白かったと表現させていただきます。

ユネ様自体は、最初の印象と異なり、だんだん傍若無人な聖人に振り回されることが楽しくなりました。
一時はエルトを超えたか?ってくらい好きな時期もありました。
が、シナリオの途中から気持ちが盛り上がらなくて。
割と好きではありますが、すごく好きで終われなかった感じです。

それでも食わず嫌いは良くないな…と教えてくれたのが彼だと思います。
声も、話し方と合ってるかな?と、途中からむしろ好きになりました。

恋を強要してくる辺りは、本当にすごく好きかも?ってなったんですけど、その後が可哀想過ぎて、好きって感じでは居られなくなっちゃった感じです。

ネタバレ

私の身体がどこまでもつか…いつまでおまえを好きで居られるか分からないけど。
私のなけなしの感情はおまえにあげる。

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身寄りの無かった彼は、フェリエの家に迎えられ、アルセンクライムと言う兄弟が出来た。
物作りをしていた養父から、機械の技術を学んだ。
けれどそちらの才能はアルセンクライムの方があるらしく、技師として成長した。
一方彼は鉱石が好きで、その研究に没頭していた。

養父と彼は鉱物を掘りに行く現場で、長くそこの空気を吸い過ぎて体を壊した。
養父は亡くなり、彼も心臓を悪くしたのだ。

そんな彼にアルセンクライムは、神の鉱石とも呼ばれるセキエイを見せてくれた。
作業員がたまたま掘り出したんだと言う。
鉱石が大好きな彼は、それを借りて研究させてもらうことにしたのだ。
いつ終わるかも分からない命。
ならばこの石の研究に捧げよう
…と。

そんな彼の鉱石への深い愛情が、いつしかセキエイにも届いたのだ。
だからセキエイは彼を生かしてくれた。
夢に出て、自分を原動力とする事で、あなたの心臓の代わりになって助ける…と言うのだ。

そうしてアルセンクライムとともに心臓へセキエイを埋め込む際に、その力を補助する機械を開発し、16歳の時に彼はセキエイを心臓に埋め込んだ。
弱った心臓をサポートしてもらうつもりだった。
ちょっとした延命処置だと思った。
けれどある時気付いたのだ。
アルセンクライムはどんどん大人になるのに、全く成長しない自分の姿に。

そう、彼はセキエイの力で不老不死の存在になってしまったのだ。
それはセキエイが彼を愛していたから。
セキエイが彼を死からも遠ざけると同時に、セキエイ以外の愛からも遠ざけたのだ。

そうして世界はあの大洪水を迎えた。
何事かあった場合に…と人々は空高くに上界と言う世界を作っていた。
けれど行けるのは一握りの選ばれし人間のみ。
そんな中、技術者のアルセンクライムは選ばれていた。
家族も同行出来る事になっていた。

ついに洪水が襲ってきたその時、アルセンクライムは残ると言い出したのだ。
妻と子が親戚か残るのなら、上へは行かないと言うからと。
だから彼も残りたかったのに、生きるべきだと上へ行くリフトに乗せられた。

そうしてただ鉱石の研究をしていただけの彼は、上で持て余される存在に。
何も役に立たないからだ。

けれど10年ぐらいが過ぎた頃だ。
人々の心の拠り所として象徴を造ろうと言う話になった。
そこで不老不死の彼に白羽の矢が。
役に立てない自分がやっと役目を得ることが出来る…と思った彼は、傀儡になる事を受け入れたのだ。

そうして400年近い月日が流れた。
上界を作ったばかりの頃、上界を発展させるため意図的に人口増加を目指し制定された『人口統制』は未だに残っている。
彼は未だ16歳の外見のまま、老いることも死ぬこともなく生き続けている。
どれほどの死を見送ってきただろう。

どんなに深く知り合っても、必ず彼だけが残される。
だから彼は他人に興味を持てなくなった。
それどころか今は自分がどうしたら死ねるのか?と言うことばかり考えていた。

そんな時彼女の事件の書類を見つけた。
自分のサインが必要なはずなのに、そこに彼のサインはなく、廃棄書類の中に入れられていたものだ。

不審に思いはしたものの、人間誰しもミスはあると思い直した彼は、その内容に目を見張った。
18の娘が両親を殺害したと言うものだったから。
だから彼女を付き人に指名した。
いつか自分を殺してもらうために。

彼女との契約はこうだ。
期間は一ヶ月。
その間になんとかして彼の命を終わらせることが彼女の任務。
万が一それが果たせなかったら、彼女の人生が終わる事になるのだ。
どう転んでもどちらかの死は免れない契約。

それでも上界に居られれば、自分の無実を証明出来る機会もあるかも知れない…と、彼女はユネの付き人になったのだ。

その後共に下界へ行った事から、二人は急激にその距離を縮めたのだ。
下界視察は今までも何度か来たことはあった。
けれど塀の外の本当の下界へは出たことがなかったのだ。
自分が置いてきてしまったものへの罪悪感から、ずっと様子を見に行けなかった。
行きたいと思った事もないわけではないが、付き人で塀の外へと付き添ってくれるものはいなかった。
彼女だけがそれを彼女にしてくれたのだ。

そのお陰でアルセンクライムの子孫とも会う事が出来た。
だから彼女が特別な存在に思えるようになった彼だったが、その頃から彼の心臓が痛み出した。
そうして倒れた時、セキエイの声を聞いた。
自分の愛を拒み、ほかのものを愛そうとするからだ…と。
あなたの代償は人に私以外に愛されない事なのに、私以外を愛そうとすると、私の愛を拒むと、あなたを生かす力が弱まると。

けれど彼には好都合だった。
長過ぎた人生の幕を下す事を望んでいたのだから。
そうして胸の痛みを研究した結果、彼女を想うと痛むと気づいた彼は、彼女と恋をしたいと言い出したのだ。
この痛みが続けば、命が尽きるかもしれないから。
そのために協力してほしい
と。

そうして二人は恋人に。
初めこそ困っていた彼女だったが、彼女自身も彼の聖人らしからぬ言動に心惹かれていたから。
次第に複雑な気持ちになってしまった。
彼の意思を尊重するなら、人生を終えさせるべきだけれど、彼に死んでほしくもないと思うから。

そうして彼は彼女が笑顔を見せると胸が痛くなる事から、彼女の無実の主張を信じ、議長のウォーナーに事件の再調査を依頼した。
所がウォーナーは彼女の事件の首謀者であるため、彼は排除される事となった。
聖人と崇められてはいるが、実権を握っている訳ではない。
ただの偶像に過ぎない彼に、抵抗するすべはなかった。

排除の方法は、緊急会議を開き彼が特定の女性に恋心を抱いている事を罪とし、断罪するもの。
上界では人口統制のためと何百年も前に作った政府の決めた相手と婚姻し、自由恋愛を禁止する法律が、今も生きているから。
そうして彼をその罪で罪人とし、下界へと送ったのだ。

その頃彼女もまた元婚約者で、ウォーナーの息子のフィッツジェラルドに「君の両親殺しの真犯人が見つかった」と呼び出され、そこでフィッツジェラルドが犯人である事を告げられた上で、彼女の両親の命を奪ったナイフで刺されてしまった。
そうしてまた彼女も下界へと送られたのだ。

彼女はすぐに保護地区でイネスに保護され、エルトやウルリクに助けられた。
けれど聖人なのに罪人となった彼は、HOUNDSのリーダーのザクセンにより、保護地区へと案内される中、そこの住民に石を投げられた。
普段ならセキエイの力で、誰も彼を傷つけられず、自らが傷つくのに。
セキエイの力は弱まり、もう彼への害意を跳ね返す事が出来なかった。
だから投げられた石で傷を負い、それを見たほかの住民も、「不老不死だと騙していたのだ!」と一斉に彼に襲いかかり、殴る蹴るの暴行を受けてしまった。

常人なら死んでいるほどのケガ。
けれどセキエイの力で生き延びた彼は、HOUNDS内の診療所へと運ばれた。
そこでグリッサードの実験材料として扱われる事に。
グリッサードは、廃棄処分される不要とされた子供のパーツで作った娘を、蘇生させたいと願っていて、その実験に不老不死の彼の体を利用したかったのだ。

そうして沢山の管に繋がれて、沢山血を抜かれ、グリッサードのおもちゃのように扱われた彼。
ボロボロの状態だったが、彼女の事が気がかりで生きたいと思ってしまう。
あんなに死を望んでいたのに。
彼女が無事か幸せか、それを確認しなければ…と思っていたのだ。
そこにウルリクと彼女が現れ、彼を助けてくれた。
途中グリッサードに邪魔されそうになったものの、グリッサードとともに現れたフィンが、彼女に力を貸してくれたことで、無事にHOUNDSの施設を出られたのだ。

そうしてウルリクの隠れ家でもあるフェリエの書庫に匿われた彼は、そこでアルセンクライムの残した鍵を手に入れた。
それは彼の心臓を動かす補助をしている機械の鍵で、それを回すことで機械は動きを止める。
そして初めて、彼はセキエイの力を借りずに、自らの心臓の力で生きる事になるのだ。

回したのは彼女。
彼女が鍵を回した事で、彼のこと胸からは機械の音は聞こえなくなった。

私は元から心臓が弱かったから、セキエイの力を借りなければ、明日死んでしまうかもしれない。
10年後かもしれない。
いつまで生きられるか分からないけれど、私と生きてくれるか?
お前が好きなんだ。

そんな彼の想いを受け入れた彼女は、「どれだけ長く一緒にいたかじゃないと思います。一緒にいる間に、ステキな思い出を沢山作れれば、それが短い時間だとしても幸せだと思います」と。

そうして二人はエルトの保護の元、下界で新たな人生を歩む事に。
彼の希望は玩具屋だった。
その資金はヴァーレンティン銀行が融資してくれると言う。
いつか誰かが笑顔になってくれる、そんなおもちゃをひっそりと作って生きていく事が、今の彼の夢。
そしてその隣には、彼女に笑っていてほしい。

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だからおまえも私に心を預けてよ。
私が死ぬまで、私を愛して。

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