キューピット・パラサイト【全体の感想】

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Nintendo Switch用ソフト 
ブランド:アイディアファクトリー 
ジャンル:女性向け恋愛ADV 
発売日:2020年8月20日

オトメイトさんのNintendo Switch用ソフト「キューピット・パラサイト」の全体の感想を評価ポイント、残念ポイントに分けてまとめました。

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評価ポイント

ここは良かった!という評価ポイントをいくつかご紹介したいと思います。

設定が面白い

ブライダルアドバイザーとして縁結びする主人公。
彼女が実は本物のキューピットという設定が大変おもしろかったです。

また神様についても詳しく説明されている所や、ギリシャ名と英語名と、神様にはそれぞれ違う呼び方がある事など、本当に細かく調べて作られているな…と感心しました。
そして大変勉強になりました。
ゲームをプレイしつつ、新しい知識を得られるなんて、本当に有り難いです。
ゲーム絡みで得た新たな知識って、普通に覚えるよりも記憶に残りやすいので、嬉しい要素だったと思います。

攻略キャラが個性的

キャラが個性的な所が大変良かったです。
これも個性が強すぎると、またまとまりがよくなかったりするんですよね。
にも関わらず、こんなにも個性が強いメンバーなのに、それぞれちゃんと絡めてる所もすごいなって思いました。

また最初は個性が強く引いてしまった所もありました。
それは攻略キャラだけでなく、作品的にも個性が強く感じる作品であったと思います。
それでもプレイしているうちに、その世界観に染まって行ける、馴染んでいける作りになっていたように感じました。

そして個性の強いキャラたちも、物語が進むに連れて、彼らを理解したり受け入れたり出来る要素が上手に散りばめられていたように感じました。

映画と絡めている所

神界で暮らす主人公が人間界で生活するようになる展開の作品です。
当然人間界に関する知識はゼロ。
そんな彼女は、神の中でも人間界に詳しく、人間界への愛に強い叔母のミネルヴァにより人間界の事を学びました。
その学び方が映画を利用したものだったのです。

もちろん最初は叔母に誘われて、彼女のイチオシの映画を見るという流れ。
それが次第に積み重ねられて、彼女の中に人間界に関する知識が蓄積されていくという感じでした。

でもそれは彼女が人間を知るための手段に過ぎないだろうと思っていたのです。

所が、彼女がたくさんの映画を見てきた事が、その後の物語の中に活かされているんですよね。
きっと映画が好きで、映画に詳しい方がシナリオを担当されていたのかな?
映画をちゃんと作中に活かしてくれた事が、大変うれしく、素晴らしいと感じました。

特に木村良平さん演じるギルに絡んでいた映画が、トランスフォーマーシリーズのスピンオフ的作品「バンブルビー」だった事。
トランスフォーマー本編でも、少しだけバンブルビー話す所があったのですが、そこでは木村良平さんではなかったんです。
所が「バンブルビー」の映画が出来て、初めて木村良平さんがバンブルビーの声の担当となったのです。
現在ではNetflixオリジナルアニメの「トランスフォーマー」でも、木村良平さんはバンブルビーを演じています。

内容的には、トランスフォーマーのバンブルビーかな?って感じでしたが、木村さんがキャストのキャラのシナリオに、ここまで絡めてくれた事が本当に楽しくて嬉しかったです。

内容的に難しくはあると思いますが、その調子で螢彩院くんもスパイダーマンだと良かったな…とは思ってしまいました(笑)
私の中で榎木淳弥さんはスパイダーマンなのです(笑)

ボリュームがすごい

とにかく長いです。
共通が長くて長かったのではなく、キャラ個別のシナリオが十分すぎるボリュームでした。
個別に入ってからの、使い回し的な要素がない所も素敵だと思います。

更には隠しキャラまでもがシナリオが長い事。
たいてい隠しキャラって、真相的な部分がメインで、そこまで長くなくて。
キャラ自体を愛する前に終るイメージですが、この作品に関しては全くそんな事ありません。
隠しキャラも一人の攻略キャラとして扱ってくれていました。
おまけではありませんでした。

そんな所にも、制作サイドの作品愛を感じて、プレイしていて嬉しくなりました。

読めるようで読めない

推理しながら見るタイプの作品がドラマや映画でも好きです。
そのせいか、乙女ゲームでも作品が隠している真相を常に探りながらプレイしています。
そして割と勘がいいのか、結構いい確率で読める事があるんですよね。

この作品に関しては、全く読めない訳じゃなかったんです。
一部は読めたんです。
でも全てが読みきれなかった。
完全に私の負けです(笑)

でも全く読ませない作りではなく、少し読ませてくれる辺り、うまいなって思いました。
読ませてあげるけど、真相まではたどり着けないでしょ?という感じで。
三蔵法師の手のひらの上にいた孫悟空のような(笑)
手のひらで転がされたな…という、気持ちのいい敗北感がありました(笑)

残念ポイント

惜しいな…と思った残念ポイントをあげて行きたいと思います。

ラウルがちょっと贔屓されてるな…と感じた点

ラウルがありありと贔屓されてない?と思えてしまった所は残念だったかな?と思います。
衣装のパターンも他のキャラより多く、それに併せて、セリフの所に小さく出る主人公まで、衣装や髪型がチェンジされていて。
そのバリエーションは、他のキャラにも作ってほしかったです。

衣装のバリエーションが多いせいか、立ち絵のパターンまで多いのかな?と思えてしまいました。

また映画スターだから仕方ないかと思いますが、シナリオに出て来る映画の数もすごくて。
途中から現実世界のどの作品かな?と作品探しをするのが面倒になる程。

ここでラウルの作品として「プラダを着た悪魔」を使っていて。
そのまま螢彩院くんの時もその作品なのが、なんか寂しく感じましたし。

誰を好きになるかは人それぞれ。
作品の攻略キャラは、全員平等に扱われる方が好ましいですね。

十字キーを多用したシステム

Lスティックが使えない事が大変不便でした。
オトメイトさんって、選択肢では結構使わせてくれなくて。
十字キーを使わざる得ない局面はあるのですが、この作品はことごとく十字キーなのが残念でした。
十字キーとLスティックの位置関係的に、十字キー使いづらいんです。

ポータブルで使用するイメージで作られているのかも知れません。
それでも、Switchってテレビ出力の方が画質が上がるシステムですよね?
なのでテレビで出来る環境の人、テレビでプレイしたい派の人もいると考えて作って欲しいなと思いました。

要望が多いと、作る側としては大変だと思います。
元々乙女ゲームって、ポータブルが主流でしたから。
私もSwitchに出会うまで、テレビでプレイなんて考えてもみなかったてのです。
でもテレビで見た方が美しいのです!
それにほぼ等身大の彼らと会う事が出来るのです。

どちらでも楽しめることを前提として、システムやキーについて検討していただけると有り難いと思いました。
これに関しても少数派だと自覚しています。
でも小さな声程届きづらいものだと思うので、私は何度も何度も伝え続けます(笑)

長すぎて辛い

かなり長いです。
ボリューム満点は長所でもありますが、短所に成ることもあるかな?と。
あまり長いと「○○のくだり要らなくないか?」なんて事も考えてしまう訳ですよ。

長くて楽しめたという気持ちと、もう少し短くてもいいかな?という気持ちと半々です。

そんな事もあり、初心者さんにはキツイ部分もあるのかな?とは思いました。
長い作品も大好きですが、すべての作品が長いと、乙女ゲームのお休み期間を設けないと辛くなってしまいそうなので、長い作品とサクサク進める作品と、両方存在していてくれるといいなって思いました。

全体の感想

総合的に高得点

全体で見て、プラス要素が圧倒的に多い作品だと思います。
長いという点でも、長い作品が好きな方には、十分なボリュームだと満足してもらえると思います。

ただ長い作品って、共通部分のあれ要らないかな?と思ってしまいがちです。
なので共通部分は不必要に長くならないように、キャラ全員の事がサラッと知れる程度でいいのかな?とは思います。

長い事と十字キーが多用過ぎて操作性が良くない事以外は、概ね満足です。
とても良く作られている作品でした。

制作サイドの愛を感じる

丁寧に作られている作品でした。
ポップな色使いやデザインも、すごくアメリカンで良かったです。
バスタフェロウズとは、また違ったアメリカンな要素が素敵だと思いました。

シナリオもよく出来ているし、異世界の事も丁寧に描かれていたように思います。
立ち絵もスチルも、手を抜かれている所がなかったのが良かったです。

随所に制作サイドの愛を感じる事の出来る作品だったと思います。

映画ネタ満載

シナリオライターさんが映画好きなのかな?と思う作り。
たくさんの映画ネタが散りばめられていました。
ラウルに関しては、多すぎて途中で作品探しを断念してしまいましたが、「なるほど、○○のあのシーンね!」って思いながらプレイするのが楽しかったです。

映画好きさんにはぜひプレイして頂きたいと思いました。
何より木村さんのバンブルピッグネタが最高だなって思いました。

そんな遊び心もあるこの作品を、多くの方にプレイして頂けたら私も嬉しいです!

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