ハイリゲンシュタットの歌【アルシェ】

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ハイリゲンシュタットの歌 - PSVita

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キャラクター紹介

CVは島﨑信長さん。
楽団一の人気奏者で、ヴァイオリンを担当。
ファルガーはヴァイオリンがレイピアに。

楽団の広報担当と言うべき存在。
街に貼り出されるポスターは、彼の笑顔で、取材も彼が担当。彼の人気が楽団の人気を支えている。

息をするように女性を口説き、軽くてチャラい。どんな女性でも口説くが、誰にも本気にならない。

世界中を船で旅して、世界中に音楽を届ける事を使命としているレオポルト家の一人息子。

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感想

割とこう言う本音の見えない人って、実は好きだったりします。
正確には好きと言うより、綺麗な言葉で取り繕った表面じゃなく、その人に見せない内面というか、裏側を知りたい!って衝動に駆られるから。

そう言う意味では、もってこいのキャラクターが彼でした。

ハルトさんに対する彼の気持ちとか、共通だったり、他の人のルートだったり、チラチラと見え隠れしていて。二人の間にあった事が、とても気になっていたので、そう言う部分が見えてくるのがとても楽しかったです。

そして某攻略サイトさまのおススメ攻略順にしたかったのですが、そのお陰でモーツァルトの件も凄くすんなり入ってきましたね!
クラヴィアさんを先に攻略したお陰で、ベートーヴェンの事もチラッと出てたので、凄く納得しましたし、うまい作りだなって思えました。

後、敵だと思っていたフィーアさんとお茶をする事になったりも、なかなか良かったです!

ただ、彼の一番の心配事は、全く解決されてないままなので、FDとか早くだして、彼と安心して付き合えるようにしてほしいなって思いました(笑)

付き合った後も、ビックリするくらい彼女の周りの女性を口説く彼ですが、それでもちゃんと愛してくれてるのが伝わるし、そばについててあげないと消えてしまいそうで心配なこの感じも堪らなくて。最高に好みでした!!

ソプラノとの関係も良かったし、彼のご両親も素敵でした。

何より信長さんの声も演技も本当に素敵でした。
初めて人に対して本気の感情を抱き戸惑ってる様子とか、それでも最終的に余裕で、ちょっとセクシーな感じとか、本当に沢山ドキドキさせてくれました!

信長さん、ステキなアルシェさんをありがとうございました!

ネタバレ

君って本当、俺の思い通りにならなくて、上手に操縦できなくて、おかしくて、ワケわかんなくて…大好き!

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偉大な作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが、シャルの地で難聴を悔いて自ら命を絶つ頃、ベートーヴェンを探し、船で旅に出た作曲家、それが、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。

モーツァルトはベートーヴェンの音楽が好きだった。
だから、もう一度ベートーヴェンの音楽に触れたかった。

なのにベートーヴェンが自ら命を絶ったから。
だから恨むしかなかった。
許せなかった。

そうしてモーツァルトの船は、深い海の底に沈んだのだ。

以来、船で旅をするものは、時折声を耳にする。

美しい音楽と引き換えに、命の音を求める声を。

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彼の家、レオポルト家は、船で旅をし、世界中に音楽を届ける使命を担っていた。

それは格式の高いもので、大抵彼の家の音楽を楽しむのは、訪れた国々の王族や貴族ばかり。

けれどレオポルト家の当主が彼の父に変わった頃から、レオポルト家は変わった。
格式に囚われる事なく、様々な国を訪れては、そこの民族と音楽を楽しむように。

そんな父は、少女のような女性を愛した。
ヴィオラの腕は素晴らしいが、それ以外は何も出来ない。
心も幼いままの女性、エトワール。
それがアルシェの母。

そんな家に生まれた彼は、天才で、幼い頃から彼の奏でるヴァイオリンは、聴くものを虜にした。

音楽は人に届けて、初めて意味のあるものになる。

そう考えていた彼だったから。

どんなにその音色が美しくても、母さんのそれは音楽じゃない。

だから、彼は母を嫌っていた。
でもそれは表面上の事。
それでも心の底では、彼は彼なりに母を愛していたのだ。

けれど母も、彼に疎まれていると感じ、大好きな息子に嫌われたくない一心で、彼を見ないように、意識しないようにと、そう心がけているうちに、いつしか本当に彼の姿が見えなくなってしまったのだ。

それは母の罪悪感も手伝っての事だったのかも知れない。

彼の母は病弱で、先が短い事を知っていた。
だから、モーツァルトの呼び声に応え、ある日、その命の音を、心臓をモーツァルトに渡そうとした時、そこに彼が現れて、

俺のにしておきなよ。
俺の心臓の方が、ずっと綺麗だ。

そう言って母に代わり、彼がモーツァルトと契約を交わしてしまったのだ。

だから彼の心臓は、海の底のモーツァルトに奪われてしまった。

そうして心臓を失った彼は、ハルトを追いシャルの王立楽団へ向かった。

ハルトと彼は幼馴染で、彼の父が、ある日戦争で家族を失い、ひとりぼっちだったハルトを見つけ、船に乗せた。
音楽一家に拾われた彼は、みるみるうちに音楽を吸収し、様々な楽器を演奏するように。

ある日彼がハルトにヴァイオリンを渡すと、彼のヴァイオリンは、とても美しい音色を奏でたのだ。

楽器の声なんて聞こえない俺でも、彼女が俺よりハルトを愛した事はその音ですぐに分かった。

そんな風にハルトはなんでも手に入れた。
音楽を楽しむ事も、楽器の演奏技術も、彼の父の愛情も、彼が見えなくなった彼の母の愛情も、更には彼のヴァイオリンの愛までも。

羨ましかった。
妬ましかった。

そんなハルトは、ある日彼の父の勧めで、シャルの王立楽団へ。

船を降りるハルトと、その事を泣きながら悲しむ母の姿に、彼の胸は痛んだのだ。

その後、それでも母を庇い、心臓をなくした彼は、ハルトを追い王立楽団へ。

それは恨みではなく、モーツァルトと同じ想い。
ただもう一度ハルトと演奏したかったから。

だって心臓を失い、いつ死んでしまうかも分からなかったから。

所が楽団に入ってみると、ハルトは演奏が出来なくなっていて、コンダクターとしてそこにいたのだ。

そうして目的を果たせないまま、彼は楽団の花形として活躍した。

けれどシャルの音楽は、心臓のない彼には辛いもので、公演で音を奏でれば奏でるほど、シャルの音楽が彼を蝕んだ。

それでもそこを去らなかったのは、きっとハルトが好きだから。
演奏ではなくとも、ハルトの導く音楽を共に奏でて居たかったから。

そんなある日、レオポルトの船がシャルを訪れた。

彼を見る事が出来ない、居ないものと思っている母と、それでも母が好きで、部屋に置ききれないほど、母へのプレゼントを用意して渡せない彼。
そんな二人を繋いだのが彼女だった。

彼女とソプラノのお陰で、母になぜ彼が見えなくなったのか、またハルトがそばにいる時だけは、母が彼を見る事ができるから、だからハルトが船を降りた事にあんなにも嘆いていた事など、今まで知る事が出来なかった事を理解出来た彼。

そうして両親の見てくれた公演で、忘却の使徒に襲われながらも、ハルトに導かれ音を奏で続けたお陰で、再び母にも彼が見えるように。

母とのわだかまりも消え、彼女に選んでもらった『祝福』の花言葉を持つポインセチアを送った彼だったが、レオポルトの船を見送り、そのまま楽団に残る事に。

アルシェさんの音楽は、どこでも変わらないのに、船に乗らなくて良かったんですか?

心配して訊ねる彼女に、

音楽はどこでも出来るし、俺の音楽はどこでも変わらないけど、君がいるのはシャルだけでしょ?

と笑う彼。
相変わらずファンに囲まれては、息をするように女性を口説いてはいるものの、彼女だけが彼の特別。

心臓をあげてしまったから、何も感じない、誰も愛せないと思っていた彼だったけれど、そうじゃなかった。
ただ、愛すべき彼女に、出会えて居なかっただけ。

だから今はこんなにも、心臓もないのに、ドキドキしているんだから。

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…でも、俺は君じゃなきゃダメ。
相性はちょっと悪いかも知れないけど、君じゃないと俺、何も感じないんだもん。

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