ニル・アドミラリの天秤 色ドリ撫子【鵜飼昌吾】帝都幻惑奇譚

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Nintendo Switch用ソフト 
ブランド:アイディアファクトリー 
ジャンル:女性向け恋愛アドベンチャーゲーム 
発売日:2018年9月20日

 

キャラクター紹介

CVは木村良平さん。
帝都大学の学生で、主人公の弟のヒタキと同じ日に稀モノの影響により自殺を図る。


現在はフクロウの寮となっているアパートで、主人公たちと共に生活をしている。

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感想

初めて会った時は、苦手かな?と思いました。
人を蔑むような横柄な態度も気に障りましたし、女性蔑視な発言も不愉快でした。
けれど杙那さんから聞いたレコード針の話や、玄関前の掃除など、あなたなりに少しでもアパートの生活に馴染もうとしている様子が見えた時、とても嬉しくなりました。


お風呂の事件は本当に驚きましたが、あなたがメモをさり気なくドアに挟んでくれた気遣いに、心がほっこりしました。


そんな風に少しずつアパートに馴染んだように見えたあなたでしたが、時折本を燃やしているのも見て切なくなりました。
その時の表情に、心の闇を感じたから。


そして朱鷺宮さんの事件の時は、本当にどうなる事かと思いましたが、朱鷺宮さんも大事に至らなかったし、あなたも無事でホッとしました。
でもその後どうなってしまうんだろう?と心配していましたが、あれをキッカケにあなたの心に近づく事が出来て良かったです。


尾鷲さんの事件も共に乗り越え、あなたが将来を決意した頃には、出会った頃とは別人のようになっていて。
そんな様子が本当に嬉しかったです。
辛かったと思います。
悲しかったと思います。
苦しかったと思います。
けれどそれら全てを乗り越えたあなたは、とても素晴らしい成長を遂げる事が出来たように思うのです。


そんなあなたと、これから先もずっと一緒に歩んで行きたいと思いました。

 

ネタバレ

みんなが見送ってくれた。
「行ってらっしゃい」って。
だから僕は、あそこに帰らなければならないんだ。
彼女を連れて。



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ヒタキと同じ日に、同じく稀モノにより自殺を図った青年。
それが彼だった。
たしかにあの日、彼女が街へ買い物に出た時、首相の息子の自殺の話をしながら、慌てる記者を見かけたのだ。


弟のことも手伝い、彼を気遣いたいと思った彼女だったが、これがなかなか難しかった。
横柄な態度で隼人たちとも早々にやり合い、女性蔑視な発言をするなど、手強い相手だったから。
彼がアパートに来る事が決まった時、杙梛さんは「物静かで礼儀正しい青年」と彼を評していたが、本人は全くそんな人ではないように見えた。


けれどやりあった際に、ジャズを聴く音量が大きいと指摘された彼は、その後杙梛の店で音が小さくなるようレコードの針を買い換えたり、掃除の件で指摘されれば、自ら箒を握り掃除だってやってみせた。
そう、悪い人ではないのだ。
ちゃんと人の話を聞ける耳を持っている人なのだ。


そんな彼が尾鷲の誕生パーティーに招待された時、彼女はドレスアップして護衛として同行した。
そこで出会った尾鷲は、軍人であるから軍縮を掲げる彼の父である鵜飼首相を良く思ってはいないのだろう。
敢えて彼の起こした事件の話を公衆の面前で持ち出し、恥をかかせるような態度。
さらに彼女を気に入った様子で、しつこく何度もダンスに誘って来たりもした。


そんな尾鷲は、出会いの場であったナハティガルのオーナーの四木沼に、彼女の実家である久世子爵家の経済状況を聞いた。
だから次にナハティガルに彼と共に音楽を聴きに行った時に、彼女に結婚を申し込むと言い出した。
結婚に承諾してくれるのなら、すぐにでも好きな額を支援すると言う尾鷲。
そんな尾鷲の態度に腹立たしさを覚えた彼女は、彼に助け出される形で、ナハティガルを後にした。


けれど車に乗り込むと、彼の様子がおかしい。
楽しそうに音楽を聴きに来たはずなのに。
なぜか彼女をなじるようなことを言う。
僕の護衛を引き受けたのも、ナハティガルには財力のあるものが大勢出入りしているから、そんな人に見初められるチャンスだと思ったからなんだろう…と。


本当はそうじゃない。
ただ悔しかっただけなのだ。
彼女と親しくなったと思っていたのに、尾鷲が知っている彼女の家の事情を自分が知らされていなかった事が。


なのにあんな男の妻となり、あんな男の子を身籠もるのか?…と彼女のそんな未来を想像したら耐えられなくて、腹立たしくて。
そんな自分勝手な怒りを彼女にぶつけてしまったのだ。


そうして彼と彼女は近づきつつあったその距離をまた広げてしまった。


そんなある日、ナハティガルで四木沼が主催しているサロンへ参加した彼は、おかしな様子で帰ってきた。
そしてそのまま銃を構え朱鷺宮を撃った。
幸い避けた事で、致命傷にはならず腕を怪我しただけに留まったが、その直後今度は彼は自分のこめかみに銃を当て、死のうとするのだ。


明らかにおかしな彼の様子に、彼女は必死に「昌吾」と呼びかける。
そしてついに彼に声が届き、彼女が彼に抱きついた隙に隼人たちにより取り押さえられた。
その後気を失った彼は部屋で寝かされ、最初は翡翠が彼に付き添っていた。
その後朱鷺宮に「私のことは気にする必要はないからな」と伝言を頼まれた彼女が交翡翠と代わり、目覚めた彼とそこで結ばれた。


事件を起こした事が、逆に彼に本心を曝け出させるキッカケとなったのだろう。
今まで自分のとった態度を詫び、本心はそうじゃない…と言う話をする事が出来たのだ。
だから伝えられた、本当は好きなのだ…と。
そして彼女もその気持ちを受け入れ、自分も好きだと伝え、二人は結ばれた。


だからだろう。
あんなにも大きな事件を引き起こした彼なのに、翌日朱鷺宮に頭を下げ、その後アパートの皆とも打ち解けたのだ。
みんなも自然に彼を気遣い、彼がみんなの輪に入ろうとする態度を、自然に受け入れてくれたから。


みんなが優しかった。
でもそれだけじゃない。
彼が変わろうと努力しているのを、みんなが見てきたから。


そんな夜の事だった、彼の発砲事件で一度総理官邸へ戻っていた雉子谷が戻り、首相が息子を案じているからと彼を連れ出した。
更には彼女のことを朱鷺宮がよく伝えてくれたから、直接会ってお礼を言いたいと首相から頼まれたと、彼女までも連れ出したのだ。


彼があんな事件を起こしたのは、ナハティガルで百舌山に催眠術をかけられたからだった。
だから彼が狙われている事は明白で、二人が出かけるのも皆案じていた。
けれど向かう先が総理官邸なら、日本のどこよりも警備は厳重だ。
それで案じながらも「行ってらっしゃい」と送り出してくれたのだ。
そんな仲間たちの言葉が嬉しかった彼は「すぐ戻る」と約束して出かけたのだ。


しかしそれは尾鷲の罠だった。
彼の側近だった雉子谷が金に目がくらみ裏切ったのだ。
そうして彼らは首相官邸ではなく、人気のない所に立つ屋敷へと連れて行かれたのだ。
するとそこには彼が自殺未遂をする原因となった本を書いた笹乞が居た。
そこで笹乞に知らされたのだ。
彼が読んだ本は、笹乞の本が好きな彼を消すために、百舌山の薬を用いて笹乞に書かせた稀モノだった…と。


それだけでも充分ショックだったのに、そこに尾鷲が現れ追い討ちをかける。
今回の一連の事件は、笹乞のシナリオによるものだったと尾鷲に知らされたのだ。
朱鷺宮が無事だった事など、いくつかシナリオの変更はあったものの、これから屋敷では朱鷺宮暗殺未遂事件を犯した彼が、自らの罪を悔い恋人と無理心中を図る。
そしてそこに尾鷲が駆けつけ、なんとか彼女だけを助け出した。
命を救われた彼女は、尾鷲の妻となる…と言うシナリオだそうだ。


そんな身勝手な尾鷲の話に吐き気話を覚えた彼女は、こんな所でこんな人たちの思い通りにさせてたまるか…と心を奮い立たせた。
そうしてどうせ助からないのなら、最後に彼を抱きしめたいから縄を解いて欲しいと。
女の身だから、縄を解いた所で出来る事なんてたかが知れてるでしょ?…と尾鷲たちを説き伏せ、縄を解いて貰ったのだ。
そうして彼女は言葉通り彼に抱きついた。
太腿に仕込んだナイフを、その直前にそっと握りしめて。


そうして抱きつきながら後ろ手に縛られた彼の腕の縄に切り込みを入れ、そっとナイフを手渡した。
尾鷲に気づかれないように…と耳打ちをした彼女は、尾鷲たちの注意を自分に向けるため、嘆いて見せた。


そうしている間に彼は縄を切る事に成功し、隙を見て尾鷲を蹴り倒した。
その時尾鷲の手から離れた銃は彼女が滑り込んで手にし、尾鷲たちへと銃口を向けた。
するとそのタイミングで、朱鷺宮たちが駆けつけてくれたのだ。
警察を引き連れて。


彼らが首相官邸へ行くと出かけた直後、彼の父がアパートに彼宛に電話をくれた事で、彼らが首相官邸へ招かれてはいないことをしったフクロウのメンバー達は、警察から派遣されている燕野の協力の元、二人の行方を捜査。
まだ日本に数台しか入っていない彼の車を調べ、その珍しさからあちこちの警察官の目撃情報を頼りに、二人の居場所を探し当ててくれたのだった。


そうして尾鷲も尾鷲の友人でもある四木沼も逮捕され、彼を巻き込んだ一連の事件は終焉を迎えた。


アパートでの出会いや、彼女や朱鷺宮のような男性社会で頑張る女性の活躍を目の当たりにした事。
更には今回の稀モノ絡みの事件に巻き込まれた事は、彼の中で大きな糧となったのだろう。
彼は帝都大学を卒業後は、父親の元で政治を学ぶ事に決めたのだ。
きっと彼の中に作りたい未来が見えて来たのだろう。
今後世界情勢や国内の政局がどう変わるかは分からない。
それでも彼のような有望な若者がいる限り、少しずつかもしれないが、確実にいい方向へと未来は動いて行く事だろう。
そして彼の隣には、彼を助け支えてくれる彼女が居てくれる事だろう。


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取り敢えず僕の許嫁になってみないか?
いや、取り敢えずと言うのは、別に軽んじてる訳じゃないからな。
ただお前さえ良ければ、今度こそ本当に父に挨拶に…。

 

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