キャラクター紹介
CVは岸尾だいすけさん。
至誠館の一年生で、トロンボーン担当。
明るく元気な男の子で、部のムードメーカー。
そして主人公を至誠館へと導いた人。
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感想
彼への手紙風にまとめてみました。
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出会いの印象が良くて。
あなたが私の人生に欠かせない人のように思いました。
だって、あなたに会って居なかったら、私は至誠館に入学しなかったと思うから。
迷って、居場所なんてここにはない…と思った時、あなたの音色が私をここへと導いたから。
そんなあたなだから、惹かれてしまったんだと思います。
いざ吹奏楽部に入部してみたら、とても大変な事になっていて。
和気あいあいと楽しい雰囲気というよりは、切羽詰まったような感じ。
そして吹奏楽部に一人だけ弦が交じるという状況。
そんな状況の中、頑張る事が出来たのも、あなたの明るさがあったからだと今あらためて思います。
私だけじゃない。
きっと吹奏楽部のみんなが、あなたの明るさに救われていたと思います。
先輩たちとの夏が終わり、来年は自分が最高学年。
後輩を引っ張って行く立場になると思うと不安になってしまうけれど。
あなたの明るさがその道を照らしてくれるはずだから。
そんなあなたに出会えた事が、至誠館に転校してきてよかったと思う大切な事。
ネタバレ
やっぱりお願いして無理やりより、先輩が自分からしてくれる方がいい。
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出会いは彼女が至誠館に転校する前。
祖父の勧めで仙台の様子を見に行った日だった。
自分とは遠いと感じた仙台の街と、彼女を結びつけたのが彼の演奏だった。
楽しげに伸びやかに響く彼の音色が、彼女の足を止めさせ、仙台へ至誠館へと導いたのだ。
その後、転校して来た彼女は吹奏楽部に入部し、再び彼と出会った。
吹奏楽部は一年前に火積が起こした事件がキッカケで、崖っぷち状態だった。
それに金管だけで構成されていたメンバーに、急に彼女が入る事をすんなり認めては貰えなかった。
けれど部長の八木沢が、中学時代の恩師に楽譜を用意してもらい、彼女のヴァイオリンを加えた編成が完成。
晴れて吹奏楽部の一員となった。
目指すは全国高校音楽祭。
そこで全国優勝する事が彼らの夢だった。
イヤ、夢と言う表現では足りないかも知れない。
それを勝ち得なければ、部の存続自体が危うい状況だったから。
火積の事件でコンクールへの出場の道を絶たれた部員の多くは、長嶺率いるブラスバンド部へと移った。
現在至誠館には吹奏楽部とブラスバンド部が存在する。
どちらも同じような部活動である事から、人数も少ない吹奏楽部を潰そうとする動きがあった。
それを阻止する為には、なんとしても全国優勝を果たし、その実績を学校に示したかったから。
そうして必死に練習する中、さまざまな学校と競い合った。
彼の従兄弟や彼女の幼馴染の居る星奏学院、西の神南高校、そして横浜の天音学園。
彼らとは競い合うだけじゃない、同じ音楽を愛する者として交流する機会もあった。
そうして彼女は、そんな日々の中、次第に昔の自分を取り戻して行く。
明るく人懐っこい彼とは、良く一緒に過ごし、とても仲が良かった。
そんな彼女に彼は「POR FAVORと言ったら頷いて下さい」と言うお願いをして来た。
だから彼からのどんな無茶なお願いも、約束があるから頷く他ない。
それでもイヤな気はしなかった。
彼のお願いを聞くのも、お願いを聞いた事で彼が笑顔を見せてくれる事も。
けれど二人でお揃いのミサンガを買い、楽器ケースにつけているのをみんなに知られた後の事、彼の様子がおかしくなった。
自分から頼んだのに、なんでもお願いを聞いて貰えて嬉しい反面、そんな強制してお願いを聞いて貰ってる事が悲しくも思えて来たからだ。
そんな時、彼女の楽器ケースのミサンガが切れた。
強制のお願いでつけたお揃いだ。
もうそれでお揃いも終わりだと思った。
けれど違っていた。
彼女は切れたミサンガを自らの意思で直してつけてくれていたのだ。
「どうして?」と尋ねる彼に「お揃いが嬉しかったから」と。
あぁ、そうか。
モヤモヤしていたのはこれなのかも知れない。
強制のお願いを叶えて貰ったところで、そこに先輩の意思はない。
でも、先輩が自らの意思でオレの為に何かをしてくれる事は、こんなにも嬉しいんだ。
だから彼はお願いした。
あのお願いを破棄して欲しいと。
初めは軽薄な気持ちだった。
可愛いから仲良くなりたいと言う。
でも今は違う。
共に夏の大会を勝ち抜く中、彼女のいろいろな面を見て来たから。
彼女の音楽に触れて来たから。
もう軽薄な気持ちではなく、彼女を愛おしく思うようになっていた。
そうして全国大会のファイナルのステージで、見事優勝を果たした彼ら。
だから彼は彼女に告げた。
「先輩の事が好き」だと。
そうして彼女も同じ気持ちだと返してくれた。
見事優勝を果たした事で、吹奏楽部は存続出来る事となった。
きっと来年は新しい部員も増えるだろう。
彼女と共に音を重ねられるのは、後一年。
それでも音楽が繋いだ絆だから、きっと卒業したその後も、ずっと二人で寄り添いあって歩んでいける事だろう。
いつも楽しく笑い合いながら。
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