キャラクター紹介
CVは宮野真守さん。
横浜天音の三年生で、ピアノを担当。
主人公の最初の試練のアンサンブルから力になってくれた人。
彼の目的は恋を知る事で、彼女と共に恋の実験を行う中絆を深めた。
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感想
今回はちゃんと感想も書いてあったので、普通の感想です(笑)
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すごく良かったです。
恋を知りたいって言う展開は、元々の天宮さんのシナリオと被りますが、今回はなぜそう思ったのか?と言う部分が大変深く掘り下げられて居たように思います。
天宮さんは自分でアレクセイの人形と言って居ますが、感情が見えない人形っぽい部分があるので、函館のあの家の事も、以前から知ってはいるものの、その事に対して彼の抱いている想いも伝わりづらかったのに、今回はその辺りも大変よく伝わりました。
恋を知る前と知った後、彼の変化に関してもコルダ3の頃よりも顕著に現れていて、その変化の大きさもとても嬉しく感じました。
そして最終的に彼が手に入れたものにも、凄く泣かされましたね。
本当に素敵でした。
ネタバレ
僕は恋を手に入れた。
音楽を手に入れた。
それがこんなに苦しい事とは知らなかった。
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必要ないと捨てられた人形。
技術は申し分ないはずだ。
けれど彼には情感のこもった演奏が出来ない。
だから人の心に響かない。
また聴きたいとは思わせない。
そんな彼だから切り捨てられた。
だから恋を知りたかった。
恋い焦がれる気持ちとはどんなものか?
それを知る事が出来れば、何か変わるかも知れないから。
そんな彼の学校にやってきた転校生。
それが彼女だった。
必要のない楽譜を紙飛行機にして飛ばして居たら、その飛行機が彼女と出会わせてくれた。
彼女と幼馴染は、共に横浜天音へ転校してきたものの、冥加に必要ないと受け入れて貰えなかった。
そうして課題としてアンサンブルで実力を証明してみろ…と言われたのだ。
だから彼は恋の実験に付き合って貰うと言う条件の元、彼女のアンサンブルに加わったのだ。
その時は軽い気持ちだった。
以前アレクセイに恋をしてみなさい…と言われたから、なんとなく始めた実験だったのに。
彼女と共に過ごす中、彼は次第に恋を知るようになったのだ。
彼女はいつもまっすぐだったから。
技術的には褒められるが、人の印象に残らない彼の演奏も、彼女は最初から好きだと言ってくれた。
いつも彼が演奏のことを話す度に、ずっと好きだと言い続けてくれた。
そしてある時、彼の演奏を聴いて泣いてくれた人が居た時も、自分も泣きそうだ…と喜んでくれたのだ。
いつだって暖かかった。
いつだって寄り添ってくれた。
彼が熱で心細くて、彼女の声を聴きたいと電話した時も、彼の様子がおかしいと気づき会いに来てくれた。
本当は今も函館のあの家で1人で、これは夢なんじゃ…と弱気な事を言えば、手の温もりで1人じゃないと教えてくれた。
彼女のくれた一つ一つが暖かくて優しかった。
だからアンサンブルのメンバーも変わった。
初めは冥加の歯車でしかなかったのに、いつしか絆が芽生えていた。
互いが互いを思いやるようになっていた。
そんな環境の中、彼女に心を奪われ奏でる彼の音色は、とても美しくなった。
技術的な美しさだけでなく、心に響く音色になったのだ。
それをアレクセイは見逃さなかった。
彼を必要ないと捨てたのに、演奏が良くなったからとまた拾った。
そして函館に連れて行くと言い出した。
ずっとあの人に認められたかったはずなのに。
いざそうなった時、彼の望みは変わっていた。
アレクセイと函館へ行くより、横浜天音のみんなとアンサンブルを奏でたい。
彼女の隣でピアノを弾いていたいと思うようになったから。
それでも世界的指揮者に逆らえば、音楽の世界で生きる事は難しい。
彼には音楽しかないから。
だからどんなに彼に望みがあっても、逆らう事は出来なかった。
そうして「行きたくない。君と一緒にいたい」と言う思いで空港まで来た時、彼を呼ぶ声が。
そう、それは彼女の声。
彼を引き止めに来てくれたのだ。
どこにいようと、あの函館の家にいた時のようにいつも1人だった。
居場所なとなかった。
けれど彼女が現れて全てが変わった。
横浜天音に、アンサンブルメンバーの中に、そして彼女の隣に、彼の居場所ができたのだ。
だから彼はアレクセイに逆らい、横浜天音へと戻った。
その先の未来が険しくなっても構わない。
それでも彼女と居たかった。
そうして彼らは全国高校音楽コンクールファイナルで見事優勝を果たした。
それだけではない。
このコンクールでは、最も人の心を動かした奏者に市民賞が贈られるのだが、今年の市民賞は彼が受賞したのだ。
機械みたいに、ただ技工が素晴らしく正確なだけのピアノだったのに。
今は沢山の人の心を震わせる音を奏でられるようになったから。
簡単な事だったのだ。
彼が彼女の音楽に恋をしてしまったように、その思いを音にすると、彼の音を通して聞いた人々がまた彼女に恋をする。
そう言う事だったのだ。
届けたい音色が、届けたい相手が、届けたい想いがあるから、だから彼の音は沢山の人の心へと届いたのだ。
アレクセイに逆らった事で、コンサートの出演がキャンセルになったりとトラブルもあった。
それは今後も続くのかもしれない。
それでもアレクセイに逆らって彼が手に入れたものは大きかった。
その恋が、彼の音をこんなにも変えてくれたのだから。
人の心に響く音色を奏でる彼だから、いつかきっとアレクセイにも届くはず。
彼の想いが、彼の夢が。
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脆い翼でも、ただ風に流されるだけじゃなく、羽ばたくことが出来るなら。
飛べるかもしれない。
それがどれほど暗い嵐の空だったとしても。
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