ハイリゲンシュタットの歌【ハルト】

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ハイリゲンシュタットの歌 - PSVita

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キャラクター紹介

CVは小野友樹さん。
王立楽団の指揮者。ファルガーは、指揮棒が剣に姿を変える。

真面目であまり冗談が通じない。
冷たそうに見えて、実は面倒見のいい人。
ソプラノの扱いに一番容赦がない(笑)

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感想

攻略制限はないものの、他の五線譜よりも真相要素が強いので、一番最後に攻略するのがおススメです。

アルシェさんの時に、ハルトさんの幼少期の様子が描かれていて、彼がなぜ演奏しないのか?
気になっていたそれも、彼のルートでスッキリです。
スッキリですが、とても音楽を愛してるので、演奏させてあげたい気分に。

ソプラノのこれまでの人生も見えて、それも良かったですし、ハルトさんと主人公は出会うべくして出会ったんだなって思えました。

そして他の人のルートでも、「お前の力は…」とか、よくソプラノが言っていたのですが、それについても…と言うか、主人公について思いがけない事実も見えて、なぜ攻略制限ないのか、ちょっと不思議なくらい(笑)

全体的に他の人のルートよりも全てがしっくりとした終わり方かな?って思えました。

怪しげだったあの人も、やっぱり怪しかった訳ですが、どうしてそうなったのかも聞けて怪しげなその人にも同情の余地ありだなって思えました!

個人的な好みの話になると、ちょっとハルトさん一人に一週間以上かかったので、好きとかそう言う感情より、やっと終わった感が強くて(笑)
ハルトさん自体は悪くないし、普段なら結構好きそうなタイプなのに、やっぱり他の人の方がより好みで、薄れてしまった感じです。

でも、真相を知る意味では大事なルートなので、ぜひ攻略してもらいたい人です。

小野ゆーさん、素敵なハルトさんをありがとうございました!

ネタバレ

俺の身体の中には、ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの力が宿っている。

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色々忘れてしまったので、覚えていることをつらつらと。

音の消失事件の黒幕は、ファタリテートの指揮官アイゼン。
彼はその昔、ヒドイ戦争に身を投じ、やっとの思いで生きていた。
もう戦況がどうなのかも分からない中、飲むものも食べるものもなく、必死だった彼は、一人歌を歌う少女を殺し、その少女から水を奪った。
もう戦争は終わっていたのも知らぬままに。

そうして彼は後から気づいた。
その少女はかつて自分が世話になった人の娘だった事に。
歌の大好きな少女は、彼によく歌を聴かせてくれて、戦地に赴く際にも「気をつけて」と声を掛けてくれた優しい子だった事に。

生きるためだった。
ただ、その為に必死だった。

けれど彼は歌の好きだった少女から、音楽を命を奪ったと言う事実に、どこかが壊れてしまったのかも知れない。

俺がこんな思いをしている間にも、音楽を楽しんでいる奴らがいる。音楽が人を堕落させ、だからこんな戦争が起きるんだ。
そう、全ては音楽のせいなんだ。

そうして彼は忘却の使徒を利用し、シャルから、世界から、音楽を消し去ろうとした。

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ハルトは、ヒドイ戦争で両親を亡くした。
街は壊滅状態で、一人きり生き残った彼は、いつ死んでもおかしくなかった。

そんなひとりぼっちの彼は、壊れたピアノを見つけた。そしてそこに言葉を喋ったように思えたカモメが現れた。
カモメは、彼にピアノを弾けと言っているようだったので、音楽なんて知らない彼だったが、適当におもちゃのピアノを弾いてみた。

奏でられたそれは、音楽として形になっているかも怪しい、けれど彼は楽しかった。
とても楽しくて、カモメにせがまれるままに、めちゃくちゃに弾き続けた。

もっとだ、もっと自分の音楽を楽しめ!

カモメはそう言っているようだった。
そうしてカモメが去った後も、彼は音楽を奏で続け、その音を世界中を旅して音楽を届けるレオンハルトの船が聞きつけて、彼を船へと乗せてくれたのだ。
それがアルシェの父で、そうして彼はアルシェと出会った。

音楽で満ち溢れたその船で、彼はアルシェの父により、さまざまな楽器を教えられ、どんどん音楽を吸収していった。
そうして何を演奏しても、誰よりも素晴らしい音を奏でる彼は、音楽に愛されているようだったし、彼自身もとても音楽を愛していた。

その後立派に成長した彼は、アルシェの父とアイゼンにより、シャルの王立楽団に。

所が王立楽団で五線譜としてファルガーを受け継いだ彼は、そのせいで自らの音だけが聞こえなくなってしまったのだ。
彼の受け継いだ力は、ベートーヴェンのもの。
晩年難聴により音楽を憎んだベートーヴェンの呪いなのだうか?

音楽を誰よりも愛している彼だったが、そうして奏者としての道を断たれ、指揮者として正しい音楽を導くことに。

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ソプラノは、シャルの街で、晩年のベートーヴェンと出会っていた。
毎日彼の元を訪れては、囀っていると、まるで言葉が分かるかのように、ベートーヴェンはソプラノに話しかけてくれた。

一番近くで彼を見ていた。
音楽を愛するあまり、難聴で音を奪われた事に絶望し、音楽を憎むしか無かった苦しみも。
それでも音楽を愛する気持ちを捨てきれず、晩年誰にも聴かれる事のなかった最後の音楽を残したことも。

だからソプラノは探していた。
大事な相棒だと思っていた彼の最後の音楽を。
いつか生まれてくるのを信じて。
長い長い時間を探し続けた。
色々な鳥に生まれ変わっては、ずっと探し続けた。
お陰で鳥類はコンプリートしてしまう程に。

そうしてオカメインコに生まれ変わったソプラノは、ついに見つけたのだ。
ベートーヴェンの最後の音楽を。
まだ赤ん坊の彼女がそれだと。

だから彼は大事に育てた。
いつも笑って楽しそうに、調子外れの音楽を楽しむ彼女をとても大事に育てた。
そうしてその正体を隠し、彼女がこのまま毎日笑顔で音楽を楽しめればそれが一番いいと、そう思うようになったのだ。

そんな風にソプラノに見守られた彼女は、ファタリテートにスカウトされた事で、ベートーヴェンの力を受け継ぐ彼と出会った。
ベートーヴェンの呪いで、彼の音は彼に聞こえないばかりか、他の誰にも届かないのに、彼女だけは彼の音を聴く事が出来た。
それが彼女の力。
他の人には聴き取れない音も、そこにある想いも、彼女にだけは分かる。
だって彼女は、ベートーヴェンが捨てきれなかった音楽への愛。
そしてそれを伝える力を宿していたから。

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そんな彼女の力が彼を救い、また忘却の使徒をも救った。

忘却の使徒はベートーヴェンの音楽を恨む気持ちから生まれ、だから全ての音が雑音に聞こえ、それを消す力を持っていた。

聞こえない音楽など、消えてしまえばいい!

そんなベートーヴェンの思いから生まれた彼だったから。

彼女や楽団のみんなの音楽を愛する気持ちに触れ、雑音は未だ鳴り止まぬものの、レルムとともに聴く雑音は、そう悪くないと思えたから。

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ハルトの音を聴けるのは相変わらず彼女だけで、未だ演奏する事は叶わないものの、俺が音楽を愛していればそれでいい。

そんな真摯な思いで、今日も正しき音楽を導く彼。その傍らには、うるさいほどによく囀る愛おしい彼女がいるから。

お前の声は心地いい。

そう呟く彼は、以前よりも優しい顔を見せるようになった。

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お前はどうしてそう余所見ばかりするんだ。
いいから黙って俺を見ていろ。
俺の側にいろ。

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