ハイリゲンシュタットの歌【ヴィッセ】

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ハイリゲンシュタットの歌 - PSVita

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キャラクター紹介

CVは岡本信彦さん。
シャル王立楽団に所属のピアニスト。
ファルガーの力を持ち、武器はピアノが鎌に姿を変えたもの。
五線譜の一人。

劇場で生まれ、劇場で育った彼は、五線譜の中でも一番長い期間を楽団で過ごしている。

猫が大好きだが、なかなか懐いて貰えない。
ソプラノの事は、猫の餌として認識しているが、意外と波長があう様子。

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感想

まず声を聞いた瞬間に「これは私の大好きなタイプの岡本さんだ!」と興奮しました。
ポゼマゼの時の淡々とした感じが、本当に好きでしたので、またこんなタイプの岡本さんに出会えて本当に良かったです。

最初の繊細で神秘的な雰囲気が、いつしか不思議ちゃんに(笑)
でも、それはそれで、なかなか面白くて可愛くて、そんな所も好きだなって思いました。

彼の抱えて居た闇は、だいたい想像出来ましたが、生い立ちとか、衝撃でしたね。
でもその生い立ちの真相がわかると、お母さんは本当はどんな人で、どんな気持ちだったのかも分かり、すごく感動しました。

可愛い不思議ちゃんな彼なので、後半の変わりように驚きましたし、やっぱり岡本さんの演技凄かったです。

みんなが彼を気にかけてる様子も、見ていて微笑ましかったです。

個人的好き嫌いの話をするならば、どちらかというと個別ルートよりも共通ルートの時のヴィッセの方が、好きかな?って思いました。
でも、とても感動するシナリオで、プレイして良かったです。

岡本さん、素敵なヴィッセをありがとうございました。

ネタバレ

母さんのお陰で、俺は、今ここに居られるんだね。
みんなに出会えたんだね。

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正しい音楽を守る。
王立楽団は、その為なら手段を選ばなかった。
そして、そんな楽団のやり方の犠牲になった家族が居た。
それが彼の家族。

彼の母のカヤは楽団のピアニスト。
美しく繊細なピアノは、けれどカヤらしい優しさや温かさの混じる音色で沢山の人々を魅了して居た。

そんなカヤだったから、楽団はカヤを手放したくなくて、劇場に閉じ込めた。

けれど明るく奔放なところのあるカヤは、時折勝手に劇場を抜け出して居たのだ。
そんな時、カヤはトリスタンと出会った。
迷子のカヤを助けた警察官として。

そうして二人は恋に落ち、カヤのお腹には新しい命が。

けれど楽団にとって、大事なのはカヤのピアノだけだから。
カヤの恋人も子供も邪魔なものでしかなかった。

邪魔だ。
排除する。

そんな楽団の言葉に、トリスタンはチラシを作った。
私の家族を助けて下さい!と。

けれど楽団の音楽はシャルの人々にとても愛されて居たから。
誰もトリスタンの声に耳を貸してくれるものはなかった。

そうして引き離された二人。

けれどカヤには赤ちゃんが居たから。

私は一人じゃない。
お腹にこの子がいる。

だからカヤは交渉した。
どうしてもお腹の子だけは産みたいと。

そんなカヤに、カヤを超えるピアニストに育て、楽団でピアノを弾かせる…と言う条件で、子供を産むことを認めて貰えたのだった。

でもそれは形だけ。
楽団はカヤに十分な休息を与える事もなく、来る日も来る日もカヤを酷使して舞台に立たせ続けた。
それはとても出産に向いた環境とは呼べなかった。

そうしてお腹の子は命を落とした。
生まれてくるその前に。

でもカヤにはファルガーの力があったから。
その力を使い、自分の一部から、彼を生み出したのだ。
ピアノの才能も、ファルガーの力も、何もかもを息子に与えて。

そうして息子が楽団から排除されないようにと、必死にピアノを教えたのだ。
もう声も出ない、自分ではまともにピアノを弾く事も叶わない。
それでも愛する息子の未来を守る為、抱きしめたいのに厳しく、愛の言葉を紡げない代わりに、愛のムチで彼を育てた。

そうして彼が母を凌ぐ一流のピアニストになった頃、カヤは楽団に排除され命を落とした。

一方、カヤと引き離されたトリスタンも、モスクワに転属になった後、警察の介入を許さずやりたい放題の楽団に介入できるようにと、必死に出世を目指し、ついに警視総監となりシャルへと戻ってきて居た。

シャルを離れている間に、子供が生まれる前に亡くなった事も、それでもカヤが生んだ事も調べて居たトリスタンは、母を忘れず、楽しむ事なく音楽を奏でるように、ただ完璧な音楽を奏でるようにと息子を追い詰めた。

だって、彼の演奏が完璧じゃなければ、カヤが必死に守った彼の命をも楽団に奪われてしまうと思ったから。

母の想いも、父の想いも、幼い彼は上手に理解出来ないまま、愛されたいのに愛されなかったと、心を闇を抱えてしまった。

そうして彼の抱えるその闇はついに暴走し、音の喪失事件の鍵を握ると思われる忘却の使徒をも飲み込み、彼を除く残りの四人の五線譜までをも消し去ってしまったのだ。

五線譜たちがたどり着いた無の世界。
けれどそこに彼が出産を見守り、子供の里親探しまでして世話をして居た母猫が現れ、五線譜達を元の世界へと案内してくれた。

無の世界から戻った五線譜達は、彼女と力を合わせ、彼を救った。

彼の闇は悪いものではなく、ちゃんと生まれて来られなかった時の悲しみを閉じ込めたまま泣かなかった事で、生まれた闇だったのだ。

そんな彼に産声を上げさせたのは彼女。
そして彼女は彼の母がつけて居た、彼の成長記録の音から読み取った、カヤの想いを伝えた。

どれだけ彼を愛して居たか。
どれだけ彼の未来を案じて居たかを。

そして彼は理解した。

母さんが自分を犠牲にして俺を生んでくれたから、俺は支えてくれる仲間と、愛する彼女と出会う事が出来たんだと。

劇場は彼の家。
楽団は、五線譜のみんなは彼の家族。

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たくさんダメな事もすると思います。
その時はちゃんと叱ってあげてください。
でも、嫌わないであげてください。
そして家族にしてあげてください。

…と、彼は猫の里親を探した時と同じ言葉を大切な仲間へと伝えた。

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