黒蝶のサイケデリカ【緋影END】

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黒蝶のサイケデリカ - PS Vita

キャラクター紹介

CVは石川界人さん。
館で目覚めたヒロインが最初に出会った人物。
メンバーの中でもリーダー的存在で、とても頼りになる人。

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感想

まぁ、色々知ってしまうと、そう絶賛出来る人ではない部分もあるのですが、それも彼にも事情があるので、仕方ないのかな?と思います。

そんな緋影くんですが、苦手だなって思っていましたが、いい人でした。
ちゃんと彼の素敵な所、見ることが出来て良かったですし、館の謎、万華鏡の事も知ることが出来ました!

そして、一番嬉しかったのは、可愛くて堪らないウサギちゃんと仲良くなれたことです。
女の子はメンバーの中には居なかったので、二人でお茶したり恋の話をしたりが、なんだか幸せに感じました。

ゲームのタイトルの意味なんかも、緋影くんのルートで知ることが出来ました。

そして、ある意味報われているエンドで良かったです。
彼とは本当に違う形で出会いたかったなぁ…と、そんな風に感じたエンドでしたが、綺麗に終わってくれて満足です。
そして、全体的に凄く感動しました。

石川さん、素敵な緋影くんをありがとうございました。

ネタバレ

山都が化け物となってしまった夜、館の謎を解きたい…と彼の元を訪れる話。

館の主と話をした事で、ますます万華鏡や館について知りたくなった彼女は、主につかえているウサギに訊ねる事で、わかるかもしれない…と考えた。
けれど食材を届けてくれるときも、ウサギは彼女たちに顔を見せない。
だから届けてくれたかごを返す際に、手紙を入れるようになった彼女。

けれど、それは一方通行のまま。
それでも他に手段もない為、手紙を書き続けていたある日、夜に一人で出て来て欲しい…とウサギから返事が。

案内されたのはウサギの部屋。
おもてなしを受けて話をしたものの、肝心の謎については聞けずじまい。
けれど男ばかりのメンバーの中、唯一の同性であるウサギと女友達になる事が出来たのだった。

以来、二人は夜に秘密のお茶会をするように。
そうして野菜の籠の手紙のやり取りも続けた二人は、次第に仲良くなり、そんな彼女が緋影の様子を気にしている事に気づいたウサギ。
紅百合さん、それは恋ですよ!」なんて茶化しながらも、ウサギは教えてくれた。
自分がカズヤだと言い張っていた緋影は、本当はカズヤではないという事を。

そう、彼がこの館の主。

ウサギは、この館が現実世界にある頃、この館で両親に愛されて育った。
けれど彼女は生まれながらにして、病弱だった。
そんな彼女のもとに、ある日父が男の子を連れて来た。
彼は妾の子で、「お前の兄さんだ」と紹介されたのだ。
それが今の館の主で、みなにカズヤだと嘘をついている緋影だった。

いつも一人だったウサギ。
体が弱い彼女は、外に出て同じくらいの年の子と遊ぶ事もなく、ただ本だけが友達だった。

だから嬉しかった。
突然兄が出来た事が。
嬉しくて嬉しくて、ウサギはすぐに兄と仲良くなった。

また兄である緋影も、ウサギをとても可愛がった。
ウサギだけが彼の救いだったから。

みんな打算ばかりで、そんな勝手な大人達の思惑の為、こんな所につれて来られた。
来た所で、妾の子である自分は正妻であるウサギの母によく思われるはずもなく、意地悪もされていた。
そんな中、ウサギだけが彼を慕ってくれた。
なんの打算も裏もなく、ただ純粋に兄として。

そうして二人はいつも一緒に過ごすようになった。

そんなある時、ウサギは両親が夫婦喧嘩をしているのを耳にしてしまう。
妾の子を育てさせられる屈辱を訴える母に、「娘はもう先がないのだから仕方がないだろう」と言う父。

彼女は知らなかった。
医者が、自分の命はもう長くないと診断していた事など。
そしてその為に兄がここに呼ばれ、母に快く思われて居なかった事も。

知らなかったその事実にひどく心を痛めたウサギ。
自分の命が短い事も、大好きな兄が母に疎まれている事も、とてもショックだったから。
だから彼女はどんどん病状を悪化させてしまった。
あまりにショックな出来事が、彼女の体を蝕んだのだ。

そんな時、父の事業がうまく行かなくなり、カバーをする為に兄も外に駆けまわるように。

彼にとってウサギだけが心の拠り所だったように、ウサギもまた、兄は独りぼっちの生活の中やっと出会えた大切な人だった。
だから篤くなる病の中、ずっと待っていた。
ただ兄に会いたくて。

そうして妹の元に行けずに居た兄も、また妹の事を思っていた。
資金繰りが上手くいかない中、ウサギの体調を意地している舶来の薬はとても高価で、今の彼の家の現状では、手に入れる事が難しくなっていたのだ。
それでもその薬がないと、妹が生きて行けない…と、彼は必死に駆け回っていた。
親戚中を金の無心に。

妾の子だと蔑まれ、嘲笑われ。
それでも構わなかった。
妹を助けられるのなら。
だって、こんな酷い世界の中で、妹だけが彼の救いだったから。
だから彼は土下座をし、必死に頼む。
どうか妹を助けるお金を貸してください!」と。

そうして約束を取り付けて、やっと館に戻る事が出来た彼。
所が彼がその約束を取り付けるのにあまりに時間がかかりすぎていた。
ウサギが衰弱してしまう程に。

ゴメンな、遅くなって。でも、心配ないよ。もうすぐ薬は届くから
そう言って彼女の傍でお金が届くのを待った。
けれど待てど暮らせどお金は届かない。
結局届かないお金を待つ中、ウサギは一人天に召されてしまった。

そうして彼は気づいたのだ。
あぁ、僕は親戚に騙されていたんだ…と。

彼は世の中のすべてを恨んだ。
自分からたった一人の大切な妹を奪った親戚たちを恨んだ。
そうしてどんな事をしても妹を取り戻す!…と無茶な事を考えるようになってしまった。

だって彼女だけが彼の心の支えだったから。
あの子が居ない世界になんて、用はない。

そうして集めたお金を使い、彼はありとあらゆる呪具や、魔法に関する本などを集めた。
色々な事を調べ、ある時死者を生き返らせる事の出来る万華鏡の話を耳にしたのだ。
その万華鏡を湖に映しだすと、そこに現世と常世の入り口をつなぐ事が出来ると。

彼はすべての財をはたき、それを手に入れた。

そうして万華鏡を完成させた満月の夜。
彼は万華鏡を叩き割り、自らの頭を銃で撃ち抜いてしまった。

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元々狭間の世界など存在しなかった。
所が彼がウサギを取り戻そうと、万華鏡を使用し、その途中で万華鏡を叩き割った事により、空間が歪んでしまった。
歪んだその空間が、館のあるあの狭間の世界を創り出したのだ。

けれど当の彼はといえば、そんな事は忘れてしまっていた。
でも、彼女が見つけた外国の絵本がキッカケで、彼は思い出してしまう。
だって、それは彼がウサギによく読んであげていた絵本だったから。

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それは二匹の蝶の話。
白い二匹の蝶はとても美しくとても仲良しで、いつも一緒に過ごして居た。
ある時、一匹の蝶が死んでしまい、白い蝶は絶望してしまった。

そうして落ち込んでいるその蝶に、旅人は教えてくれた。
サイケデリカに行きなさいと。
サイケデリカは会いたい人に会える場所。
だからそこに行く事が出来たら、君は会いたい人に会えるかもしれないよ
…と。

その話を聞いて、白い蝶はひたすらサイケデリカを目指す。
とても遠いそこにはなかなか辿り着かず、何度も砂の上に倒れ、泥の上に倒れ、自慢の美しい白い羽根は、いつしか真っ黒になってしまった。
それでも黒い蝶はただひたすら会いたい人の為に、サイケデリカを目指した。

そうしてついにサイケデリカにたどり着く事が出来た黒い蝶。
けれど彼はサイケデリカの入り口で気づいたのだ。
変わり果てた自分の姿に。

あぁ、もうあの頃の自分じゃない。
こんなにも真っ黒になってしまって、きっと会えても誰なのかもう分からない。

そうして変わり果てた自分の姿を見せる事が躊躇われた黒い蝶は、再び来た道を引き返した。
そうして砂の上に倒れ、その生命が尽きてしまった。

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すべてを思い出した彼は、黒い蝶の気持ちが分かると。
もうあの子には会えない、あの頃の僕じゃないから…と。

でも彼女は言った。
自分なら嬉しい。
来てくれたなら、会いたい。
例え白い蝶が黒に変わってしまっていても、絶対に会いたかったあの人だって分かるから
…と。

ウサギを思うあまり、黒く濁ってしまった自分の心。
それでも彼女は会えたら嬉しいし会いたいという。
そんな彼女の思いに、心を打たれたもののそれを認めたくなくて、彼女を銃で撃とうとした。

所がその時、ウサギが彼女をかばい撃たれてしまった。
彼の放った弾丸に。

一度天に召されたのに、彼の術により一番会いたいと思っていたウサギが、天からこの狭間の世界に引き戻されてしまったのだ。

彼女がウサギのお面をしていたのは、記憶を失っていた兄が、自分の顔を見て苦しんだ事があったから。
彼を苦しめず傍に居る為に、ウサギはお面をつけたのだ。

そうして倒れたウサギの希望により、彼女はウサギのお面を外した。
そこから現れた妹の顔を見て、彼は絶望してしまう。

会いたくて会いたくて、こんな世界まで作ってしまったのに。
その会いたかった人はすぐ傍に居て、その事も気づく事も出来無いまま、僕は再びあの子を死なせてしまった
…と。

けれで、そんな彼にウサギはとても感謝していた。
いつも一人で寂しかった自分を救ってくれたのはお兄さまだから、ありがとう…と感謝の気持ちを残して、彼女は白い蝶となり、天に飛んで行ってしまった。

そんな妹と彼女に心を救われた彼。
彼の思いが創った世界だからだろうか?
これが心救われた事をキッカケに、狭間の世界は崩れ始めてしまった。

気づいた時には一人病室に居た彼女。
タクヤもカズヤねアキはまだ目を覚まさないまま。
自分一人だけが目覚めてしまった。

だから彼女はみんなの為にと、一人あの湖へと向かった。
ナツキ、ウサギ、そして大切な人となった彼の為に。

そうして湖に花を手向けた帰り道、小さな女の子と、その兄が彼女の傍を駆けて行った。

出来る事なら、こんな狭間の世界でなく、現実の世界で君に逢いたかった。

いつか館で聞いた彼の言葉。
彼は裏切られた親戚を皆殺しにし、自らも命をたってしまったのだが、もしもあの時君が傍に居てくれたら、きっと違う道を選べただろう…と言っていたのだ。

彼女もまた同じ事を思った。
狭間の世界でなく、彼が孤独と戦ったあの世界で彼に会いたかった…と。
傍に居たかった…と。

そんな彼女の願いが通じたのだろうか?
さっきすれ違った兄弟は、ウサギと彼だったのだ。

ただすれ違っただけ。
でももしかしたら、今度は違う形で出会える事になるのかもしれない。
だって二人は、あの日あの館で、深く心を通わせたのだから。

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