MatatabiさんのPDVita用ソフト「神凪ノ杜 五月雨綴り」で興津和幸さん演じるキャラクター、市丸の感想とネタバレ(あらすじ)をまとめました。
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キャラクター紹介
※「神凪ノ杜 五月雨綴り」は乙女ゲーム制作ブランド『Matatabi』の作品です。
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CVは興津和幸さん。
よろず妖屋のリーダー的存在。
無口で一見怖そうに見えるが優しいところも。
彼女の祖父には恩を感じているようだ。
感想
切なかったです。
終わり方もすごく切ないです。
でも、個人的には逆にそれが良かったかな?とも思います。
ご都合主義のハッピーエンドも好きです。
でも、全てをそうしてしまわない所もまた、この作品の良作たる所以なのかな?と思います。
幸せとは複雑で、人から見たら切ないだけに思えても、当人たちにとってはそれが幸せだと言う場合もあるもの。
この形は見る人によっては切ないエンドかもしれません。
でも、きっと主人公と市丸にとっては、幸せなものだったのかな?と思いました。
そう思いたいです。
だからそう思えるような解釈の元、ネタバレを書かせていただきました。
もともとは感想が書きたかったからブログをはじめました。
ただ書いてみたら、私は感想を書く事が大変下手だと気づきました。
そしてダラダラと印象に残ったシーン、感動したシーンについて語ってしまうのです。
ならばその感動した、印象に残ったシーンをまとめる事で、私がこの作品のどこに心を惹かれたのかを伝えよう!…と考え、現在に至っています。
ですので、今回の仕上がりも感想を求めて来られた方には、物足りないかと思います。
その不足分はネタバレに込めました。
私なりの解釈で、私の感動した部分をまとめたものがネタバレです。
そこから感想も察して頂けると嬉しいです(笑)
…とひどく他力本願な感じで申し訳ないです。
切ないけど美しい。
互いを思う気持ちが、共にある時間が。
そんな気持ちが伝わりますように。
ネタバレ(あらすじ)
似ているのではない。
俺もお前も『市丸』だ。
記憶のない男
彼女が南条の家に越してきて、最初に知り合った妖憑きは彼だった。
どこか威圧感を感じる佇まいと、無口で無表情である事から、初めは怖いと感じていた。
けれど何度か依頼をこなすうちに、怖さを感じる事はなくなった。
親しくなり、共に囲碁の対局をするようになった2人は、よく話をするようになった。
そこで初めて知ったのだ。
彼に記憶がない事を。
侵食を起こした所を彼女の祖父に助けられたと言う彼。
通常禊を行うと思い出のような記憶は失うものの、人が生きていく上で必要な様々な記憶は残るのだ。
所が彼は例外で、すべての記憶を失った。
だから今でこそ普通に暮らせるが、南条に来た10年前は人並みの生活もままならなかった。
そんな彼を助けてくれたのが、彼女の祖父だ。
だからとても恩を感じていた。
彼女の祖父の辰蔵に出会えなかったら、どうなっていたか分からない…と。
だからよろず妖屋の仕事も、彼女の祖父に代わり中心となってこなしていた。
その恩に報いるために。
遠麿
村長の家から、宝物が盗まれたから探して欲しい。
ある日よろず妖屋にそんな依頼があった。
担当する事になったのは、彼と彼女と日向の3人。
3人で村長宅を訪ねると、依頼は村長の母の藤子からだった。
体調を崩し寝込んでいるとの事で、藤子の元へと詳しい話を聞きに行った。
そこで狸のような妖が宝物を持って行くのを見たと話してくれた。
宝物はうさぎのぬいぐるみ。
逃げた方角を頼りに探しに出た所、そこで藤子の話の通り、遠麿と言う名前の狸の妖と出会った。
遠麿はあまり賢くはなく、いつも他の妖に虐められていた。
たまに遠麿の姿が見える人間が居て、遠麿と友達になってくれる事もあったのだが、遠麿は不死の妖。
人間の一生は遠麿にとっては、呆気ないほど短かった。
だからいつも1人になってしまう。
寂しくなってしまう。
そうしてある時遠麿は気づいたのだ。
死なないし居なくならない友達を見つければいい…と。
そうして遠麿は人間の家から人形やぬいぐるみを盗んでは、友達として側に置くようになったのだ。
持ち主に返して貰えはないか?と頼んでは見たものの、友達を奪われるのは嫌だと受け入れて貰えなかった。
何より遠麿のこれまでの人生を思うと、うさぎのぬいぐるみを返して貰うのは酷な気がしてしまった彼女。
だから彼に頼んだのだ。
藤子さんに話して、許可を貰えたらぬいぐるみはこのまま遠麿くんに預けてもいいでしょうか?と。
元々彼女はよろず妖屋の仕事でも、依頼人や事件に関わった妖に深入りし過ぎる傾向があった。
その事はよく彼からも注意されていた。
けれど彼も呆れたような言い方ではあるものの、彼女の提案に反対する事はなかった。
そうして藤子の許可も貰い、晴れて遠麿はぬいぐるみと過ごせる事となった。
そんな心優しい彼女とのやり取りの中、遠麿は「文乃様に似てる」と彼女に言った。
文乃とは昔遠麿が好きだった人間で、巫女だったと教えてくれた。
大好きだったが、数百年前の洪水で亡くなったと。
しかしその洪水では、雨月村では南条家の加護により、死者は出なかったと伝えられていた。
おかしいな?と感じながらも、数百年もの時が流れる中、多少間違って伝わる事もあるだろう…とそれ以上文乃について気にするのをやめてしまった。
不吉の前兆
雨月村付近に黒雨が現れた。
そんな情報が入り、彼女の祖父は彼を呼んだ。
そうしてよろず妖屋全員にではなく、彼一人に黒雨退治を頼んだのだ。
その時たまたま祖父の元を訪ねていた彼女は、その話を聞き、違和感を感じずには居られなかった。
なぜ市丸さんだけなの?と。
黒雨は不死の妖で、とても強いと聞いている。
対処にあたるのなら、全員で行った方がいいと思ったのだ。
だから彼にも「どうして市丸さん一人で…」と話をしたのだが、彼は「辰蔵さんには恩があるから」と自分がやると言うのだ。
以来雨が降ると彼は黒雨探しに出かけてしまい、週末のよろず妖屋の仕事も、雨であれば黒雨優先となった。
そうしてある日、彼との恒例の対局の際に、三コウが出来てしまった。
囲碁の対局で三コウとなるのは、何千回に一度あるかないかと言われており、不吉の前兆なのだと言う。
現に織田信長も、本能寺の直前に見ていた対局で、三コウを見てしまい、その後本能寺で命を落としたのだ。
だから明日雨が降ったら…ととても不安だった。
けれど彼は「そんなの迷信だ」と言って取り合わない。
彼女に余計な心配をかけたくなかったのだ。
そうして雨は降り、彼は黒雨探しに出かけ、翌日も戻らなかった。
だから怖くなってしまった。
何かあったのでは?と。
だから買い出しを買って出て、気分転換に外に出てみた。
ところが雨でぬかるんだ道を歩いて、余計に気分は滅入ってしまった。
そんな時背後から獣の気配を感じた直後黒雨に襲われた彼女だったが、危うい所で彼が現れ助けてくれた。
そこまでは良かった。
しかしその直後黒雨は狐型から人型へと姿を変えた。
日向のように。
その姿が、彼と瓜二つだったのだ。
ただ一つ違うのは、色素が薄い白髪の彼に対し、黒雨は黒髪だと言うことだけ。
そうして黒雨は彼女を「文乃」と呼んだ。
さらに似ている事に驚く二人に、「似ているのではない。俺もお前も『市丸』なのだ」と言うのだった。
文乃と式妖
黒雨の腕を焼き、全身を炎で包んで後退させた彼。
けれどその直後黒雨と同じ痛みが彼を襲った。
その痛みが、紛れもなく二人は同じものだと証明していた。
そして黒雨は言っていたのだ。
「俺を殺せばお前も消える」と。
だから彼を休ませた彼女は祖父の元へと向かった。
文乃の事や彼の事、そして黒雨の事を聞かなければと思ったから。
祖父の話はこうだった。
文乃とは数百年前の洪水の時の南条の巫女で、市丸はその式妖だった。
そして文乃はあの洪水で命を落とす直前、市丸を封印したのだ。
しかし辰蔵は娘の早苗を助けたくて、その封印を解いた。
そうして黒雨が生まれた。
彼はその黒雨から魂を分けたもう一人の市丸。
だから辰蔵が彼と出会った時に、全ての記憶を失っていたのだ。
自分が文乃の式妖であった事も。
黒雨と魂を半分に分かった者だと言う事も。
そして生きるのに必要な様々な事も。
まるで赤子のように。
だから祖父は魂を2つに分けた短剣を使おうと思ったのだ。
その短剣の力があれば黒雨を倒せると。
そしてその事で、彼が消える事も知っていたのだ。
ひどいと思った。
消えると知りながら、彼に黒雨退治を命じるなんて。
だからショックで祖父の部屋から飛び出すと、そこには話を聞いていた彼がいた。
そうして一人屋敷を出て行ってしまったのだ。
優しい封印
慌てて彼を追いかけた彼女。
そうして彼を呼び止め、黒雨に逢いにいくのですか?と尋ねた。
するとそうだと答えた彼は、こうしている今も誰かが侵食で命を落としているかもしれない。
だから黒雨は倒さなければならないのだと言う。
でもそれでは彼が消えてしまう。
彼のいない世界なんて考えられない。
それほどに彼女は彼に惹かれていた。
だから必死で止めた。
そうして黒雨の元へ行く前に、遠麿の所へ行こうと誘った。
遠麿もまた不死の妖で、長い時を生きている。
文乃の事も知っていた。
だから遠麿に聞けば、何か別の方法も見つけられるかも知れない…と。
そうして分かったのは、『市丸』は妖の親分だった事。
そして自ら文乃の式妖になった事だった。
結局他の方法を見つける事は出来ないまま、彼の決意は変わらず、そのまま二人で黒雨の元へ。
そして彼は自らが消える事を知りながら、能力の炎を使い黒雨を倒した。
倒れた彼に駆け寄った彼女は、苦しむ彼が間もなく消える事を悟った。
けれどそう簡単に諦められない。
彼を愛しているのだ。
だから祖父の部屋から持ってきてしまった短剣を使う事にした。
彼がその昔彼と黒雨と魂を二分したように、彼女自身の魂を彼に半分分け与える事で、彼をこの世界に繋ぎ止めようと考えた。
出来るかは分からない。
でも何もしなければ彼を失う事になる。
ならば一か八かでも構わない…と自らに短剣を突き刺した。
すると彼の過去が見えた。
市丸は妖の親分で、半分人間の妖だった。
彼女と知り合い互いに惹かれていた。
けれど南条の人間は、彼女が市丸と会う事を快く思わなかった。
それを知った市丸は、自ら彼女の式妖となった。
そうすれば南条の者が二人を引き離そうとしても、ずっと一緒に居られるから。
そうして二人はずっと一緒に居られるようになったと思ったのに。
彼女は大洪水の人柱となる事になってしまった。
それを聞いた市丸は、怒り狂った。
南条のやつを全員殺してやる!と。
そうして彼女の命を救いたかったのだ。
そうなると彼女は知っていたのだろう。
怒る市丸を封印する準備をしていた。
そうして彼が人を殺してしまわないように、彼女は彼を封印した。
「市丸、私の事は忘れてね。あなたが私を忘れたら、この封印は解けるから」
ただ封印した訳じゃない。
守るための封印。
そして彼女の事で彼が悲しまないように、彼女を忘れたら解ける優しい封印だった。
この命尽きるまで
目覚めるとそこには彼がいた。
一か八かの賭けだったが、彼女の魂は二分され、彼をこの世に繋ぎ止める事に成功した。
彼女のした事を知った時、彼は凄く怒っていた。
そうだろう。
大切な人だから、そんな命の危険を犯して欲しくなかったのだ。
けれど彼女の無茶のおかげで今がある。
共に過ごせる時間がある。
けれど彼女は妖は見えるが、普通の人間だ。
人間の寿命などたかがしれている。
それを二つに分けてしまったのだ。
二人とも後どれくらい生きられるか分からない。
ただ分かっているのは、魂を二つに分けた事で、なんとか二人ともこの世に繋ぎ止められたものの、相当消耗していると言う事。
以来体はだるく、気づくとウトウトしてしまうのだ。
彼も彼女も。
だからそう長い時間は残っていないと互いに感じていた。
それでも突然二人の時間が終わる事を回避して、今がある。
出来る限りそばにいて、色んな事を二人でする予定だ。
残り時間は分からない。
明日終わるかも知れない。
一年後かも知れない。
もっと長いかも知れないし、もっと短い可能性だってある。
それでも共にある今を大事に生きる。
二人にとって大事なのは、その長さではない。
ただ二人で在ると言う事なのだから。
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